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【発明の名称】 |
熱交換用耐食・耐摩耗性伝熱管とこれを用いた加熱炉および焼却炉 |
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【氏名】村上 昌吾 【氏名】白石 幸弘 |
【課題】流動床式ボイラや焼却炉内等に配置される交換用伝熱管の如く、過酷な腐食雰囲気と摩耗を受ける環境に曝された場合でも、優れた耐食性と耐摩耗性をしめす熱交換用伝熱管を提供すること。
【解決手段】金属管の外表面の全部もしくは一部に、Cr: 12〜17%(質量%を意味する、以下同じ)、B:2.5〜4.5%、Si:3.0〜5%、C:0.4〜0.9%を含むNi基自溶性合金よりなる保護皮膜が形成されることにより、腐食と摩耗を受ける過酷な環境下でも腐食とエロージョンを起こさず、耐摩耗性も良好で耐久寿命の優れた熱交換用耐食・ 耐摩耗性伝熱管と、該伝熱管を熱回収部に配置した加熱炉および焼却炉を開示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換用伝熱管であって、金属管の外表面の全部もしくは一部に、Cr: 12〜17%(質量%を意味する、以下同じ)、B:2.5〜4.5%、Si:3.0〜5%、C:0.4〜0.9%を含むNi基自溶性合金よりなる保護皮膜が形成されていることを特徴とする熱交換用耐食・ 耐摩耗性伝熱管。 【請求項2】 前記保護皮膜中にはCr・B化合物が分散しており、且つCr/B比が3〜5である請求項1に記載の伝熱管。 【請求項3】 C量が0.4〜0.6%である請求項1または2に記載の伝熱管。 【請求項4】 金属管が鉄基金属管であり、保護皮膜中には更に他の元素としてFe:5%以下(0%を含まない)及び/又はCo:1%以下(0%を含まない)が含まれている請求項1または2に記載の伝熱管。 【請求項5】 保護皮膜中に、更に他の元素としてMo:4%以下(0%を含まない)及び/又はCu:4%以下(0%を含まない)が含まれている請求項1〜4のいずれかに記載の伝熱管。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の耐食・ 耐摩耗性伝熱管が熱交換用として配置されていることを特徴とする加熱炉。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の耐食・ 耐摩耗性伝熱管が熱交換用として配置されていることを特徴とする焼却炉。 【請求項8】 焼却炉が流動床式のごみ焼却炉であり、前記耐熱・ 耐摩耗性伝熱管が流動床を形成する砂層内に配置されている請求項7に記載の焼却炉。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換用耐食・ 耐摩耗性伝熱管とこれを用いた加熱炉および焼却炉に関し、例えば流動床式ボイラや焼却炉内等に配置され、過酷な腐食雰囲気と摩耗を受ける環境に曝された場合でも、優れた耐食性と耐摩耗性を発揮する熱交換用の伝熱管と、該伝熱管を配置してなる加熱炉および焼却炉に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば都市ごみなどの焼却炉では、燃焼によって生じる排熱をエネルギー源として有効利用するため、内部に排熱ボイラーを配置して発電に利用する例が増大している。この場合、排熱ボイラーの一部品として焼却炉内に配置される熱交換用の伝熱管は、排ガス中に含まれるHCl,SOx などにより過酷な腐食環境に曝される。また、最近伝熱効率の向上を期してその使用が増大してきている流動床式焼却炉では、流動する高温(650〜800℃程度)の伝熱媒体(通常は砂)によって過酷な摩耗環境に曝される。 【0003】そこで、こうした過酷な損耗環境に曝される熱交換器用伝熱管については、腐食や摩耗の抑制を期して幾つかの改良技術が提案されている。 【0004】例えば特公平2−32522号公報には、流動床式ボイラ内に配置された伝熱管の摩耗を抑制するため、耐摩耗性の鋳鋼プロテクターで保護する方法を開示しており、また特開平8−232031号や同10−46315号公報には、多量のCrを含有するNi基合金によって保護皮膜を形成し、特に伝熱管の耐食性を高めることによって寿命延長を図る技術が開示されている。 【0005】ところが、上記特公平2−32522号公報に記載の方法では、鋳鋼プロテクターによって流動砂との接触が回避され伝熱管の摩耗は防止されるが、腐食性ガスとの接触は避けられない。しかも鋳鋼プロテクタは耐食性が乏しく、短期間の内に腐食減肉するので長期間の使用には耐えない。加えて、伝熱管にはかなり高重量の該鋳鋼プロテクタの荷重がかかり、運転時の振動が加わる伝熱管が疲労破壊を起こす危険も生じてくる。 【0006】また前記特開平8−232031号や同10−46315号公報に記載の方法では、腐食性ガスに対する抵抗力は高められるものの、流動床を構成する砂との接触による耐摩耗性については十分な考慮が払われておらず、伝熱管の表面に形成された耐摩耗性被覆(Cr酸化物皮膜)は高温の摩耗条件下で短期間の内に剥離するので、伝熱管の耐久寿命を十分に延長することはできない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高温で苛酷な腐食環境下でしかも過酷な摩耗雰囲気に曝される前述の様な用途に適用した場合でも、機械的な負荷を生じることなく優れた耐食性と耐摩耗性を長期的に発揮し得る様な熱交換用伝熱管を提供し、更には該熱交換用伝熱管を使用することによって、部品寿命を延長して交換頻度を減少し稼動効率の高められた加熱炉および焼却炉を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成し得た本発明に係る熱交換用耐食・ 耐摩耗性伝熱管とは、熱交換用金属管の外表面の全部もしくは一部に、Cr: 12〜17%(質量%を意味する、以下同じ)、B:2.5〜4.5%、Si:3.0〜5%、C:0.4〜0.9%(より好ましくは0.4〜0.6%)を含むNi基自溶性合金よりなる保護皮膜が形成され、表面の耐食性と耐摩耗性を共に改善したところに特徴を有している。 【0009】上記本発明の伝熱管においては、前記保護皮膜として、その内部にCr・B化合物が分散しており、且つCr/B比が3〜5であるものとすれば、伝熱管としての耐食性と耐摩耗性を一層優れたものとすることができるので好ましい。また、前記金属管として鉄基金属管を使用する場合は、保護皮膜中には更に他の元素としてFe:5%以下(0%を含まない)及び/又はCo:1%以下(0%を含まない)を含有させることにより、鉄基合金管に対する保護皮膜の密着性を高めることができるので好ましい。 【0010】また、前記保護皮膜中に、更に他の元素としてMo:4%以下(0%を含まない)及び/又はCu:4%以下(0%を含まない)を含有させれば、該皮膜の耐食性を更に高めることができる。 【0011】そして本発明の上記伝熱管は非常に優れた耐食・ 耐摩耗を有しているので、これを熱交換用伝熱管として配置した加熱炉や焼却炉、殊に、流動層として砂層を有する流動床式の炉に適用した場合でも、その耐熱・ 耐摩耗寿命を大幅に延長することができ、該伝熱管の寿命延長によってその交換頻度を著しく少なくすることができ、連続運転の稼働率が高められると共に、維持・管理性やメンテナンス性の高められたものとして本発明の保護範囲に含まれる。 【0012】 【発明の実施の形態】上記の様に本発明では、熱交換用伝熱管を構成する金属管の外表面に、Cr,B,Si,Cの各含有量が特定されたNi基自溶性合金よりなる保護皮膜を形成することによって、伝熱管の耐食性と耐摩耗性を高めたものであり、それにより、例えば砂などの伝熱媒体を利用して伝熱効率を高めた流動床式の加熱炉や焼却炉用の伝熱管として用いた場合でも、その寿命を著しく延長することができる。 【0013】そして本発明では、上記の様に表面保護皮膜の形成によって耐食・耐摩耗性を高めたところに特徴を有しているので、該保護皮膜が形成される金属管の種類は特に制限されず、例えばアルミニウム基合金やチタン基合金などを使用することも可能であるが、コストや耐熱性、高温強度などを総合的に考えて最も一般的なのは鉄鋼管やステンレス鋼管などの鉄基金属管である。 【0014】次に、金属管の外表面に形成される耐食・耐摩耗性皮膜の構成素材について、成分組成を前述の様に定めた理由を説明する。 【0015】本発明において耐食・耐摩耗性保護皮膜を構成する素材としては、Ni基自溶性合金が選択される。これは、耐食性と耐摩耗性に優れた皮膜形成材のベース組成としてNi基合金が最も有効であるからであり、しかもこの皮膜は、通常金属管の表面に溶射法などによって被覆した後、該皮膜を再加熱溶融することによって基材金属管との界面に気孔欠陥などを生じることなく高度の密着性を確保するため、自溶性合金であることが必須となる。 【0016】そして、該Ni基自溶性合金中に含まれる元素の種類と含有量は、Cr: 12〜17%、B:2.5〜4.5%、Si:3.0〜5%、C:0.4〜0.9%であることが必須となるが、これら元素の種類と含有率を定めた理由は次の通りである。 【0017】Cr: 12〜17%Crは、保護皮膜の耐食性を高めるうえで欠くことのできない元素であり、Cr含有量が12%未満では耐食性不足となって伝熱管の耐久寿命を十分に延長できなくなる。しかしCr含有量が多すぎると、使用条件下で該保護皮膜の表面に形成される酸化保護皮膜が剥離を起こし易くなり、保護効果が却って劣化してくるので、17%以下に抑えなければならない。 【0018】Cr量に関しては、例えば前記特公平8−232031号公報などにもみられる如くCr含有率を高めるほど耐食性は向上するというのが常識的な考えであり、そのため高度の耐食性が求められるNi基保護皮膜形成材料中に含まれるCr含有量は、通常20%以上とされている。ところが本発明者の研究によると、本発明にかかる伝熱管の如く摩耗と腐食を同時に受ける用途に適用される保護皮膜では、Cr含有量が高くなり過ぎると該皮膜の表面でCr酸化物皮膜が剥離を起こし易くなり、保護皮膜としての機能が却って低下してくることが確認された。 【0019】ちなみに、保護皮膜の腐食だけを考慮すると、皮膜表面におけるCr酸化物(Cr2 O3 )の生成を助長するためCr濃度は高い方が有効と思われるが、本発明の如く腐食と共に摩耗を受ける条件下では、腐食と共にエロージョン(侵食)を抑制することが必要であり、そのためにはCr含有量を17%以下に抑えなければならないことが確認された。なお本発明において、Cr量をむしろ低めに抑えることにより腐食とエロージョンが共に抑えられる理由は必ずしも明確にされたわけではないが、保護皮膜内においてスピネル構造の酸化物(NiCr2 O4)が生成し、また後述するBの存在によってCr・B化合物が生成して腐食とエロージョンが抑えられ、表面に形成される酸化皮膜の剥離が抑えられたものと考えている。 【0020】こうしたCrの効果を有効に発揮させる上でより好ましいCr含有量の下限は15%であり、より好ましい上限は16.5%である。 【0021】B:2.5〜4.5%上記の様に、Bは保護皮膜内でCrと反応してCr・B化合物を形成し、エロージョンを抑えて酸化皮膜の剥離を抑える作用を有しており、その効果を有効に発揮させるには2.5%以上含有させなければならない。しかし、B含有量が多くなり過ぎると、皮膜中に固溶するCr濃度が低下し、皮膜表面におけるCr酸化物の形成が不十分になる傾向が生じてくるので、4.5%以下に抑えなければならない。こうしたBの利害得失を考慮してより好ましいBの下限値は3%、より好ましい上限値は4.2%である。 【0022】本発明においては、上記の様にCrとBの共存によって生成するCr・B化合物により耐エロージョン性を高めることができ、従って該保護皮膜内にはCr・B化合物が微細分散状態で存在しているところに大きな特徴を有しているが、こうしたCr・B化合物生成と微細分散をより促進するには、保護皮膜内のCr/Bの含有比率が「3≦Cr/B≦5」の範囲となる様に各元素の含有比率を調整することが望ましい。 【0023】Si:3.0〜5%Siは保護皮膜の腐食を抑制する上で欠くことのできない元素であり、3.0%未満では満足のいく耐食性が得られなくなる。しかしSi量が多すぎると保護皮膜が脆弱になって耐摩耗性を維持できなくなるので、5%以下に抑えなければならない。耐食性と耐摩耗性の両面を考慮してより好ましいSi量の下限は3.5%、より好ましい上限は4.0%である。 【0024】C:0.4〜0.9%Cも耐エロージョン性を高めて酸化皮膜の剥離を抑える作用を有しており、その効果を有効に発揮させるには0.4%以上含有させなければならない。しかし、C量が多すぎると耐食性が低下するばかりでなく、保護皮膜が脆弱になって耐摩耗性も悪くなるので0.9%以下に抑えるべきである。エロージョンと腐食を共に抑える上でより好ましいC含有量は0.4〜0.6%の範囲である。 【0025】上記の様に本発明では、Ni基合金被覆の腐食とエロージョンを抑えると共に、耐摩耗性を高めるための要件としてCr,B,Si,Cの各含有率を規定するが、更に他の元素としてMo:4%以下(0%を含まない)及び/又はCu:4%以下(0%を含まない)を含有させると、保護皮膜としての耐食性と耐エロージョン性を更に高めることができるので好ましい。 【0026】即ちMoは皮膜の耐食性を高め、またCuは耐エロージョン性を高める作用を有しており、それらの効果はごく微量でも発揮されるが、好ましくはMoを2%程度以上、Cuを2%程度以上含有させることによってより効果的に発揮される。また、適量のMoとCuの両方を含有させれば、耐食性と耐エロージョン性の両方を更に高めることができる。 【0027】但し、Mo,Cuのいずれについても含有量が4%を超えるとNi基合金被覆が脆弱になって耐摩耗性が悪くなるので、それぞれ4%以下、より好ましくは3.5%以下に抑えるべきである。 【0028】また金属管として鉄基合金管を使用する場合は、Ni基合金中にFeとCoの1種または2種を適量(好ましくはFeは1%程度以上、Coは0.3%程度以上)含有させると、該保護皮膜の基材金属管に対する密着性が高められ、保護皮膜としての耐久寿命を更に延長できるので好ましい。但し、Fe,Coの含有量が多すぎると、保護皮膜の耐食性が低下傾向を示す様になる他、保護皮膜表面に形成される酸化皮膜が剥離し易くなるので、Feは5%以下、より好ましくは4%以下、Coは1%以下に抑えるべきである。 【0029】本発明において保護皮膜を構成するNi基合金の必須構成元素と好ましい含有元素は上記の通りであり、残部成分は実質的にNiであるが、前述した保護皮膜としての性能を阻害しない範囲で、上記以外の元素を少量含有するものであってもよく、それらは全て本発明の技術的範囲に包含される。 【0030】Ni基合金よりなる上記保護皮膜の肉厚は、使用環境下で受ける腐食・摩耗の程度や要求される寿命の程度によって変わってくるので一律に規定することはできないが、通常は0.5〜2mm程度、より一般的なのは0.8〜1.5mmの範囲である。 【0031】また上記保護皮膜の形成法も特に制限されないが、一般的なのは、前述した成分組成のNi基合金を用いて溶射法等により金属管の表面に皮膜形成し、次いで1050〜1100℃程度に加熱して再溶融させ、金属管と皮膜の間に生じることのあるボイドなどの欠陥を解消しつつ金属管表面との密着性を高める方法である。 【0032】この時、保護皮膜は金属管の全面に形成することも勿論可能であるが、伝熱管としての配置位置によっては、その一部は前述した様な腐食・摩耗環境に曝されないこともあるので、その様な場合は、腐食・摩耗に曝される部位のみに保護皮膜を形成することは、経済的な無駄をなくす意味から有効である。 【0033】かくして得られる本発明の熱交換用耐食・耐摩耗性伝熱管は、過酷な腐食と摩耗に曝される部位に配置した場合でも優れた耐久寿命を発揮する。従って、その様な環境に曝されるあらゆる用途に有効に利用することができ、殊に流動床式の加熱炉や焼却炉などに熱交換用として配置することにより、その効果は最大限有効に発揮される。しかしながらその用途はそれらに限定されるわけではなく、例えば通常の加熱炉やごみ焼却炉に適用した場合でも、伝熱管は浮遊夾雑物などを相当量含んだ高温の腐食性ガスに曝される場合が多いので、その様は一般用途の伝熱管として適用した場合でも耐久寿命を大幅に延長できる。 【0034】なお、通常の都市ごみ焼却炉発電用の熱交換用伝熱管として実用化する場合、熱交換管が配置される部位における排ガス中の腐食性分はHClが数百ppm程度、SOxが数十ppm程度で、酸素量は10%程度以下であり、エロージョンは殆ど生じないが、前述の如く流動床式の加熱炉や焼却炉の如く流動する砂層内に伝熱管を配置して熱回収を行う場合、該熱回収部におけるHClやSOxの濃度は通常10ppm程度以下の比較的低濃度であるが、酸素量は10〜20%程度と比較的高く、しかも流動する砂層との接触によって過酷な摩耗に曝されるので顕著なエロージョンを引き起こす。しかしながら本発明の耐食・耐摩耗性伝熱管を使用すれば、その様な過酷な摩耗環境部位に配置した場合でも、優れた耐摩耗性を維持しつつ砂との接触による摩耗に十分耐え、エロージョンの問題を生じることなく長期的に連続運転することが可能となる。 【0035】即ち、本発明の前記耐食・耐摩耗性伝熱管を熱回収部位に配置した加熱炉や焼却炉、とりわけ流動床式の加熱炉や焼却炉は、伝熱管の優れた耐久寿命によってその交換頻度を大幅に少なくすることができ、炉内部品としての保全・管理、補修などを含めたメンテナンス性を高めることができる。しかも本発明の伝熱管は、新設の加熱炉や焼却炉内に設置し得る他、既設の加熱炉や焼却炉の熱交換用伝熱管に取り替えて設置し、その効果を有効に発揮させることも勿論可能である。 【0036】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。 【0037】実施例下記表1に示す化学成分Ni基自溶性合金を使用し、外径38.1mm×厚さ4mmのSUS 310S鋼管の表面に通常のフレーム溶射法によって被覆し(厚さ:約100mm/1パス)、次いで高周波誘導加熱により下記の条件で再溶融処理することにより、最終厚さが約1mmの保護皮膜を形成した。 (再溶融処理条件) 昇温速度:室温〜950℃までは約2℃/秒、950℃以上は約5℃/秒再溶融温度:1050〜1100℃再溶融後の冷却速度:放冷【0038】得られた各伝熱管を流動床式実験炉の砂層内に配置し、下記の条件で保護皮膜形成伝熱管の損耗量(1000時間連続運転後における平均減肉量)を調べた。 (実験炉操業条件) (1) 砂層構成:砂の平均粒径;約700μm、砂の嵩密度;約1.5g/cm3 、砂の種類;けい砂、砂層温度;750〜800℃(2) 伝熱管温度:過熱管;約550℃、蒸発管;約330℃、温水管;約200℃(3) ごみ質:布;約65%、木、竹;約15%、合成樹脂;約10%、不燃物;約2.5%(4) ごみ処理量: 800kg/h【0039】結果を表2に示す。尚表2には、比較対照例として50%Cr−50%Ni溶射被覆管、Hastelloy C22溶射被覆管およびSUS 310S鋼単管、Incoloy 825および同625単管について行った結果を併記した。 【0040】 【表1】
【0041】 【表2】
【0042】表1,2より次の様に考えることができる。No.11〜16は本発明の規定要件を全て満たす実施例であり、砂層内に配置される過熱器管、蒸発管、温水管の何れにおいても減肉量が少なく、何れも優れた耐食・ 耐摩耗性を有していることが分かる。中でもNo.15,16は、C量およびCr/B比がより好ましい範囲に入る例であり、高温の過熱器管に適用した場合でも特に優れた耐食・ 耐摩耗性を有している。 【0043】またNo.3,4は、鉄基金属管を対象とする場合の保護皮膜中のFeまたはCo量が好適範囲を僅かに外れる例であり、高温の過熱器管用としての耐食・ 耐摩耗性がやや劣る。 【0044】上記以外のものは、何れも本発明で定める何れかの要件を外れる例であり、上記実施例に比べて特に高温で適用される過熱器管用や蒸発管用として用いた時の耐食・耐摩耗性がかなり劣っている。 【0045】 【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、熱交換用伝熱管を構成する金属管の外表面に、Cr,B,Si,Cの各含有量が特定されたNi基自溶性合金よりなる保護皮膜を形成することによって、伝熱管の耐食性と耐摩耗性を著しく高めることができ、高温で苛酷な腐食と摩耗を受ける環境にされる例えば流動床式の加熱炉や焼却炉用の伝熱管として用いた場合でも、その寿命を著しく延長することができ、更には該熱交換用伝熱管を加熱炉や焼却炉の熱回収部位に配置することによって、伝熱管の寿命を著しく延長することができ、その交換頻度の減少により連続運転の稼動率を高めると共に、設備の保全・管理を含めたメンテナンス性の高められた加熱炉および焼却炉を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
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| 【出願日】 |
平成10年10月12日(1998.10.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067828 【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−119781(P2000−119781A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月25日(2000.4.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−289837 |
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