| 【発明の名称】 |
フェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 正信
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| 【要約】 |
【課題】フェロマンガン製造時に副成するスラグについて、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるスラグを減らすこと。
【解決手段】電気炉または転炉にマンガン鉱石などのマンガン酸化物、固体炭素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるフェロマンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に、前記副成スラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気炉または転炉にマンガン鉱石などのマンガン酸化物、固体炭素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるフェロマンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成スラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いることを特徴とする、フェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法。 【請求項2】 前記転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成スラグを吹練開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加すること、又は溶銑装入前に前記転炉に入れ置きすることを特徴とする請求項1記載のフェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるスラグ量の低減を図るべく、溶融還元精錬によるフェロマンガンを製造する際に副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副原料およびマンガン源として用いるようにした、フェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】フェロマンガンは、電気炉あるいは転炉において、マンガン鉱石などのマンガン酸化物を石炭,コークス等の固体炭素物質(熱源および還元材として機能するもの)、および造滓材とともに加熱,溶融,還元して製造される。この溶融還元精錬によるフェロマンガンの製造時に副成するスラグ(以下、フェロマンガン製造副成スラグという)は、質量%で、T.Mn:10〜50%、SiO2 :10〜50%、CaO:10〜40%、MgO:1〜10%、Al2 O3 :5〜15%、という化学組成を有している。そして、該スラグについては、従来、その多くが埋立処理などの廃棄処理されており、一部について例えば次のように再利用・再使用されている。 【0003】■レンガの着色剤として再利用されているものの、需要が少なく再利用される量は極めて少ない。■フェロマンガン製造時にマンガン源として再使用する。すなわち、スラグ中に残留しているマンガン成分をできる限り利用すべく、フェロマンガンを製造する際に、還元剤としても機能する固体炭素物質、あるいはSi,Al,Ca等の還元力の強い元素を多く含む合金鉄とともに、再使用すべく溶融させたフェロマンガン製造副成スラグを添加することが行われている。また、■スラグ中に含まれているCaO,MgO成分を活用するため、高炉に装入する焼結鉱をつくるための焼結原料に混ぜて再利用されている。 【0004】しかし前記■の従来技術では、再使用されるフェロマンガン製造副成スラグは、マンガン源として活用されているものの、CaO,Al2 O3 ,MgOなどの他の成分については活用されていない。また、併用される還元剤が酸化することによりスラグ発生量自体は再使用の前後でほとんど変化せず、埋立処理などの廃棄処理されるスラグ量の低減につながっていない。 【0005】また、前記■の従来技術では、フェロマンガン製造副成スラグのCaOおよびMgO成分は活用されているものの、該スラグはAl2 O3 の濃度が10%程度と高いことから、これを希釈するために焼結原料にあらたに余分に低Al2 O3濃度の原料を配合する必要があり、このため高炉スラグ発生量が増えてしまうという不具合がある。なお、焼結原料のAl2 O3 の濃度が低いことが求められる理由は、高炉スラグ中のAl2 O3 濃度が高いと該スラグの粘性が高く、これによって高炉内通気性や排滓性が悪くなって高炉操業に悪影響をもたらすので、これを回避するためである。 【0006】さらに、この前記■の従来技術では、フェロマンガン製造副成スラグのマンガン酸化物の濃度が高いことから、還元性雰囲気である高炉内で該マンガン酸化物がMnに還元される際に吸熱反応が生じ、熱効率の低下を招く。このように、焼結原料として不必要なAl2 O3 などの成分を高濃度に含有していることから、フェロマンガン製造時の副成スラグをコストアップを伴って焼結原料として再利用していることになる。 【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、溶融還元精錬によるフェロマンガンの製造時に副成するスラグを、溶銑の転炉精錬における副原料およびマンガン源として用いることにより有効に再利用することができるようにした、フェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、請求項1の発明は、電気炉または転炉にマンガン鉱石などのマンガン酸化物、固体炭素物質および造滓材を装入し溶融還元精錬によるフェロマンガンを製造する際に副成するスラグを再利用する方法であって、転炉で溶銑を鋼に精錬する際に、前記副成スラグを精錬用副原料およびマンガン源として用いることを特徴する、フェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法である。 【0009】請求項2の発明は、前記請求項1記載のフェロマンガン製造時の副成スラグの再利用方法において、前記転炉で溶銑を鋼に精錬する際に前記副成スラグを吹練開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加すること、又は溶銑装入前に前記転炉に入れ置きすることを特徴とするものである。 【0010】 【発明の実施の形態】このような特徴を有する本発明について説明する。フェロマンガン製造副成スラグは、マンガン成分を10〜50%程度と多く含有し、転炉精錬におけるマンガンの供給源となり得、従来に比べて、転炉内に添加するマンガン鉱石の使用量を減らしたり、転炉出鋼時に取鍋内へ添加するフェロマンガン,シリコマンガン,金属マンガンなどのマンガン添加目的の合金鉄の使用量を減らしたりすることができる。また、フェロマンガン製造副成スラグは、SiO2 を10〜50%程度と多く含有し、転炉精錬におけるSiO2 の供給源となり得、従来に比べて、転炉スラグの塩基度調整の目的で添加するろう石,珪石,蛇紋岩などのSiO2源となる精錬用副原料(造滓材)の使用量を減らすことができる。 【0011】また、フェロマンガン製造副成スラグは、CaOを10〜40%程度と多く含有し、転炉精錬におけるCaOの供給源となり得、従来に比べて、転炉スラグの塩基度調整の目的で添加する焼石灰,石灰石,軽焼ドロマイト,生ドロマイトなどのCaO源となる精錬用副原料の使用量を減らすことができる。さらに、フェロマンガン製造副成スラグは、MgOを1〜10%程度含有し、転炉精錬におけるMgOの供給源となり得、従来に比べて、転炉内耐火物の溶出抑制の目的で添加する軽焼ドロマイト,生ドロマイト,蛇紋岩などのMgO源となる精錬用副原料の使用量を減らすことができる。 【0012】フェロマンガン製造副成スラグは、融点が1300℃程度と例えば珪石単独の場合に比べて相当に低く、一度溶融されたプリメルト品であるため、転炉に添加されると短時間で容易に溶融する。また、Al2 O3 成分は転炉スラグの融点を下げる働きをする。さらに、マンガン酸化物成分および含有金属マンガン分が酸化されて生成するMnOによっても転炉スラグの融点が下がる。このため、フェロマンガン製造副成スラグは、転炉内へ添加された焼石灰などの造滓材の滓化を促進させる効果がある。その結果、滓化促進の目的で使用する蛍石の使用量を従来に比べて減らすことができる。これはまた、環境保全上問題のあるフッ素を多く含む蛍石の使用量を減らす点からも有用である。 【0013】このように、フェロマンガン製造副成スラグは、転炉で溶銑を精錬する際に精錬用副原料およびマンガン源として有効に再利用することができる。この結果、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるフェロマンガン製造副成スラグを従来に比べて大幅に減らすことができ、環境保全に寄与できる。また、転炉精錬での副原料の溶融に必要な熱エネルギーが従来に比べて少なくすむ。 【0014】本発明の実施にあたり、製鋼用転炉としては還元性能に優れた上底吹き型転炉が望ましい。さて、溶銑はそのまま転炉で精錬する場合と、溶銑段階で脱珪・脱リン処理を行ってから転炉で精錬する場合がある。本発明の方法は、後者の脱珪・脱リン処理が行われた予備処理銑の精錬に適用する方がより効果が大きい。すなわち、予備処理銑はSi濃度が低くこれに起因して転炉での精錬時に発生するSiO2 が低いので、転炉で脱リン目的で投入される焼石灰などの造滓材が滓化しにくいため、塩基度調整目的でろう石などのSiO2 源を多く必要とするとともに、滓化促進の目的で蛍石を多く必要とする。これに対して本発明の方法では、先に述べたようにSiO2 を多く含有するとともに滓化促進効果を持つフェロマンガン製造副成スラグを用いるようにしているので、SiO2 源や蛍石の使用量の低減効果がより発揮される。また、発生する転炉スラグ量が未処理溶銑に比べて少ない予備処理銑に適用する方が、マンガンの歩留りの点においても効果的である。また、熱エネルギーについては、製鉄所内の合金鉄工場でのフェロマンガン製造副成スラグを熱間状態で転炉に装入するようにすれば、熱エネルギーがより有効に活用できる。 【0015】本発明では、転炉で溶銑を精錬するに際し、フェロマンガン製造副成スラグを吹練開始前もしくは吹練途中に溶湯上に添加しても、又は溶銑装入前に転炉に入れ置きしても差し支えない。 【0016】 【実施例】転炉容量240トンの上底吹き型転炉において、普通鋼を溶製すべく該転炉に主原料として溶銑とスクラップを装入し、表1に示すように精錬用副原料とともにフェロマンガン製造副成スラグを投入して吹練を行った。精錬終了後の出鋼時とその後の溶鋼処理段階とにおいて成分調整のために取鍋内溶鋼にフェロマンガンを添加した。 【0017】本実施例1〜5で使用したフェロマンガン製造副成スラグの化学成分は、質量%で、SiO2 :25%、CaO:23%、MgO:3%、Al2 O3 :11%、T.Mn:23%、である。実施例1〜5および比較例1における溶銑は脱珪・脱リン処理がなされた予備処理銑であり、その化学成分は、質量%で、Si:0.3%、P:0.030%、Mn:0.30%、である。また、実施例1〜5では、フェロマンガン製造副成スラグは吹練途中に溶湯上に添加した。製品については、質量%で、Pの上限値:0.015%、Cの目標値:0.30〜0.60%、Mnの目標値:0.50%である。 【0018】フェロマンガン製造副成スラグは、マンガン源としての役割を担うとともに、SiO2 源、CaO源及びMgO源としての役割を担い、さらに滓化促進の効果を持っており、フェロマンガン製造副成スラグを用いた実施例1〜5では、該副成スラグを使用しない比較例1に比べて、ろう石(SiO2 源)、焼石灰(CaO源)、軽焼ドロマイト(MgO源)および滓化促進用の蛍石の使用量を減らして吹練を行った。そして、出鋼時および溶鋼処理段階で取鍋内溶鋼にフェロマンガンを添加し、製品規定値に合わせて成分調整を行った。結果を表1に示す。 【0019】 【表1】
【0020】表1に示すように、実施例1〜5によると、比較例1と同様に、吹止時のP濃度が規格上限値0.015%以下を満足する脱リンを行うことができた。また、吹止時のMn濃度は該副成スラグを使用することで比較例1に比べ高くなり、成分調整のために精錬終了後取鍋溶鋼に添加したフェロマンガンの使用量を比較例1よりも減らすことができた。 【0021】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によると、溶融還元精錬によるフェロマンガンの製造時に副成するスラグを、製鋼用転炉で溶銑を精錬する際に精錬用副原料およびマンガン源として有効に再利用することができ、これにより精錬用副原料コストを下げることができるとともに、フェロマンガン製造時に副成するスラグについて、再利用されずに埋立処理などの廃棄処理されるスラグ量を従来に比べて大幅に減らすことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
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| 【出願日】 |
平成11年4月9日(1999.4.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105692 【弁理士】 【氏名又は名称】明田 莞
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| 【公開番号】 |
特開2000−297313(P2000−297313A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−102736 |
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