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【発明の名称】 木炭チップ製造装置
【発明者】 【氏名】宮本 忠

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】吸気ダクトと排気ダクトを備えるとともに上方に投入口と下方に排出口を備え、木材チップを前記投入口から入れて降下させながら燃焼させて炭化することにより木炭チップを生成して前記排出口から排出するように構成された筒状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の底板に垂直に軸着されるとともに炭化炉本体外部に備えられた回転駆動装置によって炉内で回転する略ドラム形の筒状回転体と、を備える木炭チップ製造装置において、複数の通気用貫通穴を穿設した耐熱板を前記炭化炉本体の内壁面に対して間隔1cm〜10cmの隙間を設けつつ全周にわたって配設したことを特徴とする木炭チップ製造装置。
【請求項2】吸気ダクトと排気ダクトを備えるとともに上方に投入口と下方に排出口を備え、木材チップを前記投入口から入れて降下させながら燃焼させて炭化することにより木炭チップを生成して前記排出口から排出するように構成された筒状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の底板に垂直に軸着されるとともに炭化炉本体外部に備えられた回転駆動装置によって炉内で回転する略ドラム形の筒状回転体と、を備える木炭チップ製造装置において、前記筒状回転体の内部に炭化炉本体の外部より空気を供給する供給手段を備えるとともに前記筒状回転体に通気穴を設けたことを特徴とする木炭チップ製造装置。
【請求項3】吸気ダクトと排気ダクトを備えるとともに上方に投入口と下方に排出口を備え、木材チップを前記投入口から入れて降下させながら燃焼させて炭化することにより木炭チップを生成して前記排出口から排出するように構成された筒状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の底板に垂直に軸着されるとともに炭化炉本体外部に備えられた回転駆動装置によって炉内で回転する略ドラム形の筒状回転体と、を備える木炭チップ製造装置において、前記筒状回転体が前記炭化炉本体に対して前記底板とともに脱着自在とする脱着手段と、前記底板と前記筒状回転体が前記炭化炉本体の下方に予め設けられた収容空間にまで垂直移動可能とする上下可動手段と、を備えていることを特徴とする木炭チップ製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として廃材等を粉砕してなる木材チップを適度に燃焼させて木炭チップにする木炭チップ製造装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木炭チップ製造装置は、主に鋸屑、木片、木皮等の林産廃材を粉砕して概ね均一な大きさとした木材チップを原料にし、これを炭化して炭素含有純度の高い良質の木炭チップを工業的に連続生産する装置である。
【0003】その基本システムは、例えば図5に示される木炭チップ製造装置20のフローシートから判るように、吸気ダクト1A、1Bと排気ダクト2を備えるとともに上方に投入口3と下方に排出口4を備え、図示しない搬送コンベア等によって上部に運んだ原料の木材チップmを前記投入口3から入れて降下させながら着火(最初の着火は例えば灯油バーナーによる)、燃焼させて炭化することにより最終的に木炭チップMを生成して前記排出口4から排出されるように構成された筒状の炭化炉本体7と、前記炭化炉本体7の底板8に垂直に軸着されるとともに炭化炉本体7外部に備えられた図示しないモータ駆動の回転駆動装置によって炉内でゆっくりと回転する略ドラム形の上部が円錐状になったドラム部と下部の笠状体とスクレーパー部で構成される筒状回転体9と、を備えており、加えて燃焼ガスGは前記排気ダクト2を通って炭化炉本体7に併設されたサイクロン集塵機11でダストdを集めてダストボックス12へ収納してクリーンな排ガスCGを排気塔13から排出するようになっている。また、前記排出口4から排出された木炭チップMは水冷しながらスクリューコンベア15を通して篩16にかけて異物を除去した後、木炭収容ボックス17に最終的に収容される。なお、符号18は空気供給ファンである。
【0004】また、例えば特公昭55−4685号公報には、木炭チップ製造装置における炭化炉内での木材チップの炭化過程及び炭化炉本体の排気ガス循環に特徴を有する木炭チップ製造装置の構造が記載されている。
【0005】即ち、図6の正面断面図に示されるように、木炭チップ製造装置30の構造は、原料となる木材チップmを降下させながら乾留及び燃焼させて炭化させ、木炭チップMを生成する炭化炉本体31と、該炭化炉本体31の上部に設けられ原料チップmが投入される投入口32と、炭化炉本体31の底板33に設けられ生成された木炭チップMを排出する排出口34と、炭化炉本体31の下側の炉壁に設けられ空気を供給する複数の空気供給口35と、空気供給口35より下側の炉壁に設けられ燃焼ガスを排気する排気口36と、炭化炉本体31の上側に設けられ燃焼ガスから生成した加熱ガスを炭化炉本体31内に吹き込む吹き込み口37と、炭化炉本体31の中間に設けられ加熱ガスを吸引する吸引口38と、排気口36及び吸引口38に連通し吸引ファン(図示せず)に接続された排気ダクト39とを備え、炭化炉本体31の上側を原料チップmに加熱ガスを接触させる乾留室31Aとして構成し、炭化炉本体31の下側を乾留室31Aから降下した原料チップmを燃焼させる精錬室31Bとして構成している。
【0006】炭化炉本体31内に入れられた原料チップmにバーナー等で着火すると、前記精錬室31Bで燃焼が行われるので、燃焼ガスが吸引ファンによって吸引されて排気口36から排出される。排気されたガスは排ガス燃焼炉40で燃焼させられ、これにより発生する加熱ガスが乾留室31Aの上側の吹き込み口37から乾留室31A内に供給され、乾留室31A内の原料チップmの乾留に供される。精錬室31Bにおいては、炉壁にアーム41によって固定され上部が円錐面形状のドラム42と精錬室41Bの炉壁との間の収容空間43で乾留された原料チップmが燃焼させられ、この燃焼により炭化した木炭チップMは底板33の上部で回転する笠状体44に受けられ、笠状体44の回転によって該笠状体44の外周部と炉壁との間に形成された間隙45から底板33に落下していく。底板33に落下した木炭チップMは、笠状体44の下面のスクレーパ46によって排出口34に掻き出される。
【0007】このようにして、木材の原料チップmが順次炭化炉本体31の中を降下しながら炭化させられて木炭チップMが生成されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の木炭チップ製造装置20及び30では、木材チップmとともに廃材に含まれていた異物、例えば砂や土、ガラス質、金属等が炉内で高温によって強く焼き締められて塊になった所謂「クリンカー」が炭化炉本体の内壁面に恰も鍾乳洞に見られるツララの如く付着してしまい、その厚さは数回の使用で数センチに達する。そして、付着したクリンカーは使用の度に成長して時々自重にて剥げ落ちてくるので、出来上がった製品としての木炭チップに大量に混入したり、前記間隙45に挟まったりして炭化炉内の異常音源や回転駆動装置の駆動モータへの過負荷を生じ、また、排出口4、34の詰まりの原因となったりする。
【0009】然るに、炭化炉本体7、31内の壁面のクリンカー除去作業を頻繁に行う必要があるが、厚く付着したクリンカーの除去作業は大変な労力と時間を要する。
【0010】また、クリンカーを耐火煉瓦等からなる内壁面から剥がそうとすると壁面の一部が一緒に剥げ落ちてしまうことが多く、メンテナンス作業は容易ではない。
【0011】また、前記筒状回転体9や前記ドラム42は生鉄製が一般的であるが、この表面も高温に曝されるのでクリンカーが付着する。
【0012】したがって、炉内の内壁面や筒状回転体9にクリンカーが付着しないようにすることがメンテナンス上望ましい。
【0013】また、メンテナンス作業を行うに際しては、炭化炉本体内部に作業者が入る必要があるが、従来は炭化炉本体7、31を一旦分解して底部に設置された筒状回転体9を取り出すという面倒な作業が必要であった。
【0014】本発明は上記従来の木炭チップ製造装置20、30のメンテナンス上の問題点に鑑みてなされたものであり、クリンカーの付着防止、延いては炭化炉本体のメンテナンス作業の効率化を図った木炭チップ製造装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)吸気ダクトと排気ダクトを備えるとともに上方に投入口と下方に排出口を備え、木材チップを前記投入口から入れて降下させながら燃焼させて炭化することにより木炭チップを生成して前記排出口から排出するように構成された筒状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の底板に垂直に軸着されるとともに炭化炉本体外部に備えられた回転駆動装置によって炉内で回転する略ドラム形の筒状回転体と、を備える木炭チップ製造装置において、複数の通気用貫通穴を穿設した耐熱板を前記炭化炉本体の内壁面に対して間隔1cm〜10cmの隙間を設けつつ全周にわたって配設したことを特徴とする木炭チップ製造装置を提供することにより上記課題を解決する。
【0016】(2)また、前記筒状回転体の内部に炭化炉本体の外部より空気を供給する供給手段を備えるとともに前記筒状回転体に通気穴を設けたことを特徴とする木炭チップ製造装置を提供することにより上記課題を解決する。
【0017】(3)さらに、前記筒状回転体が前記炭化炉本体に対して前記底板とともに脱着自在とする脱着手段と、前記底板と前記筒状回転体が前記炭化炉本体の下方に予め設けられた収容空間にまで垂直移動可能とする上下可動手段と、を備えていることを特徴とする木炭チップ製造装置を提供することにより上記課題を解決する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は本発明に係る木炭チップ製造装置の炭化炉の構造を説明するための正面断面図である。図2の(a)は本発明に係る耐熱板を取り付けた炭化炉本体の壁面の横断面図であり、(b)はその部分拡大図である。図3は本発明に係る耐熱板の構造を説明するための図である。図4は本発明に係る筒状回転体の脱着手段と上下可動手段を説明するためのメンテナンス時の図である。
【0020】図1において、木炭チップ製造装置の炭化炉50は、炭化炉本体57(上段57A、中段57B、下段57Cから成る)の高さが6m程度、内径が2m程度の筒状であって、内側の耐火煉瓦層(斜線部)を囲むように外側を鉄板で覆っており、複数の吸気口を炭化炉本体57の周囲にリング状に配設した吸気ダクト51(上段51Aと下段51Bから成る)と排気ダクト52を備えるとともに上方に投入口53と下方に排出口54を備え、木材チップmを前記投入口51から入れて降下させながら着火、燃焼させて炭化することにより最終的に木炭チップMを生成して前記排出口54から排出するように構成されている。符号55は上部蓋である。また、前記炭化炉本体57の底板58には、垂直に軸着されるとともに炭化炉本体57外部に備えられたモータ駆動の回転駆動装置59によって炉内で回転する略ドラム形の筒状回転体60(上部が円錐面形状のドラム60Aとその下方に配した笠状体60Bとスクレーパ60Cとから成る)と、を備えている。
【0021】そして、特に図3に示されるような通気用貫通穴P(直径20mm程度)を多数穿設した厚さ9mm程の耐熱鋼製の耐熱板61を図2に示されるように前記炭化炉本体57の内壁面Hに対して間隔s=1cm〜10cm(3cm程度が好ましい)の隙間を設けつつ全周にわたって配設していることを第一の特徴とする。
【0022】上記耐熱板61は図1のように吸気ダクトの上段51Aと下段51Bの吸気口の位置に対応するように上段部分と下段部分に分けて各々内壁面Hの曲面に合わせて左右方向に湾曲する曲面として中心角45度で1枚として、合計8枚にて全周を取り囲むように各側縁にて内壁面Hに鋲止めしてある。なお、図3に示されるように、耐熱板61の上端部61aは閉じており、下端部61bは開放されていて、吸気ダクト51Aまたは51Bから吸入した空気を前記隙間に拡散させつつ通気用貫通穴Pと下端部61bを通して炉内に送り込むように構成されている。
【0023】ここに、上記耐熱板61はクリンカー付着防止作用を有しており、炭化炉内壁面Hから数センチの間隔sの隙間を保って配設されると、炭化炉本体57の壁面の吸気ダクト51A、51Bを通して供給される空気(常温)が炭化炉内壁面Hと耐熱板61との隙間に拡散するので該隙間の温度は炉中心側の温度に比して十分低い温度となり、内壁面Hは勿論のこと耐熱板61自身の炉中心側の温度も低くなって、炭化炉本体57の内壁面H及び耐熱板61にクリンカーが付着しにくくなる。蓋し、クリンカーは高温となった壁面に付着し易く低温の壁面には付着しにくい性質を有しているのである。
【0024】次に、図1の木炭チップ製造装置の炭化炉50は、前記筒状回転体60の内部に炭化炉本体57の外部より空気を供給する供給手段W(例えば図1に示されるように筒状回転体60を回転させるシャフト内を通ってコンプレッサー65にて圧縮空気を送る)を備えるとともに前記筒状回転体60に通気穴R(直径20mm程度)を16個程度周囲に設けたことを第二の特徴とする。
【0025】この点、従来は非常に高温になる筒状回転体の変形、損傷が激しく、表面にはクリンカーが付着してしまうのでメンテナンスに費用と労力を要していた。
【0026】然るに、前記筒状回転体60の内部に外部から空気が供給されると筒状回転体60の表面も炉内温度よりも低くなって高温による変形、損傷やクリンカーの付着が防止されることとなる。
【0027】したがって、上記第一の特徴及び第二の特徴によって、炭化炉本体57や筒状回転体60のメンテナンス作業の容易化、耐久性の向上が図られるのである。
【0028】次に、本願に係る図1の炭化炉50では、前記筒状回転体60が前記炭化炉本体57に対して前記底板58とともに脱着自在とする脱着手段Dと、前記底板58と前記筒状回転体60が前記炭化炉本体57の下方に予め設けられた収容空間K乃至K′にまで垂直移動可能とする上下可動手段Eと、を備えていることを第三の特徴とする。
【0029】詳細には、図4に示されるように、炭化炉本体57の底板58に軸着された筒状回転体60と、これを駆動する回転駆動装置59(インバータモータと減速ギアの組み合わせ)は底板58とともに炭化炉本体57の下端辺縁部分に等間隔に配設された8カ所の油圧シリンダ(例えば復動形油圧シリンダ)による前記底板58との締め付けフック金具63によって脱着自在に固定されている。且つ、前記底板58は炭化炉本体57の外壁に上端64aを固定された4つの油圧シリンダ64(例えば図のような復動形2段テレスコシリンダ)の下端64bが周辺に接続固定されており、図示しない油圧ポンプによって油圧シリンダ64が伸縮することにより垂直移動可能になっている。なお、図1及び図4に示されるように、炭化炉本体57はその下方に上記筒状回転体60と回転駆動装置59を完全に垂下離脱させるための収容空間K乃至K′(地下凹部)が設けられていることが肝要である。
【0030】上記脱着手段Dと上下可動手段Eの構成によって、図4に示されるように、メンテナンス時は炭化炉本体57から筒状回転体60と回転駆動装置59を底板58とともに収容空間K乃至K′に垂直に移動させて炭化炉本体57から取り外すことで炭化炉本体57の底部58が開口されて炭化炉本体57や筒状回転体60のメンテナンス作業を容易に行うことが可能になるのである。勿論、再装着の作業も油圧シリンダによる脱着手段Dと上下可動手段Eによって簡単に行えることは言うまでもない。
【0031】なお、本発明で問題とする砂や土が高温にて焼結したクリンカーは内壁面Hや筒状回転体60に付着せずにそのまま木炭チップMとともに回収されて、一旦水槽に浸けられて分離される。蓋し、木炭チップMは水に浮いて回収されて乾燥されTE最終的な製品となるが、クリンカーは水よりも重く水槽の底に沈殿するので容易に分離できるのである。
【0032】以上詳述したように、本発明の木炭チップ製造装置は、従来問題とされていたクリンカーの炭化炉への付着を防止して耐久性を向上でき、且つメンテナンス作業の効率化を実現できるのであって、誠に有用な発明であることは毫も疑いない。
【0033】
【発明の効果】本発明の木炭チップ製造装置は、上記のように構成されているため、以下のような優れた効果を有する。
【0034】(1)炭化炉内壁面に隙間を配して設けた耐熱板によって、クリンカーが内壁面に付着せず、クリンカー除去作業が不要となり、耐久性が向上する。
【0035】(2)筒状回転体の内部に空気を供給して筒状回転体の温度を下げる構成によって、変形、損傷を回避するとともにクリンカーの付着を防止するので、クリンカー除去作業が不要となり、耐久性が向上する。
【0036】(2)筒状回転体とその回転駆動装置が底板とともに炭化炉本体に対して脱着自在且つ上下可動な構造であるため、炭化炉のメンテナンス作業が格段に容易となる。
【出願人】 【識別番号】592120210
【氏名又は名称】株式会社宮本製作所
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
【公開番号】 特開2000−87043(P2000−87043A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−263760