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【発明の名称】 ポリブタジエン組成物
【発明者】 【氏名】木村 健治

【要約】 【課題】無酸素下での熱劣化および酸素存在下での酸化劣化に対し優れた安定性を示すブタジエン組成物を提供する。

【解決手段】ポリブタジエンと、式(I)イメージ ID=000002
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリブタジエンと、式(I)
(R1、R2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)で示されるアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤と、下記式(II)
(R3は、炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは1〜4の整数を、Xはヘテロ原子および/または環状基を含んでいても良いn価の炭素数1〜18のアルコール残基を表す。)および式(III)
(R4は、炭素数1〜8のアルキル基を、 R5、R6は、それぞれ独立に水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mは1〜3の整数を表す。Yはm価の基を表し、mが1の場合は水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mが2の場合はイオウ原子、酸素原子または炭素数1〜4のアルキリデン基を、mが3の場合は1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリメチレン基を表す。)で示される化合物群から選ばれる少なくとも1種のアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤とを含有することを特徴とするポリブタジエン組成物。
【請求項2】アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤の分子量が、220以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤が、n-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカン、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス((オクチルチオ)メチル)-o-クレゾールから選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜2記載の組成物。
【請求項4】ポリブタジエン100重量部に対して、アクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)を0.005〜1.5重量部、アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤を0.01から1.5重量部含有することを特徴とする請求項1〜3に記載の組成物。
【請求項5】ポリブタジエンに、式(I)
(R1、R2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)で示されるアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤と、下記式(II)
(R3は、炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは1〜4の整数を、Xはヘテロ原子および/または環状基を含んでいても良いn価の炭素数1〜18のアルコール残基を表す。)および式(III)
(R4は、炭素数1〜8のアルキル基を、 R5、R6は、それぞれ独立に水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mは1〜3の整数を表す。Yはm価の基を表し、mが1の場合は水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mが2の場合はイオウ原子、酸素原子または炭素数1〜4のアルキリデン基を、mが3の場合は1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリメチレン基を表す。)で示される化合物群から選ばれる少なくとも1種のアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤とを含有せしめることを特徴とするポリブタジエンの安定化方法。
【請求項6】アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤の分子量が、220以上であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤が、n-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカン、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス((オクチルチオ)メチル)-o-クレゾールから選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項5〜6記載の方法。
【請求項8】ポリブタジエン100重量部に対して、アクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)を0.005〜1.5重量部、アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤を0.01から1.5重量部含有せしめることを特徴とする請求項5〜7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリブタジエン組成物に関し、詳しくはアクリレート基を有する特定のフェノール系酸化防止剤とアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤とを含有することを特徴とするポリブタジエン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】ポリブタジエンは、製造工程や加工工程さらには製品の保管時において、熱や酸素の作用により劣化することが知られている。こうしたポリブタジエンの熱・酸化劣化を防止するために、種々の熱・酸化劣化防止剤をポリブタジエンに含有せしめたポリブタジエン組成物が提案されている。
【0003】例えば、2-t-ブチル6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレートを含有せしめたポリブタジエン組成物、2,4-ジ-t-アミル-6-[1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレートを含有せしめたポリブタジエン組成物等が提案されており、後者の組成物が、より優れた劣化防止性能を示すことも知られている(特開平1-168643号公報)。またより一層優れた劣化防止性能を示す組成物として、2,4-ジ-t-アミル-6-[1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレートと、n-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカン等のアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤とを含有せしめた組成物も提案されている(特開平4-100837号公報)。
【0004】しかしながら、このようなポリブタジエン組成物は、熱・酸化劣化防止性能が必ずしも十分満足し得るものではなく、さらに優れたポリブタジエン組成物が望まれていた。このような状況に鑑み、本発明者は、さらに優れたポリブタジエン組成物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、フェノールのp-位にメチル基を持つという特定のアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤とアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤とを含有したポリブタジエン組成物が、従来にはない優れた熱・酸化劣化防止性能を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリブタジエンと、式(I)
(R1、R2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)で示されるアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤と、下記式(II)【0006】

(R3は、炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは1〜4の整数を、Xはヘテロ原子および/または環状基を含んでいても良いn価の炭素数1〜18のアルコール残基を表す。)および式(III)【0007】

(R4は、炭素数1〜8のアルキル基を、 R5、R6は、それぞれ独立に水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mは1〜3の整数を表す。Yはm価の基を表し、mが1の場合は水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mが2の場合はイオウ原子、酸素原子または炭素数1〜4のアルキリデン基を、mが3の場合は1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリメチレン基を表す。)で示される化合物群から選ばれる少なくとも1種のアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤、必要に応じてさらにリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、酸化防止剤以外の安定剤、機能付与剤等を含有することを特徴とするポリブタジエン組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いられるアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)における置換基R1、R2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表すが、水素であることが好ましい。とりわけR1、R2が共に水素であり、C49がt-ブチル基であることが好ましい。アクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)は、ポリブタジエン100重量部に対して、通常0.005から1.5重量部程度の範囲で用いられる。0.01から0.5重量部程度の範囲で用いるのが好ましい。
【0009】また式(II)で示されるフェノール系酸化防止剤におけるR3は、炭素数1〜8のアルキル基を表すが、かかるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチル、t-ブチル、t-アミル、t-オクチル、シクロヘキシル、1-メチルシクロヘキシル等の直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基が挙げられる。好ましくは、メチル、t-ブチルである。 C49はt-ブチルであることが好ましい。またXは、ヘテロ原子および/または環状基を含んでいても良いn価の炭素数1〜18のアルコール残基を表すが、アルコール残基とは、アルコールのOHを除いた部分を示す。ヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、イオウ原子等が挙げられ、環状基としては、例えば2,4,8,10-テトラオキサスピロ[55]ウンデカン環、ベンゼン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。Xの代表例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、2エチル−ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、オクタデシルアルコール等の1価アルコールの残基、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2'-チオジエタノール、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の2価アルコールの残基、グリセリン等の3価アルコールの残基、ペンタエリスリトール等の4価アルコールの残基などが挙げられる。
【0010】式(II)で示されるフェノール系酸化防止剤の代表例としては、例えばn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカン、トリエチレングリコール ビス(3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等が挙げられる。中でもn-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカン、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等が好ましく使用される。
【0011】また式(III)で示されるフェノール系酸化防止剤におけるR4は、炭素数1〜8のアルキル基を表すが、かかるアルキル基としては、前記と同様の直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基が挙げられる。好ましくは、メチル、t-ブチルである。R5、R6は、それぞれ独立に水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を表すが、ヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基としては、前記と同様の直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基の他に、例えばオクチルチオメチレン、2-エチルヘキシルチオメチレン、N,N'-ジメチルアミノメチレン等が挙げられる。
【0012】Yはm価の基を表し、mが1の場合は水素原子またはヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基を、mが2の場合はイオウ原子、酸素原子または炭素数1〜4のアルキリデン基を、mが3の場合はイソシアヌル酸-N,N',N''-トリメチレン基または1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリメチレン基を表すが、ヘテロ原子を含んでいても良い炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられる。 また炭素数1〜4のアルキリデン基としては、メチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等が挙げられる。Yは、水素原子、メチレン基、ブチリデン基、硫黄原子、1,3,5-トリメチルベンゼン-2,4,6-トリメチレン基などであることが好ましい。
【0013】式(III)で示されるフェノール系酸化防止剤の代表例としては、例えば2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-シクロヘキシル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス((オクチルチオ)メチル)-o-クレゾール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。中でも2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス((オクチルチオ)メチル)-o-クレゾール等が好ましく使用される。
【0014】かかるアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤としては、分子量220以上のものが通常使用される。フェノール系酸化防止剤は、ポリブタジエン100重量部に対して、通常0.01から1.5重量部程度の範囲で用いられる。好ましくは、0.05から0.5重量部程度の範囲である。
【0015】また、本発明のポリブタジエン組成物は、必要に応じてさらにリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を含有することができる。かかるリン系酸化防止剤としては、分子量400以上のホスファイト、ホスフォナイト等が通常使用される。
【0016】ホスファイトの代表例としては、特に限定されるものではないが、例えばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(混合モノ/ジノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール ホスファイト、ビス (2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) エチル ホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、2,2'-メチレンビス (4,6-ジ-t-ビチルフェニル) オクチル ホスファイト、2,4,8,10- テトラ-t- ブチル-6-[3-(3- メチル-4- ヒドロキシ-5- t-ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2] ジオキサホスフェピン、2,4,8,10- テトラ-t- ブチル-6- {2-[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ] エトキシ}ジベンゾ[d,f][1,3,2] ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
【0017】またホスフォナイトの代表例としては、特に限定されるものではないが、例えばテトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ビフェニレン-ジホスフォナイト等が挙げられる。
【0018】またイオウ系酸化防止剤としては、チオプロピオネート基を持つものが通常使用される。特に限定されるものではないが、例えばジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート、ジトリデシル 3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル (3-ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
【0019】これらのリン系酸化防止剤および/またはイオウ系酸化防止剤を用いる場合、それぞれの使用量は、ポリブタジエン100重量部に対して、通常0.01から1重量部程度である。
【0020】さらに本発明においては、酸化防止剤以外の安定剤、機能付与剤などを必要に応じて、本発明の目的を損ねない範囲で用いることもできる。かかる安定剤、機能付与剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、光安定剤、重金属不活性剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、透明化剤、顔料、着色剤、無機充填剤、カーボンブラック、消泡剤、改質剤などを挙げることができる。ここで、光安定剤としては、低分子量型、高分子量型、オリゴマー型等のヒンダードピペリジン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、消光剤などが挙げられる。
【0021】本発明のポリブタジエン組成物は、ポリブタジエンと、アクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)と、アクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤、必要に応じてさらにリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、酸化防止剤以外の安定剤、機能付与剤等を含有することを特徴とするものであるが、ポリブタジエンとしては、例えば、炭化水素溶媒中、チタン系、コバルト系、ニッケル系などのチーグラー触媒やリチウム系触媒などを用いて、ブタジエンモノマーを溶液重合したものなどが好ましく用いられる。
【0022】ポリブタジエンは、チーグラー触媒を用いて製造された90%以上のシス-14結合を含む高シスポリブタジエン、リチウム系触媒を用いて製造された35%前後のシス-14結合を含む低シスポリブタジエンなどが通常使用される。またポリブタジエンは、石油系の高芳香族系油、ナフテン系油等をを加えて製造された油添ポリブタジエンなども使用し得る。
【0023】本発明の組成物は、ポリブタジエンにアクリレート基含有フェノール系酸化防止剤(I)とアクリレート基を有しないフェノール系酸化防止剤、必要に応じてさらにリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、酸化防止剤以外の安定剤、機能付与剤等を配合することにより製造される。これらを配合する方法としては、ポリブタジエンに均一に分散させ得る方法であれば特に限定はないが、例えば、ポリブタジエンのリビングポリマーに反応停止剤を反応させた後の溶液中に添加する方法、溶媒を除去したポリブタジエンにバンバリーミキサー、ロール等の混練り機などを用いて配合する方法、あるいは押出し成形時に配合する方法などが挙げられる。 ここでの反応停止剤は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基、エポキシ基などの極性基を持つものであれば特に限定されないが、例えば、水、炭素数1から8程度のアルキルカルボン酸などが好ましく用いられる。
【0024】また本発明の組成物は、必要に応じて他の重合体と混合することもできる混合し得る他の重合体の具体例としては、例えば(1)ポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(2)ポリプロピレン、例えばホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ブロック共重合体、α-ポリオレフィン−プロピレン−共重合体(3)α-オレフィン系ポリマー(4)ポリエチレンEEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合)樹脂(5)EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合)樹脂(6)ポリスチレン類、例えばポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(αメチルスチレン)
(7)AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂(8)ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂(9)AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂(10)ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂(11)塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン(12)メタクリル樹脂【0025】(13)エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂(14)フッ素樹脂(15)ポリアセタール(16)グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂およびポリフェニレンサルファイト樹脂(17)ポリウレタン(18)ポリアミド(19)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(20)ポリカーボネート(21)ポリアクリレート(22)ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン(23)芳香族ポリエステル樹脂(24)エポキシ樹脂(25)ジアリルフタレートポリマー【0026】(26)シリコーン樹脂(27)不飽和ポリエステル樹脂(28)アクリル変性ベンゾグアナミン樹脂(29)ベンゾグアナミン/メラミン樹脂(30)ユリア樹脂(31)スチレン/ブタジエン共重合体(32)ブタジエン/アクリロニトリル共重合体(33)シリコーンゴム(34)エピクロルヒドリンゴム(35)アクリルゴム(36)天然ゴムなどが例示できる。これらの重合体と混合する方法としては、例えばロール、バンバリーミキサー、単軸あるいは2軸の押出し機を用いる方法が挙げられる。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリブタジエン組成物は、無酸素下での熱劣化に対して安定であるとともに、空気中等の酸素存在下における酸化劣化に対しても安定である。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0029】<配合>チーグラー型触媒を用いて製造されたシス-1,4結合が約95%の高シスの未安定化ポリブタジエンに、表1,2に示す安定剤(数値はポリブタジエン100重量部に対する重量部を示す)をバンバリーミキサー(設定温度:110℃、回転数:50rpm、混練り時間:3分、窒素気流下(1l/min))により混練り、配合した。混練りしたゴムをロール押し出しにより厚さ約2mmのシートを得た【0030】<配合剤>PA−1:2-t-ブチル-4-メチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレートPA−2:2,4-ジ-t-アミル-6-(1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル アクリレートAO−1:3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(55)ウンデカンAO−2: n-オクタデシル 3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートAO−3:2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)AO−4:4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)AO−5:テトラキス (メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンAO−6:2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールAO−7:2,4-ビス ((オクチルチオ)メチル)-o-クレゾールP−1:トリス (ノニルフェニル) ホスファイトS−1:ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート【0031】<試験方法>耐熱加工安定性バンバリーミキサー(窒素気流下(1l/min)、試験温度:150℃、回転数:10rpmで3分予熱後、50rpm)に安定剤を配合したサンプルを30g仕込み、混練り時のゲル化に伴うトルク挙動で耐熱加工安定性を評価した結果は、トルクピークまでの時間(ゲル化時間(min))で評価し表1、2に示したゲル化時間が長いほどゲル化防止効果に優れることを意味する【0032】耐酸化性ギヤーオーブン(100℃)中にて安定剤を配合したサンフ゜ルを所定時間保温した後、サンプルをトルエンに溶解(室温下で4時間攪拌)した。このトルエン溶液を50メッシュの金網で濾過した。濾残を60℃で12時間乾燥後、重量を測定し、トルエン不溶分(ゲル化物)の割合を求めた結果は、ゲル化率(ゲル化物の割合)が10%となる時間(hr)で評価し表1,2に示したこのトルエン不溶分がポリブタジエンの劣化物(ゲル化物)であり、長時間ゲル化物の生成が少ないものほど耐酸化性すなわち酸化防止効果に優れることを意味する【0033】
【表1】
実 施 例 比 較 例 安 定 剤 PA-1 0.2 0.2 0.2 0.2 − PA-2 − − − − 0.2 AO-1 − − − 0.1 0.1 AO-2 0.1 0.1 0.1 − − P-1 − 0.1 − − − S-1 − − 0.2 0.2 0.2 耐 熱(min) 57 78 87 66 66 耐酸化(hr) 22 25 27 26 19【0034】
【表2】
実 施 例 比較例 安 定 剤 10 11 PA-1 0.03 0.5 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 − PA-2 − − − − − − − 0.03 AO-2 0.12 0.5 − − − − − − 0.12 AO-3 − − 0.12 − − − − − AO-4 − − − 0.12 − − − − AO-5 − − − − 0.12 − − − AO-6 − − − − − 0.12 − − AO-7 − − − − − − 0.12 − 耐 熱(min) 45 >120 63 42 57 60 63 42 耐酸化(hr) 20 >48 >48 20 25 14 >48 9
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【出願日】 平成10年10月26日(1998.10.26)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外1名)
【公開番号】 特開2000−143873(P2000−143873A)
【公開日】 平成12年5月26日(2000.5.26)
【出願番号】 特願平10−303850