| 【発明の名称】 |
改質ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川上 和美
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| 【要約】 |
【課題】ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂中の重縮合触媒の失活処理工程を包含する改質PET樹脂の製造方法であって、上記の失活処理が均一に図られる様に改良された上記の製造方法を提供する。
【解決手段】重縮合触媒を失活しない状態で含有するPET樹脂を熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給して重縮合触媒を失活させることにより改質PET樹脂を製造するに当たり、熱水処理槽または加熱加湿処理槽へのPET樹脂の供給を気力移送によって行い且つ当該気力移送の固気比を10〜30kg/kgの範囲に調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 重縮合触媒を失活しない状態で含有するポリエチレンテレフタレート樹脂を熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給して重縮合触媒を失活させることにより改質ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造するに当たり、熱水処理槽または加熱加湿処理槽へのポリエチレンテレフタレート樹脂の供給を気力移送によって行い且つ当該気力移送の固気比を10〜30kg/kgの範囲に調節することを特徴とする改質ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法。 【請求項2】 塔型の熱水処理槽または加熱加湿処理槽を使用し、気力移送によって供給されたポリエチレンテレフタレート樹脂と熱水または加熱水蒸気と塔内において向流的に接触させること請求項1に記載の製造方法。 【請求項3】 熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給するポリエチレンテレフタレート樹脂の温度を5〜100℃の範囲に調節する請求項1又は2に記載の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、改質ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法に関し、詳しくは、成形時の金型汚染が発生し難い様に改質されたポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】特公平7−37515号公報には、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂のブロー成形時の金型汚染を防止して表面外観に優れた成形体を得るため、固相重合工程を経て得られ且つ重縮合触媒を失活しない状態で含有するPET樹脂を熱水処理槽に供給して重縮合触媒を失活させることにより、金型汚染の主原因であるオリゴマー類(環状三量体)の総量が成形時に増加するのを防止した発明が提案されている。 【0003】ところで、例えばサイロから上記の熱水処理槽にPET樹脂チップを移送する際、当該熱水処理槽における処理の均一化を図るため、熱水処理槽内における樹脂チップの滞留時間が可及的に一定になる様に樹脂チップを移送することが望まれる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、PET樹脂中の重縮合触媒の失活処理工程を包含する改質PET樹脂の製造方法であって、上記の失活処理が均一に図られる様に改良された上記の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的を達成すべく種々の調査と研究を重ねた結果、次の様な知見を得た。 【0006】PET樹脂チップの様な粒状体の移送手段としては、スクリューコンベヤ、バケットコンベヤ、ベルトコンベヤ等の各種の機械的装置による方法が知られているが、これらの中において、スクリューコンベヤは次の点で優れている。すなわち、移送の安定性(定量性)に優れ、また、例えばバケットコンベヤの場合の様にチップが一塊として熱水処理槽に投下されて槽内における滞留時間にバラツキを生じる欠点がない。 【0007】しかしながら、スクリューコンベヤによる場合は、スクリューの練り作用によりPET樹脂チップが何らかのダメージを受けることに起因すると推定されるが、PET樹脂を射出成形してシートにした際にヘーズが悪化するという問題がある。 【0008】本発明者は、上記の知見を活かして更に検討を重ねた結果、重縮合触媒の失活処理工程への移送方法として気力移送を採用し、しかも、気力移送の固気比を特定の範囲に調節するならば、PET樹脂を射出成形してシートにした際のヘーズ悪化の問題を解決した上で失活処理の均一化が図られるとの知見を得た。 【0009】本発明は、上記の種々の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、重縮合触媒を失活しない状態で含有するポリエチレンテレフタレート樹脂を熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給して重縮合触媒を失活させることにより改質ポリエチレンテレフタレート樹脂を製造するに当たり、熱水処理槽または加熱加湿処理槽へのポリエチレンテレフタレート樹脂の供給を気力移送によって行い且つ当該気力移送の固気比を10〜30kg/kgの範囲に調節することを特徴とする改質ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法に存する。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、PET樹脂は、テレフタル酸またはそのアルキル(炭素数1〜4)エステルを主成分とするジカルボン酸単位とエチレングリコールを主成分とするグリコール単位との重縮合体である。構成繰り返し単位におけるエチレンテレフタレート単位の割合は、80モル%以上が好ましく、90モル%以上が更に好ましい。エチレンテレフタレート単位が80モル%未満では、成形体としての機械的性質や耐熱性が劣る傾向がある。 【0011】テレフタル酸およびそのアルキルエステル以外のジカルボン酸単位としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸の一種または二種以上が挙げられる。 【0012】また、エチレングリコール以外のグリコール単位としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸などの芳香族グリコールの一種または二種以上が挙げられる。 【0013】更に、共重合成分として、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、ステアリン酸、安息香酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール等の単官能成分、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメタノールエタン、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分、等の一種または二種以上を使用してもよい。 【0014】ジカルボン酸単位としてはイソフタル酸が好適であり、グリコール単位としては、ジエチレングリコール又は1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適であり、これらは、各々、好ましくは15モル%以内、更に好ましくは5モル%以内の範囲で使用される。 【0015】重合は次の様に行われる。先ず、エステル化触媒または金属化合物(マンガン化合物など)等のエステル交換触媒の存在下、240〜280℃の温度、1〜3kg/cm2Gの圧力でエステル化反応またはエステル交換反応を行ってビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及び/又はそのオリゴマーを得る。 【0016】次いで、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物などの重縮合触媒および燐化合物(燐酸など)等の安定剤の存在下、250〜300℃の温度、500〜0.1mmHgの圧力で溶融重縮合を行ってポリマーを得る。そして、溶融重縮合槽の底部に設けた抜き出し口からストランド状に抜き出した後、カッターで切断してチップ状とする。 【0017】その後、更に、必要に応じ、予備結晶化を行った後、固相重縮合を行ってチップ状のPET樹脂を得る。通常、予備結晶化は、120〜200℃程度の温度で1分間以上加熱して行われ、固相重縮合は、窒素などの不活性ガス流通下、190〜230℃の温度、1kg/cm2G〜10mmHgの圧力で1〜50時間処理することによって行われる。固相重合を経て得られたPET樹脂は、特に、ポトル等の容器の用途に好適に使用される。 【0018】上記において、重縮合触媒としてのゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラn−ブトキシド等が挙げられ、その使用量は、樹脂中のゲルマニウム原子としての含有量が10〜200ppmの範囲となる量とするのが好ましく、25〜120ppmの範囲となる量とするのが更に好ましい。また、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、メトキシアンチモン等が挙げられ、その使用量は、樹脂中のアンチモン原子としての含有量が100〜400ppmの範囲となる量とするのが好ましく、150〜300ppmの範囲となる量とするのが更に好ましい。特に、本発明は、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物を使用したPET樹脂に対して有用である。 【0019】本発明は、上記の様にして得られ且つ重縮合触媒を失活しない状態で含有するPET樹脂を熱水処理または加熱加湿処理して重縮合触媒を失活させることにより、成形時の金型汚染が発生し難い様に改質されたPET樹脂を製造する。 【0020】熱水処理または加熱加湿処理に供するPET樹脂としては、後述の方法で測定した固有粘度(IV)が0.5〜1.2dl/gであるPET樹脂が好ましい。また、特にポトル等の容器の用途においては、上記の条件に加え、密度が1.37g/cm3以上、オリゴマー(環状三量体)含有量が0.5重量%以下、アセトアルデヒドの含有量が10ppm以下であるPET樹脂が好ましい。 【0021】本発明においては、改質PET樹脂を製造するため、上記のPET樹脂チップを熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給して重縮合触媒を失活させる。熱水処理槽または加熱加湿処理槽としては、特に制限されないが、設置面積を小さくし得る利点を考慮して塔型処理槽が推奨される。 【0022】塔型処理槽においては、通常、塔下部に熱水または加熱水蒸気供給管、塔上部に熱水または加熱水蒸気抜き出し管、塔底部に改質PET樹脂チップ抜き出し用バルブ(例えばロータリーバルブ等)が設置される。そして、PET樹脂チップは塔頂部から供給されて塔底部から抜き出される。熱水処理槽の場合、PET樹脂チップの抜き出しは熱水と共に行われる。従って、熱水処理槽の場合は次に示す付帯設備として脱水機が必要となるが、加熱加湿処理槽の場合は脱水機を省略し得る利点がある。塔底部から抜き出された改質PET樹脂チップは、脱水機(熱水処理槽を使用した場合)、加熱乾燥機、冷却機などで順次に処理される。 【0023】本発明の最大の特徴は、熱水処理槽または加熱加湿処理槽へのPET樹脂チップの供給を気力移送によって行い且つ当該気力移送の固気比を10〜30kg/kgの範囲に調節する点に存する。ここに、気力移送とは、管内に気体(空気または不活性ガス)を流し当該気体流にPET樹脂チップを懸濁させて移送する方法を言う。基本的な設備は、PET樹脂チップの受入ホッパー、その下部に連結されたフロータンク、その下部に備えられた搬送配管から成る。 【0024】上記の気力移送において、受入ホッパーからフロータンクに定量供給されたPET樹脂チップは、搬送配管内の気体流により、上記の塔型処理槽の塔頂または塔頂に供給ホッパーが備えられている場合は当該供給ホッパーに供給される。そして、搬送用気体は塔頂近傍に設置された吸引ブロアーを介して系外に排出され、PET樹脂チップは塔頂から塔内部に供給されて堆積される。 【0025】上記の気力移送において、固気比(固体Kg/気体Kg)が10未満の場合は、PET樹脂チップを移送する気体流の運動エネルギーが小さ過ぎるため、塔内の中央付近に山が形成される状態でPET樹脂チップが堆積され、また、固気比が30を超える場合は、気体流の運動エネルギーが大き過ぎるため、上記とは逆に、塔内の中央付近に谷が形成される状態でPET樹脂チップが堆積される。そのため、上記の山や谷が形成される何れの場合もPET樹脂チップの塔内のチップの滞留時間(重縮合触媒の失活の程度)にバラツキが生じる。例えば、山が形成される堆積状態の場合は、山の頂部のチップの滞留時間は頂部周辺および麓部のチップに比べて長くなる。その結果、後述の実施例および比較例によって明らかな通り、成形時においてオリゴマー類(環状三量体)が大きな偏差でもって生成する。そして、例えば、ボトルの連続成形においては、オリゴマー類の金型汚染に起因して表面外観が損なわれた不良品が製品ロット中に混入し、また、これを防止するために頻繁な金型掃除が必要となり、何れも生産安定性が悪化する。 【0026】本発明において、処理槽内におけるPET樹脂チップの堆積高さが実質的に平坦になる様にチップの供給を行う主旨は、処理槽内におけるチップのピストンフロー(栓流)を実現して滞留時間の均一化を図り、それにより、反応(重縮合触媒の失活反応)のバラツキを防止する点にある。 【0027】図1は、熱水処理槽にPET樹脂チップを気力移送する際の固気比とオリゴマー類(環状三量体)の測定値の偏差との関係を示すグラフであり、後述の実施例および比較例(熱水処理)の結果を基にして作成したものである。図1に示す様に、本発明で規定する固気比の範囲外では偏差は急激に上昇し、気力移送の際の固気比を特定範囲に調節することにより処理槽内におけるチップのピストンフロー(栓流)が実現されて滞留時間の均一化が図られるということは驚くべきことである。 【0028】本発明における重縮合触媒の失活処理は、回分式、連続式、半連続式の何れの方式でも行うことが出来るが、上記の様に、滞留時間の均一化を図るためにピストンフローを実現するとの観点から、塔型の熱水処理槽または加熱加湿処理槽を使用し、気力移送によって供給されたPET樹脂チップと熱水または加熱水蒸気とを塔内において向流的に接触させる方式が最も好ましい。 【0029】本発明において、上記の熱水または加熱水蒸気による処理は、70〜130℃の温度(熱水または加熱水蒸気の温度)において3分から24時間の時間(滞留時間)行われる。 【0030】一方、熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給するPET樹脂チップの温度は、特に制限されないが、5〜100℃の範囲にするのが好ましい。樹脂チップの温度が5℃未満の場合は、重合触媒の失活反応の速度が遅くなるばかりか、熱水または加熱水蒸気との温度差が余りにも大きくなる結果、処理槽内に供給された熱水または加熱水蒸気の流れに偏流が生じて重縮合触媒の失活反応にバラツキが発生する傾向がある。また、樹脂チップの温度が100℃を超える場合は、加水分解の進行によりIVが低下する。従って、例えば冬季においてサイロ内に貯蔵されたPET樹脂チップの温度が5℃未満となる場合は、保温手段や加温手段により、熱水処理槽または加熱加湿処理槽に供給するPET樹脂チップの温度を上記の範囲まで高めるのが好ましい。 【0031】熱水処理槽から排出されたPET樹脂チップを処理する脱水機としては、特に制限されず、例えば、遠心脱水機、振動ふるい型脱水機、ドライヤー型脱水機を使用することが出来るが、気力分離型脱水機を使用するのが好ましい。気力分離型脱水機は、基本的には、複数の屈曲部を有すると共に側壁に多数の通水孔を備えた管路と当該管路の各屈曲部に配置された空気吹付ノズルとを箱体中に収容した構造を有する。そして、管路の一端から樹脂チップスラリーを供給し、空気流によって水を除去しつつ、管路の他端から脱水された樹脂チップを排出させる。 【0032】本発明において、気力分離型脱水機内の固気比は、2〜10kg/m3の範囲に調節するのが好ましい。固気比が2kg/m3の未満の場合は空気が不足し、10kg/m3を超える場合は、空気が過剰なためにPET樹脂チップの滞留時間が短くなり、何れの場合も脱水効率が低下する。しかも、固気比が10kg/m3を超える場合は、樹脂チップが脱水機内の壁面や配管などに激しく接触して搬送中にダメージを受けるため、最終製品の透明性が劣ってしまう。脱水処理後の樹脂チップの含水率は50000ppm以下とするのが好ましい。なお、上記の固気比は、前述の気力移送における固気比(固体Kg/気体Kg)と異なり、固体Kg/気体m3の単位で表されているが、これは、気力分離型脱水機内における使用後の空気が水分を含んでいることを考慮した結果である。 【0033】熱水処理槽から脱水機への樹脂チップの移送は、特に制限されず、例えば水流搬送装置などを適宜使用することが出来る。一方、加熱乾燥機および冷却機またはその後のサイロへの移送には、前述の気力移送方法を採用するのが好ましい。冷却機としては、ホッパークーラー型冷却器、熱交換型クーラー冷却器などが使用され、チップ温度は、常温まで降温されてサイロにて貯蔵される。 【0034】なお、PET樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料や顔料などの着色剤、ガラス繊維、フレカ、マイカ、カーボンファイバー、チタン酸カリファイバー等の強化材、粒子径0.01〜10μmのシリコーン樹脂などの有機微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、カオリン、クレー等の無機微粒子などのブロッキング防止剤、無機系および有機系の核剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤などが含有されていてもよい。 【0035】上記の方法で得られた改質PET樹脂は、例えば、押出成形によってフィルムやシート等に成形され、また、射出成形によってプリフォームに成形された後、延伸ブロー成形によってボトル等に成形される。成形条件としては、何れも、公知の条件を採用すること出来る。押出成形は、例えば、シリンダー温度240〜300℃、スクリュー回転数40〜300rpm、冷却ドラム温度5〜60℃の条件下に行うことが出来る。射出成形は、例えば、シリンダー温度260〜300℃、金型温度5〜40℃、スクリュー回転数40〜300rpm、射出圧力40〜140kg/cm2の条件下に行うことが出来る。また、延伸ブロー成形においては、例えば、延伸温度70〜120℃、縦方向延伸倍率1.5〜3.5倍、円周方向伸倍率2〜5倍の条件で成形し、更に、温度100〜200℃で数秒から数分間の熱固定がなされる。 【0036】本発明において上記の改質PET樹脂は、成形体とされた後の結晶化温度を高温化ならしめ得るが、具体的には、成形体とされた樹脂組成物の示差走査熱量計による昇温結晶化温度が140〜195℃であるのが好ましい。なお、ここで、昇温結晶化温度とは、示差走査熱量計にて、室温から285℃まで20℃/分の速度で昇温させ、その途中で観察される結晶化ピークのトップ温度を示す。また、280℃の成形温度で射出成形した厚さ5mmの成形シートのヘーズが15%以下であるのが好ましい。 【0037】また、上記の改質PET樹脂は、特に、射出成形方法によって得られたプリフォームを再加熱後に二軸延伸するコールドパリソン法などのブロー成形法よってボトルを成形するのに好適であり、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、アルコール飲料、茶やミネラルウォーター等の飲料、醤油、ソース、みりん、ドレッシング等の液体調味料、食用油、液体洗剤、化粧品等の容器として好適に使用される。 【0038】 【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で採用した評価方法および物性測定方法は、次の通りである。 【0039】(1)固有粘度(IV):フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒中で30℃で測定した。 【0040】(2)環状三量体(CT)含有量:ポリエチレンテレフタレート樹脂試料200mgをクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)混液2mlに溶解し、更にクロロホルム20mlを加えて希釈した。これにメタノール10mlを加えて試料を再析出させ、続いて濾過して濾液を得た。当該濾液を乾固後、残留物をジメチルホルムアルデヒド25mlに溶解した液について液体クロマトグラフで分析定量した。 【0041】(3)アセトアルデヒド(AA)含有量:サンプル5.0gを計量し、10mlの蒸留水と共に内容積50mlのミクロボンベに窒素シール下に封入し、160℃で2時間の加熱抽出を行い、その抽出液を試料としてガスクロマトグラフにより分析定量した。 【0042】(4)シートの昇温結晶化温度(Tc1):後述の方法で得られたシートについて、示差走査熱量計(セイコー電子社製「DSC220C」)にて、室温から285℃まで20℃/分の速度で昇温させ、その途中で観察される結晶化ピークのトップ温度(Tc1と略記)を測定した。 【0043】(5)シートのヘーズ:後述の方法で得られたシートについて、ヘーズメーター(日本電色社製「NDH−300A」)にて測定した。 【0044】(6)ボトルの表面外観:ボトルの表面外観を目視観察し、以下の基準で評価した。 【0045】 【表1】 ○:表面平滑であり、異常なし。 △:表面平滑であるが、平滑性が若干劣る。 ×:表面に異物の付着が認められる。 【0046】実施例1テレフタル酸13.0重量部とエチレングリコール5.82重量部とから成るスラリーを重縮合槽に供給し、常圧下250℃でエステル化反応を行い、エステル化反応率95%のビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体を調製した後、正燐酸0.0012重量部と二酸化ゲルマニウム0.0012重量部とを加え、1mmHgの減圧下280℃で重縮合を行った。重縮合槽の底部に冷却水槽に直結させて設けた抜き出し口から、生成したポリマーをストランド状に抜き出して水冷した後、チップ状にカットした。 【0047】引き続いて、得られたポリマーチップを撹拌結晶化機(Bepex社式)に移送し、ポリマーチップ表面を150℃で結晶化させた後、窒素流通下140℃で3時間乾燥させ、続いて静置固相重合塔に移し、窒素流通下210℃で20時間固相重合してチップ状のPET樹脂(IV:0.74)を製造した。 【0048】得られたPET樹脂チップを乾燥塔に移送し、窒素流通下で5時間チップ温度を90℃に保持した。 【0049】固気比10Kg/Kgの気力移送により、直径約2.0m、高さ約5.0mで下部に金網を取り付けたSUS304製の塔状熱水処理装置に上記の温度調整した樹脂チップ10重量部を投入し、下部導入口から90℃の熱水を毎時100リットルの速度で4時間導入して接触させ、重縮合触媒の失活処理を行った後、気力分離型脱水機(固気比5Kg/m3)を通して改質樹脂チップ表面の付着水を取り除いた後、60℃で24時間乾燥させることにより、吸湿した水分を除去した。 【0050】真空乾燥機にて130℃で10時間チップを乾燥させた後、射出成形機(名機製作所社製「M−70A」)にて、シリンダー各部およびノズルヘッドの温度280℃、スクリュー回転数200rpm、金型温度10℃、サイクル73秒の条件下、厚さ5mmのシートを連続1000回射出成形した。前記の条件で50回成形毎に得られた成形板の環状三量体含有量の測定を実施し、平均と偏差を算出した。 【0051】一方、真空乾燥機にて130℃で10時間チップを乾燥させた後、射出延伸ブロー成形機(日精ASB機械(株)社製「ASB−50TH」)にて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数120rpm、1次圧時間1.0秒、ブロー圧力5〜30kg/cm2、金型温度160℃の条件下、外径約100mm、高さ約300mm、胴部平均肉厚370μm、内容量1.5L、重量約60gのボトルを成形した。そして、前記ボトルを同一の条件で1000回成形し、その最終回において成形されたボトルの表面外観を目視観察に供した。 【0052】上記の方法で得られた改質PET樹脂チップ、シート及びポトルの物性測定および評価結果を表2〜6に示す。 【0053】実施例2〜15及び比較例1〜10実施例1において、固気比とチップとを表2〜6に示す様に変更した以外は、実施例1と同様に改質PET樹脂チップを製造し、物性測定を行った。結果を表2〜6に示す。 【0054】 【表2】
【0055】 【表3】
【0056】 【表4】
【0057】 【表5】
【0058】 【表6】
【0059】実施例16〜30及び比較例11〜20前記各実施例において、熱水処理槽の代わりに加熱加湿処理槽を使用して加熱水蒸気処理を行った以外は、同様にして改質PET樹脂を製造し、物性測定を行った。結果を表7〜11に示す。 【0060】 【表7】
【0061】 【表8】
【0062】 【表9】
【0063】 【表10】
【0064】 【表11】
【0065】比較例21実施例1において、熱水処理槽ヘのPET樹脂チップの移送を気力移送に代えてスクリューコンベヤーにて行った以外は、実施例1と同様にして改質PET樹脂を製造し、物性測定を行った。結果を表12に示す。 【0066】 【表12】
【0067】 【発明の効果】以上説明した本発明によれば、成形時の金型汚染をなくして表面外観に優れた成形体が得られると共に、生産安定性を向上できる改質ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法を提供することが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005968 【氏名又は名称】三菱化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月5日(1998.11.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097928 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 数彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−143791(P2000−143791A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月26日(2000.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願平10−314695 |
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