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【発明の名称】 均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のためのエナンチオマ―が富化された配位子および錯体の使用
【発明者】 【氏名】ポール ノシェル

【氏名】ファン ホセ アルメナ ペレア

【氏名】カールハインツ ドラウツ

【氏名】インゴ クレメント

【要約】 【課題】均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のためのエナンチオマーが富化された配位子および錯体の使用を提供する。

【解決手段】一般式I、例えば式Lの配位子イメージ ID=000002
【特許請求の範囲】
【請求項1】 均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のための、一般式I:【化1】

[式中、R1、R2、R3は、相互に無関係にH、NR67、SR6、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシルオキシ、該基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR1およびR2は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2,2′−ビフェニルまたはアントリル、1−ピロリルを表し、その際、前記の基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C8)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R5は、Hまたは基B−X−Zを表し、その際、Bは、CR82、NR8、O、S、SiR82の群の基であり、Xは、1,4′−ビフェニル、1−エチレン、2−エチレン、1−プロピレン、3−プロピレン、PEG−(2〜10)のようなスペーサであり、かつZは、O官能基、NH官能基、COO官能基、CONH官能基、エテニル官能基、NHCONH官能基、OCONH官能基またはNHCOO官能基のような官能性の基を介してポリマーに結合している基であるか、または両方のシクロペンタジエニル環の基R5は、α,ω−(C2〜C4)−アルキレン架橋を介して相互に結合しており、R6、R7は、相互に無関係にH、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシル、該基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR6およびR7は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R8は、H、(C1〜C8)−アルキルを表す]のエナンチオマーが富化された配位子ならびのその塩の使用。
【請求項2】 式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、N(C1〜C8)−アルキル2、NH(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アシル2、O(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルを表し、これらの基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、または(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、R3が、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R5が、Hを表す、請求項1に記載の配位子の使用。
【請求項3】 式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、O(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アルキル2、(C1〜C8)−アルキルを表し、R3が、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4が、フェニルを表し、R5が、Hを表す、請求項2に記載の配位子の使用。
【請求項4】 均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のための、一般式II:【化2】

[式中、R1〜R8は、請求項1に記載のものを表し、かつMは、第8副族の金属原子または金属イオン、例えばCo、Ni、Rh、Ru、Ir、Pd、ReまたはPtである]のエナンチオマーが富化された錯体およびその塩の使用。
【請求項5】 式中で、R1〜R5が、請求項2に記載のものを表す、請求項4に記載の錯体の使用。
【請求項6】 式中で、R1〜R5が、請求項3に記載のものを表す、請求項5に記載の錯体の使用。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のための、一般式I:【0002】
【化3】

【0003】[式中、R1、R2、R3は、相互に無関係にH、NR67、SR6、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシルオキシ、該基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR1およびR2は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2,2′−ビフェニルまたはアントリル、1−ピロリルを表し、その際、前記の基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R5は、Hまたは基B−X−Zを表し、その際、Bは、CR82、NR8、O、S、SiR82の群の基であり、Xは、例えば1,4′−ビフェニル、1−エチレン、2−エチレン、1−プロピレン、3−プロピレン、PEG−(2〜10)のようなスペーサであり、かつZは、O官能基、NH官能基、COO官能基、CONH官能基、エテニル官能基、NHCONH官能基、OCONH官能基またはNHCOO官能基のような官能性の基を介してポリマーに結合している基であるか、あるいは両方のシクロペンタジエニル環の基R5は、α,ω−(C2〜C4)−アルキレン架橋を介して相互に結合しており、R6、R7は、相互に無関係にH、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシル、該基は、直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基はハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR6およびR7は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R8は、H、(C1〜C8)−アルキルを表す]のエナンチオマーが富化された配位子ならびのその塩の使用に関する。
【0004】さらに本発明は、均一触媒によるエナンチオ選択的な水素添加のための、一般式II:【0005】
【化4】

【0006】[式中、R1〜R8は、上記のものを表し、かつMは、第8副族の金属原子または金属イオン、例えばNi、Co、Rh、Ru、Ir、Pd、ReまたはPtである]のエナンチオマーが富化された錯体およびその塩の使用に関する。
【0007】
【従来の技術】均一触媒によるエナンチオ選択的なイミンおよびエナミンの水素添加は、例えばエナンチオマーが富化されたアミノ酸の製造にとって極めて興味深いものである。というのも、これは特にキラルな原料として、例えば生理活性な作用物質の有機合成において必要とされるからである。
【0008】前記の目的のためのエナンチオ選択的な均一触媒による水素添加のためのビスホスフィン触媒の使用は公知である(Burk et al., Tetrahedron 1994, 4399)。
【0009】ハヤシ等(Hayashi et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1989, 495-496)、クノッヒェル等(Knochel et al., Chem. Eur. J. 1998, 4, 950-968)およびイケダ等(Ikeda et al., Tetrahedron Lett. 1996, 4545-4448)は、C2−対称なフェロセニル−(ビス−t−ホスフィン)−配位子を有するPd−錯体を記載している。とりわけこの錯体は、非対称アリル化もしくはクロスカップリングの際に使用されるのみであった。エナンチオ選択的な水素添加の際の該配位子の使用は、従来知られていない。
【0010】ヤマモト等(Yamamoto et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. 1980, 53, 1132-1137)は、均一触媒によるエナンチオ選択的な水素添加における非C2−対称フェロセニル−(ビス−t−ホスフィン)−配位子の使用に関して報告している。しかしこの配位子では、良好なエナンチオマー過剰量は極めてばらばらに得られるのみである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題は、均一触媒によるエナンチオ選択的な多重結合の水素添加のための、エナンチオマーが富化されたC2−対称のビスホスフィン配位子系および−触媒の使用である。
【0012】本発明の範囲で、多重結合とは、1つの炭素原子と、別の炭素原子または窒素原子との間の二重結合と解釈する。
【0013】
【課題を解決するための手段】多重結合を均一触媒によりエナンチオ選択的に水素添加するために、一般式I:【0014】
【化5】

【0015】[式中、R1、R2、R3は、相互に無関係にH、NR67、SR6、ハロゲン、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシルオキシ、該基は、直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8−アルコキシアルキル)で、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR1およびR2は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2,2′−ビフェニルまたはアントリル、1−ピロリルを表し、その際、前記の基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C8)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R5は、Hまたは基B−X−Zを表し、その際、Bは、CR82、NR8、O、S、SiR82の群の基であり、Xは、例えば1,4′−ビフェニル、1−エチレン、2−エチレン、1−プロピレン、3−プロピレン、PEG−(2〜10)のようなスペーサであり、かつZは、O官能基、NH官能基、COO官能基、CONH官能基、エテニル官能基、NHCONH官能基、OCONH官能基またはNHCOO官能基のような官能性の基を介してポリマーに結合している基であるか、あるいは両方のシクロペンタジエニル環の基R5は、α,ω−(C2〜C4)−アルキレン架橋を介して相互に結合しており、R6、R7は、相互に無関係にH、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、(C1〜C8)−アシルを表し、該基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、かつハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、該基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、例えば1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリル、(C6〜C18)−アラルキル、例えばベンジルまたは1,1−フェネチル、1,2−フェネチル、(C5〜C18)−ヘテロアリール、例えば2−フリル、3−フリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、(C6〜C18)−ヘテロアラルキル、例えばフルフリル、ピロリルメチル、ピリジルメチル、1−フリルエチル、2−フリルエチル、1−ピロリルエチル、2−ピロリルエチル、1−ピリジルエチル、2−ピリジルエチルを表し、その際、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、あるいはR6およびR7は、(C3〜C7)−炭素環を介しており、該環は、ハロゲン、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよい直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルで、ハロゲンで、N原子含有基、O原子含有基、P原子含有基、S原子含有基で一置換または複数置換されていてもよく、かつ/または環中にN、O、P、Sのようなヘテロ原子を有していてもよく、R8は、H、(C1〜C8)−アルキルを表す]のエナンチオマーが富化された配位子ならびのその塩を使用することにより、相応して水素添加された誘導体が、極めて良好な空時収率で得られ、かつ極めて高いee値をもたらすことが判明した。
【0016】有利には、式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、N(C1〜C8)−アルキル2、NH(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アシル2、O(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキルを表し、これらの基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、R3が、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R5が、Hを表す式Iの配位子を使用する。
【0017】殊に有利には、式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、O(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アルキル2、(C1〜C8)−アルキルを表し、R3が、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4が、フェニルを表し、R5が、Hを表す式Iの配位子を使用する。
【0018】本発明のもう1つの側面は、均一触媒によるC=CもしくはC=N二重結合のエナンチオ選択的な水素添加のための、一般式II:【0019】
【化6】

【0020】[式中、R1〜R8は、上記のものを表し、かつMは、第8副族の金属原子または金属イオン、例えばCo、Ni、Rh、Ru、Ir、Pd、Reである]のエナンチオマーが富化された錯体およびその塩の使用に関する。本発明による錯体(II)のための前記の一般式中で、中心原子Mのブランクのままの配位箇所は、この反応のために当業者に公知の配位子により(R. Schrock, J. A. Osborn, J.Am. Chem. Soc. 1971,93, 2397-2407, R. Glaser, S. Geresh, J. Blumenfeld,J. Organomet. Chem. 1976, 112, 355-360)、または場合により反応の際に存在する溶剤により補われる。配位はその都度相応する式(II)に対して考えられる。
【0021】本発明による配位子および錯体の使用は、従来技術からの比較可能な水素添加よりも優れている。例えば該錯体は、比較可能な従来技術の触媒と対照的に、脱気およびp.A.溶剤の使用を断念することができるほど高い、観察される反応に対する活性および空気酸素による酸化に対する著しくわずかな感受性を有している。工業用の品質を有する溶剤を水素添加の際に使用するだけで十分である。
【0022】他方では、式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、N(C1〜C8)−アルキル2、NH(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アシル2、O(C1〜C8)−アシル、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシ、(C2〜C8)−アルコキシアルキル、これらの基は直鎖状または分枝鎖状であってもよく、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、R3が、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4は、(C1〜C8)−アルキル、(C3〜C7)−シクロアルキル、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R5が、Hを表す、式IIの錯体の使用が有利である。
【0023】殊には、式中で、R1、R2が、相互に無関係にH、O(C1〜C8)−アシル、N(C1〜C8)−アルキル2、(C1〜C8)−アルキルを表し、R3が、(C6〜C18)−アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはアントリルを表し、その際、前記の基は直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキルで、ハロゲンで一置換または複数置換されていてもよく、R4が、フェニルを表し、R5が、Hを表す、式IIの触媒の使用が有利である。
【0024】該配位子系から製造することができる錯体は、均一触媒によるエナンチオ選択的な水素添加の際に、以下の表が証明しているような優れた値を示す。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
【表4】

【0029】nbdは、2,5−ノルボルナジエンの略称を表し、CODは、1,5−シクロオクタジエンを表す。
【0030】反応時間は、上記の反応の際に<60分である。触媒濃度は、記載の例中で1%とすでに極めて低い。しかし、この濃度は工業的な適用のためにはさらに低下させることができる。この2つの点は、本発明による配位子を工業的な規模で適用するために極めて有利である。というのもこの方法により得られる生成物のためのコストは、相応してより低くなり、ひいては従来技術による配位子系/錯体を使用する場合より経済的な利用が保証されるからである。この利点は、配位子系もしくは錯体の著しく良好な活性により条件づけられるものである。
【0031】さらに該配位子系は、反応条件において長期間変質しないで保持できるほど酸化に不感受性である。このことは大規模に貯蔵するためにも同様に利点である。
【0032】配位子系の製造は、従来技術に記載されている(Knochel et al., Chem. Eur.J. 1998, 4, p.950; Enders et al., Syn. Lett. 1997, p.355; Knochel et al., Tetrahedron Lett. 1996, 37, p.25; Schmalz et al., Tetrahedron 1997, 53, p.7219)。概要を別の可能な合成経路で示す(図式1)。
【0033】
【化7】

【0034】有利な中心的および平面のキラリティーの、1,1′−ジアシル化フェロセンへの導入は、原則として全ての当業者によりこの反応のために該当する方法で行うことができる(J. Am. Chem. Soc. 1957, 79, 2742, J. Organomet. Chem. 1973, 52, 407-424)。特にいわゆるCBS反応試薬を用いた還元が有利である(J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 5551-5553, Tetrahedron Lett. 1996, 37, 25-28)。この措置により、還元生成物が極めて良好な収率および極めて高い光学的およびジアステレオマーの純度で生じるということが保証される。エナンチオマーが富化された所望の配位子を製造するために考えられる別の方法は、1,1′−ジアシル化フェロセンを、エナンチオ選択的な還元性アミン化を用いて製造することである。こうして同時に配位中心にアミン置換基を有するエナンチオマーが富化された配位子が得られる。
【0035】キラリティーの導入のための別の可能性は、原則的に、Tetrahedron Asymmetry1991, 2, 601-612, J. Org. Chem. 1991, 56, 1670-1672, J. Org. Chem. 1994, 59, 7908-7909, J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1990, 888-889に記載されている。
【0036】基R5の導入のために、脱プロトン化工程で環の酸性のプロトンを脱プロトン化し、かつ、脱プロトン化された種を引き続き基R5の導入のために適切な求電子試薬を用いて反応させる。
【0037】基R5は、特に本発明による錯体のポリマーマトリックス、例えば直鎖状PMMA、ポリスチレンまたはPEGならびに非直鎖状デンドリマー(Dendrimer)への結合のために使用することができる。本発明による錯体のシクロペンタジエニル環への基R5の結合は、遊離の位置に関して可変である。基として、この目的のために当業者にとって該当するあらゆる基を使用することができる。錯体触媒の分子の拡大のための適切な概要は、記載されている(Tetrahedron Asymmetry 1998, 9, 691-696)。基R5は、有利には配置B−X−Zからなり、その際、Bは、群CR82、NR8、O、S、SiR82の基であり、Xは、例えば1,4′−ビフェニル、1−エチレン、2−エチレン、1−プロピレン、3−プロピレン、PEG−(2〜10)のようなスペーサであり、かつZは、上記のポリマーに結合している例えばO官能基、NH官能基、COO官能基、CONH官能基、エテニル官能基、NHCONH官能基、OCONH官能基またはNHCOO官能基のような官能性の基である。あるいは両方のシクロペンタジエニル環の基R5は、α,ω−(C2〜C4)−アルキレン架橋を介して相互に結合していてもよい。
【0038】直鎖状または分枝鎖状の(C1〜C8)−アルキル基または(C2〜C8)−アルキル基として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルが、その全ての結合異性体も含めて該当する。基(C1〜C8)−アルコキシは、基(C1〜C8)−アルキルに相応するが、ただしその際、該アルキルは酸素原子を介して分子に結合している。(C2〜C8)−アルコキシアルキルとして、アルキル鎖が少なくとも1個の酸素官能基により中断されている基が該当し、この場合、2つの酸素原子が相互に結合していることはできない。炭素原子の数は、基の中に含まれる炭素原子の総数を表す。
【0039】N−、O−、P−、S−原子含有の基は、特にその鎖中にこれらのヘテロ原子を1つまたは複数有しているか、もしくはこれらのヘテロ原子の1つを介して分子に結合している前記の種類のアルキル基である。(C3〜C7)−シクロアルキルとは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロヘプチル基である。
【0040】(C1〜C8)−アシルオキシは、本発明の範囲では、上記で定義した、COO官能基を介して分子に結合しているアルキル基を意味する。
【0041】(C1〜C8)−アシルは、本発明の範囲では、上記で定義した、CO官能基を介して分子に結合しているアルキル基を意味する。
【0042】ハロゲンとして、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が該当する。
【0043】塩とは、強酸、例えばHCl、HBr、H2SO4、H3PO4、CF3COOH、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸と、相応する分子とからなるイオン性の付加化合物と解釈する。
【0044】PEGとは、ポリエチレングリコールを意味する。
【0045】
【実施例】本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0046】一般的な方法その他の指示がなければ、全ての反応はアルゴン下で実施した。反応混合物の後処理は以下の様に行った:飽和NH4Cl溶液を用いた加水分解、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)を用いた抽出(3×10ml)、飽和NaCl溶液(20ml)を用いた、合した有機抽出物の洗浄、MgSO4による乾燥、濾過、真空下での濾液の濃縮およびシリカゲル60(70〜230メッシュASTM)を用いたカラムクロマトグラフィーによる残留物の精製およびヘキサン/MTBEからなる混合物の異なった組成物の精製。融点は補正されていない。
【0047】使用されるメタノールを、予めMgにより乾燥させ、かつアルゴン下で蒸留し、ならびにアルゴンで脱気した。HPLC−メタノールを、予め精製しないで使用した。HPLC−メタノールは、後処理されていない工業用のメタノールで代用することもできることが判明した。
【0048】1.フリーデル−クラフツ−アシル化による1,1′−ジアシルフェロセンの一般的な製造方法(A→B)
CH2Cl2(10ml)中の塩化アルミニウム(III)の懸濁液に0℃で塩化アセチルを添加した。引き続き、CH2Cl2 10ml中に溶解させたフェロセンを20分以内にこの混合物に滴加した。反応混合物を室温に加熱し、かつ2時間撹拌した。引き続き氷水を用いて0℃で少量づつ加水分解した。該混合物を塩化メチレン100mlで希釈し、水性K2CO3溶液(50ml)で2回、かつ次いで飽和NaCl溶液(50ml)で洗浄した。有機相を乾燥させ、かつ濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0049】1,1′−ジベンゾイルフェロセン:フェロセン(13.95g、75.Oミリモル)、塩化ベンゾイル(19.2mL、165.0ミリモル)および塩化アルミニウム(III)(22.00g、165.0ミリモル)から、ペンタンからの結晶化により固体が91%の収率(27.1g、68.3ミリモル)で得られた。赤色の固体;融点97〜100℃(文献:106.5〜106.7℃);IR(KBr):νmax=3267(w)、3113(w)、3064(w)、1637(vs)、1448(s)、1288(s)、1048(m)、846(m)、726(s)、698(s)。
【0050】1,1′−ジ(o−トルオイル)フェロセン:フェロセン(1.43g、7.7ミリモル)、o−トルオイルクロリド(2.11mL、16.2ミリモル)および塩化アルミニウム(III)(2.16g、16.2ミリモル)から、カラムクロマトグラフィーによる精製により、固体が73%の収率(2.36g、5.6ミリモル)で得られた。赤色の固体;融点124〜125℃;IR(KBr):νmax=3085(w)、2923(w)、1647(vs)、1443(m)、1273(s)、840(m)、737(s)。
【0051】1,1′−ジ(2−ナフトイル)フェロセン:フェロセン(1.86g、10.Oミリモル)、2−ナフトイルクロリド(4.2g、22.0ミリモル)および塩化アルミニウム(III)(3.5g、26.0ミリモル)から、カラムクロマトグラフィーによる精製により、固体が35%の収率(1.72g、3.48ミリモル)で得られた。赤色の固体;融点183〜184℃;IR(KBr):νmax=3100(w)、3055(w)、1642(vs)、1447(m)、1294(s)、810(m)、778(s)、757(m)。
【0052】2.1,1′−ジアシルフェロセンのCBS−還元の一般的な実施方法(B→C)
アルゴン下でオキサザボロリジン(Oxazaborolidin)(J. Am. Soc. 1987, 109,5551-5553による)(60モル%)をTHF(5mL)中に溶解させ、かつ0℃に冷却した。引き続き2当量のBH3・SMe2をTHF(5mL)中に溶解させ、かつ該溶液の20%を触媒溶液に添加した。5分後に残りのBH3・SMe2およびTHF(10mL)中のジケトンの溶液を同時に触媒溶液に添加した。0℃で10分撹拌後に過剰量のBH3・SMe2をメタノール(2mL)の添加により分解させた。引き続き該混合物を飽和NH4Cl溶液(50mL)に添加し、かつMTBE(3×25mL)で抽出した。合した有機相を水(2×25mL)および飽和NaCl溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、かつカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0053】(R,R)−1,1′−ビス(α−ヒドロキシフェニルメチル)フェロセン:相応するジケトン(11.82g、30.Oミリモル)をオキサザボロリジン(4.98g、18.0ミリモル)およびBH3・SMe2(5.7mL、60.0ミリモル)を用いて反応させた。カラムクロマトグラフィーにより、所望の生成物が89%の収率(10.62g、26.4ミリモル)で得られた。dl:meso=96:4。MTBEからの結晶化により黄色の固体が生じた。dl:meso=98:2;ee>99%;融点130〜132℃;[α]D=−74.3(c=0.97、ベンゼン);IR(KBr):νmax=3526(vs)、3081(w)、3026(w)、1491(m)、1452(m)、1049(m)、1017(m)、828(m)、721(s)、699(s)。
【0054】(R,R)−1,1′−ビス(α−ヒドロキシ−o−トリルメチル)フェロセン:相応するジケトン(4.22g、10.Oミリモル)をオキサザボロリジン(1.66g、6.0ミリモル)およびBH3・SMe2(1.90mL、20.0ミリモル)を用いて還元し、かつ引き続きカラムクロマトグラフィーにより精製した。94%の収率で黄色の固体が得られた(4.01g、9.4ミリモル)。dl:meso=97:3;ee>99%;融点138℃;[α]D=−46.3(c=0.67、CHCl3);IR(KBr):νmax=3270(vs)、3077(w)、2926(w)、1043(s)、820(m)、738(s)。
【0055】(R,R)−1,1′−ビス[α−ヒドロキシ−(2−ナフチル)メチル]フェロセン:相応するジケトン(996mg、2.0Oミリモル)をオキサザボロリジン(332mg、1.20ミリモル)およびBH3・SMe2(4.0mL、THF中1M)を用いて還元し、かつ引き続きカラムクロマトグラフィーにより精製した。80%の収率で黄色の固体が得られた(793mg、1.59ミリモル)。dl:meso=97:3;ee>99%;融点187〜188℃;[α]D=+61.5(c=0.63、THF);IR(KBr):νmax=3380(s)、3053(w)、2863(w)、1054(m)、1017(m)、786(m)、751(s)。
【0056】3.アセテートの一般的な製造(C→D)
フェロセンジオールを、ピリジン/無水酢酸2:1からなる混合物に溶解させ、かつ室温に12時間放置した。引き続き真空下(0.7mmHg、5時間)で揮発性成分を留去した。生成物は十分に純粋で、かつそのままさらに使用した。
【0057】(R,R)−1,1′−ビス(α−アセトキシフェニルメチル)フェロセン:黄色の油状物。dl:meso=97:3;ee>98%;[α]D=−30.0(c=1.81、CHCl3);IR(neat):νmax=3089(w)、3066(w)、3035(w)、2937(w)、1733(vs)、1372(s)、1241(vs)、1019(s)、830(m)、731(s)、700(s)。
【0058】(R,R)−1,1′−ビス(α−アセトキシ−o−トリルメチル)フェロセン:暗褐色の油状物。dl:meso=94:6;ee>98%;[α]D=−57.7(c=0.96、CHCl3);IR(neat):νmax=3025(w)、2935(s)、1720(vs)、1450(m)、1365(m)、1255(vs)、1020(m)、820(m)、740(m)。
【0059】(R,R)−1,1′−ビス[α−アセトキシ−(2−ナフチル)メチル]フェロセン:黄色の固体。dl:meso=84:16;融点129〜130℃;[α]D=−3.5(c=0.51、CHCl3);IR(KBr):νmax=3054(w)、2957(w)、1732(vs)、1373(m)、1233(vs)、1043(m)、1021(m)、788(m)、761(m)。
【0060】4.THF/H2O中でのフェロセンアセテートとジメチルアミンとの反応のための一般的な作業方法(D→E)
フェロセンアセテートをTHF中に溶解させた。この溶液に40%過剰の水性ジメチルアミン溶液を添加した。室温で12時間撹拌した後で、該反応混合物を後処理し、かつカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0061】(R,R)−1,1′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノフェニルメチル)フェロセン:相応するジアセテート(7.95g、16.5ミリモル)をTHF40mL/水10mL中でジメチルアミン(水中40%、60mL)と反応させた。相応するジアミンが、褐色の油状物として91%の収率で得られた(6.79g、15.0ミリモル);dl:meso=96:4;[α]D=+122.0(c=1.36、CHCl3);IR(neat):νmax=3060(w)、3030(w)、2950(m)、2860(w)、2810(w)、2770(s)、1455(s)、1300(m)、1005(s)、830(m)、740(s)、700(m)。
【0062】(R,R)−1,1′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノ−o−トリルメチル)フェロセン:相応するジアセテート(510mg、1.00ミリモル)をTHF10mL/水2.5mL中でジメチルアミン(水中40%、4mL)と反応させた。相応するジアミンが、橙色の固体として81%の収率で得られた(389mg、0.81ミリモル);dl:meso=85:15;融点104〜106℃;[α]D=+120.1(c=1.29、CHCl3);IR(KBr):νmax=3064(w)、3020(w)、1602(w)、1006(s)、823(m)、739(vs)。
【0063】(R,R)−1,1′−ビス[α−N,N−ジメチルアミノ−(2−ナフチル)メチル]フェロセン:相応するジアセテート(1.33g、2.28ミリモル)をTHF30mL/水7.5mL中でジメチルアミン(水中40%、20mL)と反応させた。相応するジアミンが、橙色の固体として88%の収率で得られた(1.10g、2.0ミリモル);dl:meso=92:8;融点142〜143℃;[α]D=−47.1(c=0.47、CHCl3);IR(KBr):νmax=3058(w)、2979(w)、2944(w)、2810(m)、2762(s)、1296(m)、1011(s)、828(s)、762(m)。
【0064】5.ブロミドの合成のための一般的な製造方法(E→H)
相応するジアミンをEt2O(5mL)中に溶解させ0℃に冷却し、かつButLi(c=1.5M、3当量)を5分以内で添加した。該溶液をこの温度で30分間撹拌した。引き続きEt2O(5mL)中の1,2−ジブロモテトラクロロエタン(3当量)の溶液を10分以内に添加した。該混合物を室温で3時間撹拌し、後処理し、かつカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0065】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:相応するジアミン(460mg、1.00ミリモル)にButLi(2.0mL、3.00ミリモル)および引き続き(CBrCl22(977mg、3.00ミリモル)を添加した。カラムクロマトグラフィーによる精製により、ジアステレオマーを含有する暗褐色の油状物が80%の収率で得られた(486mg、0.80ミリモル)(ee=100%)[α]D=+154.5(c=0.88、CHCl3);IR(neat):νmax=3084(w)、3063(w)、3026(w)、2816(s)、2772(s)、1601(w)、1491(w)、1009(s)、756(vs)、735(vs)。
【0066】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノ−o−トリルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:相応するジアミン(2.16g、4.49ミリモル)にButLi(8.9mL、13.48ミリモル)および(CBrCl22(4.39g、13.48ミリモル)を添加した。カラムクロマトグラフィーによる精製およびジエチルエーテル/ヘキサンからの再結晶により、ジアステレオマーを含有する褐色の固体が52%の収率で得られた(1.50g、2.35ミリモル)(ee=100%);融点169〜171℃;[α]D=+224.2(c=0.78、CHCl3);IR(KBr):νmax=3071(w)、3046(w)、3021(w)、1601(w)、823(s)、744(s)。
【0067】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノ−2−ナフチルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:相応するジアミン(0.60g、1.09ミリモル)をButLi(2.2mL、3.26ミリモル)および(CBrCl22(1.06g、3.26ミリモル)を用いて反応させた。カラムクロマトグラフィーによる精製およびジエチルエーテル/ヘキサンからの再結晶により、ジアステレオマーを含有する褐色の固体が43%の収率で得られた(0.33g、0.47ミリモル)(ee=98%);融点147〜148℃;[α]D=−49.6(c=0.74、CHCl3);IR(KBr):νmax=3057(w)、1601(w)、1508(w)、907(s)、824(s)、735(s)。
【0068】6.ジブロモフェロセンの一般的な製造方法(H→I)
相応するアミノブロミド(1ミリモル)を無水酢酸(4mL)中に溶解させ、かつ100℃で2.5時間加熱した。引き続き揮発性成分を真空下(0.7mmHg、3時間)で除去した。定量的な収率で相応するアセテートが得られた(>95%、NMR)。
【0069】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−アセトキシフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:黄色の固体;融点145〜147℃;[α]D=+83.2(c=0.90、CHCl3);IR(KBr):νmax=1738(vs)、1225(vs)。
【0070】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−アセトキシ−o−トリルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:黄色の固体;融点143〜144℃;[α]D=+71.5(c=0.92、CHCl3);IR(KBr):νmax=1735(vs)、1231(vs)。
【0071】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−アセトキシ−2−ナフチルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:黄色の固体;融点90〜93℃;[α]D=+55.6(c=1.11、CHCl3);IR(KBr):νmax=3057(w)、3025(w)、1748(vs)、1235(vs)。
【0072】7.アセテートと有機亜鉛反応試薬との反応のための一般的な実施方法(I→J)
無水THF5mL中の相応するアセテートの溶液に、窒素下で−78℃で有機亜鉛反応試薬(3当量)およびB3・OEt2(2当量)を添加した。反応混合物を1.5時間かけて室温に加温し、かつ引き続きさらに1時間後に後処理した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0073】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−メチルフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:アセテート(219mg、0.34ミリモル)にBF3・OEt2(84μL、0.68ミリモル)およびジメチル亜鉛(neat;1.03ミリモル、71μL)を添加した。98%の収率で褐色の油状物が得られた(184mg、0.33ミリモル);ee=100%;[α]D=+171.4(c=1.10、CHCl3);IR(neat):νmax=3084(w)、3061(w)、3028(w)、1601(w)、1584(w)、1493(s)、816(s)、772(vs)、706(vs)。
【0074】(αR,α′R)−2,2′−ビス[α−メチル−(o−トリル)メチル]−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:アセテート(134mg、0.20ミリモル)にBF3・OEt2(49μL、0.40ミリモル)およびジメチル亜鉛(neat;0.60ミリモル、41μL)を添加した。カラムクロマトグラフィーにより、100%の収率で褐色の固体が得られた(116mg、0.20ミリモル);ee=100%;融点=76〜78℃;[α]D=+118.9(c=0.73、CHCl3);IR(KBr):νmax=3065(w)、3021(w)、1603(w)、1491(w)、816(s)、758(s)。
【0075】(αR,α′R)−2,2′−ビス[α−メチル−2−ナフチルメチル]−(S,S)−1,1′−ジブロモフェロセン:アセテート(195mg、0.26ミリモル)にBF3・OEt2(65μL、0.52ミリモル)およびジメチル亜鉛(neat;0.79ミリモル、54μL)を添加した。カラムクロマトグラフィーにより、92%の収率で黄色の固体が得られた(55mg、0.24ミリモル);ee=100%;融点=58〜60℃;[α]D=+86.5(c=1.04、CHCl3);IR(KBr):νmax=3055(w)、3021(w)、1601(w)、1508(w)、820(s)、750(s)、733(s)。
【0076】8.C2−対称ジホスフィンの合成(J→L)
THF(5mL)と相応するブロミドとからなる溶液に、−78℃でBunLi(c=1.50;3当量)を添加し、かつ引き続き15分後に該溶液にジフェニルクロロホスフィン(neat;4当量)を添加した。反応混合物を室温に加温し、かつこの温度で1時間撹拌し、その後、通常の手順でカラムクロマトグラフィーにより後処理した。ジエチルエーテルからの再結晶により、C2−対称ジホスフィンが得られた。
【0077】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−メチルフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン:相応するブロミド(276mg、0.50ミリモル)と、BunLi(1.00mL、1.50ミリモル)およびClPPh2(360μL、2.00ミリモル)とを反応させた。カラムクロマトグラフィーおよびジエチルエーテルからの再結晶により、68%の収率で橙色の固体が得られた(263mg、0.34ミリモル);融点=181〜182℃;[α]D=−245.2(c=0.40、CHCl3);IR(KBr):νmax=3056(w)、3026(w)、1600(w)、1583(w)、1493(w)、748(s)、741(s)、697(vs)。
【0078】(αR,α′R)−2,2′−ビス[α−メチル−(o−トリル)メチル]−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン:相応するブロミド(100mg、0.17ミリモル)と、BunLi(354μL、0.52ミリモル)およびClPPh2(120μL、0.68ミリモル)とを反応させた。カラムクロマトグラフィーおよびジエチルエーテルからの再結晶により、64%の収率で橙色の固体が得られた(85mg、0.11ミリモル);融点=164〜166℃;[α]D=−402.4(c=0.67、CHCl3);IR(KBr):νmax=3054(w)、3019(w)、1603(w)、1586(w)、1570(w)、1489(m)、735(vs)、698(vs)。
【0079】(αR,α′R)−2,2′−ビス[α−メチル−2−ナフチルメチル]−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン:相応するブロミド(300mg、0.46ミリモル)と、BunLi(1.12mL、1.68ミリモル)およびClPPh2(330μL、1.84ミリモル)とを反応させた。カラムクロマトグラフィーおよびジエチルエーテル/ジクロロメタンからの再結晶により、46%の収率で橙色の固体が得られた(184mg、0.21ミリモル);融点=208〜210℃;[α]D=−256.3(c=0.54、CHCl3);IR(KBr):νmax=3052(w)、1601(w)、1584(w)、822(s)、741(s)、689(s)。
【0080】9.アセテートから出発する平面キラルなジホスフィノフェロセンの合成(I→G)
相応するアセテート(174mg、0.27ミリモル)をTHF5mL中に溶解させ、かつ0℃に冷却した。次いでBF3・OEt2(2.2当量、73μL、0.59ミリモル)を該混合物に滴下した。15分後にTHF中のLiHBEt3からなる1M溶液(2.2当量、0.59ミリモル、0.59mL)を添加し、かつ該混合物を室温で3時間放置した。標準的な後処理およびカラムクロマトグラフィーによる精製により、相応するジブロミドが66%の収率(93mg、0.18ミリモル)で黄色の固体として得られた。
【0081】(S,S)−2,2′−ジベンジル−1,1′−ジブロモフェロセン:融点:61〜64℃;[α]D=+81.8(c=1.05、CHCl3);IR(KBr):νmax=3083(w)、3059(w)、3025(w)、1601(w)、1582(w)、814(m)、724(m)、707(s)、693(s)。
【0082】(S,S)−2,2′−ジベンジル−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン:ジブロミドを上記の方法(J→L)に類似させてジホスフィンに変換した。このためにブロミド(135mg、0.26ミリモル)とBunLi(510μL、0.77ミリモル)およびClPPh2(185μL、1.03ミリモル)とを反応させた。カラムクロマトグラフィーにより、黄色の固体が66%の収率で得られた(127mg、0.17ミリモル);融点:66〜68℃;[α]D=−329.3(c=1.60、CHCl3);IR(KBr):νmax=3028(m)、3001(m)、1660(m)、1601(s)、1586(s)、1570(m)、741(vs)、696(vs)。
【0083】10.ジアミノジホスフィンフェロセンの合成(E→F)
製造法5に従って相応するジアミン(2.40g、5.3ミリモル)と、ButLi(10.6mL、15.9ミリモル)およびClPPh2(3.8mL、21.2ミリモル)とを反応させた。カラムクロマトグラフィーによる精製により、ジアステレオマー(ee>99%)を含有する黄色の固体が49%の収率(2.14g、2.6ミリモル)で得られた。
【0084】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−N,N−ジメチルアミノフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン:融点:245〜246℃;[α]D=−330.3℃(c=1.00、CHCl3);IR(KBr):υmax=3090(w)、3064(w)、3030(w)、2951(m)、2856(w)、2811(m)、2764(s)、1450(s)、1006(s)、814(m)、737(s)、703(s)cm-1
【0085】11.ジアセテートジホスフィンフェロセンの合成のための一般的な製造方法(F→M)
方法6に従って相応するジアミノジホスフィンフェロセン(1ミリモル)を無水酢酸(4mL)中に溶解させ、かつ100℃で2.5時間加熱した。引き続き揮発性成分を真空下(0.7mmHg、3時間)で除去した。ジアステレオマーを含有する黄色の固体(>95%、NMR)が定量的な収率で得られた(ee>99%)。
【0086】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−アセトキシフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン:融点:184℃(分解);[α]D=−169.6℃(c=0.46、CHCl3)。
【0087】12.CH3CN/H2O中でのジアミノジホスフィンフェロセンと種々のアミンとの反応のための一般的な作業方法(M→N)
ジアセテートジホスフィンフェロセンをCH3CN中に溶解させた。この溶液に相応するアミン50当量を添加し、かつ90℃で12時間加熱した。反応混合物を後処理し、かつカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0088】(αR,α′R)−2,2′−ビス(α−ピロリジンフェニルメチル)−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン:相応するジアセテート(0.30g、0.35ミリモル)を、CH3CN 2mL/水 0.2mL中でピロリジン(1.46mL、17.5ミリモル)と反応させた。カラムクロマトグラフィーによる精製およびジエチルエーテル/ヘキサンからの再結晶により、相応するジアミンが橙色の固体として65%の収率で得られた。:融点:242℃(分解);[α]D=−317.5℃(c=0.53、CHCl3);IR(KBr):ηmax=3067(w)、3024(w)、1601(w)、1585(w)、737(s)、698(s)。
【0089】(αR,α′R)−2,2′−ビス[α−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−フェニルメチル]−(S,S)−1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン:相応するジアセテート(0.16g、0.18ミリモル)を、CH3CN 2mL/水 0.2mL中でN−メチル−N−シクロヘキシルアミン(1.20mL、9.3ミリモル)と反応させた。カラムクロマトグラフィーによる精製およびヘキサンからの再結晶により、相応するジアミンが黄色の固体として87%の収率で得られた。:融点:224℃(分解);[α]D=−290.2℃(c=0.57、CHCl3);IR(KBr):ηmax=3071(w)、3053(w)、3001(w)、1600(w)、1584(w)、741(s)、701(s)。
【0090】13.(Z)−メチル−β−(2−ナフチル)−α−アセトアミドアクリレートの水素添加乾燥した50mLのスイング容器(Schlenkgefaess)にアルゴン下で[Rh(nbd)2]BF4−錯体(3.7mg、0.01モル)を装入し、かつ相応する配位子(0.01モル)をMeOH(HPLC−N純度または工業用の品質)8mL中に溶解させて添加した。15〜30分以内にジホスフィンを溶解させた。MeOH2mLおよび(Z)−メチル−β−(2−ナフチル)−α−アセトアミドアクリレート(0.269g、1ミリモル)からなる溶液を添加し、かつ引き続きH2(約1.0バール)を充填したバルーンを該系に接続した。該系をH2で洗浄後に、さらに10分間撹拌後にH2−バルーンを除去し、かつMeOHを真空下で留去した。残留物をシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物が定量的な収率で得られた。
【0091】(R)−メチル−3−(2−ナフチル)−2−アシルアミドプロパノエート:油状物;;[α]D=−104.3℃(c=0.92、CHCl3;ee=99.4%)[文献:+97.8(c=1、CHCl3)];分光分析によるデータは、文献(J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 10125-10138)からのデータと一致した。
【0092】14.(Z)−β−(2−ナフチル)−α−アセトアミドアクリル酸の水素添加(通常の方法)
相応するエステルに関して記載したように実施した。相応する酸(0.255g、1ミリモル)を10分間水素添加した。引き続きMeOHを真空下で除去し、かつ無水エーテル5mLならびに無水MeOH5mLを残留物に添加した。次いでMe3SiCHN2 2当量(c=2M;1.0mL、2.0ミリモル)を反応混合物に滴下した。1時間後に該溶液を真空下で除去し、かつ残留物を上記の場合と同様に処理し、かつ分析した。
【0093】(R)−メチル−3−(2−ナフチル)−2−アシルアミドプロパノエート:油状物;[α]D=−104.3℃(c=0.92、CHCl3;ee=98.2%)[文献:+97.8(c=1、CHCl3)];分光分析によるデータは、文献(J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 10125-10138)からのデータと一致した。
【出願人】 【識別番号】599025097
【氏名又は名称】デグサ−ヒュルス アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成11年6月17日(1999.6.17)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
【公開番号】 特開2000−143684(P2000−143684A)
【公開日】 平成12年5月26日(2000.5.26)
【出願番号】 特願平11−171019