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液体または固体のハロゲン化炭化水素を還元的脱ハロゲン化するための方法 - 特開2000−239191 | j-tokkyo
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【発明の名称】 液体または固体のハロゲン化炭化水素を還元的脱ハロゲン化するための方法
【発明者】 【氏名】フリードリッヒ・ベールズィング

【要約】 【課題】液体または固体のハロゲン化炭化水素の還元的脱ハロゲン化方法を提供する。

【解決手段】ハロゲン化炭化水素をそれ自体又は汚染物質として微細分散固体組成物中に個別に移送し、前記組成物を微細分散還元性金属と共に短時間加熱することにより脱ハロゲン化する。したがって有毒のハロゲン化炭化水素に関しての実施上の問題、特に不均一系(たとえば湿潤油状物、スラッジおよび廃物など)中のハロゲン化炭化水素の脱ハロゲン化・無毒化を解決できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体又は固体のハロゲン化炭化水素あるいは該ハロゲン化炭化水素で汚染された液体もしくは固体を微細分散の微粉状固体組成物中に移送すること、およびハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を、還元性金属と水素供与性化合物の存在下にて80℃〜400℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする、液体もしくは固体のハロゲン化炭化水素を、水素供与性化合物の存在下での還元性金属との化学反応によって、それ自体としてあるいは液体もしくは固体中の汚染物質として還元的脱ハロゲン化するための方法。
【請求項2】 ハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を、乾燥とそれに続く機械的砕解によって、あるいは分散化学反応(DCR)によって製造することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】 ハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を、還元性金属としてのリチウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、またはこれらの合金とともに加熱することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】 ハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を還元性金属の存在下にて加熱する、当該還元性金属を、微細分散の不活性キャリヤー上の微細分散形態にて使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】 還元性金属であるリチウム、カリウム、ナトリウム、またはこれらの合金を微細分散の不活性キャリヤー上に微細分散させた状態で含む前記組成物を機械的または化学的に不活性にすることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】 脂肪族第一アミン、脂肪族第二アミン、脂肪族第三アミン、脂肪族ジアミン、さらなる官能基を有するアミン、またはこれらの混合物を、ハロゲン化炭化水素と微細分散の還元性金属とを含有する固体組成物を含んだ微細分散混合物に加えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】 ハロゲン化炭化水素含有固体組成物と微細分散還元性金属との混合物に水素供与性化合物を、単独であるいはアミンとともに加えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】 アミンと水素供与性化合物とを微細分散の微粉状固体組成物の形態にて加えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】 アミンと水素供与性化合物とを含有する微細分散微粉状固体組成物を分散化学反応(DCR)によって製造することを特徴とする、請求項6、7、および8に記載の方法。
【請求項10】 ハロゲン化炭化水素を含有する微細分散微粉状固体組成物と微細分散の還元性金属とを含んだ反応混合物に、アミン、水素供与性化合物、および対応する微細分散固体組成物をそれぞれ、脱ハロゲン化反応の進行中に一度に全部、あるいは複数回に分けて、あるいは連続的に加えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】 ハロゲン化炭化水素を含有する微細分散微粉状固体組成物を熱的に、あるいは吸収剤を加えることによって、あるいは化学的に完全に乾燥してから脱ハロゲン化反応を行うことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】 酸化カルシウムまたはアルミニウムアルコラートを吸収剤として使用することを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】 脱ハロゲン化反応を、加熱可能な反応管中にて、強力な混合機中にて、流動床反応器中にて、固体床反応器あるいは固体流動反応器中にて行うことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】 微細分散固体組成物、微細分散金属、ならびに必要に応じてアミンと水素供与性化合物とを含む反応混合物を、全出発成分の混合物に対して分散化学反応(DCR)を施すことにより一工程で調製することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】 ハロゲン化炭化水素をそれ自体として脱ハロゲン化するための、あるいは廃油、作動油、トランス油、コンデンサー油、フィルターダスト、アッシュ、汚物、産業排水、および産業廃棄物中のハロゲン化炭化水素を脱ハロゲン化するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法の使用。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素を含有する液体および固体を微細分散微粉状固体組成物中に移送すること、およびハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を、微細分散還元性金属と水素供与性化合物の存在下にて80℃〜400℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする、液体および固体のハロゲン化炭化水素を、水素供与性化合物の存在下での還元性金属との化学反応によって、それ自体としてあるいは液体および固体中の汚染物質として還元的脱ハロゲン化するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本明細書におけるハロゲン化炭化水素とは、ハロゲンに加えて他の官能基を有するような炭化水素(たとえばクロロフェノール)も含めて、分子中に少なくとも1個のハロゲンを有する脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、および脂肪族−芳香族混合炭化水素を表わしている。
【0003】本明細書における水素供与性化合物とは、アニオンおよびラジカルを飽和させるためにそれぞれ形式上プロトンまたは原子状水素を供給できるような全ての化合物(たとえばアルコール、アミン、脂肪族炭化水素など)を表わしている。
【0004】ハロゲン化炭化水素には毒性がある。これは分子中にハロゲンが存在するためである。したがって、ハロゲンを除去することによって有毒ハロゲン化炭化水素を無毒化することができる。分子中にハロゲンが1個存在していても意外に高い毒性をもたらすことがあるので、複数ハロゲン化の炭化水素に対しては、全てのハロゲン原子が除去されるように脱ハロゲン化することが必須である。これは、還元的脱ハロゲン化の場合にのみ化学的に可能である。
【0005】ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ポリ塩化フェノール(PCP)、ポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDD)、およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等のハロゲン化芳香族化合物は毒性がかなり高い。PCDDとPCDF(一般には“ダイオキシン類”という用語で呼ばれている)は超毒性物質であると考えられている。ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)等の脂肪族ハロゲン化化合物またはトリクロロ−ビス(クロロフェニル)−エタン(DDT)等の脂肪族−芳香族混合化合物は、一般には超毒性物質とは分類されていないものの有毒である。上記の化合物はいずれも、他のハロゲン化炭化水素とともに環境中に広範囲に広がっている。これらの化合物は、バイオアベイラビリティが高いために危険性が高く、したがって環境との関連から使用廃止の方向へ考えていかなければならない。
【0006】ハロゲン化炭化水素の還元的脱ハロゲン化を使用している方法が数多くある。ヨーロッパ特許第0099951号によれば、微細分散させた溶融ナトリウムによってPCBを100〜160℃で脱ハロゲン化する。米国特許第4,973,783号によれば、ヒドロシロキサンの存在下にてハロゲン化芳香族化合物とアルカリ金属とを反応させる。米国特許第4,639,309号によれば、ナトリウムまたはカリウムを使用して反応させ、形成されるハロゲン化物を機械的に摩滅させることによって100℃にてハロゲン化炭化水素を脱ハロゲン化する。米国特許第4,950,833号によれば、アンモニウム塩の存在下にてハロゲン化芳香族化合物とアルカリ金属とを40〜60℃の温度で反応させ、またカナダ特許出願第2026506号(多くのさらなる方法がすべて、最新技術に言及して引用されている)によれば、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールの存在下にて、ハロゲン化芳香族化合物を微細分散ナトリウムまたは微細分散カルシウムで100℃未満の温度にて処理する。特に有効な方法がヨーロッパ特許第0225849号に記載されており、該特許によれば、C1−C5アルコールの存在下にて不活性溶媒中で、ハロゲン化脂肪族化合物またはハロゲン化芳香族化合物とナトリウムとを100〜150℃の温度で反応させる。
【0007】引用されている方法は幾つかの重大な欠点を有している。最も重大な欠点は、上記の方法がアルカリ金属とアルカリ土類金属の使用に限定されていること、一般には反応温度がナトリウムの融点より高くなければならないこと、および反応を保護ガスの雰囲気下にて均一な液体媒質中で行わなければならないこと、である。上記の方法は、実際のところ環境問題の解決に対しては適用できない(たとえば、スラッジ中のPCB、湿潤廃物中のダイオキシン、砂中のPCP、埋立地における廃棄物の混合物中のHCHを脱ハロゲン化するのには適用できない)。
【0008】したがって、最初のハロゲン化炭化水素がどのようなものであろうと、上記したような制限や欠点を示すことなく、こうしたハロゲン化炭化水素をそれ自体としてあるいは他の物質中の不純物として化学的・技術的に簡単に脱ハロゲン化するための効率的な方法を提供するのが極めて望ましい。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ハロゲン化炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素を含有する液体および固体を微細分散の微粉状固体組成物中に移送すること、およびハロゲン化炭化水素を含有する前記微細分散微粉状固体組成物を、微細分散の還元性金属と水素供与性化合物の存在下にて80℃〜400℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする、液体もしくは固体のハロゲン化炭化水素を、水素供与性化合物の存在下での還元性金属との化学反応によって、それ自体としてあるいは液体もしくは固体中の汚染物質として還元的脱ハロゲン化するための方法が提供される。
【0010】使用することのできる還元性金属としては、微細分散形態のナトリウム、アルミニウム、および鉄だけでなく、リチウム、カリウム、亜鉛、およびこれらの合金などがある。この微細分散形態の金属は、微細分散微粉状固体組成物の調製時に加えてもよいし、あるいは前記固体組成物の加熱時に加えてもよい。
【0011】本発明は、実施例によって最も簡単に説明できるような考え方に基づいている。たとえばダイオキシン、PCB、およびPCP等の有毒物質が湿潤廃物中に汚染物として高濃度で存在することがあり、こうした汚染物には油相が散在しており、そしてさらには有毒のハロゲン化炭化水素が含有されている。このような場合において、ハロゲン化炭化水素の脱ハロゲン化に化学的に適用できるものとして知られているプロセスはいずれも問題がある。なぜなら、湿潤廃物中にてナトリウムまたはカリウムを使用して反応を行うことは不可能だからであり、またより反応性の低い金属(たとえばマグネシウム、アルミニウム、または鉄など)による脱ハロゲン化反応は、これらの条件下では全く使用することができないからである。さらに、無毒化反応(すなわち脱ハロゲン化反応)を起こさせるために、上記の不均一混合物中にてハロゲン化炭化水素に達することは不可能である。この種の問題を解決するためにこれまで検討されてきた方法はいずれも、溶媒による抽出あるいは熱ストリッピングプロセス(たとえば回転炉中にて)を施し、引き続き高温で焼却するという操作のために、ハロゲン化炭化水素の隔離(insulation)に膨大なコストがかかる。
【0012】しかしながら、汚染廃物を熱的または化学的にほとんど乾燥し、引き続き機械的に粉砕して微粉状状物質を形成させ、これに微細分散の還元性金属、水素供与性化合物、および必要に応じて反応促進剤としてのアミンを加え、そしてこの均一微粉状混合物(取り扱いが容易)を適切な温度に短時間加熱すると、脱ハロゲン化反応に必要な全ての反応パートナーが微細分散形態(すなわち高反応性形態)にて互いに接近するので、ハロゲン化炭化水素を脱ハロゲン化することができる。実際、脱ハロゲン化反応は起こるが、この反応は、より詳細にみれば依然として不均一反応であり、固体粒子に吸着的に結合したハロゲン化炭化水素が隣接金属粒子の表面にどのようにして移行できるのかを明らかにするのは容易なことではない。
【0013】しかしながら、吸着的に結合した炭化水素が、前記反応条件下での蒸気圧にしたがって気相を介して金属表面に接近する、と仮定すれば前記の反応進行は理解することができる。これは、化学量的に過剰量の金属を加えることによって反応時間を大幅に短縮させることができる、という事実と一致する。
【0014】熱的なプロセシング工程と機械的なプロセシング工程との組合せによって乾燥微粉状マトリックスを得るための前記実施例に記載の方法は、特に経済的な面に関して良好ではあるが最適とは言えない結果をもたらす。最良の結果は、油状で湿潤状態の汚染廃物を分散化学反応(a dispersing chemical reaction)(DCRテクノロジー、たとえば DE 23 28 778にしたがって)によって反応させることにより達成することができる。この目的に適うよう、汚染廃物を、存在する水の含量に関係した量の酸化カルシウムと反応させる。酸化カルシウムの量は、たとえばナトリウムを使用する脱ハロゲン化反応の場合、水の完全な除去が必要であれば化学量論量でなければならない。脱ハロゲン化に対し鉄やアルミニウム等の金属を使用する場合(この場合には、気相中の過剰の水分がいかなる問題も生じない)、この量はかなり少ない(たとえば、汚染廃物の重量を基準として約10〜15%)。好ましい実施態様においては、酸化カルシウムが疎水性にされている。
【0015】酸化カルシウムは、かなり疎水性であるという条件においてのみ、油状の湿潤廃物中に均質に分配させることができる。疎水性付与化合物は、金属の競争的な消費を避けるためにいかなる還元性官能基も有していてはならない。長鎖アミン(たとえばステアリルアミン)を加えることによって酸化カルシウムを疎水性にするのが特に有利である。
【0016】粉砕または分散化学反応(DCR)によって製造される熱的または化学的に予備乾燥した固体組成物は、アルミニウムアルコラートを加えることによって完全に乾燥することができる。アルコラートの加水分解によってアルコールが形成されるので、水素供与性化合物をさらに加える必要はない。
【0017】分散化学反応(DCR)と微細分散金属によって得られる固体組成物の均質微粉状混合物を加熱すると、容易に且つ完全に脱ハロゲン化反応が起こる。
【0018】還元性金属による脱ハロゲン化反応を促進させるために、ハロゲンに対して少なくとも0.1当量のアミンを加えることができる。しかしながら、金属の化学的性質に関して充分に高い反応温度が使用される場合は、この必要はない。これらの反応条件下では、熱的に誘起される運動(thermally induced motions)によって、金属表面が反応妨害層でシールされるを防止することができ、あるいはこのような層を除去することができると考えられる。
【0019】本発明の範囲内で使用できるアミンは、脂肪族第一アミン、脂肪族第二アミン、脂肪族第三アミン、脂肪族ジアミン、さらなる官能基を有するアミン(特にアミノアルコール)、前記アミンの混合物、または前記アミンと他の化学系列から選ばれる水素供与性化合物との混合物である。
【0020】特別の反応性を有する金属(たとえばナトリウム)を使用する場合、加熱ゾーンにおいて必要とされる滞留時間は200℃にて数秒間であり、温度が低下するにつれてそれと同じ程度に増大する。アミンが促進剤として加えられる場合、滞留時間は80℃にて約2秒である。
【0021】より反応性の低い金属(たとえば鉄、アルミニウム、および亜鉛など)を使用する場合、滞留時間は約350℃にて約2〜15秒であり、より低い金属濃度に対してはかなり長くなる。これらの場合では、脱ハロゲン化反応を完全に進行させるのに必要な長さの時間にわたって、反応混合物を循環式プロセス中に保持する。ラジカルイオン中間体から還元炭化水素を生成させるために、官能基中に水素を有する水素供与性化合物(たとえばアルコール)をさらに加える必要はない。なぜなら、前記のような高温においては、単なる炭化水素化合物からさえも水素が開裂されるからである。
【0022】液体ハロゲン化炭化水素、低融点のハロゲン化炭化水素、またはこれらを不活性溶媒(たとえば廃油、トランス油、および作動油など)中に混合して得た溶液を、第1の工程において化学反応(DCR)によって分散させ、第2の工程において金属およびさらなる加工助剤(すなわちアミンやアルコール)と共に均質化し、そして第3のプロセシング工程において反応させることができる。より反応性の低い金属(たとえばアルミニウムや鉄)をハロゲン化炭化水素含有液体中に(必要であればアミンやアルコールと一緒に)懸濁させれば、次いで酸化カルシウムによって化学的に分散(DCR)させれば、特に効果的且つ経済的である。このように極めて均質な固体組成物が形成され、このとき凝集粒子のそれぞれの集合体は、全ての反応パートナーが極めて密に一緒にパックされている小さな反応器と見なすことができる。この微粉状混合物〔反応器(たとえば固体フロー反応器)の高温金属表面との瞬間的な接触を介して200〜400℃の温度で短時間加熱すれば簡単に吹き飛ばすことができる〕は、完全で且つ速やかな脱ハロゲン化をもたらす。
【0023】反応性の金属(たとえばナトリウム)が関係してくると、液体ハロゲン化炭化水素、低融点のハロゲン化炭化水素、またはこれらを不活性溶媒(たとえば廃油、トランス油、および作動油など)中に混合して得た溶液は、同じようには(すなわち同時発生的な分散反応では)処理することができない。この場合には、ハロゲン化炭化水素含有液体を、必要であればアミンやアルコールと一緒に化学的に分散させ、そして得られた微粉状分散物を引き続き金属と共に均質化させなければならない。この点に関して、ハロゲン化炭化水素含有分散物と微細分散還元性金属との高度に微細分散された最終混合物を達成するために、金属を微細分散不活性キャリヤー上にあらかじめ微細分散させる(たとえば遊星形ボールミルによって)のが特に有利である。
【0024】微細分散キャリヤー上に分散された特定の反応性を有する金属は自燃性を有する。このような物質の取り扱いをより容易にするためには、不活性物質中にラッピングすることによって、あるいは機械的もしくは化学的な疎水性付与処理によってこうした物質を不活性にする必要がある。
【0025】汚染物質と反応パートナーを別々に処理し、そして最終的に混合して反応させるようにすれば、沈降物、油状スラッジ、および類似の不均一物質中のハロゲン化炭化水素を技術的により単純に処理することができる。たとえば、不均質のハロゲン化炭化水素含有物質およびアミンとアルコールとの混合物を、分散化学反応(DCR)によって微粉状組成物中に個別に移送することができる。このようにして得られる各分散プロセスからの微細分散微粉状固体組成物を、微細分散金属と機械的に混合することができる。次いで前記の最終混合物を反応器に供給して加熱する。これにより、全成分の混合物(すなわち、アミン、アルコール、および金属を含んだ不均質汚染物質)に直接施される分散反応より良好な結果が得られる。
【0026】微細分散金属(それ自体として又はキャリヤーに担持させたものとして)およびアミンとアルコールを含有する微細分散微粉状組成物を、ハロゲン化炭化水素を含有する微粉状固体調製物に、一度に全部、あるいは少量ずつ数回に分けて、あるいは脱ハロゲン化反応の進行中に別個の反応器入口を介して連続的に加えることができる。
【0027】脱ハロゲン化反応を技術的に実施する際には、下記のような変法が実際面から重要である。
【0028】固体〔水を含まないか又はほとんど含まない固体(たとえばアッシュやフィルターダスト)〕中に汚染物として存在するハロゲン化炭化水素は、管状反応器(reactor tube)、強力もしくは強制ミキサー、回転炉、流動床反応器、充填固体床反応器、または固体流動反応器(solid flow reactor)中にて連続的あるいは不連続的に脱ハロゲン化することができる。
【0029】水を含有していないマトリックスにはナトリウムを加えることができ、ほとんど乾燥しているマトリックスにはマグネシウムを加えることができる。最初から水を含有しているマトリックスでは、物質があらかじめ熱的に、あるいはさらに好ましくは化学的に乾燥(たとえば、酸化カルシウムやアルミニウムアルコラート等の吸収剤を加えることによって)されている場合にのみ使用することができる。
【0030】廃物または廃物様物質(たとえば、水を含有する沈降物、産業残留物、および副生物)中の汚染物としてのハロゲン化炭化水素は、アルカリ金属との脱ハロゲン化反応の場合には完全に乾燥させなければならず、また他の金属との脱ハロゲン化反応の場合には相当程度乾燥させなければならない。固体流動反応器中または流動床反応器中での脱ハロゲン化に対しては、固体マトリックス中の全反応パートナーの最適均質分布を達成するために、マトリックスを砕解して微粉状物質を形成させなければならない。
【0031】乾燥は、熱的に行ってもよいし、あるいは吸収剤を加えることによって化学的に行ってもよい。適切な砕解は、乾燥物質を粉砕することによって達成することができる。最適の特性を有する固体分散物は、砕解し、そして疎水性化した酸化カルシウムを使用して、分散化学反応(DCR)により水含有マトリックスを一工程で乾燥することによって製造することができる。
【0032】本発明の利点は以下のようにまとめることができる。微細分散微粉状固体組成物中に含まれているハロゲン化炭化水素を、本発明にしたがって、還元性金属を使用して80〜400℃の温度で短時間加熱して脱ハロゲン化することにより、これまでは完全且つ経済的にはな行うことのできなかったハロゲン化炭化水素の脱ハロゲン化が可能となった。
【0033】本発明による脱ハロゲン化反応の実施に際しては可能な変形が数多くあるので、実施に際してのほとんどのケースにおいて、ハロゲン化炭化水素(特に廃油、油状残留物、および汚染廃物もしくは汚染廃物様物質、そしてさらには危険な組成物中のハロゲン化炭化水素)に関する環境上の種々の問題を解決することが可能である。固体マトリックス中のハロゲン化炭化水素を還元性金属を使用して脱ハロゲン化するのに必要な反応温度は、アミンを加えることにより大幅に低下させることができる。
【0034】
【実施例】実施例1廃油中のPCBの脱ハロゲン化49%のClを含有する2.9gのPCB(1/100モル)で汚染された4gの廃油に、5.4gのジグライム(4/100モル)を加えた。本溶液を、DCR反応にて約4gのCaOおよび化学量論量の水と反応させて、乾燥微粉状生成物を形成させた。この微細分散乾燥粉末を、不活性固体キャリヤーに担持させた50%分散液の形態にて4g(2当量/Cl+100%過剰)のナトリウムと共に均質化させた。得られた均質生成物を完全に脱ハロゲン化するために、たとえば二軸スクリュー反応器にて均質生成物を120℃で約3分保持した。水素供与性化合物を加えてから、微細分散乾燥粉末を均質にすることもできる。
【0035】Na、K、またはLiより反応性の低い金属の場合、反応温度を増大させなければならない。PCBの蒸発を避けるために、均質粉末をたとえば加熱可能な流通反応器にて衝撃加熱しなければならない。
【0036】微細分散させた鉄、アルミニウム、および亜鉛を使用して完全に脱ハロゲン化せるために必要な反応温度は、15秒の滞留時間にてそれぞれ400℃、370℃、および220℃である。
【0037】実施例2アミンの存在下での廃油中のPCBの脱ハロゲン化49%のClを含有する2.9gのPCB(1/100モル)で汚染された4gの廃油に、5.4gのジグライム(4/100モル)と0.28gのn−ブチルアミン(4/1000モル)を加えた。本溶液を実施例1に記載のように処理した。得られた均質生成物を完全に脱ハロゲン化させるために、80℃にて約3分保持した。
【0038】Na、K、またはLiより反応性の低い金属の場合、アミンまたは他の水素供与性化合物(たとえばトリグライムやテトラグライム)が存在することにより、必要な反応温度を大幅に低下させることができる。PCBの蒸発を避けるために、低下した温度であっても均質粉末を衝撃加熱しなければならない。
【出願人】 【識別番号】500045110
【氏名又は名称】デーセーエル・インターナショナル・エンヴァイアランメンタル・サーヴィシズ・ベー・フェー
【出願日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外4名)
【公開番号】 特開2000−239191(P2000−239191A)
【公開日】 平成12年9月5日(2000.9.5)
【出願番号】 特願2000−24988(P2000−24988)