トップ :: C 化学 冶金 :: C04 セメント;コンクリ−ト;人造石;セラミツクス;耐火物

【発明の名称】 相間部材材料の練成方法、この練成方法により得られた材料、該材料を用いた補強用セラミックファイバの処理方法および付随する熱構造材料の製造方法
【発明者】 【氏名】ルドヴィック.ダリオル

【氏名】ガイ.ラーナック

【氏名】ジャン.ファリポー

【要約】 【課題】酸化力ある環境に耐え、かつその材料でできた部品が受ける応力の取込みを可能にしながら、亀裂の偏向特性を有する、特にセラミックファイバのようなセラミック補強材を伴うセラミックマトリックス内の多孔質相間部材を提供し、またこの相間部材の製造方法ならびにこの相間部材でコーティングされたファイバの製造方法およびかかるファイバを内含する熱構造材料の製造方法を提供する。

【解決手段】特にファイバのようなセラミック補強材料とガラスセラミックスまたはガラスセラミックマトリックスの間に配置するための、多孔性を有する酸化物からの相間部材材料の練成方法において、−拡散を制限しほぼ同一の熱膨張率を備えるような形でマトリックスおよび/または補強材料の組成物とほぼ同一であるが、マトリックスよりも高い融点をもつ組成物を選択する工程と;
【特許請求の範囲】
【請求項1】 特にファイバのようなセラミック補強材料とガラスセラミックスまたはガラスセラミックマトリックスの間に配置するための、多孔性を有する酸化物からの相間部材材料の練成方法において、−拡散を制限しほぼ同一の熱膨張率を備えるような形でマトリックスおよび/または補強材料の組成物とほぼ同一であるが、マトリックスよりも高い融点をもつ組成物を選択する工程と;
−該組成物に対し、多孔性生成助剤を添加する工程と;
−補強材料上に前記組成物を被着させる工程と;
からなることを特徴とする相間部材材料の練成方法。
【請求項2】 さらにマトリックスが熱間プレス加工工程で練成される場合、相間部材組成物はマトリックス材料の練成温度でこのマトリックス材料の粘度よりも高い粘度をもつように選択されることを特徴とする請求項1記載の相間部材材料の練成方法。
【請求項3】 多孔性生成助剤が炭素粒子を含み、かつ前記組成物内に一定の与えられた多孔率を生成するためカーボンブラック粒子の少なくとも部分的な酸化を行なうことを特徴とする請求項1または2記載の相間部材材料の練成方法。
【請求項4】 マトリックス材料および/または補強材料の組成物が練成温度において酸化力をもつ可能性があり、カーボンブラック粒子は第1の多孔性を得るための補強材料上への被着の後に部分的にのみ酸化され、かつ完全酸化の補完分は第2の多孔性を生成するため前記補強材料を統合するマトリックスの練成の際に得られることを特徴とする請求項3記載の相間部材材料の練成方法。
【請求項5】 −マトリックスの組成物との関係における改質用酸化物の一定濃度;
−形成用酸化物の一定濃度;
というパラメータを呈することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法により得られた相間部材材料。
【請求項6】 0.5MgO−0.5LiO−1Al−4SiOの組成を有するマトリックスに対して1MgO−1.9Al−3.1SiOの組成物を有することを特徴とする請求項5記載の相間部材材料。
【請求項7】 20体積%のカーボンブラックを含んでなることを特徴とする請求項6記載の相間部材材料。
【請求項8】 炭化ケイ素SiC製マトリックスについて3Al−2SiOの組成を有することを特徴とする請求項5記載の相間部材材料。
【請求項9】 40体積%のカーボンブラックを含んでなることを特徴とする請求項8記載の相間部材材料。
【請求項10】 連続して、−多孔性生成助剤を含むコロイド状の第1の被着物および同じ組成ではあるが、多孔性生成助剤を含まない第2の重合体被着物とともに相間部材材料のために選択された同じ基本組成を有する2つのゾルーゲル被着物を実現する工程と;
−第1のゾル−ゲルの中に「ディップコーティング」によりファイバを浸漬させる工程と;
−コロイド状ゲルに起因する天然の多孔性に追加して多孔性を生成するため温度に関し少なくとも部分的な空気による酸化を前記組成物に受けさせる工程と;
−同じく「ディップコーティング」により第2のゾルーゲル中に多孔質層である第1の層とともに前記ファイバを浸漬させる工程と;
−第1の層と同じ組成のバリア効果をもつ密度の高い結晶化層を実現するためこの第2の層を熱処理する工程と;
から構成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の相間部材を用いた補強用ファイバの処理方法。
【請求項11】 選択された組成物の界面材料のコロイド状または重合体のゾルーゲルの中にファイバを浸漬させ、その後1回で必要な多孔性を生成するためこのコーティング済みファイバに完全酸化を受けさせることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項記載の相間部材を用いた補強用ファイバの処理方法。
【請求項12】 請求項5〜7のいずれか1項記載の相間部材材料を有するファイバおよびマトリックスを含んでなる請求項10記載の処理を受けたファイバを内含する熱構造材料の製造方法において、−熱間プレス加工によるマトリックスの練成のために選択された組成物の粉末を仮焼させる工程と;
−マトリックスの練成化合物および/またはファイバの構成成分が放出する酸素を用いて未酸化カーボンブラック粒子を酸化させることにより、これらの粒子による補足的多孔性を同時に生成する工程と;
からなることを特徴とする熱構造材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック、ガラスセラミックまたはガラスマトリックスとセラミックファイバタイプのセラミック補強材を有するタイプの複合材料であって、少なくとも1つの多孔質層をもつ界面がこの補強材料とそれが包埋されているこのマトリックスの間に介在させられているような複合材料に関するものである。
【0002】本発明は、より詳細に述べると、適合された相間部材材料の製造方法、この方法により得られた相間部材材料ならびに少なくとも500℃〜1200℃、さらには500℃〜2000℃の範囲内で作業する熱構造材料の製造のためのこの相間部材材料の利用をも目的とするものである。
【0003】
【従来の技術】以下の記述においては、単純化を期して「セラミック」という用語を利用するが、本明細書の諸部材は直接ガラス製またはガラスセラミック製マトリックスに当て嵌まるものである。セラミックスは、可塑相を通過することなくマトリックスまたは補強材のほぼ同時の破断に至るまで弾性的に変形することから、脆性であるといわれている。しかしセラミックベースの材料は、特に800℃から1200℃に至る温度で炉、タービン、熱交換器、ある種の宇宙空間向け利用分野または構成において唯一利用できるものであることから、この脆性は、特に顕著な欠点となっている。
【0004】この場合、ファイバである相間部材がマトリックスと補強材の間に存在することによって、マトリックスの中を伝播する亀裂を偏向させて、亀裂がファイバに達しこの材料でできた部品の早期破断を導くことがないようにすることができる、ということが分かっている。相間部材材料は、割れが始まる前の荷重の移送を確保しながら、複合材がその弾性領域を超えて破壊するのを許容するはずである。複合材、ファイバおよびマトリックスの部材全体が応力を確実に取り込み、ファイバが弾性領域内のマトリックスから切り離された状態とならないことが必要である。
【0005】先行技術によると、様々なタイプの相間部材材料が知られているが、本発明に係る相間部材の位置づけを十分に示すため、これらの先行技術部材を位置づけすることが妥当であると思われる。
【0006】結晶構造が層状構造である黒鉛のような材料の高い異方性に基づく層状構造の相間部材がすでに知られている。薄層平面内には強い結合σが、また薄層間には比較的弱い結合πが存在する。かくして、平面は互いに対し滑動し得る。マトリックスとファイバの間にこのような材料を介在させることにより凝集解除エネルギーがより小さい経路、すなわち薄層間の経路をとる亀裂を偏向させることが可能である。したがって切込み面はファイバまで到達せず、相間部材材料内に吸収された状態になる。これらの相間部材としては、それぞれ米国特許第4605588号およびフランス国特許第2567874A号明細書中で記述されているピロカーボンPyCまたは窒化ホウ素BNでできた相間部材を挙げることができる。
【0007】これらの層は、蒸気相で被着させられていることからターボスタティックであり、そのためこれらは、天然材料に比べ異方性が低くなっているが、それでも偏向効果は十分に得られる。
【0008】炭素がもつ重要な問題点は、酸化性雰囲気内で550℃より高温でのその脆さにあり、このため本発明で考慮されている利用分野のためには利用不可能なものになっている。窒化ホウ素は、その六角相において、黒鉛のものにほぼ匹敵する層状構造を呈するが、炭素よりも耐性が高いにも関わらず、それでも空気下で800℃より高い温度で酸化されて比較的揮発性のあるBを形成する。窒化ホウ素BNは、蒸気相での被着によって練成されるが、これは高価であり、したがって付加価値が比較的低い材料に向けた工業化にとっての障害となる。
【0009】したがって、雲母またはフルオロ雲母タイプの薄層構造をもつ層状酸化物からなる他の相間部材が開発された。ヨーロッパ特許第366234A号およびフランス国特許第2699523A号明細書は、このタイプの金雲母およびフルオロ金雲母の相間部材について記述している。これらの雲母のこの層状構造は同様に750℃より高い温度で消滅し、そのためこれらの材料は、求められている温度範囲内では利用不可能である。ただし、より精巧な原子構造を実現することによって100〜150℃の温度余裕を得ることはできるが、それでもセラミック材料にとっては不十分である。
【0010】同様にある種の極めて延性の高い金属が、亀裂前面で発揮されるエネルギーをその変形によって吸収できるようにすることから、金属製相間部材を利用することも可能である。ここで問題になるのは、相容性ある金属が、金(Au)、白金(Pt)またはイリジウム(Ir)さらにはロジウム(Rh)およびルテニウム(Ru)のような貴金属であり、かくしてこのような実施例は、特にこれらの金属の法外な価格のため、工業的生産と相容れないものとなっている。
【0011】その上金属の場合には、往々にして一部の原子がファイバおよび/またはマトリックス内に拡散するという問題が発生する。さほど貴重でない金属を利用した場合には、いくつかの機械的特性を著しく低下させるに至るまで組成物を完全に変性させる結晶の形成が発生する。
【0012】亀裂の進展に抵抗するためのさらに別の解決法は、ミクロ割れの入った相間部材を設けることからなり、ここでミクロ割れは、マクロ割れの伝播の優先的経路を表わし、これらのミクロ割れは、全く効果的な形で亀裂を偏向させる。フランス国特許第2673940A号明細書は、求められる破壊特性をもつ材料の獲得を導くこのような実施例について記述している。またフランス国特許第2654750A号明細書で記述されている一実施例は、ZrOまたはHfOタイプの酸化物を被着させ、その結晶構造を発達させることからなる。かくして相の変換には、体積の大きな変化が伴い、このためミクロ割れが発生する。この場合の問題点は、−マトリックスの練成のためのより高い温度での仮焼の際に、亀裂が再度閉じる可能性があるため、または−材料が、全体に広がった割れによってあらゆる機械的強度を失なう可能性があるため、材料内部でのこれらの亀裂の安定性にある。
【0013】最後に、フランス国特許第2673938A号明細書により多孔質材料、より詳しくは一方では相間部材とマトリックス、また他方では相間部材とファイバの界面においてその密度が高く、中心部でその密度が低い多孔質材料で構成された相間部材が知られている。その目的は常に相間部材材料の中心における亀裂の進行を容易にすることにある。亀裂は相間部材材料内を孔から孔へ進み、ファイバに達しない。密度変動の基本的目的は、その練成中にマトリックスの材料がこれらの孔に充填されることなく、中心部の多孔性を維持することにある。
【0014】相間部材における多孔質材料として酸化物を利用することができ、そのため界面被着物は酸化に対する高い耐性を有し、これがまさに冒頭に記されているように求められているものである。
【0015】先行技術において記述された実施例は、炭化ケイ素SiC、特に「Textron」という商標の下で市販されているSiC製のファイバを伴う微小複合材に関するものである。これらのファイバは、大きな直径(140μm)をもち、相間部材は業界のニーズおよび手段と釣り合わない寸法を有し、このためこれらは業界の要求と相容れないものになっている。特に利用されるファイバは、15μmの直径をもち、数百ものファイバーのストランドの体裁をとり、本発明の目的と相容れないものである。
【0016】このような多孔質材料の層を実現するための方法は、例えばファイバ上に、後で除去する炭素またはモリブデンの一時的層を被着させることからなる。被着された材料を酸化により除去する際に、この一時的材料の除去後にマトリックスとファイバの間には高い多孔性が形成される。試験では、複合材Al、サファイア/YAG、さらにはSiC/Si系中のSiで満足のいく結果が得られている。この場合、ファイバはSi粉末、シリカ、およびポリスチレン粒子の泥漿の中に浸漬される。コロイド状シリカは、Siの結晶粒の結合材の役目を果たす。ポリスチレンの微小球は、多孔性生成物質として作用する。
【0017】多孔質の相間部材は、ポリスチレンの600℃での緩慢な仮焼とそれに続くNの存在下での1350℃での高速仮焼処理によって得られる。マトリックスの練成の間の孔の充填を回避するためには、密度の高いシリカ層が必要である。相間部材は、全て混合された構成成分のため、そして特に十分に直径を減少させることのできないポリスチレンの微小球のため非常に粘度の高い泥漿から作られることから、qqsμmと厚みのあるものである。ここで再び、このような試験が実験室内での利用に限られており、利用分野の制限された超先端技術製品についてさえ、物質的手段や価格面でのその制約条件のため全く工業レベルに転用できないものであるということが確認される。
【0018】同様に、ヨーロッパ特許第634378A号明細書中で詳述されている材料である窒化アルミニウムAlNから実現された非付着性の相間部材を提案する本出願人により開発された材料も存在する。異なる物性に応えることができるように、また同一材料の内部に求められる全ての物性を統合することが困難であることを知った上で、いわゆる多重相間部材の理論が、これらの統合すべき物性のうちの少なくとも1つを各々が有する異なる層を実現し、組合わせによって最終的に求められる結果を得ることを可能にしてくれる。
【0019】同様にかかる多重相間部材が、実現上の技術的な問題点の多いものであり、今日すでに単位コストが法外であることがわかっている蒸気相での二重被着を少なくとも1回必要とするものであることが分かる。このような解決法は、工業的開発利用方式として採用される可能性の低いものである。BN/SiC相間部材で行なわれた試験は、本発明の目的と相容れない実施コストを導いた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化力ある環境に耐え、かつその材料でできた部品が受ける応力の取込みを可能にしながら、亀裂の偏向特性を有する、特にセラミックファイバのようなセラミック補強材を伴うセラミックマトリックス内の多孔質相間部材を提供することを目的とする。本発明はまた、この相間部材の製造方法ならびにこの相間部材でコーティングされたファイバの製造方法およびかかるファイバを内含する熱構造材料の製造方法を提供することも目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の第1の実施態様は、特にファイバのようなセラミック補強材料とガラスセラミックスまたはガラスセラミックマトリックスの間に配置するための、多孔性を有する酸化物からの相間部材材料の練成方法において、−拡散を制限しほぼ同一の熱膨張率を備えるような形でマトリックスおよび/または補強材料の組成物とほぼ同一であるが、マトリックスよりも高い融点をもつ組成物を選択する工程と;
−該組成物に対し、多孔性生成助剤を添加する工程と;
−補強材料上に前記組成物を被着させる工程と;
からなる相間部材材料の練成方法を特徴とするものである。
【0022】また本発明の第2の実施態様は、−マトリックスの組成物との関係における改質用酸化物の一定濃度;
−形成用酸化物の一定濃度;
というパラメータを呈する前記第1の実施態様に係る製造方法により得られた相間部材材料を特徴とするものである。
【0023】さらに本発明の第3の実施態様は、連続して、−多孔性生成助剤を含むコロイド状の第1の被着物および同じ組成ではあるが、多孔性生成助剤を含まない第2の重合体被着物とともに相間部材材料のために選択された同じ基本組成を有する2つのゾルーゲル被着物を実現する工程と;
−第1のゾル−ゲルの中に「ディップコーティング」によりファイバを浸漬させる工程と;
−コロイド状ゲルに起因する天然の多孔性に追加して多孔性を生成するため温度に関し少なくとも部分的な空気による酸化を前記組成物に受けさせる工程と;
−同じく「ディップコーティング」により第2のゾルーゲル中に多孔質層である第1の層とともに前記ファイバを浸漬させる工程と;
−第1の層と同じ組成のバリア効果をもつ密度の高い結晶化層を実現するためこの第2の層を熱処理する工程と;
から構成されている前記第2の実施態様に係る相間部材を用いた補強用ファイバの処理方法を特徴とするものである。
【0024】さらにまた本発明の第4の実施態様は、前記第2の実施態様に係るに係る相間部材材料を有するファイバおよびマトリックスを含んでなる前記第3の実施態様に係る処理を受けたファイバを内含する熱構造材料の製造方法において、−熱間プレス加工によるマトリックスの練成のために選択された組成物の粉末を仮焼させる工程と;
−マトリックスの練成化合物および/またはファイバの構成成分が放出する酸素を用いて未酸化カーボンブラック粒子を酸化させることにより、これらの粒子による補足的多孔性を同時に生成する工程と;
からなる熱構造材料の製造方法を特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る相間部材は、500℃〜1200℃、ひいては1200℃〜2000℃の間に含まれる温度範囲内で機能し得る材料のための、進行性亀裂の偏向効果および熱機械的挙動の改善を得ることを可能にするものである。
【0026】本発明に係る相間部材は、利用されるファイバおよびマトリックスの性質を考慮に入れる。その上この相間部材は、異なる工程においてこの多孔性のパラメータを制御できるようにする多孔性生成助剤を含んでなり、この助剤はファイバとマトリックスの間の滑動能力を決定する界面せん断応力度の値の制御を可能にする。
【0027】さらに本発明は、求められている組成物の精度および均質性を保証するだけでなく多孔性生成助剤の相間部材組成物内への導入をも可能にする製造方法を提案している。このため、特にファイバといったセラミック補強材料とガラス、セラミックスまたはガラスセラミックマトリックスの間に配置するための、多孔性を呈する酸化物からの相間部材材料の練成方法は、−拡散を制限しほぼ同一の熱膨張率を備えるような形でマトリックスおよび/または補強材料の組成物とほぼ同一であるが、マトリックスよりも高い融点をもつ組成物を選択する工程と;
−該組成物に対し、多孔性生成助剤を添加する工程と;
−補強材料上に前記組成物を被着させる工程と;
からなることを特徴とするものである。
【0028】マトリックスが熱間プレス加工工程で練成される場合、相間部材組成物はマトリックス材料の練成温度でこのマトリックス材料の粘度よりも高い粘度をもつように選択される。
【0029】また本発明の好ましい一実施態様においては、多孔性生成助剤は炭素粒子を含み、この場合前記組成物内に一定の与えられた多孔率を生成するためカーボンブラック粒子の少なくとも部分的な酸化が行なわれる。
【0030】この方法の他の特徴によると、マトリックス材料および/または補強材料の組成物は、練成温度において酸化力をもつ可能性があり、次にカーボンブラック粒子は第1の多孔性を得るため補強材料上への被着の後に部分的にのみ酸化され、完全酸化の補完分は第2の多孔性を生成するため前記補強材料を統合するマトリックスの練成の際に得られる。
【0031】本発明は同様に、−マトリックスの組成物との関係における改質用酸化物の一定濃度;
−形成用酸化物の一定濃度;
というパラメータを呈する、得られた相間部材の材料をも特徴とするものである。
【0032】本発明に係る一実施態様によると、以下の組成物を提供することができる:−0.5MgO−0.5LiO−1Al−4SiOの組成を有するマトリックスに対して1MgO−1.9Al−3.1SiOの組成を有する。この場合、この材料は20体積%のカーボンブラックを含んでなる。
【0033】本発明に係るさらに他の特定の実施態様によると、以下の組成物を提供することができる。
−炭化ケイ素SiC製マトリックスについて3Al−2SiOの組成を有する。
この場合、この材料は40体積%のカーボンブラックを含んでなる。
【0034】本発明においては、連続して、−多孔性生成助剤を含むコロイド状の第1の被着物および同じ組成ではあるが、多孔性生成助剤を含まない第2の重合体被着物とともに相間部材材料のために選択された同じ基本組成を有する2つのゾルーゲル被着物を実現する工程と;
−第1のゾル−ゲルの中に「ディップコーティング」によりファイバを浸漬させる工程と;
−コロイド状ゲルに起因する天然の多孔性に加えて多孔性を生成するため温度に関し少なくとも部分的な空気による酸化を前記組成物に受けさせる工程と;
−同じく「ディップコーティング」により第2のゾル−ゲル中に多孔質層である第1の層とともに前記ファイバを浸漬させる工程と;
−第1の層と同じ組成のバリア効果をもつ密度の高い結晶化層を実現するためこの第2の層を熱処理する工程と;
からなる、補強材ファイバの処理方法を保護することも特徴としている。
【0035】相間部材を用いた補強用ファイバの第1の処理方法の形態は、選択された組成物の界面材料のコロイド状または重合体のゾル−ゲルの中にファイバを浸漬させ、その後1回で必要な多孔性を生成するためこのコーティング済みファイバに完全酸化を受けさせることからなる。
【0036】同様に、これらのファイバを内含する熱構造材料をこれらのファイバから実現することも同様に可能であり、この方法には、−熱間プレス加工によるマトリックスの練成のために選択された組成物の粉末を仮焼させる工程と;
−マトリックスの練成化合物および/またはファイバの構成成分により放出された酸素を用いて未酸化カーボンブラック粒子を酸化させることによりこれらの粒子による補足的多孔性を同時に生成する工程と;が含まれる。
【0037】当該相間部材は、次のものに関して制限的な意味の無い一例として示される2つの特定の実施態様との関係において、ここで記述される:すなわち、−ヨーロッパ特許第514611A号明細書中で記述されている、SiC/MAS−Lと呼ばれる第1の材料。かくしてファイバは炭化ケイ素であり、マトリックスはMgO−LiO−Al−SiOタイプのものである。
−ファイバおよびマトリックスが炭化ケイ素である、SiC/SiCと呼ばれる第2の材料。
【0038】SiC/MAS−Lは、その練成およびその構成成分が、特に機能温度範囲といった冒頭に示された仕様の条件を満たしながら、製造に必要な手段という観点から見てもこれらの製品の原価という観点から見ても、工業的利用に完全に適したものであることから選択されたものである。
【0039】本発明に係る相間部材の組成物は、求められる偏向効果を得、ファイバの破断を避けたいと考えるならば、複数の基準を満たさなくてはならない。同様に選択された練成方法を考慮に入れることも必要である。
【0040】工業的方法として一般に選択される方法である熱間プレス加工によるマトリックスの製作の場合においては、相間部材材料は、そのためにその多孔性を失なうことなく、かつその組成が変わることなく、圧力および温度条件に耐えなくてはならない。したがって相間部材組成物の粘度は、それが高密度化を受けるのを避けために、常にマトリックスのものよりもはるかに高くなければならない。
【0041】同様にして相間部材材料の分解、軟化または溶融温度もまた、マトリックスの練成温度より高く、求められない高密度化を導くことになるような相間部材材料の早期溶融を回避しなくてはならない。
【0042】つぎに相間部材からマトリックスに向かっての特に移動度の高いある種のイオンの拡散の問題を避けるため、本発明により選択された解決法は、マトリックスおよびファイバのものに近い相間部材の化学組成を選択することからなる。
【0043】以上で説明した通りの材料は、制御された雰囲気中でも特に空中で酸化力ある環境においても500℃〜2000℃の範囲の温度に耐えるように、1つの酸化物である。
【0044】同様にして相間部材材料の熱膨張率は、温度低下の際に補足的な内部応力度を誘発しないようにマトリックスおよびファイバのものに近いレベルに止まらなくてはならない。
【0045】相間部材材料の練成のためには、特にコスト面からみて、工業的技術と完全に適合した方法であるゾル−ゲルタイプの液体による方法が利用される。コロイド状ゾルと呼ばれる第1のもの、そして重合体ゾルと呼ばれる第2のものの2種類のゾルが存在する。第1のゾルは、pHが変動する際または溶液の蒸発の際にゲルに変換する。粒子サイズはアルミナ粒子については約30nm、シリカ粒子については例えば20nmであり、これは比較的大きいものである。同様に、得られたゲルは、この粒子サイズのためおよびこれらの粒子の内部浸透が無いという事実のため、より大きな多孔性を生成することを可能にする。第2のゾルは、反応性実体の凝縮によりゲルを形成し、こうしてさらにこれら実体の数nmという小さなサイズおよび内部浸透のため密度の高い層が生成される。かくして、同じ組成物を用いて、異なるゾル−ゲル技術により、一方が天然に多孔質で以下で説明する通り多孔性を増大させる可能性のあるものであり、他方が天然に密度の高いものである2つの層を実現することが可能である。
【0046】本発明に係る多孔性生成助剤に関して述べると、これはファイバのコーティングの前に相間部材材料の前駆物質であるゾル組成物の中に導入されるカーボンブラック粒子である。カーボンブラックは、数多くの利点を示し、そのためこれが選択されたのである。実際カーボンブラックはきわめて安価であり、容易にしかも数十ナノメートル(nm)という極小サイズを含む広いサイズ範囲内で十分制御された数多くの粒度で入手可能であり、組成は完全に知られている。
【0047】ゾル−ゲル方法は、制御された割合のカーボンブラックで組成物を均質に保ちながら、複雑な系、特にMAS−Lのような4元素からなる系の中へのこれらのカーボンブラック粒子の導入を可能にするものであることが指摘される。この液相技術は、低コストで工業的な製造条件に適合させる可能性を確認するものである。
【0048】ファイバ上へのこの相間部材材料の被着は、好ましくはゾルの入った浴の中へコーティング対象の基板を浸漬し、ゲルの形での一定厚みのコーティングへと導く基板上のゾルの被着および排出を可能にするための規定の速度で、この浴から基板を再び取り出すことからなる「ディップコーティング」方法により実施される。本発明に係るファイバの場合、「ディップコーティング」方法は連続的に実施される。
【0049】かくして得られたファイバは次に、板、管、剛性パネルのような様々な幾何形状の部品の製作を可能にする。
【0050】
【実施例】[実施例1]利用されるSiCファイバは、日本カーバイド社から「Nicalon NLM202」として市販されている。一方マトリックスのMAS−Lの組成は以下の通りである:−0.5MgO−0.5LiO−1Al−4SiO。また相間部材材料の好ましい組成の1つは以下のものである。
−1MgO−1.9Al−3.1SiO材料はほぼ同一の組成をもつことが指摘される。
【0051】相間部材材料は、特に以下の規則が適用された場合に十分適合されたものとなることが分かった。マトリックスとの関係において、以下のものを一定に保たなくてはならない:−アルカリおよびアルカリ土類金属イオンを含む変性用酸化物の濃度、および−AlおよびSiOのような形成用酸化物の濃度。
【0052】この組成物は理論的には、β−リシア輝石、αコーディエライトおよびムライトのような結晶質相の正確な化学量論に対応しており、このためガラス相の割合を最小限に抑えることが可能になっている。そのため、過剰シリカに替わってムライトの形成は、相間部材材料の機械的特性を増大させる。
【0053】同様にして練成温度において、相間部材のlogη−MAS−Lのlogη=6.5であり、かくして主要組成にしたがって練成された粉末の部分的高密度化が可能となり、界面の粉末は仮焼の際に高密度化を殆ど受けないことから、粘度の比率も極めて重要である。界面材料の製造方法は、求められている相間部材材料を直接ファイバから生成するため、本発明に係る組成物を用いて直接ファイバを処理することからなる。ファイバSiC Nicalon(500モノフィラメントのストランドで14μm)は取扱いの便宜上、これらのストランドが重合体油剤を付けて市販されていることから、熱により予め油剤が除去される。
【0054】ファイバはつぎに本発明に係る相間部材で連続的にコーティングされ、その後MAS−L粉末の含浸を受ける。コーティング被着は、好ましくは2回の工程で行なわれる:すわなち1)−前述のような天然に多孔質の被着を導くコロイド状粒子、および約20体積%の割合でのカーボンブラック粒子、とともにゾルを含む浴の中で、値を位置づけするため約0.3μmの厚みをもつ第1の層でのファイバの「ディップコーティング」、−相間部材材料のこの第1の層がコーティングされたファイバの600℃の空気下での熱処理による、カーボンブラック粒子の部分的酸化、2)−密度の高い酸化物を導く重合体粒子のゾルを含む浴の中での、0.05μmの薄い第2の層での、第1層のコーティングを受けたファイバの「ディップコーティング」。この層には、カーボンブラックの粒子は含まれていない。
−相間部材の無欠性を保存するための、この第2の層の結晶化熱処理。
【0055】この方法は、2つの連続的多孔性を生成できるようにすることから、特に魅力あるものである。実際第1の多孔性は、マトリックスの製造の際に制御が難しく、そのため往々にしてマトリックスの練成の際に場合によって発生する多孔性の損失を考慮に入れるため、初期多孔性を最終的に必要なものを超えてより大きくせざるを得なくなる。第2の多孔性は、マトリックスの練成の際に材料内でその場で作り上げられ、そのためこの多孔性は機能的にしか存続し得ない。この第2の酸化は、マトリックスおよび/またはファイバの化合物により放出される酸素によって開始される。
【0056】機能性の見地から見ると厚い第1層は、ファイバに近づいてきた亀裂を偏向させるためにうまく設けられており、薄い第2層はマトリックスの後の練成中に形成される液相による第1層の高密度化を回避するための気密なバリアとなっている。
【0057】その後ヨーロッパ特許第538108−A号およびフランス国特許第2655327−A号明細書の教示にしたがって、以上で記述した相間部材材料を備えたファイバを利用して、MAS−Lマトリックスを用いて対応する熱構造材料を実現した。選択された方法は、熱間プレス内での負荷状態の粉末仮焼である。空気中での600℃の酸化工程で酸化されなかったカーボンブラック粒子が、前述のようにファイバおよびマトリックスからの酸素取込みにより酸化された状態となるのは、この複合材料の製造の際においてである。
【0058】図1には、大気温で4点曲げでの機械的挙動を、練成未加工材料SiC/MAS−Lと本発明に係る相間部材SiC/相間部材/界面//MAS−Lをもつ材料について比較したものを表わした。ここで2つの材料の変形性能がほぼ同一であることが指摘されるが、これは出発材料が同じであることから当然のことである。
【0059】これに対して空気下での破断応力度の推移を表わす図2のダイヤグラフ上では、本発明に係る相間部材を伴う材料が、少なくとも1000℃まではその弾性限界を超えて変形し、このことはSiC/MAS−L複合材ではみられないことであるため、確かな差異が指摘される。
【0060】[実施例2]この実施例では求められる熱構造材料は、14μmの500個のファイバのストランドであるものの酸素含有量が極めて低いファイバSiC High Nicalonおよび、この場合蒸気相での化学的浸透により練成される炭化ケイ素マトリックスを含んでなるSiC/SiCである。
【0061】多孔性の充填に関する問題は、熱間プレス加工の場合ほど重大ではなく、そのためバリア効果をもつ高密度の第2の層はさほど有用でなく、削除してもよい。多孔質層は、実施例1のものとほぼ同じ厚みをもつ。
【0062】組成物は好ましくは、40体積%のカーボンブラック粒子百分率を伴なって、化学量論ムライトのもの、つまり3Al−2SiOである。実際最初により多くの多孔性を生成しなくてはならず、マトリックスおよびファイバの組成物は、第2の多孔性を生成するための酸素を放出しない。
【0063】同様にこの方法は、マトリックスおよびファイバがマトリックスの練成中の酸素供給源でないことから、相間部材材料中に含まれたカーボンブラック粒子の650℃の空気での粒子の完全酸化からなる。
【0064】図3および図4の写真には、本発明に係る相間部材の役割および有効性の証拠であるファイバ/マトリックスの凝集解除が示されている。ここで示された2つの実施例は、500℃〜1600℃の間に含まれた温度範囲内で酸化に感応しない材料を実現することを可能にする。しかしながら例えばジルコン(ZrO)の場合、約2000℃のさらに高い温度に達するようにマトリックスとファイバの材料を適合させるだけで十分であろう。
【0065】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によれば、酸化力ある環境に耐え、かつその材料でできた部品が受ける応力の取込みを可能にしながら、亀裂の偏向特性を有する、特にセラミックファイバのようなセラミック補強材を伴うセラミックマトリックス内の多孔質相間部材を提供することができ、またこの相間部材の製造方法ならびにこの相間部材でコーティングされたファイバの製造方法およびかかるファイバを内含する熱構造材料の製造方法を提供することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】593110199
【氏名又は名称】アエロスパティエーレ.ソシエテ.ナショナーレ.インダストリエーレ.ソシエテ.アノニム
【出願日】 平成11年5月13日(1999.5.13)
【代理人】 【識別番号】100073900
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良久
【公開番号】 特開2000−1376(P2000−1376A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平11−132510