トップ :: C 化学 冶金 :: C04 セメント;コンクリ−ト;人造石;セラミツクス;耐火物

【発明の名称】 セメント混和剤
【発明者】 【氏名】楢本 覚

【氏名】林 昌宏

【氏名】広本 和彦

【要約】 【課題】フレッシュコンクリートに流動性、流動保持性、充填性、分離抵抗性をバランスよく付与することのできるセメント混和剤を提供する。

【解決手段】N−ビニルアセトアミドから誘導される単量体Aを2〜90重量%と、(アルコキシ)ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート系または(アルコキシ)ポリエチレングリコールアリルエーテル系の単量体Bを90〜10重量%と、単量体A,Bと共重合可能な単量体を0〜60重量%(合計で100重量%とする。)とを共重合して得られる共重合体を主成分とするセメント混和剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)
【化1】

(ただし、式中、R1 およびR2 は、各々独立に水素原子またはメチル基を、R3 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で示される1種または2種以上の単量体(A)を2〜90重量%、下記一般式(2)
【化2】

(ただし、式中、R4 は水素原子またはメチル基を、Xは−C(=O)−または−CH2 −を、Yは炭素数2〜4のアルキレン基を、R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を、nは1〜100の整数を示す。)で示される1種または2種以上の単量体(B)を90〜10重量%、および単量体(A)、単量体(B)以外のビニル系単量体(C)を0〜60重量%〔単量体(A)、単量体(B)およびビニル系単量体(C)の合計が100重量%とする。〕、を重合して得られる共重合体を含有することを特徴とするセメント混和剤。
【請求項2】 単量体(A)がN−ビニルアセトアミドである請求項1に記載のセメント混和剤。
【請求項3】 単量体(B)のnが4〜50の整数である請求項1または2に記載のセメント混和剤。
【請求項4】 ビニル系単量体(C)が、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、またはこれらの塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリロニトリルの群より選ばれる1種または2種以上の化合物である請求項1、2または3に記載のセメント混和剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント混和剤に関するものであり、更に詳しくは、コンクリート、モルタル、セメントペースト等のセメント組成物に添加することにより、良好な流動性、流動性保持性能、充填性、材料分離抵抗性等をバランスよく付与し、施工性、作業性、硬化体品質等を改善することのできるセメント混和剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、現場作業の簡素化、振動締め固めによる騒音対策のために、締め固め不要のコンクリートへの要求が高まっている。また、構造物の複雑化・高機能化に伴って、高密配筋された型枠内へ、コンクリートを均一に充填させる必要があり、高い流動性と充填性を有したコンクリートが盛んに検討されている。一般に、これらのコンクリートには、その流動性、充填性向上のために減水剤が添加される。これらの減水剤には、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒドの塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒドの塩、ポリカルボン酸塩等種々のものがある。さらに、これら減水剤の中でも、特に高減水性能を有し、セメント組成物の流動性の経時低下すなわちスランプロスを改善しうる減水剤が盛んに提案されている(例えば、特開平5−238795号公報,特開平8−225354号公報,特開平6−206050号公報)。しかし、これらの減水剤を使用するとその高い分散効果により、セメント組成物の流動性を改善することができるが、骨材の材料分離が生じ、粗骨材の絡み合いにより充填性が低下し、均一なコンクリートが得られなくなるため、コンクリート品質の低下をまねく。
【0003】この材料分離を抑制する目的で、メチルセルロースエーテル等のセルロース誘導体、ポリアクリルアミド等の合成高分子、カードラン等の天然多糖類等の水溶性高分子の添加が検討されている(例えば、特開昭61−72664号公報,特開昭61−260453号公報,特開平9−2856号公報)。しかし、これらの水溶性高分子は、材料分離を抑制するために十分な量を添加すると、粘度の増加に伴い、流動性が低下するという問題がある。以上のように、従来技術では、流動性、流動性保持性能、充填性、材料分離抵抗性といった要求性能をバランスよく満足させることは、極めて困難であり、これらを満足しうるセメント混和剤が待ち望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フレッシュコンクリートに流動性、流動保持性、充填性、材料分離抵抗性をバランスよく付与することにより、施工性、作業性及び硬化体品質を改善することのできるセメント混和剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は一般式(1)
【化3】

(ただし、式中、R1 およびR2 は、各々独立に水素原子またはメチル基を、R3 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で示される1種または2種以上の単量体(A)を2〜90重量%、一般式(2)
【化4】

(ただし、式中、R4 は水素原子またはメチル基を、Xは−C(=O)−または−CH2 −を、Yは炭素数2〜4のアルキレン基を、R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を、nは1〜100の整数を示す。)で示される1種または2種以上の単量体(B)を90〜10重量%、および単量体(A)、単量体(B)以外のビニル系単量体(C)を0〜60重量%〔但し、単量体(A)、単量体(B)およびビニル系単量体(C)の合計が100重量%とする。〕、を重合して得られる共重合体を含有することを特徴とするセメント混和剤に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる一般式(1)で示される単量体(A)としては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等が挙げられ、N−ビニルアセトアミドが材料分離抵抗性の向上の観点で好ましい。本発明のセメント混和剤に使用される共重合体の全単量体中の単量体(A)は、2〜90重量%であり、好ましくは5〜50重量%である。90重量%を超えると、フレッシュコンクリートに十分な流動性と流動性保持性能を付与することが困難となり、2重量%未満であると、フレッシュコンクリートに十分な粘性を付与することが困難となるため、材料分離が生じる傾向にある。
【0007】本発明に用いられる一般式(2)で示される単量体(B)としては、例えば、nが1〜100のポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのエステル化物、またはアリルアルコールとのエーテル化物等が挙げられ、これら化合物のnとしては、4〜50が好ましい。特に好ましくは、nが8〜23であり、Xが−C(=O)−であり、Yが−CH2−CH2 −であり、R5 がメチル基である。本発明のセメント混和剤に使用される共重合体においては、その全単量体中の単量体(B)は、90〜10重量%であり、好ましくは70〜40重量%である。90重量%を超えると、フレッシュコンクリートに十分な粘性を付与することが困難となるため、材料分離が生じる傾向にあり、10重量%未満であると、フレッシュコンクリートに十分な流動性と流動性保持性能を付与することが困難となる。
【0008】本発明に用いられるビニル系単量体(C)は、単量体(A)、単量体(B)以外のビニル系単量体であればよい。例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン酸、3−メタクリルアミドプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸またはこれらの塩等のアニオン性単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、スチレンダイマー、ビニルアセテート、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチレン、4−メチルペンテン−1、ノルボルネン、アリルアルコール、アリルクロライド等のノニオン性単量体、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドまたはその四級アンモニウム塩等のカチオン性単量体等が挙げられる。なお、本発明において「(メタ)アクリ」は「アクリ」または「メタクリ」を、あるいはその両者を意味するものとする。本発明においては、ビニル系単量体(C)を単量体として使用してもしなくてもよいが、使用する場合は全単量体中の60重量%を超えてはならない。好ましくは30重量%以下である。60重量%を超えると本発明のセメント混和剤としての性能が十分に発揮できない。
【0009】本発明で使用される共重合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、水溶液重合、逆相懸濁重合、沈澱析出重合等の方法を用いることができる。通常は、重合開始剤が使用される。重合開始剤は、通常のラジカル重合開始剤を用いることができ、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド等のアゾ系開始剤、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類、過酸化物または過硫酸塩類とトリエタノールアミン、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を同一系内に存在させるいわゆる、レドックス系開始剤等が挙げられる。また、分子量の調整剤として、重合時に連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤としては、n−ブチルメルカプタン、トリエチルアミン、イソプロピルアルコール、チオグリコール酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0010】本発明の共重合体の重量平均分子量(プルランを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定値)は、配合条件、使用条件およびセメント組成物に対する要求特性によって様々であるが、通常、5000から300万が好ましい。流動性と流動性保持性能を特に要求する場合は、5000から30万が好ましく、材料分離抵抗性を特に要求する場合は、30万から300万が好ましい。重量平均分子量が5000以下であるとフレッシュコンクリートへの粘性付与が不十分となり、材料分離を引き起こす傾向にあり、300万をこえる場合は、分散性が低下し、流動性、流動性保持性能、充填性が不十分となる傾向にある。
【0011】本発明のセメント混和剤の添加量は、通常、セメント及び水硬性物質に対して、固形分量0.005〜2.0重量%が好ましい。本発明のセメント混和剤は、土木、建築、二次製品などのセメント類の水硬性組成物に使用するもので、特に限定するものではない。また、本発明のセメント混和剤は、他のセメント添加剤(材)、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、高性能AE減水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、保水剤、増粘剤、防水剤、消泡剤、水溶性高分子、界面活性剤、膨張剤(材)、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、アスベスト、ビニロン繊維、PP繊維等と併用することができる。例えば、本発明のセメント混和剤に対して、さらにメチルセルロース、ポリアクリルアミド等の増粘剤を併用することもできる。また、本発明のセメント混和剤に対して、さらに高性能AE(空気連行性)減水剤を併用することもできる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
製造例1(共重合体S1の製造)
攪拌機付きガラス製反応器に、N−ビニルアセトアミド90gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコール付加モル数は9であり、以下「9EG−MA」という。)120gとメタクリル酸90gを入れ、水530gを加えて溶解させた。次に、40%水酸化ナトリウム水溶液140gを添加し、反応系のpHを9.0に調整した。攪拌下で恒温水槽にて60℃に保ち、窒素通気により溶存酸素を除去した後、25%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液30gを添加し、窒素通気下で5時間反応させ重合を完了させた。得られた共重合体(S1)の重量平均分子量は、プルランを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定(以下、同様な方法で重量平均分子量を測定)した結果、28000であった。
【0013】製造例2〜12(共重合体S2〜S12の製造)
製造例1と同様の方法で、単量体の種類、単量体の組成比率、25%過硫酸アンモニウム水溶液添加量を変更して、製造を行い共重合体(S2〜S12)を得た。それらの具体的条件と重量平均分子量について、S1と併せて表1に示す。
【0014】
【表1】

【0015】表1において、・NVA:N−ビニルアセトアミド・NVF:N−ビニルホルムアミド・9EG−MA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコール付加モル数:9)
・23EG−MA:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコール付加モル数:23)
・MA:メタクリル酸・AA:アクリル酸・MS:メタクリルスルホン酸・AN:アクリロニトリル・MAA:メチルアクリレート・APS:過硫酸アンモニウム【0016】製造例13(共重合体S13の製造)
攪拌機付きガラス製反応器に、N−ビニルアセトアミド200gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(9EG−MA)50gを入れ、水740gを加えて溶解させた。攪拌下で恒温水槽にて30℃に保ち、窒素通気により溶存酸素を除去した後、2,2’−アゾビス[ 2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライドの2.5%水溶液10gを加え、窒素通気下で反応させた。反応終了後、生成物を、50℃で5時間乾燥した。水を十分除去した後、小型粉砕器により、100メッシュ以下の粉末にした。得られた共重合体(S13)の重量平均分子量は、121万であった。
【0017】製造例14(共重合体S14の製造)
攪拌機付きガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸20gを入れ、水899gを加えて溶解させた。水酸化ナトリウムを添加することにより、pH8.0に調整してから、N−ビニルアセトアミド50gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(9EG−MA)30gとチオグリコール酸アンモニウム0.01gを溶解させた。攪拌下で恒温水槽にて50℃に保ち、窒素通気により溶存酸素を除去した後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド1gを加え、窒素通気下で反応させた。得られた共重合体(S14)の重量平均分子量は、152万であった。
【0018】比較製造例1(共重合体R1の製造)
攪拌機付きガラス製反応器に、メチルアクリレート(MAA)105gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコール付加数:9モル)105gとメタクリル酸(MA)90gを入れ、水542gを加えて溶解させた。次に、40%水酸化ナトリウム水溶液140gを添加し、反応系のpHを9.0に調整した。攪拌下で恒温水槽にて60℃に保ち、窒素通気により溶存酸素を除去した後、25%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液18gを添加し、窒素通気下で5時間反応させ重合を完了させた。得られた共重合体(R1)の重量平均分子量は、19000であった。
比較製造例2〜8(共重合体R2〜R8の製造)
【0019】比較製造例1と同様の方法で、単量体の種類、単量体の組成比率、25%過硫酸アンモニウム水溶液添加量を変更して、製造を行い共重合体(R2〜R8)を得た。それらの具体的条件と重量平均分子量について、R1と併せて表2に示す。
【0020】
【表2】

表2において、9EG−MA、23EG−MA、MA、AA、MS、AN、MAA、APSは前記の通り。
【0021】(1)セメント混和剤の性能評価−1合成した共重合体のセメント混和剤としての性能を把握するために、コンクリート調製時に各共重合体を添加して、それぞれの流動性、自己充填性、材料分離抵抗性に関して性能評価試験を実施した。
(1−1)コンクリート配合と練り混ぜ方法■コンクリート配合性能評価試験におけるコンクリート配合を表3に示す。
【0022】
【表3】

1)水 (W):水道水2)セメント(C):普通ポルトランドセメント(比重:3.16)3)細骨材 (S):富士川産川砂(比重:2.60 ,粗粒率:2.65)4)粗骨材 (G):青梅産砕石(比重:2.65 ,粗粒率:6.85)*a=S+G【0023】■練り混ぜ方法・粉体原料であるセメント(C)、細骨材(S)、粗骨材(G)、および混和剤(粉体の場合)を、各々、所定量を50Lパン型ミキサーに仕込み、30秒間攪拌する。その後、水(W)及び混和剤(液体の場合)を加え、さらに120秒間攪拌を続ける。十分混合されたことを確認後、排出し性能試験に供する。
・ミキサー:50Lパン型ミキサー・練り混ぜ量:30L【0024】(1−2)性能試験方法■流動性試験スランプフロー試験…「日本建築学会 JASS 5 T−503」に準じて行い、練り混ぜ直後、1時間後、2時間後について測定した。
【0025】■自己充填性試験図1(正面図)および図2(側面図)で示されるL型試験装置を用いて、仕切り板1を閉じた状態で、左室2にコンクリートを満たした後、仕切り板1を全開にして、鉄筋4(上下50mm間隔))をめぐらした右室3に流れたコンクリートの充填高さを測定した。なお、高さH1 は400mm、H2 は200mm、横の長さL1 は200mm、L2 は400mm、幅Mは200mmである。本試験の結果において、充填高さが高いほど(20cmに近いほど)、良好な自己充填性が確保できることを示すものと判断される。
【0026】■材料分離抵抗性試験日本建築学会「高流動コンクリートの材料・調合・製造・施工指針(案)・同解説」に掲載されている「粗骨材洗い試験」を行った。すなわち、スランプフロー試験終了後のフレッシュコンクリートを、中心部と外周部からそれぞれ約2kg採取し、5mmふるいでウェットスクリーニングして残った骨材の重量を測定し、外周部の粗骨材重量比に対する中心部の粗骨材重量比の比率を内外粗骨材比として求めた。従って、内外粗骨材比が1に近いほど、中心部と外周部の粗骨材差が少ないため良好な材料分離抵抗性を示すものと判断される。
【0027】■その他空気量,圧縮強度(材齢7日後,28日後)は、それぞれJIS-A1128 及び JIS-A1108 に準じて行った。
(1−3)性能試験結果性能試験結果を表4及び表5に示す。
【0028】
【表4】

【0029】*セメント混和剤添加量(ポリマー固形分,対セメント)
■…0.05重量%・■…0.25重量%■…0.75重量%【0030】
【表5】

【0031】1)X:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤(マイティ2000WHS 花王(株)社製)
2)Y:ポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤(レオビルドSP8N (株)エヌエムビー社製)
3)Z:メチルセルロース(90SH-15000 信越化学(株)製)
*混和剤a添加量(ポリマー固形分,対セメント)…0.5重量%*混和剤b添加量(ポリマー固形分,対セメント)
■…0.015重量%・■…0.030重量%・■…0.075重量%■…0.15重量%【0032】(2)セメント混和剤の性能評価−2コンクリート調製時に合成した各ポリマーを添加して、それぞれの流動性および流動保持性に関して性能評価試験を実施した。
【0033】(2−1)コンクリート配合と練り混ぜ方法■コンクリート配合性能評価試験におけるコンクリート配合を表6に示す。
【0034】
【表6】

1)水 (W):水道水2)セメント(C):普通ポルトランドセメント(比重:3.16)3)細骨材 (S):富士川産川砂(比重:2.60 ,粗粒率:2.65)4)粗骨材 (G):青梅産砕石(比重:2.65 ,粗粒率:6.85)*a=S+G■練り混ぜ方法→「セメント混和剤の性能評価−1」と同様の方法で行った。
【0035】(2−2)性能試験方法スランプ試験は、JIS-A1101 に準じて、練り混ぜ直後、60分後について測定した。空気量,圧縮強度(7 日後,28日後)は、「セメント混和剤の性能評価−1」と同様の方法で行った。
【0036】(2−3)性能試験結果性能試験結果を表7に示す。
【表7】

*セメント混和剤添加量(ポリマー固形分,対セメント)…0.5重量%【0037】
【発明の効果】本発明のセメント混和剤は、コンクリート等のセメント組成物に単独で添加して、フレッシュコンクリートに流動性、流動保持性、充填性、分離抵抗性をバランスよく付与することができる。また、他の減水剤に対して少量を併用することにより、セメント組成物の自己単独使用で流動性、流動保持性、充填性、分離抵抗性をバランスよく付与でき、施工性、作業性及び硬化体品質の改善に有効である。
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成11年1月25日(1999.1.25)
【代理人】 【識別番号】100094237
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 平
【公開番号】 特開2000−1352(P2000−1352A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平11−15404