| 【発明の名称】 |
メタン発酵方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】師 正史
【氏名】添田 祐二
【氏名】山本 哲也
【氏名】柴田 敏行
【氏名】間處 威俊
【氏名】上野 将
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| 【要約】 |
【課題】膜分離により発酵汚泥の引抜に伴うメタン菌の槽外への流出を防止し、メタン発酵槽内のSS濃度を低コストで高濃度に維持し、発酵効率を安定維持する。
【解決手段】発酵槽1に高濃度有機性廃棄物を導いてメタン発酵し、発酵汚泥を発酵槽1と膜分離槽2との間において循環し、膜分離槽2の膜分離装置3によって発酵汚泥を固液分離し、膜透過液を系外へ取り出すことにより発酵槽内のSS濃度をメタン発酵を維持するに必要な有効値以上に維持し、発酵槽の槽内ガスを膜分離装置3の下方に配置した散気装置3bから曝気し、曝気ガスにより生起する気液混相流を膜分離装置3の濾過膜の膜面に対して掃流として作用させ、発酵槽1の槽底部から余剰な発酵汚泥を引き抜くものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 閉鎖領域を形成する発酵槽に高濃度有機性廃棄物を導いてメタン発酵により有機物を分解するに際し、発酵汚泥を発酵槽と閉鎖領域を形成する膜分離槽との間において循環し、膜分離槽に浸漬した膜分離装置によって発酵汚泥を固液分離し、膜分離装置を通った膜透過液を系外へ取り出すことにより発酵槽内のSS濃度をメタン発酵を維持するに必要な有効値以上に維持し、発酵槽の槽内ガスを膜分離装置の下方に配置した散気装置から吹き込み、吹き込みガスにより生起する気液混相流を膜分離装置の濾過膜の膜面に対して掃流として作用させ、発酵槽の槽底部から余剰な発酵汚泥を引き抜くことを特徴とするメタン発酵方法。 【請求項2】 発酵槽に供給する原料は、し尿、浄化槽汚泥等の液状性を有する液状有機性廃棄物と、生ごみ、食品廃棄物等の固形性を有する固形状有機性廃棄物との混合物からなり、液状有機性廃棄物は除渣した後に濃縮もしくは脱水により前処理して過剰水分を除去し、固形状有機性廃棄物は圧縮分別により前処理して発酵不適物を除去することを特徴とする請求項1に記載のメタン発酵方法。 【請求項3】 膜分離装置の内部を常時正圧に保つことを特徴とする請求項1又は2に記載のメタン発酵方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度有機性廃棄物(し尿、浄化槽汚泥、生ごみ等)の処理技術、特に生ごみを含んだ場合の処理技術に係り、高濃度有機性廃棄物のメタン発酵方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、し尿、浄化槽汚泥、生ごみ等の高濃度有機性廃棄物を処理する方法として嫌気性消化法がある。この嫌気性消化法であるメタン発酵法では、発酵槽内に原料となる高濃度有機性廃棄物を投入し、メタン菌による発酵によって高濃度有機性廃棄物を処理し、生成する発酵汚泥を槽外へ引き抜いており、発酵汚泥の引抜量は投入汚泥量に等しくするのが一般的である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した構成において、発酵槽から発酵汚泥を引き抜くと、発酵汚泥とともに、メタン菌が槽外へ流出し、メタン発酵槽内のSS(メタン菌)濃度を高濃度に調整することができなかった。特に生ごみのような分解率の高い原料を多く含む場合には、発酵汚泥の引抜によって槽内のSS濃度が低くなってしまう問題があった。例えば、生ごみ原料のSS濃度が10%、生ごみの分解率がメタン菌体合成を考慮して85〜95%とすると、発酵汚泥の引抜によって槽内のSS濃度は1%前後になってしまう。 【0004】発酵汚泥を脱水して、脱水ケーキを発酵槽へ返送し、発酵槽内のSS濃度を高く維持する方法があるが、脱水に使用する凝集剤であるポリマーにコストが係り、ポリマーによる発酵阻害の恐れがあり、脱水ケーキが均一に溶解し難いといった問題がある。 【0005】発酵汚泥を遠心濃縮して発酵槽へ戻す方法があるが、SS回収率が悪く、メタン菌のロスが大きく、使用電力費が大きく、砂や大きな夾雑物等の不活性物質が優先的に回収されてしまう問題があった。 【0006】このため、メタン発酵汚泥を膜で固液分離し、分離液だけを発酵槽外へ取り出し、槽内のSS濃度を高く保持する方法が考えられる。しかし、従来の中空糸やチューブラーの膜では、流路閉塞が生じ易く、安定したろ過が出来なかった。また、従来の生ごみの前処理方法では、一軸もしくは二軸破砕機とトロンメルを複合して使用し、あるいはパルパーとドラムスクリーンを複合して使用し、あるいは半湿式破砕分別機を使用して生ごみを処理しているために、プラスチック類や魚の骨などを除去できず、濾過膜が破損する恐れがあり、比較的大きな固形物が膜面を覆うことによって流路が閉塞される恐れがあった。 【0007】本発明は上記した課題を解決するものであり、膜分離により発酵汚泥の引抜に伴うメタン菌の槽外への流出を防止し、メタン発酵槽内のSS濃度を低コストで高濃度に維持し、発酵効率を安定維持することができるメタン発酵方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題解決するための手段】上記した課題を解決するために、請求項1に係る本発明のメタン発酵方法は、閉鎖領域を形成する発酵槽に高濃度有機性廃棄物を導いてメタン発酵により有機物を分解するに際し、発酵汚泥を発酵槽と閉鎖領域を形成する膜分離槽との間において循環し、膜分離槽に浸漬した膜分離装置によって発酵汚泥を固液分離し、膜分離装置を通った膜透過液を系外へ取り出すことにより発酵槽内のSS濃度をメタン発酵を維持するに必要な有効値以上に維持し、発酵槽の槽内ガスを膜分離装置の下方に配置した散気装置から吹き込み、吹き込みガスにより生起する気液混相流を膜分離装置の濾過膜の膜面に対して掃流として作用させ、発酵槽の槽底部から余剰な発酵汚泥を引き抜くものである。 【0009】請求項2に係る本発明のメタン発酵方法において、発酵槽に供給する原料は、し尿、浄化槽汚泥等の液状性を有する液状有機性廃棄物と、生ごみ、食品廃棄物等の固形性を有する固形状有機性廃棄物との混合物からなり、液状有機性廃棄物は除渣した後に濃縮もしくは脱水により前処理して過剰水分を除去し、固形状有機性廃棄物は圧縮分別により前処理して発酵不適物を除去するものである。 【0010】請求項3に係る本発明のメタン発酵方法において、膜分離装置の内部は常時正圧に保つものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図2において、メタン発酵槽1および膜分離槽2は、密閉した閉鎖領域を形成しており、膜分離槽2に浸漬して膜分離装置3を配置している。メタン発酵槽1と膜分離槽2は別体であっても良く、一つの槽体を区分することによって形成することも可能であり、膜分離装置3をメタン発酵槽1に直接に浸漬することも可能である。 【0012】膜分離装置3は、膜ケース3aに複数の膜モジュールを鉛直方向に、かつ適当間隙をあけて平行に収納しており、膜モジュールの下方に散気装置3bを配置している。膜モジュールは平板状の濾板の表面を覆って有機膜を配置したものである。膜モジュールに使用する濾過膜は素材がポリエチレン、平均孔径が0.1〜0.5μm(メタン生成菌の長さが0.5μm以上であるため)が好ましく、駆動方式は槽内の水頭を利用する重力濾過が望ましいが、吸引濾過を使用することも可能である。 【0013】メタン発酵槽1は、その温度環境が菌種によって異なり、中温菌の場合は30〜36℃が好ましく、高温菌の場合は50〜57℃が好ましいが、本実施の形態においては50〜57℃に維持した方が膜を透過する液の動粘度が30〜36℃に比べて1/1.5と低く好ましい。例えば、55℃で、フラックス0.1m3/(m2・d)の時、ろ過水頭(膜間差圧)5〜15cmAgである。 【0014】このために付帯装置として加温装置(図示省略)を設けており、原料である高濃度有機性廃棄物を導入するための原料供給系4と、発酵した発酵汚泥を取り出すために、汚泥ポンプ5aを有する汚泥引抜系5とが接続している。 【0015】膜分離槽2は、膜分離装置3を点検するための開口を蓋体(図示省略)で閉塞しているが、完全に気密にすることは困難であり、偏性嫌気性菌であるメタン生成菌を酸素の存在しない環境で生育するためには、膜分離槽2の内部を常時正圧に維持し、外気の侵入を阻止することが望ましい。 【0016】メタン発酵槽1と膜分離槽2の間には、メタン発酵槽1の発酵汚泥を循環するために、循環ポンプ6aおよびスクリーン6bを有する汚泥循環系6と、膜分離槽2の発酵汚泥をメタン発酵槽1に戻す汚泥返送系7と、メタン発酵槽1の槽内ガスを散気装置3bに供給するためにブロア8aを有する曝気ガス供給系8と、膜分離槽2の槽内ガスをメタン発酵槽1に戻すガス返送系9とを設けている。 【0017】図2に示すように、原料供給系4は、し尿、浄化槽汚泥等の液状性を有する廃棄物を処理する液状有機性廃棄物系10と、生ごみ、食品廃棄物等の固形性を有する廃棄物を処理する固形状有機性廃棄物系11とを複合したものである。 【0018】液状有機性廃棄物系10は、し尿、浄化槽汚泥等を除渣処理10aした後に濃縮もしくは脱水処理10bにより前処理して過剰水分を除去するものである。除渣処理10aは目幅が1mmのドラムスクリーンを使用するものであるが、場合によっては遠心分離機により二次処理を行なっても良い。濃縮もしくは脱水処理10bは、無凝集剤もしくはポリマーを添加して行なっても良く、無薬注で行なって二次処理することも可能であるが、ポリマーの添加が一番好ましいものである。 【0019】固形状有機性廃棄物系11は、生ごみ、食品廃棄物等を圧縮分別処理11aにより前処理してビニール袋や無機物をなどの発酵不適物である不活性物を除去するものである。圧縮分別11aは、対象物を200kg/cm2の圧力で0.3〜0.7mmのスリットの篩に押し出すことにより、圧縮破砕して残渣を分別し、脱水するものであり、二次処理としてスクリーンを通すことも可能である。尚、圧縮分別の代わりに通常の破砕を行ない、その後にスクリーン除渣、又は遠心除渣する方法も考えられるが、生物分解可能な有機物も残渣側に大量に排出されるので、あまり好ましくはない。 【0020】液状有機性廃棄物系10の処理物と、固形状有機性廃棄物系11の処理物を混合してメタン発酵槽1へ供給するが、メタン発酵槽1の前段に酸発酵槽を設けることも可能である。 【0021】以下に上記した構成における作用を説明する。液状有機性廃棄物系10において処理したし尿、浄化槽汚泥等と、固形状有機性廃棄物系11において処理したを有する液状有機性廃棄物とを合わせてメタン発酵槽1に供給する。この処理後の原料のSS濃度は、生ごみで10〜15%であり、し尿、浄化槽汚泥で7〜10%である。この濃度は適宜に設定することができる。 【0022】メタン発酵槽1においては、槽内で発酵する発酵汚泥を、汚泥循環系6および汚泥返送系7を通して膜分離槽2に循環し、膜分離槽2の膜分離装置3によって発酵汚泥を固液分離する。この膜分離装置3を通った膜透過液を系外へ取り出すことによりメタン発酵槽1におけるSS(メタン菌)濃度をメタン発酵を維持するに必要な有効値、本実施の形態においては5〜7%以上に維持する。一方、曝気ガス供給系8によりメタン発酵槽1の槽内ガスを散気装置3bに供給し、散気装置3bから曝気する曝気ガスにより生起する気液混相流を、膜分離装置3の濾過膜の膜面に対して掃流として作用させて、膜面におけるケーキ層の付着を防止する。そして、メタン発酵槽1の槽底部から汚泥引抜系5を通して余剰な発酵汚泥を引き抜く。 【0023】図3は本発明の他の実施の形態を示すものであり、先の実施の形態を同様の作用を行なう部材については同一番号を付して説明を省略する。図3において、1つの槽体21の内部領域に仕切壁22で仕切ってメタン発酵槽1と膜分離槽2とを設けている。メタン発酵槽1と膜分離槽2は仕切壁22の下端開口22aおよび中間開口22bにおいて連通している。 【0024】この構成では、循環ポンプを省略することができ、メタン発酵槽1の発酵汚泥が仕切壁22の下端開口22aを通して膜分離槽2に流入し、膜分離槽2にて生起する膜面掃流が仕切壁22の中間開口22bを通してメタン発酵槽1に流入することにより、槽体21の内部において循環流ができるので、メタン発酵槽1における攪拌作用を生起することができ、メタン発酵槽1に別途に攪拌手段を設ける必要がない。 【0025】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、膜分離装置によって発酵汚泥を固液分離することにより、発酵槽内の余剰な水分を除去して槽内のSS濃度をメタン発酵を維持するに必要な有効値以上に制御維持しつつ発酵を行なうので、常に安定した発酵効率を維持できるとともに、発酵槽の槽容積を小さくできる。また、発酵槽への投入に先立って、原料中の発酵に不適な不活性物を高度に除去することにより、発酵槽内のSS中に占める活性物の割合いが大きく、発酵効率の向上と槽の小型化を図れる。さらに、原料の前処理による夾雑物の除去により、膜分離装置における膜の閉塞、破損を防止できる。また、圧縮分別により固形状有機性廃棄物がペースト状(微細粒子)になるので、発酵速度が速く、SS濃度の高まりとの相乗効果によって発酵槽の小型化を図れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年7月15日(1998.7.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2000−24661(P2000−24661A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−199370 |
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