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【発明の名称】 固液分離装置とその運転方法
【発明者】 【氏名】浜田 豊三

【氏名】中塚 修志

【要約】 【課題】生物処理槽内の被処理液をろ過し、十分な酸素が供給でき、懸濁物の洗浄操作が簡単で、ろ過膜の機械的強度も強く、長期的に高い透過水量が維持でき、効率のよい洗浄・散気できる装置および運転方法を得る。

【解決手段】活性汚泥被処理液に浸漬され、全体の個数を一部および残部に分割し、一部をろ過膜の膜間差圧により、被処理液を透過させる膜モジュールとし、残部を酸素含有気体をろ過膜を通し、被処理液内に散気する膜モジュールとする複数個の膜モジュール1−6と、透過水を外部に取り出す透過水取出手段30と、酸素含有気体をろ過膜の透過側に圧送可能な気体送付手段40を備え、一部の膜モジュールは被処理液をろ過し、残部の膜モジュールは酸素含有気体を被処理液内に散気し、一定時間後、前記ろ過運転をした一部の膜モジュールを散気運転に切り替え、散気運転をした残部の膜モジュールをろ過運転に切り替える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性汚泥被処理液をろ過処理するろ過処理槽と、該ろ過処理槽内の前記被処理液に浸漬され、全体の個数を一部および残部に分割し、一部をろ過膜の内外の膜間差圧により、被処理液をろ過膜の外側の供給側から内側の透過側に透過させ透過水を得る膜モジュールとし、残部を酸素含有気体をろ過膜の透過側から供給側に圧送し、被処理液内に散気する膜モジュールとする複数個の膜モジュールと、前記ろ過膜の透過側に連通し、透過水を外部に取り出す透過水取出手段と、前記ろ過膜の透過側に連通し、酸素含有気体をろ過膜の透過側に圧送可能な気体送付手段を備えたことを特徴とする固液分離装置。
【請求項2】 前記請求項1記載の固液分離装置の運転方法において、複数個の膜モジュールの中、一部の膜モジュールは被処理液をろ過膜の供給側から透過側に透過させ透過水を得るろ過運転にするとともに、残部の膜モジュールは酸素含有気体をろ過膜の透過側から供給側に圧送し、被処理液内に散気する散気運転とし、一定時間後、前記ろ過運転をした一部の膜モジュールのうち、少なくとも1個以上の膜モジュールを散気運転に切り替えるとともに、前記散気運転をした残部の膜モジュールのうち、少なくとも1個以上の膜モジュールをろ過運転に切り替え、この運転切替操作を繰り返すことを特徴とする固液分離装置の運転方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固液分離装置およびその運転方法に関し、特に、ろ過膜を用いて、し尿の浄化処理、家庭排水処理や工業排水処理等の生物汚濁液を固液分離処理する固液分離装置およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水処理設備においては、し尿の浄化処理、家庭排水の浄化処理および工業排水処理等に、活性汚泥を投入した原液をろ過膜を通して透過させ、固液分離を行なっている。ろ過膜を用いた排水処理においては、ろ過膜の平均孔径が0.5μm以下の精密ろ過膜を用いた膜分離装置が一般的である。特開昭61−129094号公報には、汚れの除去と散気手段を兼ね備えた精密ろ過膜を用いた浸漬型膜分離装置が開示されている。
【0003】従来、活性汚泥を投入した生物処理液の固液分離においては、膜を用いた排水処理が一般的であり、図3に示すような循環型膜分離装置、または図4に示すような浸漬型膜分離装置が用いられている。すなわち、図3において、活性汚泥等を含む原液101を生物反応処理する生物処理槽102に貯留し、生物処理槽102の内部に、必要な空気を供給するための散気管103を有する散気装置104を設置し、生物処理槽102内の原液101を循環ポンプ105で生物処理槽102の外部に導き、外部に設置した膜モジュール106でろ過し固液分離して清澄な透過水107を得る循環型がある。一方、図4のように、生物処理層102の内部に設置した膜モジュール106により原液101をろ過し、固液分離して吸引ポンプ108で外部に吸引して清澄な透過水107を得る浸漬型がある。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、このように生物処理槽102内の被処理液(前記の原液101)を膜モジュール106を用いて固液分離する膜分離装置においては、生物反応に必要な酸素を導入するための散気管103を生物処理槽内に設置することが必要である。一方、原液に含まれる活性汚泥等の懸濁物質をろ過することにより、膜モジュール内の膜表面及び内部には、膜細孔を透過できない懸濁物質が付着して該膜細孔を閉塞し、時間の経過とともに膜モジュールの透過水量が減少し、その結果、被処理液のろ過効率が低下してしまうという問題点がある。
【0005】このため、特開平8−299979号公報には、透過水を吸引するポンプの発停を制御することにより、膜面の汚染を抑制する方法が開示されている。しかしながら、吸引を停止するだけでは、洗浄効果に限界があるという問題点がある。また、特開平4−104895号公報には、薬液による洗浄方法が、特開平3−238086号公報には、オゾン化空気を用いた洗浄方法がそれぞれ開示されている。また、特開平4−225805号公報には、多孔性透水部材の内面から外面へ水あるいは気体を強制透過させた後、汚染除去剤を供給する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、操作方法が繁雑になったり、洗浄液の回収方法に時間を要するため、効率よく清澄な透過水を得ることはできないという問題点がある。
【0006】一方、特開平7−241446号公報には、透過水を用いた逆洗方法が開示されている。また、大同らは、不織布膜を用いて、活性汚泥混合液をろ過する場合において、水逆洗を実施することにより膜性能が回復することを述べている(第34回下水道研究発表会要旨集)。しかしながら、水による逆洗の場合、水の回収率が低下したり、残存逆洗水が活性汚泥槽へ混入し、活性汚泥槽の濃度変化を来す恐れがあるという問題点がある。
【0007】そこで本発明は、活性汚泥等を含む生物処理槽内の被処理液をろ過し、清澄な透過水を得る固液分離処理をするに際し、生物処理槽の濃度変化もなく、生物反応に必要な十分な酸素が供給でき、洗浄液の処理等も不要で、かつ膜面の汚染や膜面に付着した懸濁物の洗浄操作が簡単であり、さらに、ろ過膜の機械的強度も強く、長期的に高い透過水量が維持でき、効率のよい洗浄運転のできる固液分離装置およびその運転方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ろ過膜の目詰まりの状態、ろ過膜の種類、膜表面状態、洗浄気体の種類と方法、圧力等種々検討し、さらに、膜モジュールの数、ろ過運転と洗浄・散気運転の時間および方法等を検討した。そして、透過物質による膜の目詰まりによる透過水量の低下を回復させるためには、ろ過膜の透過側から供給側へ気体、特に空気を送ることにより、膜表面あるいは内部の洗浄が効果的に実施でき、この逆洗の場合、機械的強度に優れたろ過膜が必要となることも判明した。
【0009】さらに、ろ過膜表面に緻密な構造を有するろ過層を設けることにより、汚濁物質のろ過膜内部への侵入を阻止し、ファウリングを抑制することができる。さらにまた、機械的強度に優れた特定の表面平均孔径を有する不織布や、不織布表面に高分子多孔質薄膜を設置した不織布を用いて、ろ過運転および空気による逆洗浄運転を間欠的に繰り返すことにより、長期的に高い透過水量が維持できる運転が可能となることが解った。さらにまた、膜の透過側から供給側へ充分な空気を常時送ることが可能となれば、生物反応槽内に通常設置しなければならない散気管の必要がなくなるため、省スペース化や膜の設置面積の増大に繋がることが解り、本発明を完成させた。
【0010】このような観点から、複数の膜モジュールを2つに分割し、一部の膜モジュールをろ過運転に用いるとともに、残部の膜モジュールは、膜の透過側から供給側、すなわち生物反応槽側へ空気を送る手段として用いる。一定時間後、膜の目詰まり等により、透過水量が低下したならば、ろ過運転に用いていた一部の膜モジュールの全てあるいは1個以上を膜の透過側から生物反応槽へ空気を送る散気運転に切り替え、一方、散気運転に用いていた膜モジュールの全てあるいは1個以上をろ過運転に切り替える。この運転切り替え操作を繰り返すことにより、透過水量が低下した膜モジュールの性能を回復しつつ、かつ、生物反応槽内へ生物反応に必要な酸素を安定して常時供給することが可能となる。
【0011】本発明の固液分離装置は、活性汚泥被処理液をろ過処理するろ過処理槽と、該ろ過処理槽内の前記被処理液に浸漬され、全体の個数を一部および残部に分割し、一部をろ過膜の内外の膜間差圧により、被処理液をろ過膜の外側の供給側から内側の透過側に透過させ透過水を得る膜モジュールとし、残部を酸素含有気体をろ過膜の透過側から供給側に圧送し、被処理液内に散気する膜モジュールとする複数個の膜モジュールと、前記ろ過膜の透過側に連通し、透過水を外部に取り出す透過水取出手段と、前記ろ過膜の透過側に連通し、酸素含有気体をろ過膜の透過側に圧送可能な気体送付手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】本発明の固液分離装置の運転方法は、前記固液分離装置において、複数個の膜モジュールの内の一部の膜モジュールは被処理液をろ過膜の供給側から透過側に透過させ透過水を得るろ過運転にするとともに、残部の膜モジュールは酸素含有気体をろ過膜の透過側から供給側に圧送し、被処理液内に散気する散気運転とし、一定時間後、前記ろ過運転をした一部の膜モジュールのうち、少なくとも1個以上の膜モジュールを散気運転に切り替えるとともに、前記散気運転をした残部の膜モジュールのうち、少なくとも1個以上の膜モジュールをろ過運転に切り替え、この運転切替操作を繰り返すことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のろ過膜は、従来の高分子膜よりも、通常、機械的強度に優れた不織布で、汚濁液や活性汚泥液を固液分離し、ろ過するものであれば何でもよい。また、濾布基材上にフェルトを積層したろ過体でもよいし、前記不織布の表面に高分子多孔質膜を加工形成したものであってもよい。
【0014】本発明の不織布は、製編織しないで作られた布を意味し、ウェブ、繊維あるいは繊維の塊が相互に絡まり、接結および接着されたものと定義される。ウェブ、繊維あるいは繊維の塊を接着する方法としては、機械的に交絡、接結および接着する方法、接着剤を使用する方法、自己接着性の繊維で接着する方法等が挙げられる。
【0015】また、不織布を構成する繊維の材質としては、綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ビスコースレーヨン、酢酸セルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエステルなどが挙げられる。さらに、これらの共重合体、ブレンド物や架橋物などが挙げられる。なかでも、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンやポリカーボネートが望ましく、ポリエステルが最も好ましい。
【0016】また、不織布の繊維の構成には、これらの繊維の単独でもよいし、複数を組み合わせてもよい。また、複数の組み合わせは、それぞれの材質のものを適当な量だけ組み合わせてもよい。さらに、繊維の一部を加熱溶融させて、繊維同士の接結および接着に用いてもよい。さらにまた、2種の繊維を芯鞘的に、すなわち、一方の材質を繊維の芯に、他方を芯の外側を被う鞘にした繊維であってもよい。さらにまた、緻密層と支持層は材質を変えてもよいのは勿論である。
【0017】また、不織布の構造は、均一構造であってもよいし、または、機械的締結、圧力加工、熱加工および接着剤加工等により製造された、緻密層とこの緻密層を支持する支持層からなる2層以上の多層構造でもよい。たとえば、緻密層の外表面を熱加工により表層のみを加熱溶融させ繊維密度を増加させて2層化したり、支持層を機械的強度の強い繊維層を付加して2層化してもよい。しかしながら、ファウリングを引き起こす透過物質が膜内部へ侵入するのを抑制するために、不織布は、外表面側に緻密層を配置した多層構造が望ましい。すなわち、1〜5層の緻密層および1〜5層の支持層からなる多層構造を有しているのが望ましい。各層の数は、好ましくは1〜2層である。緻密層および支持層を1〜5層としたのは、5層を超えると透過抵抗が大きくなり過ぎ、かつコストも高くなるからである。
【0018】ここに、均一構造の不織布とは、不織布の平面方向および厚み方向に繊維の配置密度がほぼ均一な構造であって、繊維間の空孔の平均孔径が0.5〜200μmである。また、多層構造の緻密層とは、不織布の平面方向および厚み方向ともに繊維が緻密に配置され繊維の配置密度が大きくかつ相互に接着したもので、繊維間の空孔の平均孔径は0.1〜100μmである。また、支持層とは、緻密層の裏面に一体的に形成され緻密層より繊維の配置密度が小さくかつ相互に接着し、繊維間の空孔の平均孔径は30〜200μmであり、さらに厚さが厚く機械的強度が大きいものである。また、積層した1〜5層の各層は外表面側ほど繊維の配置密度が大きいのが好ましい。
【0019】ろ過膜の膜表面の空隙率、たとえば、不織布の緻密層の膜表面から見た繊維間の孔の部分の全面積に対する割合は、30〜80%が望ましく、さらに、40〜75%が好ましく、特に50〜70%が最も好ましい。ここに、空隙率を30〜80%としたのは、30%未満では透過水量が低下し、80%を超えると阻止率が低下するからである。
【0020】また、不織布の外表面の平均孔径は、粒子径が1.0μm以上を有する活性汚泥を高度に除去しなければならないため、0.2〜30μmが望ましく、特に0.5〜10μmが好ましく、さらに、1〜5μmが最も好ましい。ここに、平均孔径を0.2〜30μmとしたのは、0.2μm未満では透過水量が低下し、30μmを超えると、所望の活性汚泥の阻止率が低下し、分離効率が低下するからである。
【0021】また、不織布の外表面から見た繊維間の空孔の各孔径の大きさの分布の幅は、狭い程好ましい、すなわち、孔径の分布として横軸に孔径を縦軸に個数を取った場合、孔径の分布の幅が狭く、いわゆる孔径の分布がシャープなほど目詰まりが起こり難く好ましい。
【0022】不織布全体の厚みは、機械的強度を考慮すると、できるだけ大きいほうが好ましいが、30μm〜5mmが望ましく、特に50μm〜4mmが好ましく、100μm〜3mmが最も好ましい。ここに、30μm〜5mmとしたのは、30μm未満では機械的強度が弱くなり過ぎるからであり、5mmを超えると、透過抵抗が大きくなり過ぎるからである。
【0023】不織布は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑材、顔料、紫外線吸収剤などにより処理してもよく、不織布に親水化処理を行ってもよい。また、機械的強度に優れた多孔質膜を、不織布表面上あるいは内部に形成させた表面処理不織布を用いてもよい。
【0024】表面処理不織布は、前記不織布の外表面上あるいは内部に、高分子溶液をコートし、相転換法等により、高分子多孔質層を形成した不織布である。高分子としては、セルロース誘導体「セルロースエステル(セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレートなどの有機酸エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無機酸エステル;硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステルなど)、セルロースエーテル(メチルセルロース、エチルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、シアノエチルセルロースなど)」、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリアレンなど)、ポリアクリロニトリル類(ポリアクリロニトリル、ポリメタアクリロニトリル、アクリロニトリル−ビニルピロリドン共重合体、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体など)、スルホン系高分子(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアセタール類、ポリビニルケトン類、ポリビニルハライド類、ポリスチレン類、ポリオキシド類、ポリアミド、ポリイミド類、ポリエステル類などが挙げられる。これらの高分子は、単独でまたは二種類以上混合して使用できる。好ましい高分子としては、ポリアクリロニトリル類、セルロース誘導体、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリスルホン系高分子が挙げられる。
【0025】高分子多孔質層を不織布表面上に形成する方法としては、相転換法、コーティング法などが考えられるが、これらのうち、本発明においては、相転換法が特に有効である。相転換法には、高分子の良溶媒溶液を流延又は塗布し、高分子に対する貧溶媒に浸漬する湿式相転換法や、高分子と、この高分子に対する良溶媒と、前記高分子に対する貧溶媒とを含む均一なドープを、基材に流延又は塗布し、溶媒を蒸発させてミクロ相分離を生じさせる乾式相転換法がある。
【0026】不織布表面上に形成した高分子多孔質層の平均孔径は、0.1〜20μmが望ましく、特に0.3〜3μmが好ましく、さらに、0.4〜1μmが最も好ましい。ここに、高分子多孔質層の平均孔径を0.1〜20μmとしたは、0.1μm未満では、酸素含有気体を膜の透過側から圧送するのが困難であり、20μmを超えると阻止率が低下するからである。また、不織布表面上に形成した高分子多孔質層の厚みは、高分子多孔質層の機械的強度を考慮すると、0.5〜200μmの範囲であるのが好ましく、特に、2〜50μmであるのが好ましい。
【0027】ろ過膜の透過側から供給側へ圧送する酸素含有気体としては、活性汚泥の入ったろ過処理槽の生物反応を促進する酸素を含有していれば、どの様な気体でもよい。最も好ましいのは空気であるが、酸素または窒素、炭酸ガス等が混入したものであってもよい。また、ろ過膜の透過側から供給側へ圧送する気体の流量は、1〜500リットル/分・m2が望ましく、好ましくは5〜200リットル/分・m2、最も好ましくは10〜100リットル/分・m2である。また、ろ過膜の透過側から供給側へ圧送する空気の圧力は、ろ過膜の洗浄効率を考慮すると、できるだけ大きいほうが好ましいが、ろ過膜の強度やろ過膜の伸縮による可逆性、生物反応槽内の活性汚泥への影響や経済性を考慮すると、10〜500kPaが望ましく、特に、20〜300kPaが好ましい。ここに圧力を10〜500kPaとしたのは、10kPa未満では、逆洗圧力が小さいため洗浄効果が小さく、500kPaを超えると経済的ではなく、また膜破損の惧れがある。
【0028】被処理液をろ過膜の内外の膜間差圧により、ろ過膜の供給側から透過側にろ過させ、透過水を取り出すろ過運転は、膜間差圧を一定としてろ過する定圧運転でもよいし、透過する透過水量を一定とするように膜間差圧を変化し、ろ過を続ける定透過水量運転であってもよい。ろ過運転から、酸素含有気体(空気)をろ過膜の透過側から供給側に圧送し、被処理液内に散気する散気運転への切り替え、または、散気運転から、ろ過運転への切り替えを行う時期の目安としては、定圧運転の場合については、透過水量が初期値の10〜80%になった場合に行なうのが望ましく、特に20〜70%が好ましく、30〜60%が最も好ましい。また、定透過水量運転の場合、膜間差圧の増加が初期値の10〜80%になった場合に行なうのが望ましく、特に20〜70%が好ましく、30〜60%が最も好ましい。ここに、初期値の10〜80%としたのは、10%未満では、切替えが煩雑になり切り替え効果が少なすぎ、80%を超えると、回復率が低下するからである。
【0029】不織布をろ過膜として内蔵する膜モジュール内の不織布の形態としては、透過水を通すメッシュ状織物を挟んで2枚の不織布を平行に並べた平膜型、平膜状のものを屏風状にジグザグに連ねたプリーツ型または集水管を中心に渦巻き状に巻き付けた渦巻型にしたものであってもよい。また、ろ過処理槽内に複数のモジュールを配置するときの各膜モジュールの間隔は、例えば、平膜型モジュールの場合、0.1〜30cmが望ましく、さらに、0.3〜20cmが好ましく、0.5〜10cmが最も好ましい。
【0030】本発明の固液分離装置のろ過処理槽の形態としては、既存の生物処理槽や活性汚泥入りの処理槽等をろ過処理槽として、膜モジュールを直接この既存の処理槽内に浸漬する浸漬型固液分離装置でもよいし。またはろ過処理槽は、生物処理槽等の外部に別個に設置し、被処理液が生物処理槽とろ過処理槽との間を循環するようにした外部設置の循環型固液分離装置でもよい。
【0031】本発明の複数個の膜モジュールは、全体の個数(N個)を一部(n個)および残部(N−n個)に分割するが、Nは1以上に整数、nは1以上の整数でかつn<Nの関係の数であればよい。本発明の運転切替操作は、透過水取出手段と気体送付手段を操作し、膜モジュールのろ過運転と散気運転を相互に切り替えるもので、生物処理槽内の生物反応に必要な酸素量が常時散気されていれば、どの様なものでもよい。また、膜モジュール1個のみを散気運転にしてもよい。
【0032】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。実施例では、ろ過膜である不織布、表面処理不織布またはろ過媒体等からなる平膜エレメントを内蔵する膜モジュールを複数個装着した、図1および図2に示す固液分離装置を用いた。複数の膜モジュールは全体の個数を1部と残部に分割し、一部の膜モジュールで、被処理液である活性汚泥処理排水をろ過膜を通してろ過し固液分離するろ過運転をし、残部の膜モジュールで、逆圧をかけて洗浄・散気運転をするという一連の運転操作をする。そして、一定時間後に、少なくとも1個以上の膜モジュールを必要に応じて、ろ過運転から散気運転に、同時に散気運転からろ過運転へと運転切替操作をなし、この運転切替操作を繰り返し、その時の透過水量等の性能試験をしたものである。
【0033】まず、図1および図2に示す固液分離装置につき説明する。図1において、10はクロスフロー型固液分離装置(後述の表ではAと示す)であり、ろ過処理層を生物処理槽の外部に設けたいわゆる外部設置の循環型固液分離装置である。固液分離装置10は、活性汚泥被処理液11を貯留した生物処理槽12と、生物処理槽12の外部に設けられ被処理液11をろ過処理するろ過処理槽である膜モジュールユニット13とを有している。生物処理槽12と膜モジュールユニット13との間には、被処理液11が両槽間で循環するように、送液ポンプ14が取り付けられた供給パイプ15と返送パイプ16が設けられている。17、18は被処理液11の液圧を示す入り口側および出口側の圧力計であり、19は流量計である。
【0034】膜モジュールユニット13内の被処理液11には6個の平膜型の膜モジュール1、2、3、4、5、6、(以下代表して1で示す)が2cmの間隔で浸漬されている。膜モジュール1の枠体の内には複数の平膜エレメント8が交換可能に内蔵されている。図には模式的に示している。膜モジュール1の全有効膜面積は0.5m2である。
【0035】平膜エレメント8は図示していないが、比較的柔軟で透過水を通すメッシュ状織物の両面に沿って全面に平膜状のろ過膜である不織布が設けられ、上下の通路口を除き周囲を密着シールし袋状に形成されている。平膜エレメント8は図示していない支持部を介して膜モジュール1の枠体に取り付けられている。そして不織布の外側(高圧側)と内側(低圧側)の膜間に差圧が発生すると、被処理液を不織布の外側の供給側から内側の透過側に透過させ、透過水を生成し、透過水はメッシュを通して集まり通路口を通して外部に取り出し可能になされている。
【0036】膜モジュール1の上側には透過水取出手段が設けられている。すなわち、各膜モジュール1の上側には、各平膜エレメント8の上部の通路口に連通する透過水パイプ30が取り付けられている。透過水パイプ30は各膜モジュール1、2、3、4、5、6からの透過水をそれぞれ透過水側バルブ31、32、33、34、35、36、を通して集め、外部の図示していない透過水貯水槽に取り出し可能になされている。38A〜38Fおよび38は透過水の流量を計測する流量計である。
【0037】また、膜モジュール1の下側には気体送付手段が設けられている。すなわち、各膜モジュール1の下側には、各平膜エレメント8の下部の通路口に連通する送気パイプ40が取り付けられている。各送気パイプ40は外部の図示していない空気供給源から酸素含有気体である空気を、各膜モジュール1、2、3、4、5、6の下側にそれぞれ設けられた散気側バルブ41、42、43、44、45、46、を介して圧送し、各平膜エレメント8の透過側に供給可能になされている。48は圧力計であり、49は流量計である。
【0038】固液分離装置10を運転するときには、送液ポンプ14を駆動して被処理液11を生物処理槽12と密閉した膜モジュールユニット13間を循環させる。膜モジュール1内の平膜エレメント8の内外の膜間差圧を20kPaに保ちつつ、複数個の膜モジュール1の1部をろ過運転させ、同時に、残部を散気運転させる。たとえば、6個の膜モジュール1の1部(4個)である膜モジュール1、3、5、6をろ過運転するため、透過水側バルブ31、33、35、36を開とし、散気側バルブ41、43、45、46を閉とし、透過水を透過水パイプ30を通して外部に取り出す。
【0039】一方、残部(2個)の膜モジュール2、4を散気運転するため、透過水側バルブ32、34を閉とし、散気側バルブ42、44を開とし、送気パイプ40を介して50kPaの圧力で、1リットル/分の空気量を圧送した。空気は平膜エレメント8内で不織布の透過側から供給側に圧送され、不織布の外表面側に付着した懸濁物を除去しながら膜モジュールユニット13内に吹き出し、さらに、返送パイプ16を通して生物処理槽12内に循環供給させられる。すなわち、生物処理槽12内は、この空気の供給で、従来の散気管と同様な散気効果を得ることができる。一定時間後、流量計38A〜38Fにより透過水量の低下した膜モジュールの1部分(少なくとも1個以上)は、ろ過運転から散気運転に切り替え、一方、散気運転中の膜モジュールの1部分(少なくとも1個以上)を散気運転からろ過運転に切り替える。そして、これらの運転切替操作を繰り返す。
【0040】次に、図2に示す浸漬型固液分離装置(後述の表ではBと示す)50につき説明する。ここに、膜モジュールの符号とその上側バルブと下側バルブの符号は、分かりやすくするため、図1の固液分離装置と同じ符号を付ける。図2において、固液分離装置50は、活性汚泥被処理液11を貯留した既存の生物処理槽をろ過処理に用いたろ過処理槽52と、ろ過処理槽52内の被処理液11に直接浸漬された6個の膜モジュール1、2、3、4、5、6(代表して1で示す)を有している。6個の膜モジュール1はそれぞれの間隔が2cmになるように図示していない外部枠体に固定されている。各膜モジュール1は、図1に示す固液分離装置10と同様に、平膜エレメント8を交換可能に内蔵し、平膜エレメント8はメッシュ状織物の両側に沿ってろ過膜である2枚の不織布を設け、上下の通路口を除き不織布を袋状に形成したものである。平膜エレメントは、不織布の膜間には、後述の吸引ポンプ54の作動により差圧が発生し、被処理液11を不織布の外側の供給側から内側の透過側に透過させ、透過水を取り出し可能にしている。
【0041】膜モジュール1の上側には、図1に示す固液分離装置10と同様に、透過水取出手段が設けられている。すなわち、各膜モジュールの上側には、平膜エレメント8の上部の通路口に連通する透過水パイプ30が取り付けられている。透過水パイプ30のろ過処理槽52の外部に配置された部分には吸引ポンプ54が設けられている。そして吸引ポンプ54の作動により、各透過水パイプ30は透過水をそれぞれ透過水側バルブ31、32、33、34、35、36を介して集めて、外部の図示していない透過水貯水槽に取り出し可能になされている。39A〜39Fおよび39は透過水の液圧を計測する圧力計であり、55は流量計で透過水量を計測表示する。
【0042】また、膜モジュール1の下側には、図1に示す固液分離装置10と同様に、気体送付手段が設けられている。すなわち、各膜モジュール1の下側には、各平膜エレメント8の下部の通路口に連通する送気パイプ40が取り付けられている。送気パイプ40は外部の図示していない空気供給源から酸素含有気体である空気を各膜モジュール1の下側のそれぞれの散気側バルブ41、42、43、44、45、46を介して、各平膜エレメント8の下部の透過側の通路口内に供給可能になされている。48は圧力計であり、49は流量計である。
【0043】固液分離装置50を運転するときには、吸引ポンプ54を駆動して、膜モジュール1内の平膜エレメント8の内外の膜間に差圧を生ずる様にする。流量計39で透過水量が0.2m3/day・m2を保つように、複数個の膜モジュール1の1部をろ過運転させ、同時に、残部を散気運転させる定透過水量運転を行った。たとえば、6個の膜モジュール1の1部(4個)である膜モジュール1、3、5、6をろ過運転するため、透過水側バルブ31、33、35、36を開とし、散気側バルブ41、43、45、46を閉とし、透過水を透過水パイプ30を通して外部に取り出す。
【0044】一方、残部(2個)の膜モジュール2、4を散気運転するため、透過水側バルブ32、34を閉とし、散気側バルブ42、44を開とし、送気パイプ40を介して50kPaの圧力で、1リットル/分の空気量を圧送した。空気は平膜エレメント8内で不織布の透過側から供給側に不織布の外表面側に、付着物を除去しながら生物処理槽でもあるろ過処理槽52内に吹き出し、散気管と同様に空気の散気効果がある。一定時間後、圧力計39A〜39Fの表示または圧力計39の表示から膜間差圧の増加した膜モジュールを見出し、4個の膜モジュールの1部分(少なくとも1個以上)は、ろ過運転から散気運転に切り替え、散気運転中の2個の膜モジュールの1部分(少なくとも1個以上)を散気運転からろ過運転に切り替える。そして、これらの運転切替操作を繰り返す。
【0045】次に、以下の実施例で用いた部材および装置の性能試験の方法につき説明する。
(1)ろ過媒体である不織布の厚み不織布全体の厚みは、マイクロメーターにより測定した。
(2)表面の平均孔径不織布の平均孔径は、不織布の外表面を200倍にて撮影した透過型電子顕微鏡写真の各空孔部を長方形とみなし、各空孔の縦と横の算術平均をそれぞれ算出した。各空孔の平均を不織布の平均孔径とみなした。また、高分子多孔質層の平均孔径は、多孔質層の外表面を10,000倍にて撮影した透過型電子顕微鏡写真の各空孔部を円とみなし、各空孔の直径をそれぞれ算出した。各空孔の直径の平均を多孔質層の平均孔径とみなした。
【0046】(3)供給液濃度、透過水濃度および阻止率被処理液の供給液濃度Cbおよび透過水濃度Cpは、所定体積中に含まれる固形分をガラスフィルターによりろ過し、乾燥した後、秤量することにより算出した。阻止率は、上記の供給液濃度Cbおよび透過水濃度Cpから、次式、1−Cp/Cb、を定義して表わした。
【0047】(4)ろ過膜の透過水量および膜間差圧ろ過膜の透過水量は、クロスフローろ過において、単位時間あたり単位膜面積あたりに透過する水の体積量で表わした。単位表示はm3/day・m2で示す。また、ろ過膜の膜間差圧は、膜浸漬ろ過において、膜の供給側と透過側の圧力差とした。単位表示はkPaで示す。
【0048】(5)平均透過水量平均透過水量は、ろ過運転と洗浄運転を繰り返すとき、各ろ過運転時において、ろ過開始時の透過水量と、ろ過停止直前、すなわち散気洗浄運転に移る直前の透過水量を測定し、次式、算術平均透過水量={(ろ過開始時の透過水量)+(ろ過停止直前の透過水量)}/2を算出し、それぞれのろ過運転時の前記算術平均透過水量の平均値とした。
(6)平均膜間差圧平均膜間差圧は、ろ過運転と洗浄運転を繰り返すとき、各ろ過運転時において、ろ過開始時の膜間差圧と、ろ過運転してろ過停止直前、すなわち散気洗浄運転に移る直前の膜間差圧を測定し、次式、算術平均膜間差圧={(ろ過開始時の膜間差圧)+(ろ過停止直前の膜間差圧)}/2を算出し、それぞれのろ過運転時の前記算術平均膜間差圧の平均値とした。
【0049】(実施例1)実施例1では、ろ過膜として2層構造の不織布を使用した前述の図1に示す固液分離装置(A)10を用いて、ろ過運転および散気運転を行った場合である。図1において、平膜エレメント8を形成するろ過膜である不織布Hを用い、膜モジュール1に装着(全有効膜面積0.5m2)した。この不織布は、5デニールのポリエチレンテレフタレート繊維を用いた1層の緻密層と緻密層の裏面に一体的に形成され緻密層を支持する1層の支持層からなる2層構造の不織布である。また、目付け量が849g/m2、通気性が2.0c.c./cm2・secである。また、この不織布は、全体の厚みが1.4mm、緻密層の厚みが250μm、緻密層の外表面の平均孔径が10μm、空隙率が60%であり、支持層の平均孔径が50μmである。生物処理槽12内の活性汚泥被処理液11は姫路市の揖保川浄化センターにて採取した活性汚泥処理排水(MLSS濃度が5,000ppm、粒子径が2〜100μm)を用いた。
【0050】固液分離装置(A)10の運転は、まず、温度20℃において、送液ポンプ14を稼働し、不織布の膜間差圧が20kPa、被処理液11の供給液水量が5リットル/時の条件下で膜モジュールユニット13と生物処理槽12間を循環させながら定圧運転でクロスフローろ過運転を行った。6個の膜モジュール1は後述の表1に示す運転条件でろ過運転と散気運転を繰り返した。すなわち 始めの1時間は膜モジュール番号1、3、5、6をろ過運転し、膜モジュール番号2、4を散気運転とした。このとき、透過水取出手段である透過水バルブは番号31、33、35、36を開、番号32、34を閉とし、気体送付手段である散気側バルブは番号41、43、45、46を閉、番号42、44を開とする。
【0051】そして、送液ポンプ14により生物処理層12から膜モジュールユニット13の膜モジュール1、3、5、6に送られた被処理液11は、20kPaの膜間差圧により平膜エレメント8の不織布の外表面より透過側に透過する。透過した清澄な透過水はメッシュを通り上側の通路口より透過水パイプ30および透過水バルブ31、33、35、36を通って集められ、外部の図示していない透過水貯留槽に取り出される。同時に、外部の空気供給源より圧送された空気は、送気パイプ40を通り散気側バルブ32、34を介して膜モジュール2、4の平膜エレメント8の透過側から不織布を通り供給側に圧送され、被処理液11内に散気する。
【0052】このとき不織布の外表面に付着した汚泥等は剥がれる。また、被処理液11内の空気は膜モジュールユニット13内および生物処理槽12内の活性汚泥等と生物反応をする。次いで、2時間目から1時間は膜モジュール番号1、2、4、6をろ過運転し、また、流量計39C,39Eで透過水の流量が50%に減少した膜モジュール番号3、5を散気運転とした。このときも前記同様に、透過水バルブおよび散気側バルブを膜モジュールに対応して開閉した。さらに、3時間目および4時間目も同様にろ過運転、散気運転およびバルブの開閉切り替え操作をした。
【0053】そして、これらの運転切替操作時に1時間毎に性能試験として透過水量を測定し、平均透過水量を算出した。結果を表1に示す。また、阻止率は0.9以上であった。この実施例1のろ過運転および散気運転を同時にかつ、繰り返し実施した結果と、後述の散気運転を行わなかった比較例1の結果とを比較することにより、本発明の固液分離装置の運転方法は、洗浄を兼ねた散気運転により極めて高い平均透過水量(0.9m3/day・m2)を有し、かつ長期的に高い透過水量を保持しているという優れた効果を有することが解る。また、不織布は破損等もなく十分な機械的強度を有している。さらに、これらの散気運転時に、酸素含有気体(空気)を使用するので、散気運転の装置が不要となる、また、ろ過運転と散気運転の切替操作が弁の切り替えのみで済み、処理後の処理剤の処理等もなく、洗浄処理が極めて簡単で迅速で、効率のよいろ過運転および洗浄・散気運転をすることができるという効果がある。
【0054】(実施例2)実施例2では、ろ過膜として、不織布の外表面に高分子多孔質層を設けた表面処理不織布を用いた場合であり、まず、表面処理不織布の製法につき説明する。高分子多孔質層は、アクリロニトリル−ビニルピロリドン共重合体(アクリロニトリル95モル%)15重量%のN,N−ジメチルホルムアミド溶液10重量部に酢酸3−メトキシブチルを2重量部を添加したドープを調製した。
【0055】このドープ液をコーターバーを用いて、全体の膜厚1.78mm、表面平均孔径15μmの不織布FC3105(日本バイリーン社製)上に流延し、温度60℃、湿度95%RHのもと、30分間乾燥した後、温度80℃にて12時間乾燥した。得られた表面処理不織布の高分子多孔質層の厚みは20μm、平均孔径は0.5μmであった。この表面処理不織布を用いて、平膜エレメントを作製し、さらにこの平膜エレメントを用いて6個の膜モジュールを作製した。実施例2では、実施例1における不織布Hの代わりにこの表面処理不織布を用い、運転条件を表1に示すように行った以外は実施例1と同じ様に行った。平均透過水量を表1に示す。阻止率は0.9以上であった。結果は表1に示すように、ろ過膜が表面処理不織布を用いた場合も、実施例1と同様に、極めて高い平均透過水量を得ることができ、かつ実施例1と同様に優れた効果を得ることができた。
【0056】(実施例3)実施例3では、実施例1におけるクロスフロー型固液分離装置10の代わりに前述の図2に示す浸漬型固液分離装置(B)50を用いた場合である。ろ過膜は実施例1と同じ不織布を用い、ろ過処理槽52内の被処理液11は実施例1と同じものを用いた。6個の膜モジュール1の運転条件は実施例1と同様に実施した。すなわち 始めの1時間は膜モジュール番号1、3、5、6をろ過運転し、膜モジュール番号2、4を散気運転とした。このとき、透過水取出手段である透過水バルブは番号31、33、35、36を開、番号32、34を閉とし、気体送付手段である散気側バルブは番号41、43、45、46を閉、番号42、44を開とする。
【0057】そして、吸引ポンプ54を駆動して、膜モジュール1内の平膜エレメント8の内外の膜間に差圧を生ずる様にし、流量計39で透過水量が0.2m3/day・m2を保つように、膜モジュール1の1部(4個)をろ過運転させ、残部(2個)を散気運転させる定透過水量運転を行った。次いで、2時間目、3時間目、4時間目には、表1に示す様に、圧力計39A〜39Fの圧力が約50%増加したそれぞれ2個の膜モジュールを散気運転およびろ過運転に繰り返し切り替えた。この間の膜間差圧を測定し、性能試験をした。平均膜間差圧を表1に示す。結果は散気運転を実施しない比較例2と比較し、優れた結果を示している。また、実施例1と同様に優れた効果を得ることができた。
【0058】(実施例4)実施例4では、実施例3における各膜モジュールの運転条件を表1に示す様に変えることのみで、他は実施例3と同じ条件で実施した。すなわち、不織布Hを用い、6個の膜モジュールを番号1、3、5と番号2、4、6に分割し、ろ過運転と散気運転を1時間毎に交互に実施したものである。平均膜間差圧を表1に示す。阻止率は0.9以上であった。実施例3と同様に優れた結果を示した。また、実施例1と同様に優れた効果を得ることができた。
【0059】(実施例5)実施例5では、実施例4において、ろ過膜を不織布Hに代えて不織布FC3105(日本バイリーン社製)を用いて、膜モジュールを作製した場合である。運転条件は表1に示す様に実施例4と同じ運転条件で行なった。平均膜間差圧を表1に示す。阻止率は0.9以上であった。実施例4と同様に優れた結果を示した。また、実施例1と同様に優れた効果を得ることができた。
【0060】(比較例1)実施例1で用いた不織布Hからなる膜モジュールを固液分離装置(A)10に用い、生物処理槽内に別個の散気管を設けて、表1に示す運転条件にて行なった。すなわち、6個の膜モジュールのすべてをろ過運転のみ実施した場合である。平均透過水量を表1に示す。
【0061】(比較例2)実施例3で用いた不織布Hからなる膜モジュールを固液分離装置(B)50に用い、生物処理槽内に別個に散気管を設けて、表1に示す運転条件にて行なった。平均膜間差圧を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固液分離装置およびその運転方法によれば、活性汚泥等を含む生物処理槽内の被処理液をろ過し、清澄な透過水を得る固液分離処理をするに際し、生物処理槽の濃度変化もなく、生物処理槽に生物反応に必要な十分な酸素が供給でき、洗浄液の処理等も不要で、かつ膜面の汚染や膜面に付着した懸濁物の洗浄操作が簡単であり、さらに、ろ過膜の機械的強度も強く、長期的に高い透過水量が維持でき、効率のよい洗浄・散気運転をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002901
【氏名又は名称】ダイセル化学工業株式会社
【出願日】 平成10年7月9日(1998.7.9)
【代理人】 【識別番号】100090491
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 良和
【公開番号】 特開2000−24659(P2000−24659A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平10−210396