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【発明の名称】 デッキクレーンの吊り具固定方法及び装置
【発明者】 【氏名】森山 修

【要約】 【課題】従来のデッキクレーンにおいては、補助吊り具を用いる場合は、メイン吊り具を最大に巻上げておいて補助吊り具を用いるため、メイン吊り具が振れて補助吊り具の動作の障害となっていた。

【解決手段】本発明によるデッキクレーンの吊り具固定方法及び装置は、メイン吊り具(7)に設けた第1係止手段(10)をジブ(4)に設けた第2係止手段(11)に係止させて固定することにより、メイン吊り具(7)は固定され、補助吊り具(8)の動作を完全に行うことができる構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デッキクレーン(1)のジブ(4)にメイン吊り具(7)及び補助吊り具(8)を有し、前記補助吊り具(8)を用いる際に前記ジブ(4)を最大仰角として前記メイン吊り具(7)を巻上げ、前記メイン吊り具(7)に設けた第1係止手段(10)を前記ジブ(4)に設けた第2係止手段(11)に係止・固定することを特徴とするデッキクレーンの吊り具固定方法。
【請求項2】 デッキクレーン(1)のジブ(4)に設けられたメイン吊り具(7)及び補助吊り具(8)と、前記メイン吊り具(7)に設けられた第1係止手段(10)と、前記ジブ(4)に設けた第2係止手段(11)と、を備え、前記各係止手段(10,11)を係止させて前記メイン吊り具(7)を固定した状態で前記補助吊り具(8)を用いるように構成したことを特徴とするデッキクレーンの吊り具固定装置。
【請求項3】 前記第1係止手段(10)はブラケットよりなり、前記第2係止手段(11)はブラケット受けよりなることを特徴とする請求項2記載のデッキクレーンの吊り具固定装置。
【請求項4】 前記各係止手段(10,11)あるいはメイン吊り具(7)用の巻上ウィンチの何れかにはセンサ(12)が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載のデッキクレーンの吊り具固定装置。
【請求項5】 前記メイン吊り具(7)を油圧で吊り上げる場合、前記近接スイッチ(12)が作動せず、かつ、前記油圧の高圧を圧力スイッチで検知した状態を前記メイン吊り具(7)の格納不良とするように構成したことを特徴とする請求項4記載のデッキクレーンの吊り具固定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デッキクレーンの吊り具固定方法及び装置に関し、特に、補助吊り具を用いる際にメイン吊り具を強制的に固定させ、補助吊り具の動作の障害とならないようにするための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種のデッキクレーンとしては、1つのジブにメイン吊り具と補助吊り具を備えている場合、メイン吊り具の方はワイヤーを最大に巻上げ、ワイヤを最も短くした状態で補助吊り具の動作を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のデッキクレーンは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、荷役作業中にこの短くした方のメイン吊り具とワイヤが振り子のように振動し、クレーンの他の部分に衝突することがあり、作業に支障を来すことがあった。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、補助吊り具を用いる際にメイン吊り具を強制的に固定させ、補助吊り具の動作の障害とならないようにしたデッキクレーンの吊り具固定方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるデッキクレーンの吊り具固定方法は、デッキクレーンのジブにメイン吊り具及び補助吊り具を有し、前記補助吊り具を用いる際に前記ジブを最大仰角として前記メイン吊り具を巻上げ、前記メイン吊り具に設けた第1係止手段を前記ジブに設けた第2係止手段に係止・固定する方法であり、また、本発明によるデッキクレーンの吊り具固定装置は、デッキクレーンのジブに設けられたメイン吊り具及び補助吊り具と、前記メイン吊り具に設けられた第1係止手段と、前記ジブに設けた第2係止手段と、を備え、前記各係止手段を係止させて前記メイン吊り具を固定した状態で前記補助吊り具を用いるようにした構成であり、また、前記第1係止手段はブラケットよりなり、前記第2係止手段はブラケット受けよりなる構成であり、さらに、前記各係止手段あるいはメイン吊り具用の巻上ウィンチの何れかにはセンサが設けられている構成であり、さらに、前記メイン吊り具を油圧で吊り上げる場合、前記センサが作動せず、かつ、前記油圧の高圧を圧力スイッチで検知した状態を前記メイン吊り具の格納不良とするようにした構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるデッキクレーンの吊り具固定方法及び装置の好適な実施の形態について説明する。図1において、符号1で示されるものは基台2に油圧駆動手段3を介して上下動自在に設けられたジブ4を有するデッキクレーンであり、このジブ4の先端には図示しない巻上げ装置によって巻上げられるワイヤ5,6により吊下げられたメイン吊り具7及び補助吊り具8が作動自在に設けられている。
【0007】前記ジブ4の先端近傍位置には、固定用ブラケットからなる第2係止手段11が設けられており、メイン吊り具7には前記固定用ブラケットと係合できるブラケット受けからなる第1係止手段10が設けられている。なお、前記各係止手段10,11は、固定用ブラケットとブラケット受けが前述と逆の関係に取付けられている場合も成立するものである。また、前記第1係止手段10には周知の磁気式、光学式、レーザー式等のセンサ12が設けられており、第1係止手段10が第2係止手段11に接近して結合する際に、互いの位置が結合可能な状態に接近しているか否かを前記センサ12で確認することができるように構成されている。なお、このセンサ12は、第2係止手段11に設けることもできる。また、このセンサ12は、周知の近接センサ、リミットスイッチ、磁気式、光学式等の接触又は非接触の全ての構成を用いることができる。
【0008】次に、動作について述べる。まず、メイン吊り具7をジブ4の先端付近の第2係止手段11に固定するには、デッキクレーン1の運転室内の操作パネルにより図示しない巻上げ装置を荷役モードからフックパーキングモードに切り替える。このフックパーキングモードとは、前記巻上げ装置の設定荷重を低く設定し、例えば、メイン吊り具7が第2係止手段11に固定される際に、メイン吊り具7が第2係止手段11に正常に接近せず途中で何かに引っ掛かったりした場合に過大な荷重がかかった結果、デッキクレーン1を破壊してしまうことを避けるようになされている。
【0009】前記メイン吊り具を荷役時の最大巻上げ位置に巻上げた状態で、図2で示されるようにジブ4を最大仰角に位置させ、運転室内の切り替えスイッチにより巻上げモードを切り替え、巻上げ装置の能力を下げる。
【0010】前述の状態で、メイン吊り具7をさらに巻上げることにより、各係止手段10,11は互いに係止状態となって結合し、この結合完了により、巻上げ装置の油圧回路が停止する(つまり巻上げ装置の能力を下げてあるので係止手段を破壊してまで巻上げることが出来ない状態になる)。この状態で油圧回路の停止、あるいはセンサの作動により図示しない運転室のパネルに結合完了のランプが点灯し、運転者は各係止手段10,11の結合によるメイン吊り具7のジブ4への固定が完了したことを確認することが出来る。
【0011】また、前述のようにメイン吊り具7の正常な固定動作が達成されなかった場合、すなわち、各係止手段10,11の係止による結合が達成されなかった場合、前記センサ12が作動しないことと、巻上げ装置の巻上げ量とからメイン吊り具7が正常に格納されていないことを検知する。また、メイン吊り具7が何れかに引っ掛かった場合には、近接スイッチ12が作動せず、巻上げ装置の油圧回路に高い油圧が発生するため、この高い油圧を周知の圧力スイッチ(図示せず)で検出することによりメイン吊り具7が正常に格納されていないことを検出することができる。さらに、前述のように、メイン吊り具7が正常に格納されている場合には、図4及び図5で示されるように、補助吊り具8の動作に対してはメイン吊り具8が障害となることはなく、補助吊り具8のみによる安定したクレーン動作を行うことができる。なお、前述のメイン吊り具7をジブ4に固定するための各係止手段10,11の構造については、前述の構成に限ることなく、電磁式、機械式のチャッキング装置等を用いることができることは述べるまでもないことである。
【0012】
【発明の効果】本発明によるデッキクレーンの吊り具固定方法及び装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、補助吊り具を用いる場合は、メイン吊り具が各係止手段によってジブに固定されているため、従来のようにメイン吊り具が障害となることがなく、安定したクレーン動作を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
【出願日】 平成10年11月9日(1998.11.9)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2000−143168(P2000−143168A)
【公開日】 平成12年5月23日(2000.5.23)
【出願番号】 特願平10−317847