| 【発明の名称】 |
車両の走行制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福田 典子
【氏名】渡邉 朝紀
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| 【要約】 |
【課題】鉄道車両の走行制御装置に関し、運転時分を短縮し、かつ同時に乗り心地を改良することを課題とするものである。
【解決手段】この走行制御装置は、車上子(16)と、受信機(17)と、車上制御装置(18)とから構成され、車上制御装置(18)は、特定の車速パターンを有し、車速がこのパターンに当たったら、常用最大ブレーキ信号を発し、速度差が所定値以下のときは、その所定値に応じて、中間強度のブレーキ信号か、またはブレーキ緩解信号を発することにより、運転時分を短縮し、かつ同時に乗り心地を改良するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車上子(16)と、受信機(17)と、車上制御装置(18)とを有する車両の走行制御装置であって、車上制御装置(18)は、車速パターンを有し、車速パターンは、互いに隣接する複数の閉塞区間を対象とし、最終段の閉塞区間では、終端でそのATC信号を反映し、それ以前では、個々の閉塞区間に束縛されることなく、全体として各閉塞区間のATC信号をほぼ高めに反映したものであり、車速が車速パターンの対応する値に当たった場合には常用最大ブレーキ制御信号(B7)を発生し、速度差が所定値以下の時にはその所定値に応じて最大ブレーキより小さい所定のブレーキ制御信号、またはブレーキ緩解信号を発生する車両の走行制御装置。 【請求項2】 車上子(16)と、受信機(17)と、車上制御装置(18)とを有する車両の走行制御装置であって、車上制御装置(18)は、車速パターンを有し、車速パターンは、各閉塞区間毎に、当該各閉塞区間の終端でそのATC信号を反映するものであり、車速が車速パターンの対応する値に当たった場合には常用最大ブレーキ制御信号(B7)を発生し、速度差が所定値以下の時にはその所定値に応じて最大ブレーキより小さい所定のブレーキ制御信号、またはブレーキ緩解信号を発生する車両の走行制御装置。 【請求項3】 車速と車速パターンの対応する値との速度差は、複数種類設定され、対応して設定される複数種類の常用最大ブレーキより小さい所定のブレーキ制御信号を発生するものである請求項1乃至請求項2のいずれかに記載された車両の走行制御装置。 【請求項4】 車速と車速パターンの対応する値との速度差は3種類以上(例えばakm/h、bkm/h、ckm/h等)設定され、対応するブレーキ制御信号も3種類以上(B6,B3,B1等)発生するものである請求項3に記載された車両の走行制御装置。 【請求項5】 所定のブレーキ制御信号は、所定のブレーキノッチに対応づけられたものである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された車両の走行制御装置。 【請求項6】 ブレーキ制御信号は、回生制動に関係づけられたものである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された車両の走行制御装置。 【請求項7】 車速パターンは、車上で発生するか、または車外から取り込まれたものである請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された車両の走行制御装置。 【請求項8】 車上子(16)と受信機(17)とは、軌道に沿って設けられた伝送手段(15:地上子15`含む)から閉塞区間の区間長、ATC信号等の閉塞区間の情報、または車速パターン情報を受信して車上に取り込むものである請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された車両の走行制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両(以下「車両」という)における車両の走行制御装置に関するものである。運転時分を短縮し、あるいは運転時分の短縮と同時に乗り心地をも改良せんとするものである。 【0002】 【従来の技術】一般に車両の走行制御装置(23)は、図1を参照して、そのハードウエア構成は車上子(16)と、受信機(17)と、車上制御装置(18)とから構成されるものである。この車両の走行制御装置(23)は、軌道に沿って設けられた伝送手段(15)から、車上子(16)により、閉塞区間のATC信号や、閉塞区間の区間長等の閉塞区間に関する情報を取り込み、受信機(17)を介して車上制御装置(18)がこれを把握して、所定の減速処理を行うためのブレーキ制御信号を演算して出力する。ここで伝送手段(15)は、トラスポンダ式の地上子(15`)でもよい。従って車両は、このブレーキ制御信号により制御され、ATC信号以下に減速されることになる。しかしながら、運転手の手動操作による走行制御はともかくとして、従来の車両の走行制御装置(23)は、(イ)運転時分が短縮できず、また必ずしも(ロ)乗り心地も良くないという問題点を有するものであった。現行の車両の走行制御装置(23)は、車両が当該閉塞区間に許容された車両速度であるATC信号を超えた場合には、自動的に常用最大ブレーキ(以下「急ブレーキ」と称す)が作動して車両速度を低下させ、車両速度がATC信号を下回った場合には、そのブレーキを緩解させてそのまま惰行せしめ、停車駅では、十分なる速度の低下を見ながら、運転手が確認操作を行い、手動にて所定位置に車両を停車させるものである。その状況を図8、図9のブレーキ特性をもとに説明する。停車駅近くの閉塞区間は1〜5とし、閉塞区間5の始端には停止信号機(6)があり、その手前に車両(19)の先端を停車させるものとする。ここで仮に、各閉塞区間の許容速度を、閉塞区間1では210km/h、閉塞区間2では160km/h、閉塞区間3では70km/h、閉塞区間4では30km/hとし、また閉塞区間は、その区間長が停車駅に近づく程短くなっている。ここでATC信号は、区間1では210信号、区間2では160信号、区間3では70信号、区間4では30信号、区間5では停止信号機(6)により絶対停止信号が現示されているものとし、この停止信号機(6)の手前に、車両(19)の先端を停止させるものとする。ところで車両(19)は、区間1には200km/hで進入するが、そのATC信号は210km/hなのでこの場合車両の走行制御装置(23)は作動しない。続いて区間2に進入すると、そのATC信号は160km/hなので、車両の走行制御装置(23)が自動的に作動して、急ブレーキが掛かって、地点(7)から車両が減速され、次いでATC信号160km/hを下回るようになる。すると地点(8)において、急ブレーキが緩解され、車両はそのまま惰行(以下、定速走行可)を続け、閉塞区間3に進入することになる。この区間3ではATC信号は70km/hなので、車両速度は再びATC信号を超えることとなり、車両の走行制御装置(23)が作動して地点(9)から、再び自動的に急ブレーキが掛かり、減速する。そして地点(10)において再び急ブレーキが緩解され、車両はそのまま惰行を続けて、閉塞区間4に進入する。この区間4においても、同様に、そのATC信号は30km/hであるが、車両はそのATC信号を超えており、車両の走行制御装置(23)が作動し、地点(11)において自動的に急ブレーキが掛かり、減速する。そしてそのATC信号30km/hを下回った地点(12)において急ブレーキが緩解され、車両はそのまま惰行を続ける。ここから以降は、低速でかつ停車地点近くのため、地点(13)から運転手が確認操作をしながら手動で停車操作を行い、地点(14)即ち閉塞区間5の始端にある停止信号機(6)の手前に車両(19)の先端を停車させるものである。 【0003】次いでこの車両の走行制御装置(23)の問題点を説明する。ところで閉塞区間長は、車両の減速に必要とされる距離等から見てその最小区間長が定められているが、軌道の地理的な条件、勾配、列車密度等により、必ずしも一定距離とはならず、まちまちとなっているのが実状である。またブレーキ技術は進歩し発達するものであるが、その発展にあわせて直ちに閉塞区間が短くされるというわけでもない。従って閉塞区間長が必要なブレーキ距離より長い場合には、所定の速度に減速されてから、当該閉塞区間の終端まではまだ相当な余裕距離があり、この間低速で走行せざるを得ないことになり、結果的に平均車両速度を低下させてしまい、運転時分の短縮ができないものとなっている。 【0004】これを図8に基づいて、更に具体的に説明する。車両の走行制御装置(23)は、車両がその車両速度より低位のATC信号を有する閉塞区間に進入すると、地点(7)にみる如く、直ちに作動し、急ブレーキを掛けて減速し、地点(8)以後はATC信号以下の速度で惰行することになる。しかしながらATC信号以下の車両速度は、その閉塞区間の終端において達成されていればよく、例えば閉塞区間2ではその終端において車速が160km/h以下となっていればよいものであって、逆に始端近辺でATC信号以下になってしまえば、以後終端まで低速で走行することになり、その区間の平均速度を下げる結果となってしまう。これでは運転時分を短縮することができないことは明かである。 【0005】そこでこの問題点を改良するためには、平均車速を上げ、車両速度が閉塞区間の終端でATC信号以下になるように制御することが考えられた。そのためには、車両速度を閉塞区間に許容されるATC信号に減速させるために必要な距離を算出し、当該閉塞区間の終端からその必要距離だけ手前から所定のブレーキ制御操作を行えばよいのである。そのための具体的な技術は、特公平6−104451号公報(特開平1−298906号公報)に詳述されている。 【0006】以下図9に基づいてその技術を略述する。車両(19)は、各閉塞区間に進入するときに閉塞区間の始端で、その車両の走行制御装置(23)の車上子(16)によって、地上の伝送装置(15;15`)から当該閉塞区間の長さ、ATC信号等の閉塞区間に関する情報を受信し、その情報は受信機(17)を介して、車上制御装置(18)に入力される。車上制御装置(18)は、車両速度とその減速度特性とから、当該閉塞区間のATC信号以下に減速するのに必要な距離(「ATCブレーキ距離」という)を算出し、当該閉塞区間の終端からこのATCブレーキ距離だけ手前において、所定のブレーキ操作を実行するためのブレーキ制御信号を出力するようにするものである。 【0007】具体的には、図9において、閉塞区間2では、その終端の地点(8`)からATCブレーキ距離だけ手前の、即ち地点(7`)からブレーキ操作を開始するようにすれば、その終端の地点(8`)ではATC信号に減速される。同様に閉塞区間3では地点(9`)から減速を開始すればその終端の地点(10`)で、閉塞区間4では地点(11`)から減速を開始してその終端の地点(12`)で、それぞれATC信号以下に減速されていることとなる。ここから以降は、図8のケースと同様に、低速となっておりかつ停車地点近くのため、地点(13)からは、運転手が確認操作をしながら、手動で停車操作を行って、地点(14)即ち閉塞区間5の始端にある停止信号機(6)の手前に車両(19)の先端を停車させるものである。このようにすると各閉塞区間において、車両の平均速度を高めに維持することができるので、運転時分短縮に大きく寄与することになる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ここで改良された従来の車両の走行制御装置(23)にあっては、運転時分の短縮は可能になったものの、急ブレーキを使用するので減速度の変化が大きく、また急ブレーキの緩解は減速度が不連続に変化するので、乗客にとって乗り心地がよくないものであった。即ち車両の進行方向に対する乗り心地の悪さは依然として解消されないものであった。そこで本発明が解決せんとする第1の課題は、運転時分を短縮しながらなおかつ乗り心地をも改善せんとすることにある。また第2の課題は、現在の設備(例えば閉塞区間の長さ等)を大幅に変えることなく、第1の課題を実現することにある。 【0009】本発明は運転時分の短縮はもちろんのこと、乗り心地をも改良した車両の走行制御装置を実現することを目的とし、その装置を提供するものである。ところで乗り心地の改良には、減速度を緩やかに行い、また不連続とならないように行えばよいのであって、急ブレーキと惰行だけでなく、中間強度のブレーキを使うということが考えられる。車両のブレーキは、例えば、急ブレーキ(B7)から、制動効果の減少する順にB1まで準備されており、一般にはブレーキノッチに対応されている。 【0010】そこでここでは複数段のブレーキ使用を考察することとする。またきめ細かくブレーキを制御するためには、車速の設定値として、閉塞区間の境界で行われる単に階段状の各閉塞区間のATC信号値だけではなく、その間を滑らかに結んだ中間値をも利用できるようにすればきめ細かい車速の制御には更に好都合である。そのためには車速設定値をパターン化した車速パターンを用いることとし、このパターンに沿って減速させるものとする。どのような形状の車速パターンがよいのか、また複数段のブレーキ使用をどう組み合わせたらよいのかを合わせて検討することとする。このパターンは、車両上において選択したり、発生させてもよいが、また車外のデータを車上に取り込んでもよいことは当然である。 【0011】 【課題を解決するための手段】本願発明は特定の車速パターンを使用することにより、ATC信号の中間の値をも利用してきめ細かい速度制御を可能とし、また車両速度がこの車速パターンの対応する値に当たった場合には急ブレーキ(B7)を作動させ、速度差が所定値以下、例えば5km/hとなったら、急ブレーキ(B7)の緩解ではなく、中間の強度を有するブレーキを使用する如くし、また速度差に応じて各段階において複数段のブレーキ制御信号を使用するものである。車速パターンの第1のタイプは、互いに隣接する複数の閉塞区間を対象とし、最終段の閉塞区間では、終端でそのATC信号を反映し、それ以前では、個々の閉塞区間に束縛されることなく、全体として各閉塞区間のATC信号をほぼ高めに反映したものであり、車速がこの車速パターンの対応する値に当たった場合には急ブレーキ制御信号(B7)を発生して、速度差が所定値以下の時にはその所定値に応じて急ブレーキより小さい所定のブレーキ制御信号、またはブレーキ緩解信号を発生するものである。また車速パターンの第2のタイプは、各閉塞区間毎に、当該各閉塞区間の終端でそのATC信号を反映するものであり、車速がこの車速パターンの対応する値に当たった場合には急ブレーキ制御信号(B7)を発生し、速度差が所定値以下の時にはその所定値に応じて急ブレーキより小さい所定のブレーキ制御信号、またはブレーキ緩解信号を発生するようにする。しかして車速と車速パターンの対応する値との速度差は、複数種類設定され、対応して設定される複数種類の急ブレーキより小さい、中間の強度を有する所定のブレーキ制御信号を使用するものである。ここで複数種類は3種類以上(例えばakm/h、bkm/h、ckm/h等)の場合も設定可能であり、対応するブレーキ制御信号も3種類以上(B6,B3,B1等)使用されうるものである所定のブレーキ制御信号は、普通は所定のブレーキノッチに対応づけられ、また回生制動に関係づけられたりされている。また車速パターンは、車上で発生しても、または車外から取り込まれたものであってもよい。車外との通信は、車上子(16)と受信機(17)とがこれを行い、軌道に沿って設けられた伝送手段(15:地上子15`含む)から閉塞区間の区間長、ATC信号等の閉塞区間の情報、または車速パターンの情報を受信して車上に取り込むものである。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明は、車上子(16)と、受信機(17)と、車上制御装置(18)とを有する車両の走行制御装置であって、車上制御装置(18)は、車速パターンを有するものである。また車上子(16)は、地上の伝送手段(15)と交信を行って、ATC信号、閉塞区間長等の閉塞区間の情報、あるいは車速パターンの情報等を車外から取り込むことができる。伝送手段(15)はトランスポンダ式の地上子(15`)としてもよい。本願発明の車両の走行制御装置においては、停車開始地点から停車地点までに必要とされる運転時分と、減速度変化を考慮してシミュレーションを行った。場所は博多駅進入で、停車開始は地点1055.076kmで、車両速度は、300km/hとし、停車は地点1069.500kmである。また車両は500系新幹線電車(16両編成、列車長400m、全電動車)である。シミュレーションではあるが、実際の車両の走行とよく一致することが確認されている。ブレーキの減速度はブレーキ設計データを直線補完して使用し、ブレーキノッチに対応させて使用した。ブレーキ遅れ時間は1sとし、指令後1sで減速度が得られるものとし、走行抵抗による減速度は、車両重量がすべて先頭に集中されているものとして計算した。そして、車速が30km/h以下となったら、制御は行わず、現在の手動運転に近い走行としてある。また車速パターンの設定に当たっては、所定の安全係数(例えば0.85)を考慮してあり、ATC信号の受信遅れは1sとして計算してある。そこで先ずこの車速パターンの形を考察するものとする。車速パターンの第1のタイプを用いる本願発明の第1、第2の実施の形態は、図2,図3に記載される如く、互いに隣接する複数の開塞区間を対象とし、最終段の閉塞区間では、終端近くでそのATC信号を反映し、それ以前では、個々の閉塞区間に束縛されず、全体として各閉塞区間のATC信号をほぼ高めに反映したものであり、それぞれブレーキの使用を異にするものである。第1の実施の形態である第2図のものでは、運転時分は、251.7sであり、ブレーキの使用は、車速がこの車速パターンの対応する値に当たったら、急ブレーキ制御信号(B7)を発生し、速度差が5km/h以下となったらブレーキ緩解信号を発生し、再び車速パターンの対応する値に当たったら、急ブレーキ制御信号(B7)を発生するようにしたものである。第2の実施の形態については後述する。また本願発明の第3、第4、第5の実施の形態では、第2のタイプの車速パターンを用いるものであり、同様にそれぞれブレーキの使用を異にする。第2のタイプの車速パターンは、図4、図5、図6に記載の如く、各閉塞区間毎に、当該各閉塞区間の終端近くでそのATC信号を反映するようにしたものである。運転時分は、第3の実施の形態である図4のものでは、275.8sとなっており、当然改善されている。ブレーキの使用は、車速がこの車速パターンの対応する値に当たったら、急ブレーキ制御信号(B7)を発生し、速度差が5km/h以下となったらブレーキの緩解信号を発生し、再び車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ制御信号(B7)を発生する。第4,第5の実施の形態については後述する。 【0013】車速と車速パターンの対応する値との速度差は、どちらのタイプの車速パターンを用いても、複数種類設定可能であり、対応して複数種類設定された急ブレーキより小さい、ブレーキ緩解信号を含む所定のブレーキ制御信号を使用するものである。ここで車速と車速パターンの対応する値の速度差は、3種類以上でも設定可能である。この複数種類の速度差は、3種類以上では、例えば10km/h、8km/h、6km/h、5km/h、4km/h、3km/h等であり、対応するブレーキ制御信号も3種類以上B6、B5、B4、B3,B1等である。またこれらのブレーキの使用には、回生制動と関係づけることもでき、また所定のブレーキ制御信号は、所定のブレーキノッチに対応づけられたものでもよいことは勿論である。車速パターンは、車上で発生してもよいし、車外から取り込んでもよい。車上には車上子(16)と受信機(17)が搭載され、軌道に沿って設けられた伝送手段(15;地上子15`含む)から閉塞区間の区間長、ATC信号等の閉塞区間の情報、または車速パターンの情報等を受信できるようにされている。 【0014】図7は、現行ATCに基づく車両のブレーキ特性を示したものであって、図8の従来例のものとほぼ同じものであるが、博多駅停車に適用したケースの例である。この図7のものを比較の基準として用いることとする。車速が、各閉塞区間で、そのATC信号を越えた場合には、急ブレーキ(B7)を使用し、速度差が5km/h以下になったら、このブレーキを緩解して惰行し、速度差が再びこの速度差を越えた場合はまた急ブレーキ(B7)を使用するというものであり、停車開始から停車まで運転時分は328.5sである。運転時分は長く、乗り心地も当然よくない。 【0015】以下この図7のものと比較して、本願発明の実施の形態を具体的に説明する。本願発明の第1,第2の実施の形態は、図2、図3の如く、第1のタイプの車速パターンを使用したブレーキ特性に関するものであり、ここでは車速パターンは、個々の閉塞区間にとらわれることなく、互いに隣接する複数個の閉塞区間を、全体としてあたかも1つの閉塞区間の如く考えて、最終の閉塞区間の終端においてそのATC信号を満たすようにし、中間においては各個の閉塞区間のATC信号に対し、より高めにその値が維持されるように設定される。このようにすると中間部において、車速が全体として高めに維持され、平均速度を高くすることができる。しかも車速パターンを利用しているので、きめ細かい速度制御が可能であり、なおかつ速度差に応じて中間強度のきめ細かいブレーキ制御が可能なので乗り心地も改善されている。ここで第2の実施の形態である図3のものは、第1の実施の形態である図2のものをベースとしたものであるが、ブレーキの使用形態が異なり、車両速度が車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ(B7)を作用させ、速度差が5km/hになると、中間強度のブレーキ(B5)に変えて、再び車両速度が車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ(B7)を作用させた結果である。運転時分は若干長くなったが、減速度変化は少ない結果となり、乗り心地も改善されている。 【0016】本願発明の第3,第4、第5の実施の形態である図4,図5、図6のものは、第2のタイプの車速パターンを用いる。このタイプの車速パターンは各閉塞区間の終端部において、それぞれ、その各ATC信号を反映するように設定されたものである。図9のものと比較して、各閉塞区間のそれぞれの終端部で、車両速度がそのATC信号を満足する点では同じであるが、車速を制御するのに車速パターンを用いている点で全く相違しており、この車速パターンを用いる点でよりきめ細かく速度制御が可能となり、さらにまたその速度差に対応して、きめ細かくブレーキ強度が制御されているので乗り心地が改善される。 【0017】ここで第3の実施の形態である図4のものは、車両速度が車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ(B7)を作動させ、速度差が5km/hになったらブレーキを緩解させ、再び車両速度に当たったら急ブレーキ(B7)作動させるものである。運転時分は275.8sであり、車速パターンを用いる点で乗り心地は改善効果が認められる。第4の実施の形態である図5のものは、第3の実施の形態である図4のものをベースにしたものであるが、車両速度が車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ(B7)を用い、速度差が5km/h以下ではブレーキ(B1)を用いるものである。運転時分が282.5sと多少長くなったが、減速度変化は大きさが減少され、その分だけ乗り心地の改善に効果がある。第5の実施の形態である図6のものは、同じく第3の実施の形態である図4のものをベースとしたものであり、車両速度が車速パターンの対応する値に当たったら急ブレーキ(B7)を用い、その差が3km/h以上となったらブレーキ(B7)をブレーキ(B6)に変え、差が5km/hとなったらブレーキ(B6)をブレーキ(B3)に変え、差が6km/hとなったらブレーキ(B3)をブレーキ(B1)に変える。更に速度差が10km/h以上となったらブレーキを緩解させて、そして差が8km/hとなったらブレーキ(B1)を作動させ、差が4km/hとなったらブレーキ(B1)をブレーキ(B3)に変え、差が2km/hとなったらブレーキ(B3)をブレーキ(B6)に変え、差が5km/hとなったらブレーキ(B6)からブレーキ(B3)に変えた場合のシミュレーション結果である。運転時分は280.9sと若干長くなったが、減速度変化は急峻な変化が避けられており、これから見て、その分だけ乗り心地も改善されている。 【0018】 【発明の効果】第1乃至第2の実施の形態のものは図2乃至図3、第3乃至第5の実施の形態のものは図4乃至図6から見て、以上の如く、図7の現行のATCによる車両の走行制御装置に比べて、運転時分が大幅に短縮され、しかも乗り心地が改善されている。更に第3乃至第5の実施の形態のものは、現行のATCの設備投資を最小限として時分短縮を図るものである。また第1乃至第2の実施の形態のものにおいても、ATC信号や閉塞区間長等の各閉塞区間情報を必要に応じて単に再編成して用いればよく、この情報を車外から受信する場合でも、車内で発生させる場合でも現在の技術で十分対応が可能である。また車速パターンにおいても、車内で発生させても、車外から取り込んでもよいことはいうまでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
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| 【出願日】 |
平成11年5月20日(1999.5.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100113295 【弁理士】 【氏名又は名称】糟谷 洋治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−333302(P2000−333302A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−175865 |
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