| 【発明の名称】 |
車両用駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】服部 昇
【氏名】北田 真一郎
【氏名】青山 俊一
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| 【要約】 |
【課題】運転時間のほとんどを占める低負荷時における減速機の伝達損失をなくすとともに、駆動装置の小型軽量低コスト化を図る。
【解決手段】ダイレクトドライブ電動機2と差動歯車3とからなる第1駆動ユニット1と、電動機5と減速機6と差動歯車7とからなる第2駆動ユニット4とを有し、低負荷運転時には第1駆動ユニット1により車輪を駆動し、高負荷運転時には第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット4とで車輪を駆動する構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の電動機が車輪の駆動を行う車両用駆動装置において、前記複数の電動機の減速比がそれぞれ異なることを特徴とする車両用駆動装置。 【請求項2】 請求項1記載の車両用駆動装置において、前記複数の電動機のうち、少なくとも1つの電動機には減速装置が備えられるとともに、この減速装置によって1以外の減速比が実現され、他の電動機には減速装置が備えられておらず、すなわち減速比が1であることを特徴とする車両用駆動装置。 【請求項3】 請求項1記載の車両用駆動装置において、車両負荷が小さいときには小さな減速比と組み合わされた電動機で車両を駆動し、車両負荷が大きなときは小さな減速比と組み合わされた電動機で車両を駆動するとともに、これに付加して大きな減速比と組み合わされた電動機でも駆動することを特徴とする車両用駆動装置。 【請求項4】 請求項3記載の車両用駆動装置において、前記大きな減速比と組み合わされた電動機は永久磁石式でない電動機であることを特徴とする車両用駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電動機を用いた車両用駆動装置に関し、詳しくは、電気自動車やシリーズハイブリッド自動車のタイヤ駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両を駆動する駆動装置について一般的な性質を以下に述べる。 【0003】駆動装置として減速機がないタイプの電動機を用いると、減速比を用いることができないため、モータの最大トルクが大きくなる。その結果、大きな電動機を使わざるを得ないため、電動機のサイズ、重量、およびコストの増大を招いてしまうという問題がある。しかし一方では、減速機がないため減速機の伝達損失を負担せずに済むという利点も有している。 【0004】次に、駆動装置として減速機を備えたタイプの電動機を用いると、電動機トルクは小さくて済むため、小さな電動機を使用できる。減速比を大きくとれば、このタイプの駆動装置は、減速機がない駆動装置よりもサイズ、重量、およびコストを小さくできるという利点がある。しかしながら、減速機の伝達損失は負担する必要がある。 【0005】これらの一般的性質を考慮した結果、現実の電気自動車で使用される駆動装置としては、減速比が6〜9に設定された減速機を備えたものが多く、減速機がない駆動装置はまれである。 【0006】複数の電動機で構成される電気自動車の具体的な例としては、図4に示す特開平05−208617号公報に記載のものが公知である。これは、前輪駆動電動機と後輪駆動電動機とで構成される駆動装置であり、両電動機とも減速装置を備えた同一構成のものであるため、減速比も同じに設定されていると推察される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の駆動装置においては、減速装置を有しているため、電動機のサイズ、重量、およびコストは小さくできるが、減速機の伝達損失を負担しなければならないという問題点があった。 【0008】本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、複数の電動機が車輪の駆動を行う車両用駆動装置において、低負荷運転時には減速機のない電動機によって車輪を駆動し、高負荷運転時には減速機のない電動機とともに減速機を備えた電動機によって車輪を駆動する構成とすることによって、運転時間のほとんどを占める低負荷時における減速機の伝達損失をなくすとともに、駆動装置の小型軽量低コスト化を実現した車両用駆動装置を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の車両用駆動装置では、複数の電動機が車輪の駆動を行う車両用駆動装置において、前記複数の電動機の減速比がそれぞれ異なることを特徴とする。 【0010】請求項2記載の発明では、請求項1記載の車両用駆動装置において、前記複数の電動機のうち、少なくとも1つの電動機には減速装置が備えられるとともに、この減速装置によって1以外の減速比が実現され、他の電動機には減速装置が備えられておらず、すなわち減速比が1であることを特徴とする。 【0011】請求項3記載の発明では、請求項1記載の車両用駆動装置において、車両負荷が小さいときには小さな減速比と組み合わされた電動機で車両を駆動し、車両負荷が大きなときは小さな減速比と組み合わされた電動機で車両を駆動するとともに、これに付加して大きな減速比と組み合わされた電動機でも駆動することを特徴とする。 【0012】請求項4記載の発明では、請求項3記載の車両用駆動装置において、前記大きな減速比と組み合わされた電動機は永久磁石式でない電動機であることを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、本発明実施の形態1の車両用駆動装置の構成を示す図である。 【0014】図1において、車両前輪を駆動する第1駆動ユニット1は、ダイレクトドライブ電動機2と差動歯車3とから構成され、差動歯車3の出力動力は2本のドライブシャフトを介して前輪の左右輪を駆動する。 【0015】車両後輪を駆動する第2駆動ユニット4は、電動機5と減速機6と差動歯車7とから構成され、差動歯車7の出力動力は2本のドライブシャフトを介して後輪の左右輪を駆動する。 【0016】これらの電動機はそれぞれ別のインバータ回路8,9を介して、その駆動はバッテリ10からの電力により駆動される。 【0017】これら第1,第2駆動ユニット1,4は、図2に示すような性能が与えられる。図2は車両の駆動力線図である。第1駆動ユニット1の能力で駆動できる低負荷領域Aは、第1駆動ユニット1が運転負担し、第1駆動ユニット1の能力を超える高負荷領域Bは第1駆動ユニット1が運転負担するとともに、第2駆動ユニット4がアシストして要求駆動力を達成する。 【0018】上記のように構成し運転することにより次の技術効果が得られる。 【0019】実施の車両における負荷の時間的な頻度を計測すると、ほとんどの時間は、駆動装置の駆動能力に比べ小さな負荷で運転されている。したがって、車両の実用燃料消費率の改善のためには低負荷での効率改善が重要である。大部分の運転条件である低負荷条件で伝達損失のない第1駆動ユニット1で運転されるため燃料消費率の改善ができる。 【0020】一方、車両の実用燃料消費率の改善においては、高負荷運転における効率向上は、使用時間頻度が低いので重要性が低い。もし、高負荷運転での伝達効率改善を意図して第2駆動ユニット4を減速機6なしで構成すると、非常に大きな電動機となってしまう一方で実用燃料消費率の改善はあまり達成されないことになる。したがって 第2駆動ユニット4の設計は、重要度の低い高負荷運転における効率向上よりも、減速機6を備え、電動機5の必要トルクを小さくし、電動機5のサイズを小さくすべきである。このようにしても第1駆動ユニット1の能力を超える分だけが、第2駆動ユニット4の駆動力なのであって、第1駆動ユニット1の能力までの分については第1駆動ユニット1で運転されており、伝達損失のないというメリットは高負荷運転時にもその分は得ることができる。 【0021】(実施の形態2)この実施の形態は、実施の形態1において、第2駆動ユニット4の電動機の仕様を誘導電動機にする案である。一般に永久磁石式電動機は磁石の性能が大幅に改善された結果、最近では効率が良くコンパクトである。しかし、回転により誘起電力が発生し発電機となるという性質がある。一方、誘導電動機は効率やコンパクトさでは不利であるが、誘導磁界を生じないように制御すれば、回転により誘起電力が発生し発電機となることを防止できる。 【0022】第2駆動ユニット4の電動機5に永久磁石式モータを用いると、回転に比例する誘起電力が生じ電動機5が発電機となり損失となる。低負荷運転時には第2駆動ユニット4の電動機5は無負荷運転を意図しているにも関わらず、抵抗となり、燃料消費率の改善において阻害要因となる。一方多くの頻度で使われることがないのであるから燃料消費率の改善においては電動機の効率は重要視されない。以上の観点から、第2駆動ユニット4の電動機5は誘導電動機にするべきである。 【0023】(実施の形態3)一般に減速比が大きくなるとギアの段数が増えることも有り、減速比が大きくなるに連れて伝達効率が低下する傾向がある。実施の形態1では減速機のある第2駆動ユニット4と減速機のない第1駆動ユニット1という単純な組み合わせであるが、本実施の形態は図3に示すように、第1駆動ユニット11は2段の減速機であり、第2駆動ユニット12は1段の減速機である場合である。すなわち、第1駆動ユニット11は減速機の伝達効率が悪く、第2駆動ユニット12は減速機の伝達効率が相対的に良いのである。したがって、運転頻度の高い低負荷運転では伝達効率が相対的に良い第2駆動ユニット12で運転し、第2駆動ユニット12の能力を超える分は第1駆動ユニット11がアシストするように運転することにより実施の形態1と同じ思想で効率の改善を図るものの、若干効率よりも電動機の小型軽量を重視した設計となる。なお、前輪の方が後輪よりも減速比が小さい例を示したが、前輪の方が後輪よりも減速比が大きくても構わないし、また、複数の電動機の一例として2つの場合を例にしたが、電動機の数が3つでも4つの場合でも、異なる減速比を持ち、低負荷時の運転を小さな減速比で行う場合も本発明に含まれる。 【0024】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の車両用運転装置にあっては、低負荷運転時には減速機のない電動機によって車輪を駆動し、高負荷運転時には減速機のない電動機とともに減速機を備えた電動機によって車輪を駆動する構成とすることによって、運転時間のほとんどを占める低負荷時における減速機の伝達損失をなくすとともに、駆動装置の小型軽量低コスト化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月6日(1999.5.6) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−324621(P2000−324621A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−126298 |
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