| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田端 淳
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| 【要約】 |
【課題】エンジンと電動モータとの頻繁な切り換えを抑制することができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】原動機切換判断手段102によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、走行距離判定手段106により前回の他方から一方への切換からの車両の走行距離L或いは原動機切換判断手段102による切換判断以後のシフトレバー92の操作からの車両の走行距離Lが予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されるまでは、原動機切換許可手段108によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが禁止され、その走行距離Lが予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されると、原動機切換許可手段108によりその一方から他方への切り換えが許可される。従って、エンジン12とモータジェネレータ14との間の頻繁な切り換えが抑制される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料の燃焼によって作動させられるエンジンと電気エネルギーで作動させられる電気モータとを原動機として備えたハイブリット車両の制御装置であって、前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを予め記憶された関係から判断する原動機切換判断手段と、該原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、該他方から一方への切り換え時点からの走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたか否かを判定する走行距離判定手段と、該走行距離判定手段により前記走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されるまでは前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを禁止し、該走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されると該一方から他方への切り換えを許可する原動機切換許可手段とを、含むことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】 燃料の燃焼によって作動させられるエンジンと電気エネルギーで作動させられる電気モータとを原動機として備えたハイブリット車両の制御装置であって、前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを予め記憶された関係から実際の車速に基づいて判断する原動機切換判断手段と、該原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、該他方から一方への切り換え時点からの経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたか否かを判定する経過時間判定手段と、該経過時間判定手段により前記経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されるまでは前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを禁止し、該経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されると該一方から他方への切り換えを許可する原動機切換許可手段とを、含むことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は原動機としてエンジンおよび電気モータを用いたハイブリッド車両の制御装置に係り、特に、エンジンおよび電気モータが頻繁に切り換えられることを防止する技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば、ガスや液体燃料の燃焼で作動するエンジンと電気エネルギーで作動する電動モータとを車両走行用の原動機すなわち駆動力源として備えているハイブリッド車両が知られている。そして、このようなハイブリッド車両では、燃費の向上のために、エンジンおよび電気モータが予め記憶された関係から実際の車速に基づいて切り換えられるようになっている。そして、その原動機の頻繁な切り換えが行われないように上記関係には所定幅の車速ヒステリシスが設けられ、その車速ヒステリシス以上の車速変化が発生しないと、原動機の切り換えが行われないようにしたハイブリッド車両の制御装置が提案されている。たとえば、特開平9−58301号公報に記載されたハイブリッド車両の制御装置がそれであり、原動機の切換え判断のための車速ヒステリシスが設けられた関係はその図13に記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来のハイブリッド車両の制御装置では、原動機の切換え判断のための関係には車速ヒステリシスが設けられていることから、たとえば車両の発進直後に電動モータによる走行からエンジンによる走行へ切り換えるためにエンジンが始動させられるような比較的低車速において切り換え判断を行う所謂エコーハイブリッド車両では、距離ヒステリシスを設けると、発進直後にエンジンによる走行へ切り換えることができず、また、その距離ヒステリシスを小さくするとエンジンと電動モータとの頻繁な切り換えを抑制することができないという不都合があった。 【0004】本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、エンジンと電動モータとの頻繁な切り換えを抑制することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成するための本第1発明の要旨とするところは、燃料の燃焼によって作動させられるエンジンと電気エネルギーで作動させられる電気モータとを原動機として備えたハイブリット車両の制御装置であって、(a) 前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを予め記憶された関係から判断する原動機切換判断手段と、(b) その原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、その他方から一方への切り換え時点からの走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたか否かを判定する走行距離判定手段と、(c) その走行距離判定手段により前記走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されるまでは前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを禁止し、その走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されるとその一方から他方への切り換えを許可する原動機切換許可手段とを、含むことにある。 【0006】 【第1発明の効果】このようにすれば、原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、走行距離判定手段により前記走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されるまでは、原動機切換許可手段によりエンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが禁止され、その走行距離が予め設定された距離判断基準値を越えたと判定されると、原動機切換許可手段によりその一方から他方への切り換えが許可される。すなわち、車両の走行距離が距離ヒステリシスに相当する上記距離判断基準値を越えないと原動機の切り換えが行われない。従って、車両の発進直後に電動モータによる走行からエンジンによる走行へ切り換えるためにエンジンが始動させられるように原動機の切換判断のための関係が設定されたとしていても、エンジンと電動モータとの頻繁な切り換えが抑制される。 【0007】 【第1発明の他の態様】ここで、第1発明において、好適には、予め記憶された関係からシフトレバーの操作位置に基づいて前記距離判断基準値を決定する距離判断基準値決定手段を備えたものである。この距離判断基準値決定手段は、シフトレバーが後進ポジションたとえばRポジションに操作されている場合には前進ポジションたとえばDポジションに操作されている場合に比較して大きな値の距離判断基準値を決定するものである。このようにすれば、シフトポジション毎の走行に適した異なる距離判断基準値が決定される利点がある。 【0008】また、第1発明において、好適には、前記原動機切換判断手段によって前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断されてからその切り換えが許可或いは実施されるまでの間において、前記シフトレバーが操作されたか否かを判定するシフトレバー操作判定手段を備え、上記距離判断基準値決定手段は、そのシフトレバー操作判定手段によりシフトレバーが操作されたことが判定される毎に、距離判断基準値を再決定するものであり、前記走行距離判定手段は、その距離判断基準値決定手段により距離判断基準値が再決定されたときからの走行距離が再決定された距離判断基準値を越えたか否かを判定するものである。このようにすれば、シフトレバー操作毎にその操作位置に対応する距離判断基準値が決定されるとともに、その決定時点からの走行距離がその再決定された距離判断基準値を越えたか否かが判断されるので、頻繁なシフトレバーの操作が行われても、それに応答して原動機が頻繁に切り換えられないという利点がある。 【0009】 【課題を解決するための第2の手段】また、前記の目的を達成するための本第2発明の要旨とするところは、燃料の燃焼によって作動させられるエンジンと電気エネルギーで作動させられる電気モータとを原動機として備えたハイブリット車両の制御装置であって、(a) 前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを予め記憶された関係から実際の車速に基づいて判断する原動機切換判断手段と、(b) その原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、その他方から一方への切り換え時点からの経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたか否かを判定する経過時間判定手段と、(c) その経過時間判定手段により前記経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されるまでは前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えを禁止し、その経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されるとその一方から他方への切り換えを許可する原動機切換許可手段とを、含むことにある。 【0010】 【第2発明の効果】このようにすれば、原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、経過時間判定手段により前記経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されるまでは、原動機切換許可手段によりエンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが禁止され、その経過時間が予め設定された時間判断基準値を越えたと判定されると、原動機切換許可手段によりその一方から他方への切り換えが許可される。すなわち、前記他方から一方への切り換え時点からの経過時間が時間ヒステリシスに相当する上記時間判断基準値を越えないと原動機の切り換えが行われない。従って、車両の発進直後に電動モータによる走行からエンジンによる走行へ切り換えるためにエンジンが始動させられるように原動機の切換判断のための関係が設定されていたとしても、エンジンと電動モータとの頻繁な切り換えが抑制される。 【0011】 【第2発明の他の態様】ここで、第2発明において、好適には、予め記憶された関係からシフトレバーの操作位置に基づいて前記時間判断基準値を決定する時間判断基準値決定手段を備えたものである。この時間判断基準値決定手段は、シフトレバーが後進ポジションたとえばRポジションに操作されている場合には前進ポジションたとえばDポジションに操作されている場合に比較して大きな値の時間判断基準値を決定するものである。このようにすれば、シフトポジション毎の走行に適した異なる時間判断基準値が決定される利点がある。 【0012】また、第2発明において、好適には、前記原動機切換判断手段によって前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断されてからその切り換えが許可或いは実施されるまでの間において、前記シフトレバーが操作されたか否かを判定するシフトレバー操作判定手段を備え、上記時間判断基準値決定手段は、そのシフトレバー操作判定手段によりシフトレバーが操作されたことが判定される毎に、時間判断基準値を再決定するものであり、前記経過時間判定手段は、その時間判断基準値決定手段により時間判断基準値が再決定されたときからの経過時間が再決定された時間判断基準値を越えたか否かを判定するものである。このようにすれば、シフトレバー操作毎にその操作位置に対応する時間判断基準値が決定されるとともに、その決定時点からの経過時間がその再決定された時間判断基準値を越えたか否かが判断されるので、頻繁なシフトレバーの操作が行われても、原動機が切り換えられないという利点がある。 【0013】また、前記第1発明および第2発明において、好適には、前記原動機切換判断手段により前記エンジンおよび電気モータの一方から他方への切り換えが判断された場合には、それまでにその他方から一方への反対側の切換があったか否かを判定する反対側切換作動判定手段と、その反対側切換作動判定手段によりそれまでにその他方から一方への反対側の切換えがなかったと判定された場合には、上記一方から他方への原動機の切換えを優先的に直ちに許可する優先切換許可手段とが設けられる。このようにすれば、それまで他方から一方への切り換えがなかった場合には直ちに一方から他方への原動機の切り換えが行われてもビジー感が発生しないので、直ちに一方から他方への原動機の切換えが許可されて燃費が向上する。 【0014】 【発明の好適な実施の形態】 【0015】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。 【0016】図1は、本発明の一実施例のハイブリッド車両の動力伝達装置10を説明する骨子図である。この動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、気体燃料或いは液体燃料の燃焼によって作動するガソリンエンジン12と、電気エネルギーで作動する電動モータおよび発電機としての機能を有するモータジェネレータ(MG)14と、遊星歯車式の副変速機16と、ベルト式の無段変速機(CVT)18と、差動装置20と、出力軸22R、22Lとを備えており、それら出力軸22R、22Lから図示しない左右の前輪(駆動輪)へ駆動力が伝達されるようになっている。上記エンジン12、モータジェネレータ14、副変速機16、および無段変速機18の入力軸38は、同一の軸線上にその順番で配設されている。上記エンジン12およびモータジェネレータ14は車両走行用の駆動力源すなわち原動機として機能している。また、上記無段変速機18は、動力伝達装置10内の主変速機として機能するものであって、有効径が可変な1対の可変プーリ18aおよび18bとそれら1対の可変プーリ18aおよび18bに巻きかけられた伝動ベルト19とを備えており、それら1対の可変プーリの掛かり径すなわち有効径が相逆的に変化させられることにより、その変速比(入力軸回転速度/出力軸回転速度)が連続的に変化させられるようになっている。これにより、本実施例では出力軸22R、22Lまでの間において3〜11程度の範囲内でその変速比が変化させられる。 【0017】上記エンジン12は、エンジン始動用の電動モータ(MO)60によって回転駆動(クランキング)されることにより始動させられるようになっている。この電動モータ60は直流モータであり、蓄電装置としてのバッテリ26から電気エネルギーが12V〜36V程度等の低電圧で供給されることにより作動させられるようになっている。エンジン12のクランクシャフト12sは、ベルト等の伝動装置を介して上記電動モータ60に作動的に連結されている。クランクシャフト12sにはまた、ベルト等の伝動装置および電磁クラッチ62を介して補機64が作動的に連結され、補機64としてのエアコンのコンプレッサ等が回転駆動されるようになっている。クランクシャフト12sには更に、ベルト等の伝動装置を介してモータジェネレータ24が接続されている。このモータジェネレータ24は、補機駆動用の電動モータであり、バッテリ26から電気エネルギーが供給されるようになっている。 【0018】上記バッテリ26は、電気エネルギーを36V程度の比較的低電圧で前記モータジェネレータ14にも供給してそれを作動させるものであり、また、そのモータジェネレータ14の回生制動によって車両の走行中に逐次充電されるようになっている。上記バッテリ26の蓄電量SOCが所定値以下まで低下した時、すなわちモータジェネレータ14を電動モータとして作動させることができない場合は、電動モータ60によってエンジン12を始動するとともに、そのエンジン12でモータジェネレータ24を回転駆動して発電させることにより、バッテリ26を充電する。これにより、故障時以外は常時モータジェネレータ14を用いて走行することが可能とされている。また、上記バッテリ26には、電動モータ60によってエンジン12を始動できる程度の蓄電量SOCが常に確保されるようになっている。なお、電動モータ60へ電気エネルギーを供給するため、バッテリ26とは別に12V等のバッテリを設けるようにしても良い。 【0019】前記副変速機16は、互いに近接して並列に配設されたダブルプラネタリ型の第1遊星歯車装置30およびシンプルプラネタリ型の第2遊星歯車装置32を備えている。これらの遊星歯車装置30、32は、所謂ラビニヨ型であって、共通のリングギヤRおよびキャリアCを有するとともに、第1遊星歯車装置30のキャリアのリングギヤ側のピニオンギヤと第2遊星歯車装置32のキャリアのピニオンギヤとが一体化されている。上記第1遊星歯車装置30のサンギヤS1には、前記モータジェネレータ14が連結され、第2遊星歯車装置32のサンギヤS2には、第1クラッチC1およびダンパ装置34を介してエンジン12のクランク軸12sが連結されるようになっている。また、それ等のサンギヤS1およびS2は第2クラッチC2によって連結されるとともに、キャリアCは反力ブレーキBによってハウジング44に連結されて回転が阻止されるようになっており、リングギヤRは出力部材36を介して無段変速機18の入力軸38に連結されている。クラッチC1、C2、および反力ブレーキBは、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。 【0020】上記サンギヤS1は、第1遊星歯車装置30に隣接して配設されるモータジェネレータ14の中心を貫通して配設された円筒状の連結部材40を介して、そのモータジェネレータ14よりもエンジン12側に設けられた第2クラッチC2に接続されており、モータジェネレータ14のロータは連結部材40の中間位置に相対回転不能に固定されている。サンギヤS2は、上記連結部材40を挿通して相対回転可能に配設された連結部材42を介して、モータジェネレータ14よりもエンジン12側に設けられた第1クラッチC1に接続されているとともに、その第1クラッチC1を経由することなく第2クラッチC2に接続されている。また、前記反力ブレーキBは、副変速機16とモータジェネレータ14との間から外周側へ延び出すキャリアCをハウジング44に固定するように配設されている。 【0021】両遊星歯車装置30、32は、上記のように、サンギヤS1、S2、および共通のリングギヤR、キャリアCの計4つの回転要素にて構成されているため、クラッチやブレーキの係合装置が少なくて済むなど、装置が全体として簡単に且つコンパクトに構成される。特に、第1遊星歯車装置30のキャリアのリングギヤ側のピニオンギヤと第2遊星歯車装置32のキャリアのピニオンギヤとが一体化されているラビニヨ型であるため、部品点数が少なくなって一層簡単且つコンパクトに構成される。 【0022】また、サンギヤS1は、モータジェネレータ14の中心を貫通して配設された円筒状の連結部材40を介して第2クラッチC2に接続されているとともに、モータジェネレータ14のロータはその連結部材40の中間位置に相対回転不能に固定されている一方、サンギヤS2は、連結部材40を挿通して相対回転可能に配設された連結部材42を介して第1クラッチC1に接続されているとともに、その連結部材42は第1クラッチC1を経由することなく第2クラッチC2に接続されており、反力ブレーキBは、副変速機16とモータジェネレータ14との間から外周側へ延び出すキャリアCをハウジング44に固定するようになっており、リングギヤRはそのまま出力部材36を介して無段変速機18の入力軸38に接続されるため、エンジン12やモータジェネレータ14、反力ブレーキB、出力部材36を連結するための取り回し(連結構造など)が簡単である。 【0023】図2は、上記副変速機16の各回転要素S1、S2、R、Cの回転数の相互関係を直線で表すための、回転数を表す縦軸を備えた共線図を示している。この共線図において、各回転要素S1、S2、R、Cの位置および間隔は、連結状態や遊星歯車装置30、32のギヤ比ρ1、ρ2によって一義的に定まる。この共線図上において、入力回転要素であるサンギヤS1、S2は互いに反対側の両端に位置しているとともに、出力用回転要素であるリングギヤRは反力用回転要素であるキャリアCとサンギヤS1との間に位置している。 【0024】図3には、上記クラッチC1、C2、および反力ブレーキBの係合状態と副変速機16の変速モード(一例)との関係が示されており、エンジン12を駆動力源として使用する場合、モータジェネレータ14を駆動力源として使用する場合、或いはシフトレバーの操作ポジション(図6参照)などにより場合分けされている。図6において、「D」ポジションは、予め定められた変速条件に従って無段変速機18の変速比をアクセル操作量や車速などの運転状態に応じて連続的に変化させながら前進走行する自動変速位置である。「M」ポジションは、「+」位置または「−」位置へシフトレバーが操作されることにより有段変速機のように無段変速機18の変速比を段階的に変化させる有段手動変速位置である。「B」ポジションは、シフトレバーの前後方向位置に応じて無段変速機18の変速比を連続的に変化させる無段手動変速位置である。また、「R」は車両を後進させるリバース位置で、「N」はニュートラル位置で、「P」はパーキングロック機構などで車両の走行を阻止するパーキング位置である。 【0025】図3において、エンジン12を駆動力源として前進走行する「D」、「M」、「B」ポジションでは、クラッチC1、C2が共に係合させられるとともに反力ブレーキBが解放されることにより、変速比が1の高速前進モード「2nd」が成立させられる。この高速前進モード「2nd」は高速段に相当する。その場合に、第1クラッチC1がスリップ係合させられれば、エンジン発進が可能なエンジン低速前進モード「2nd(低速)」が成立させられ、バッテリ26の蓄電量SOCの低下や故障などでモータジェネレータ14を使用できない場合でも、エンジン12で前進方向のクリープトルクを発生させたり車両を前方へ発進させたりすることができる。「R」ポジションでは、第1クラッチC1および反力ブレーキBが係合させられるとともに第2クラッチC2が解放されることにより、変速比が−1/ρ2(ρ2は、第2遊星歯車装置32のギヤ比(=サンギヤS2の歯数/リングギヤRの歯数))の高速後進モード「高速」が成立させられる。その場合に第1クラッチC1がスリップ係合させられれば、前進時と同様にエンジン発進が可能なエンジン低速後進モード「低速(エンジン)」が成立させられ、バッテリ26の蓄電量SOCの低下や故障などでモータジェネレータ14を使用できない場合でも、エンジン12で後進方向のクリープトルクを発生させたり車両を後方へ発進させたりすることができる。また、「N」ポジションでは、クラッチC1、C2が共に解放させられるとともに反力ブレーキBが係合させられることにより、エンジン12からの動力伝達経路が遮断される。 【0026】モータジェネレータ14を駆動力源とする「D」、「M」、「B」ポジションでは、クラッチC1、C2が共に解放されるとともに反力ブレーキBが係合させられることにより低速前進モード「1st」が成立させられ、車両停止時には前進方向のクリープトルクを発生させるとともにアクセル操作に従って発進する。この時の変速比は1/ρ1(ρ1は第1遊星歯車装置30のギヤ比(=サンギヤS1の歯数/リングギヤRの歯数))で比較的大きく、大きなトルク増幅が得られるため、無段変速機18の大きな変速比と相まって、36V程度の電圧によって作動させられるモータジェネレータ14においても、実用上満足できるクリープトルクや発進性能が得られる。この低速前進モード「1st」は低速段である。 【0027】そして、上記低速前進モード「1st」からエンジン12による高速前進モード「2nd」への移行は、例えば、第2クラッチC2を係合させながら反力ブレーキBが解放されて副変速機16を一体回転させるとともに、エンジン12の回転数がサンギヤS2と同期した後に第1クラッチC1が係合させられ、その後にモータジェネレータ14への電力供給を停止して無負荷状態にする。 【0028】また、クラッチC1、C2が共に係合させられるとともに反力ブレーキBが解放されることにより、エンジン12およびモータジェネレータ14の両方を駆動力源として走行する変速比が1のアシストモード「2nd(アシスト)」が成立させられる。また、第1クラッチC1および反力ブレーキBが解放されるとともに第2クラッチC2が係合させられれば、モータジェネレータ14を回生制御して効率良く充電しながら制動力を発生させる変速比が1の回生制動モード「2nd(回生)」が成立させられる。なお、アシストモード「2nd(アシスト)」は、エンジン12による高速前進モード「2nd」の実行時にモータジェネレータ14を作動させれば良いし、回生制動モード「2nd(回生)」は、エンジン12による高速前進モード「2nd」の実行時に第1クラッチC1を解放してエンジン12を切り離すとともにモータジェネレータ14を回生制御すれば良い。また、アシストモード「2nd(アシスト)」は、第1クラッチC1をスリップ係合させるエンジン低速前進モード「2nd(低速)」でモータジェネレータ14を作動させて行うこともできる。 【0029】また、モータジェネレータ14を駆動力源とする「R」ポジションでは、クラッチC1、C2が共に解放されるとともに反力ブレーキBが係合させられることにより低速後進モード「低速(モータ)」が成立させられ、モータジェネレータ14に逆回転のトルクを発生させることにより、車両停止時には後進方向のクリープトルクを発生させるとともにアクセル操作に従って後方へ発進する。この時の変速比は−1/ρ1で比較的大きく、大きなトルク増幅が得られるため、無段変速機18の大きな変速比と相まって、36V程度の電圧によって作動させられるモータジェネレータ14においても、実用上満足できるクリープトルクや発進性能が得られる。この低速後進モード「低速(モータ)」も低速段である。そして、この低速後進モード「低速(モータ)」からエンジン12による高速後進モード「高速」への移行は、エンジン12を作動させて第1クラッチC1を係合させた後にモータジェネレータ14への電力供給を停止して無負荷状態にすれば良い。 【0030】上記エンジン12およびモータジェネレータ14の使い分けは、例えば車速およびアウトプットトルク(アクセル操作量)をパラメータとして、図4のマップに示すように定められる。ここで、このマップでは、高車速、高トルク(アクセル操作量大)の領域ではエンジン12を使用し、低車速、低トルク(アクセル操作量小)の領域ではモータジェネレータ14を使用するが、低電圧のモータジェネレータ14を使用する本実施例では、モータジェネレータ14の使用範囲は比較的狭く、車両停止時のクリープトルクおよび僅かな走行領域に限定されている。例えばバッテリ26の蓄電量SOCが不足している場合は他のマップが選択される。図4(a) のマップは前進走行用のものであり、図4(b) のマップは後進走行のものである。なお、エンジン12を駆動力源とする上記「2nd」、「2nd(低速)」の領域でモータジェネレータ14をアシスト的に使用することも可能である。また、各領域の境界線は、無段変速機18の変速比などに応じて変化する。 【0031】図5は、本実施例のハイブリッド駆動装置10の作動を制御する制御系統を示す図である。図5において、電子制御装置すなわちECU(Electronic ControlUnit)50は、図示しないCPU、RAM、ROM、インターフェースなどを備えた所謂マイクロコンピュータである。そのECU50には図5の左側に示すスイッチやセンサ等から各種の信号が入力されるとともに、ROM等に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行って右側に示す各種の装置等に制御信号などを出力することにより、例えば車速Vやアクセル開度(アクセルペダルの操作量)θ、シフトポジション(シフトレバーの操作位置)、バッテリ蓄電量SOC、フットブレーキの操作量などの運転状態に応じて副変速機16の変速モードを前記図3に従って切り換えたり、前記図4に従ってエンジン12およびモータジェネレータ14の作動を制御したりする。 【0032】図5の減速度/トルク設定スイッチ52は、例えば図7に示すようなスライドスイッチによって構成され、シフトレバーの近傍などに配設される。これは、副変速機16が回生制動モード「2nd(回生)」の時のモータジェネレータ14の回生制動トルクを手動で調整するもので、手前に引く程制動トルクは増大する。すなわち、この減速度/トルク設定スイッチ52の操作位置に従って、図4の回生制動モード「2nd(回生)」のラインは上下に移動させられるのである。また、図8の設定減速度インジケータ54には、減速度/トルク設定スイッチ52の操作位置に応じて、回生制動トルクが大きくなる程長さが長くなる後向きの矢印で設定状態が表示される。この設定減速度インジケータ54は、インストルメントパネルに設けられる。 【0033】また、図5において、コントローラ(MO)66はエンジン始動用の電動モータ60の出力(トルク)制御を行うものである。コントローラ(MG14)68およびコントローラ(MG24)70はモータジェネレータ14および24の出力(トルク)制御および回生制御等を行うインバータである。電動オイルポンプ72は前記クラッチC1、C2やブレーキB、或いはABSアクチュエータ74等に油圧を供給するためのものである。システムインジケータ76は、シフトレバーが前記「M」ポジションまたは「B」ポジションへ操作された場合に作動させられて、変速機全体の変速比を図9に示すように数値表示する。何等かの理由により「M」ポジション、「B」ポジションで変速比が点灯しない場合はフェール判定が為される。フェール時には、たとえば変速比を示すシステムインジケータ76の数字表示を点滅させるようにしても良い。 【0034】図10は、上記ECU50の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図10において、原動機駆動制御手段100は、車速Vやアクセル開度(アクセルペダルの操作量)θ、シフトポジション(シフトレバーの操作位置)、バッテリ蓄電量SOC、フットブレーキの操作量などの運転状態に応じたモードに応じて、運転者の意思を反映させた駆動力を発生させるようにエンジン12および/またはモータジェネレータ14の作動を制御する。原動機切換判断手段102は、エンジン12およびモータジェネレータ14の使い分けを判定するための予め記憶された図4の関係から実際の車速Vおよびアウトプットトルクのパラメータに基づいて、エンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切換判断を行う。上記アウトプットトルクとは、車両の駆動トルク或いは変速機の出力トルクであり、トルクセンサによって直接的に検出されてもよいが、通常は、その出力トルクを反映するスロットル弁開度、アクセルペダル操作量などが便宜的に用いられる。 【0035】距離判断基準値決定手段104は、たとえば表1に示す予め記憶された関係から実際のシフトレバー92の操作位置に基づいて距離判断基準値Mを決定し、前回のモ─タジェネレ─タ14からエンジン12への反対側への切換時点からの車両の走行距離Lを計数するための図示しない距離カウンタの計数内容を零にリセットする。この距離判断基準値Mでは、シフトレバー92が後進ポジションたとえばRポジションに操作されている場合の値MR は、前進ポジションたとえばDポジションに操作されている場合の値MD (=10)に比較して倍程度の大きな値「20」に設定されている。この距離判断基準値Mは、原動機の切換判断の距離ヒステリシス値として機能するものである。 【0036】 【表1】 シフトポジション N(P) R D その他距離判断基準値M 10 20 10 10【0037】走行距離判定手段106は、原動機切換判断手段102によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、その他方から一方への前回の切り換え時点からの走行距離Lが上記距離判断基準値決定手段104により予め決定され且つ設定された距離判断基準値Mを越えたか否かを判定する。 【0038】原動機切換許可手段108は、上記走行距離判定手段106により走行距離Lが距離判断基準値決定手段104により予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されるまでは原動機駆動制御手段100において前記エンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが行われることを禁止し、その走行距離Lが上記予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されると原動機駆動制御手段100において上記一方から他方への切り換えが行われることを許可する。 【0039】シフトレバー操作判定手段114は、前記原動機切換判断手段102によってエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断されてからその切り換えが許可或いは実施されるまでの期間において、シフトレバー92が操作されたか否かを判定する。前記距離判断基準値決定手段104は、そのシフトレバー操作判定手段114によりシフトレバー92が操作されたことが判定される毎に、表1に示す予め記憶された関係から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θに基づいて距離判断基準値Mを再決定する。また、前記走行距離判定手段106は、その距離判断基準値決定手段104により距離判断基準値Mが再決定されたときからの走行距離Lがその再決定された距離判断基準値Mを越えたか否かを判定する。 【0040】反対側切換作動判定手段110は、前記原動機切換判断手段102によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、それまでの走行中にその他方から一方への反対側の切換えがあったか否かを判定する。優先切換許可手段112は、その反対側切換作動判定手段110によりそれまでにその他方から一方への反対側の切換えがなかったと判定された場合には、上記一方から他方への原動機の切換えを優先的に直ちに許可する。すなわち、それまで他方から一方への切り換えがなかった場合には直ちに一方から他方への原動機の切り換えが行われても煩雑(ビジー)感が発生しないので、直ちに一方から他方への原動機の切換えが許可されるのである。 【0041】図11は、上記ECU50の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、エンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切換制御ルーチンは略同様の作動であるので、それらのうちのエンジン12からモータジェネレータ14への切換制御ルーチンを代表して示している。図11において、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、本制御に必要な各種の入力信号を読み込む等の入力信号処理が行われる。続くステップSA2では、エンジン12による走行中であるか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合は、エンジン12からモータジェネレータ14への切換制御を行う必要がないので本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、SA3において、車両のバッテリ26がモータジェネレータ14などの制御に耐え得る程度であるか否か、すなわちその蓄電量SOCが予め設定された判断基準値A以上であるか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合はモータジェネレータ14による走行ができないので本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、SA4において、エンジン12からモータジェネレータ14への切換制御中を示すためのフラグFEMの内容が「1」にセットされているか否かが判断される。 【0042】当初は上記SA4の判断が否定されるので、前記原動機切換判断手段102に対応するSA5において、エンジン12からモータジェネレータ14への切換判断が行われたか否かが判断される。このSA5の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、前記反対側切換作動判定手段110に対応するSA6において、それまでの走行中にモータジェネレータ14からエンジン12への反対側の切換えがあったか否かが判定される。このSA6の判断が否定される場合すなわちそれまでの走行中に反対側への切換えがなかった場合には、前記優先切換許可手段112に対応するSA7において、エンジン12からモータジェネレータ14への切換が許可され、直ちにエンジン12による走行からモータジェネレータ14による走行への切換が行われる。 【0043】しかし、上記SA6の判断が肯定される場合は、前記距離判断基準値決定手段104に対応するSA8において、たとえば表1に示す予め記憶された関係から実際のシフトレバー92の操作位置に基づいて距離判断基準値Mが決定されるとともに、前記エンジン12からモータジェネレータ14への切換制御中を示すためのフラグFEMの内容が「1」にセットされる。 【0044】次いで、前記シフトレバー操作判定手段114に対応するSA9において、SA5においてエンジン12からモータジェネレータ14への切換えが判断されてからその切換えが許可或いは実施されるまでの期間において、シフトレバー92が操作されたか否かが判定される。このSA9の判断が肯定される場合は、前回のモータジェネレータ14からエンジン12への反対側への切換時点からの車両の走行距離Lを計数するための図示しない距離カウンタの計数内容が零にリセットされた後、再びSA8が実行されることにより、新たなシフトレバー92の操作位置に基づいて距離判断基準値Mが決定される。 【0045】しかし、SA9の判断が否定される場合は、前記走行距離判定手段106に対応するSA10において、車両の走行距離LがSA8において決定された距離判断基準値Mを越えたか否かすなわち上まわったか否かが判断される。当初はこのSA10の判断が否定されるので、SA11においてエンジン12で車両を走行させるためのエンジン12の駆動走行制御が継続されるとともに、SA12において、最適燃費走行を実現するために、図4のマップに従って無段変速機18、副変速機16の変速制御が行われる。上記SA11は、エンジン12からモータジェネレータ14への切り換えを禁止するものであり、前記原動機切換許可手段108に対応している。 【0046】以上のステップが繰り返し実行されるうち、車両の走行距離LがSA8において決定された距離判断基準値Mを越えてSA10の判断が肯定されると、前記原動機切換許可手段108に対応するSA13において、エンジン12からモータジェネレータ14への切換が許可されてエンジン12の駆動走行制御からモータジェネレータ14の駆動走行制御へ切り換えられるとともに、前記フラグFEMの内容が「0」にクリアされ、エンジン12からモータジェネレータ14への切換制御の完了が示される。 【0047】上述のように、本実施例によれば、原動機切換判断手段102(SA5)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、走行距離判定手段106(SA10)により前回の他方から一方への切換からの車両の走行距離L或いは原動機切換判断手段102による切換判断以後のシフトレバー92の操作からの車両の走行距離Lが予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されるまでは、原動機切換許可手段108(SA11)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが禁止され、その走行距離Lが予め設定された距離判断基準値Mを越えたと判定されると、原動機切換許可手段108(SA13)によりその一方から他方への切り換えが許可される。すなわち、車両の走行距離Lが距離ヒステリシスに相当する上記距離判断基準値Mを越えないと原動機の切り換えが行われない。従って、車両の発進直後にモータジェネレータ14による走行からエンジン12による走行へ切り換えるためにエンジン12が始動させられるように原動機の切換判断のための関係が設定されていたとしても、エンジン12とモータジェネレータ14との間の頻繁な切り換えが抑制される。 【0048】また、本実施例によれば、たとえば表1に示す予め記憶された関係からシフトレバー92の操作位置に基づいて距離判断基準値Mを決定する距離判断基準値決定手段104(SA8)が備えられており、この距離判断基準値決定手段104は、シフトレバー92が後進(R)ポジションに操作されている場合には前進(たとえばD)ポジションに操作されている場合に比較して大きな値の距離判断基準値Mを決定するものであるので、シフトポジション毎の走行に適した異なる距離判断基準値Mが決定される利点がある。 【0049】また、本実施例によれば、原動機切換判断手段102(SA5)によってエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断されてからその切り換えが許可或いは実施されるまでの間において、シフトレバー92が操作されたか否かを判定するシフトレバー操作判定手段114(SA9)が備えられ、距離判断基準値決定手段104(SA8)は、そのシフトレバー操作判定手段114によりシフトレバー92が操作されたことが判定される毎に、距離判断基準値Mを新たなシフトレバー92の操作位置に基づいて再決定するものであり、前記走行距離判定手段106(SA10)は、その距離判断基準値決定手段104により距離判断基準値Mが再決定されたときからの走行距離Lが再決定された距離判断基準値Mを越えたか否かを判定するものであることから、頻繁なシフトレバー92の操作が行われても、それに応答して原動機が頻繁に切り換えられないという利点がある。 【0050】また、本実施例によれば、原動機切換判断手段102(SA5)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、それまでの走行においてその他方から一方への反対側への切換があったか否かを判定する反対側切換作動判定手段110(SA6)と、その反対側切換作動判定手段110によりそれまでにその他方から一方への反対側の切換えがなかったと判定された場合には、上記一方から他方への原動機の切換えを優先的に直ちに許可する優先切換許可手段112(SA7)とが設けられている。それまで他方から一方への切り換えがなかった場合には直ちに一方から他方への原動機の切り換えが行われてもビジー感が発生しないので、上記の構成により、直ちに一方から他方への原動機の切換えが許可されて燃費が向上する。 【0051】以下、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において、前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 【0052】図12および図13は、本発明の他の実施例におけるECU50の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図、およびECU50の制御作動の要部を説明するフローチャートを示している。図12の機能ブロック線図は、距離判断基準値決定手段104および走行距離判定手段106に代えて、時間判断基準値決定手段124および経過時間判定手段126が設けられている点において、図10の機能ブロック線図と相違する。また、図13のフローチャートは、距離判断基準値Mを決定するためのSA8および走行距離Lが距離判断基準値Mを越えたか否かを判断するためのSA10に代えて、時間判断基準値Tを決定するためのSA14および経過時間tELが時間判断基準値Tを越えたか否かを判定するSA15が設けられている点において、図11のフローチャートと相違する。以下、上記の相違点を中心として本実施例の構成および作動を説明する。 【0053】図12において、時間判断基準値決定手段124は、たとえば表2に示す予め記憶された関係からシフトレバー92の実際の操作位置に基づいて時間判断基準値Tを決定しエンジン12およびモ─タジェネレ─タ14の他方から一方への切り換え時点からの経過時間tELを計数するための図示しない時間カウンタの計数内容を零にクリアする。この表2においても、後進走行(R)ポジションでの時間判断 基準値TR (=15)は、前進走行(たとえばD)ポジションの値TD (=5)に比較して大きい値に決定されるようになっている。この時間判断基準値Tは、原動機の切換判断の時間ヒステリシス値として機能するものである。 【0054】 【表2】 シフトポジション N(P) R D その他時間判断基準値T 10 15 5 10【0055】また、図12において、経過時間判定手段126は、原動機切換判断手段102によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、その他方から一方への切り換え時点からの経過時間tELが上記時間判断基準値決定手段124により予め決定され且つ設定された時間判断基準値Tを越えたか否かを判定する。 【0056】図13において、上記時間判断基準値決定手段124に対応するSA14では、たとえば表2に示す予め記憶された関係から実際のシフトレバー92の操作位置に基づいて時間判断基準値Tが決定されるとともに、前記エンジン12からモータジェネレータ14への切換制御中を示すためのフラグFEMの内容が「1」にセットされる。また、このSA14では、SA4においてエンジン12からモータジェネレータ14への切換が判断された以後においてシフトレバー92が操作されたことが判定される毎に、時間判断基準値Tが新たなシフトレバー92の操作位置に基づいて再決定される。また、上記経過時間判定手段126に対応するSA15では、経過時間tELが時間判断基準値Tを越えたか否かが判定される。このSA15の判断が肯定されると、SA13において、エンジン12からモータジェネレータ14への切換が許可されて、モータジェネレータ14の走行制御が実行される。 【0057】本実施例によれば、原動機切換判断手段102(SA5)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、経過時間判定手段126(SA15)により前回の他方から一方への切換からの経過時間tEL或いは原動機切換判断手段102による切換判断以後のシフトレバー92の操作からの経過時間tELが予め設定された時間判断基準値Tを越えたと判定されるまでは、原動機切換許可手段108(SA11)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが禁止され、その経過時間tELが予め設定された時間判断基準値Tを越えたと判定されると、原動機切換許可手段108(SA13)によりその一方から他方への切り換えが許可される。すなわち、車両の走行距離Lが距離ヒステリシスに相当する上記距離判断基準値Mを越えないと原動機の切り換えが行われない。従って、車両の発進直後にモータジェネレータ14による走行からエンジン12による走行へ切り換えるためにエンジン12が始動させられるように原動機の切換判断のための関係が設定されていたとしても、エンジン12とモータジェネレータ14との間の頻繁な切り換えが抑制される。 【0058】また、本実施例によれば、たとえば表2に示す予め記憶された関係からシフトレバー92の操作位置に基づいて時間判断基準値Tを決定する時間判断基準値決定手段124(SA14)が備えられており、この時間判断基準値決定手段124は、シフトレバー92が後進(R)ポジションに操作されている場合には前進(たとえばD)ポジションに操作されている場合に比較して大きな値の時間判断基準値Tを決定するものであるので、シフトポジション毎の走行に適した異なる時間判断基準値Tが決定される利点がある。 【0059】また、本実施例によれば、原動機切換判断手段102(SA5)によってエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断されてからその切り換えが許可或いは実施されるまでの間において、シフトレバー92が操作されたか否かを判定するシフトレバー操作判定手段114(SA9)が備えられ、時間判断基準値決定手段124(SA14)は、そのシフトレバー操作判定手段114によりシフトレバー92が操作されたことが判定される毎に、時間判断基準値Tを新たなシフトレバー92の操作位置に基づいて再決定するものであり、前記経過時間判定手段126(SA15)は、その時間判断基準値決定手段124により時間判断基準値Tが再決定されたときからの経過時間tELが再決定された時間判断基準値Tを越えたか否かを判定するものであることから、頻繁なシフトレバー92の操作が行われても、それに応答して原動機が頻繁に切り換えられないという利点がある。 【0060】また、本実施例においても、前述の実施例と同様に、原動機切換判断手段102(SA5)によりエンジン12およびモータジェネレータ14の一方から他方への切り換えが判断された場合には、それまでの走行においてその他方から一方への反対側への切換があったか否かを判定する反対側切換作動判定手段110(SA6)と、その反対側切換作動判定手段110によりそれまでにその他方から一方への反対側の切換えがなかったと判定された場合には、上記一方から他方への原動機の切換えを優先的に直ちに許可する優先切換許可手段112(SA7)とが設けられているので、直ちに一方から他方への原動機の切換えが許可されて燃費が向上する。 【0061】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 【0062】たとえば、前述の実施例において、SA10或いはSA15の判断が否定されてSA11のエンジン駆動制御が継続されている期間内において、車速Vが一旦予め設定された値たとえば20km/h以上となったり、或いは走行距離が20m以上となった場合には、優先的にエンジン12による走行からモータジェネレータ14による走行へ切り換えを許可する手段或いはステップが追加されてもよい。 【0063】また、前述の実施例において、ヒステリシス値として機能する距離判断基準値M或いは時間判断基準値Tは表1或いは表2に示す予め記憶させた関係からシフトレバー92の実際の操作位置に基づいて決定されていたが、シフトレバー92の実際の操作位置に係わらず一定の値であっても、エンジン12とモータジェネレータ14との間の煩雑な切換が防止されるという一応の効果が得られる。すなわち、距離判断基準値決定手段104(SA8)或いは時間判断基準値決定手段124(SA14)は必ずしも設けられていなくてもよい。 【0064】また、前述の実施例の車両は、原動機としてエンジン12およびモータジェネレータ14を用いたハイブリッド車両であったが、モータジェネレータ14は回生を行わないで専ら駆動源として機能する電動モータであってもよい。また、エンジン始動用の電動モータ60、補機駆動用のモータジェネレータ24は必ずしも必須のものではない。 【0065】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月14日(1999.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−324613(P2000−324613A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−133786 |
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