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【発明の名称】 エンジン及び発電電動機の制御装置
【発明者】 【氏名】浜井 九五

【氏名】谷内 理

【要約】 【課題】エンジンを備えた車両において、発電電動ユニットを用いて、運転者に違和感を与えることなく燃費向上のためのエンジン及び発電電動機の制御を行うことで、さらに燃費の向上を図ること。

【解決手段】エンジンの出力軸と、変速装置の入力軸と、の間に介在され、発電機及び電動機として機能する発電電動機bを備えた発電電動ユニットaと、この発電電動ユニットaと電力を相互にやりとりし、この電力を制御する電力供給電源gと、前記発電電動ユニットaと前記エンジンと前記電力供給電源gに対して制御信号を出力するエネルギマネジメント制御コントロールユニットeとを備えていることとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間に介在され、前記エンジンの出力軸及び前記変速装置の入力軸との間でトルク伝達を行う回転要素に対してトルクを授受可能に設けられ、発電機及び電動機として機能する発電電動機を備えた発電電動ユニットと、この発電電動ユニットと電力を相互にやりとりし、この電力を制御する電力供給電源と、前記発電電動ユニットと前記エンジンと前記電力供給電源に対して制御信号を出力するエネルギマネジメント制御コントロールユニットと、を備えていることを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項2】 請求項1に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、減速時にブレーキの油圧を少なくとも減圧する回生バルブを設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンと前記発電電動機の間に設けられたエンジン側クラッチと、前記発電電動機と前記変速装置の間にロックアップ状態を形成可能に設けられたロックアップクラッチ付きトルクコンバータと、を備えたことを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項4】 請求項3に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットが、車両の停車中、もしくは減速時に所定の条件を満たしたときは、前記エンジン側クラッチにより前記エンジンと前記発電電動ユニットとの接続を解除し、前記エンジンを停止する制御を行うことを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項5】 請求項3または4に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、エネルギマネジメント制御コントロールユニットが、減速時に所定の条件を満たしたときは、前記エンジン側クラッチにより前記エンジンと前記発電電動ユニットとの接続を解除し、前記エンジンを停止することなくアイドル状態を維持する制御を行うことを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項6】 請求項3ないし5に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンに可変動弁機構が設けられ、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットは、回生作動時において、前記トルクコンバータがロックアップ状態である場合には、前記可変動弁機構により弁停止させ、前記エンジンのシリンダ内の空気を密閉することで気体の流入流出に伴う移動エネルギの損失を防止してその損失分のエネルギを回生するよう構成されていることを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項7】 請求項1ないし6に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記電力供給電源が、従来の車両のバッテリ電圧よりも高いバッテリを持ち、前記発電電動機を電動機として作動させるための電力供給、及び車両の搭載電装部品及びアクチュエータの電力供給を図るための複数電圧を供給可能であることを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【請求項8】 請求項1ないし7に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンが停止しているときに、必要な油圧を供給するための電動オイルポンプを備えていることを特徴とするエンジン及び発電電動機の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと変速機との間に介在され、発電機及び電動機として機能する発電電動機を有した発電電動ユニットを備えた車両における、燃費向上ためのエンジン及び発電電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車において環境および有限資源に対する考慮から燃費の向上が望まれている。この燃費向上を図る技術の1つとして、エンジンの駆動力伝達系に発電電動機を設け、例えば、走行エネルギを電力として取り出す回生を行ったり、電動機の出力トルクによりエンジントルクをアシストするなどする技術が提案されている。
【0003】このような従来技術として、例えば、特開平7−123509号公報記載の技術や、特開平10−225058号公報記載の技術が知られている。前者の従来技術は、エンジンの出力軸とトルクを授受可能に発電電動機が設けられており、バッテリ残量に余裕がある場合には、発電電動機をモータとして機能させてエンジンの駆動力をアシストし、また、制動時には、発電電動機を発電機として機能させてバッテリ容量を超えない範囲で走行エネルギを電力として回生するものである。これにより、従来のパワートレーンを用いながら燃費の向上を図ることができる。
【0004】後者の従来技術は、いわゆるハイブリッドカーと呼ばれる技術であって、これはエンジンとクラッチモータとアシストモータとを備え、これらの駆動を制御することにより、走行エネルギの発生、走行中の発電、制動時の回生を効率よく行うことができる。
【0005】また、燃費の向上を目的とした制御としては、特開平8−183368号公報に記載のものが知られている。これは、車両の運転状態に応じてエンジンを自動的に停止または始動させるべく制御する制御手段を有するエンジンの自動始動停止装置を備えており、走行状態及び運転者の意志を判別し、クラッチの解放及び燃料供給の停止によってエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの停止後、走行状態の変化が生じた際にはエンジンを自動的に始動させる機能を制御手段に設けている。これにより、無駄な燃料噴射を抑え、燃費の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来技術にあっては、以下に述べるような解決すべき課題を有していた。すなわち、特開平7−123509号公報記載の従来技術にあっては、既存のパワートレーンに対する変更は少ないものの、変速装置として手動変速機が用いられており、減速時に回生を行おうとした場合、エンジンブレーキ分の制動力に回生分の制動力が加わって制動力が大きくなり違和感を感じてしまう。また、変速装置として現在主流となっているトルクコンバータを有した自動変速機を適用した場合、減速時にあっては、変速装置の入力軸に接続されるタービンランナと、エンジンの出力軸に接続されるコンバータカバーとの間で駆動輪側からの入力トルクの伝達が悪く、回生を効率的に行うことができない。また、この従来技術にあっては、エンジンの始動を行うスタータと、車両が使用する電力を発電するオルタネータが別途必要であり、車両重量の増加を招く。さらに、このオルタネータは常時エンジンの負荷となっており、常にオルタネータ駆動負荷分の燃料が余分に必要となるため、燃費を向上する上で不利である。上記のような従来技術の問題に対して、特開平10−225058号公報記載の従来技術は、エンジンとクラッチモータとアシストモータの運転を制御することにより、モータ駆動による走行およびエンジンアシスト・回生・発電を効率よく行うことができる。しかしながら、この従来技術は、既存のエンジンと変速装置とを有したパワートレーンとは全く異なる構成であって、既存のパワートレーンを利用したり、既存の生産ラインを利用するすることができないため、非常に高価になってしまうという問題を有している。
【0007】また、エンジンの自動始動停止装置を備えた特開平8−183368号公報に記載の従来技術にあっては、この公報図17に示すように、加速意志無しで一定速走行時にエンジンを停止し、加速意志が発生したときには、エンジンを始動することで対応しているものの、スロットル開度が一定にも関わらず、エンジンを停止して惰性で走行するため、車速が微妙に低下しており、一定速走行時において、運転者に違和感を与えるという問題を有している。
【0008】さらに、近年のハイテク化により車両に搭載される電装部品が急激に増加しているとともに、燃費の向上を図るために従来エンジンのクランク軸にベルト等を介して動力を得ていたエアコンやパワーステアリング等においても、電動アクチュエータによって作動させる提案がなされており、バッテリの負荷が大きくなる傾向にあり、これに対応するためにバッテリ電圧を従来の12Vから42V程度の高電圧に高めることが予期されている。このためオルタネータの容量を大きくする必要があるが、発電電動機と別途オルタネータの容量を大きくすることは非合理的であり、かつ、大容量のオルタネータを常時エンジンで作動させると、燃費の悪化を招くという問題があった。
【0009】本発明は上述の従来の問題点に着目してなされたもので、既存のパワートレーンを利用可能であるとともに既存の生産ラインを利用可能であり、かつ、スタータとオルタネータを廃止させることが可能とすることによりコストダウンを達成し、かつ、エンジンと発電電動機を総合的に制御することにより、燃費の向上を図ることが出来る、新規な発電電動ユニットを提供することを目的とする。また、第2の目的として、運転者に違和感を与えることなく燃費の向上を図ることが出来るエンジン及び発電電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、請求項1に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置では、図1のクレーム対応図に示すように、エンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間に介在され、前記エンジンの出力軸及び前記変速装置の入力軸との間でトルク伝達を行う回転要素に対してトルクを授受可能に設けられ、発電機及び電動機として機能する発電電動機bを備えた発電電動ユニットaと、この発電電動ユニットaと電力を相互にやりとりし、この電力を制御する電力供給電源gと、前記発電電動ユニットaと前記エンジンと前記電力供給電源gに対して制御信号を出力するエネルギマネジメント制御コントロールユニットeと、を備えていることとした。したがって、発電電動機bを電動機として使用すれば、スタータもしくはトルクアシストをする動力源として使用することが可能となる。また、発電機として作動させればエンジンの駆動力、または、減速時等における駆動輪側からの入力トルクにより発電することが可能となり、オルタネータを廃止することができる。これにより、発電電動機bとエンジンを総合的に制御することが可能となり、走行状態に応じてもっとも効率のよい状態を前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットeで演算し、前記エンジンと前記発電電動ユニットaと前記電力供給電源gに対して制御信号を出力することで、燃費を高めることができる。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、減速時にブレーキの油圧を少なくとも減圧する回生バルブhを設けたこととした。したがって、減速時に前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットeにおいて、運転者の要求制動力及び回生可能な制動エネルギを演算し、その回生可能なエネルギに相当するブレーキの油圧を回生バルブhからリークさせ、その分を発電電動機bにより回生することができる。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンと前記発電電動機の間に設けられたエンジン側クラッチdと、前記発電電動機bと前記変速装置の間にロックアップ状態を形成可能に設けられたロックアップクラッチ付きトルクコンバータcと、を設けたこととした。したがって、エンジン側クラッチdを接続すれば、発電電動機bをスタータとして作動させることが可能となる。また、減速時において、エンジン側クラッチdの接続を解除し、ロックアップクラッチc2を接続してトルクコンバータcをロックアップ状態とすることで、エンジンブレーキ分のエネルギを発電電動機bにより回生することができる。また、エンジンを停止し、発電電動機bを電動機として使用すればクリープ状態(これをモータクリープと称する。)を形成できる。モータクリープを実行している際、運転者の加速意志によりエンジンを再始動する際、エンジン側クラッチdを接続し、発電電動機bによりエンジンを始動したとしても、そのときのトルク変動がトルクコンバータcにより吸収されることにより、変速装置の前後進切り換え部分等で、いったんニュートラル状態にする必要がなく、制御を簡略化することができる。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項3に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットeが、車両の停車中、もしくは減速時に所定の条件を満たしたときは、前記エンジン側クラッチdにより前記エンジンと前記発電電動ユニットaとの接続を解除し、前記エンジンを停止する制御を行うこととした。したがって、エンジンへの燃料噴射量を抑えることが可能となり、燃費を向上することができる。
【0014】請求項5に記載の発明では、請求項3または4に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、エネルギマネジメント制御コントロールユニットeが、減速時に所定の条件を満たしたときは、前記エンジン側クラッチdにより前記エンジンと前記発電電動ユニットaとの接続を解除し、前記エンジンを停止することなくアイドル状態を維持する制御を行うこととした。したがって、燃料噴射量を抑えると同時に、走行中エンジンブレーキ分の制動エネルギを回生するために、エンジンと発電電動ユニットaの接続を解除し、再度エンジンにより加速する制御を行う際、エンジンをスタータ等により始動することなく燃料噴射量を増加させるだけで対応でき、運転者の要求に対する応答性を高めることができる。
【0015】請求項6に記載の発明では、請求項3ないし5に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンに可変動弁機構が設けられ、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットeは、回生作動時において、前記トルクコンバータcがロックアップ状態である場合には、前記可変動弁機構により弁停止させ、前記エンジンのシリンダ内の空気を密閉することで気体の流入流出に伴う移動エネルギの損失を防止してその損失分のエネルギを回生するよう構成されていることとした。したがって、エンジンと変速装置とが直結されている場合でも、可変動弁機構によりエンジンのエネルギ損失を抑えた分だけエンジン側の抵抗を落として、この抵抗を落とした分だけ回生することにより、違和感なく回生を行うことができる。すなわち、従来、エンジンと変速装置とが直結された状態では、回生作動を行うと、通常のエンジンブレーキ相当の制動力に加えて回生分の制動力が発生するため、制動力が増して違和感を感じる。しかしながら、この請求項4の発明では、エンジンと変速装置とが直結された状態において、エンジンのエネルギ損失を抑えてエンジンブレーキ分の制動力を低下せさ、この低下分を回生するからトータルの制動力はエンジンブレーキ分となって違和感が生じない。
【0016】請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記電力供給電源gが、従来の車両のバッテリ電圧よりも高い電圧のバッテリfを持ち、前記発電電動機を電動機として作動させるための電力供給、及び車両の搭載電装部品及びアクチュエータの電力供給を図るための複数電圧を供給可能であることとした。したがって、従来の車両に搭載されていた12V電装系への電力供給と同時に、新たにパワーステアリングやエアコン等を動作させるための高電圧により作動するアクチュエータに対しても、電力を供給することが可能となる。これにより、エンジンの発生する駆動力を車両の駆動のためにのみ使用することが可能となり、従来の車両への搭載性を確保しながら燃費向上を図ることができる。
【0017】請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7に記載のエンジン及び発電電動機の制御装置において、前記エンジンが停止しているときに、必要な油圧を供給するための電動オイルポンプを備えていることとした。
【0018】したがって、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットeにおいてもっとも効率の良い状態を演算する際、油圧作動によるアクチュエータの作動がエンジンの状態に左右されることがないため、制御の自由度を高めることが可能となり、これにより燃費を向上することができる。
【0019】
【実施の形態】以下本願発明における各実施の形態をより詳しく説明する。
(実施の形態)図2は、本発明の実施の形態の機械駆動系、電力系、制御系、油圧経路、及び負圧経路を示す全体構成図である。
【0020】まず構成を説明すると、発電電動ユニット102は、エンジン23の出力軸13と変速装置105の入力軸105aとの間に介在されている。
【0021】前記エンジン23は例えばガソリンにより運転され、このエンジン23から出力される回転力がエンジン出力軸13を介してエンジン23の側面に固定された発電電動ユニット102に出力される。また、変速装置105は、周知の無段変速装置であり、プラネタリギヤから構成された前後進切換部103とベルト・プーリ式の変速機構部104とから構成されている。
【0022】発電電動ユニット102には、電動機及び発電機として機能する発電電動機(後述のフローチャートではSTR/ALTと表記する。)102bと、トルクコンバータ102aが設けられ、トルクコンバータ102aには、ロックアップ用のロックアップクラッチ102cが設けられている。
【0023】この車両には42Vのバッテリ1が備えられ、発電電動機102bとの間で電源インバータ・コンバータ7を介して電力のやりとりを行う。この電源インバータ・コンバータ7により、車両に装備された12V電装系への電力供給と、バッテリ1を経由した42V電装系への電力供給が制御されている。
【0024】運転者が車両を制動するときには、ブレーキペダル5を踏み、その踏力は、マスタシリンダ4へと伝達される。このマスタシリンダ4に設けられ、エンジン23の吸気系等において発生した負圧を利用した増圧装置により増圧された油圧が回生バルブ2へ伝達される。このとき、エンジン23が停止した状態でも運転者が違和感なく制動力を得るために負圧供給路8に真空ポンプ6が設けられており、エンジン停止時においても負圧が発生し、これにより常に安定したブレーキ操作をする事ができる。前記回生バルブ2はエネルギマネジメント制御コントロールユニットC1からの信号により制御され、ブレーキ制動による減速時に所定の条件を満たしていれば、前記発電電動機102bによって制動エネルギを回生し、その回生分に見合った制動力分の油圧を前記回生バルブ2によりリークすることで、運転者に違和感を与えることなく効率よくエネルギを回生することができる。
【0025】図3には、本発明の実施の形態におけるエネルギマネジメント制御コントロールユニットC1を示す。このエネルギマネジメント制御コントロールユニットC1は、イグニッションスイッチS1に接続され、車速センサS2、ブレーキセンサS3、アクセル開度センサS4、ATポジションセンサS5、電圧計S6、エンジン回転数センサS7、の各センサ信号が入力され、このセンサ信号を元に、各種演算を行い、エンジン側クラッチ102d、発電電動機制御コントロールユニットC2、電磁弁43、エンジンコントロールユニットC3、ATコントロールユニットC4に制御信号を出力する。なお、エンジンコントロールユニットC3は、エンジン23の駆動をコントロールするものであり、本実施の形態では、前記コントロールユニットC1からの信号を元に、後述する可変動弁機構部A1、燃料噴射装置A2、点火装置A3等に制御信号を出力する。
【0026】図4には、エネルギマネジメント制御コントロールユニットC1のブロック図を示す。
【0027】次に、実施の形態のコントロールユニットC1による制御の内容についてフローチャート及びタイムチャートに基づいて説明する。図5には、本発明の実施の形態における停車状態からのエンジン始動処理400のフローチャートを示す。ステップ401で車速が0km/hであるかどうかを判断し、YESであればステップ402に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ402でイグニッションがONであるかどうかをを判断し、YESであればステップ403に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ403でブレーキがONであるかどうかを判断し、YESであればステップ404に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ404でアクセルがOFFであるかどうかを判断し、YESであればステップ405に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ405でATポジションがPレンジにあるかどうかを確認し、Pレンジであればステップ406に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ406でエンジン側クラッチ102dを締結する。ステップ407で発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ408でエンジン始動完了を確認する。ステップ409で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。すなわち、このエンジン始動制御にあっては、車速が0km/hで、イグニッションがON、ブレーキがON、アクセルはOFF、ATのポジションがパーキング位置にあることを確認し、図20のタイムチャートに示すように、エンジン側クラッチ102dを接続して発電電動機102bを電動機として駆動させる。この駆動によりエンジン23の出力軸が回転してエンジン23が始動する。エンジン始動完了を確認した後、発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。
【0028】なお、ここで始動後の作動についても説明すると、エンジン23がアイドリング状態となると、エンジン23の出力軸から出力される駆動力は、発電電動ユニット102に設けられたトルクコンバータ102aに伝達され、駆動軸に駆動力として伝達される。
【0029】このとき、エンジン始動時はスタータとして作用したモータ部分は、エンジンからの駆動力により回転駆動されることでジェネレータとして機能することができる。また、駆動軸の駆動力により前後進切換機構部103に駆動力が伝達される。この時、前後進切り換え機構部103のクラッチ103aは解放されているため、この駆動力が変速機構部104に伝達されることはない。
【0030】図6にはエンジンクリープ処理500のフローチャートを示す。ステップ501でATポジションがDレンジにあるかどうかを判断し、YESであればステップ502に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ502でブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ503に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ503でアクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ504に進み、NOであれば通常のアクセル加速処理を行う。ステップ504で通常のエンジンクリープ動作を行う。このエンジンクリープとは、エンジン23を駆動させてトルクコンバータ102aによるクリープ力により、僅かに駆動力を出力するものである。なお、Dレンジではクラッチ103aが締結される。
【0031】前進する場合には、運転者はブレーキを踏み、セレクトレバーをDレンジに入れる。この時、前後進切換機構部103のクラッチ103aが接続される。運転者はブレーキを踏んでいるので、駆動軸は固定され、エンジン出力軸から伝達された駆動力は、トルクコンバータ102a内にクリープ力として蓄積される。よって、運転者がブレーキを放すと、このクリープ力により僅かに推進される。
【0032】図7には発電電動機102bを用いたモータクリープ処理600のフローチャートを示す。ステップ601で車速が3.5km/h以下であり、かつ、バッテリ電圧の充電状態を表す量、例えばバッテリ出力電圧等(以下SOCと表記する。)が設定値よりも大きい値であるかどうかを判断し、YESであればステップ602へ進み、NOであればステップ500へ進み、エンジンクリープ処理を行う。ステップ602でエンジン側クラッチ102dの締結を解除する。ステップ603でエンジン23を停止する。ステップ604でATポジションがDレンジにあるかどうかを判断し、YESであればステップ605に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ605でブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ606に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ606でアクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ607へ進み、NOであればステップ700へ進み、モータクリープからの加速処理を行う。ステップ607で発電電動機102bによる発電を停止する。ステップ608で発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ609でSOCが設定値より大きいかどうか、すなわちバッテリ電圧が充分に高いか否かを判断し、YESであればこの処理を終了し、NOであればステップ800へ進み、モータクリープからエンジンクリープへの切り換え処理を行う。ここで再度SOC>設定値の判断を行うのは、バックグラウンドジョブが行われて、そこに定周期割り込み処理やイベント割り込み処理が繰り返されているためであり、クリープ処理を行っている時にも、他の処理に移行し、再度クリープ処理に戻ってくるという状況も想定されるからである。つまり、各処理はそれぞれ独立して各自状況確認ができるようにすることで、モータクリープで走っていても、モータクリープ処理以外の処理が順々に処理されている状態を考慮したものである。
【0033】モータクリープとは、発電電動機102bを駆動させて、トルクコンバータ102aに駆動力を出力し、トルクコンバータ102aによるクリープ力を出力するもので、すなわち、車速が3.5km/h以下でSOCが設定値以上であれば、エンジン23を停止してモータクリープ処理を行い、この条件を満たさなければエンジンクリープ処理を行う。モータクリープ処理は、SOCが設定値以上であることに加えて、ATポジションがDレンジで、ブレーキがOFF、アクセルがOFFであれば、発電電動機102bによる発電を停止して、電動機として作動させてクリープ作動を行う。なお、このモータクリープ実行途中でSOCが設定値以下になったときにはエンジンクリープへの切り換え処理を行う。
【0034】図8に、モータクリープからの加速処理700のフローチャートを示す。ステップ701でアクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、急加速であればステップ702へ進み、緩加速であればステップ1200へ進んで後述のエンジン再始動処理を行う。ステップ702で発電電動機102bの電動機としての回転数を上昇させる。ステップ703で電動機としてのドライブ回転数が1400rpm以上であるかどうかを判断し、YESであればステップ704に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ704でエンジン側クラッチ102dを締結する。ステップ705でエンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ706で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。
【0035】すなわち、このクリープからの加速時には、アクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、エンジン再始動処理を行う。急加速と判定された場合、発電電動機102bのモータとしての駆動回転数を上昇させて、車速を上昇させ、さらに、この回転数が1400rpm以上になると、エンジン側クラッチ102dを締結させ、これによりエンジンを始動する。エンジン回転数からエンジン始動を確認後、発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。急加速要求時には、エンジン23を始動させずに、まず、発電電動機102bの回転数を上昇させ、応答性の確保を図っている。図36にはモータクリープからの加速処理のタイムチャートが示してある。
【0036】図9には、モータクリープからエンジンクリープへの切り換え処理800のフローチャートを示す。ステップ801で前後進切り換え機構部103のクラッチ103aを解除する。ステップ802でエンジン側クラッチ102dを接続する。ステップ803で発電電動機102bを電動機として作動する。ステップ804でエンジン回転数からエンジン始動が完了されたかどうかを確認する。ステップ805で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。ステップ806で前後進切り換え機構部103のクラッチ103aを接続する。モータクリープ作動時は、エンジン側クラッチ102dは開放状態として発電電動機102bを電動機として作動させているため、まず、エンジン側クラッチ102dを締結し、これにより電動機の駆動力をエンジン23に入力してエンジンを始動させ、エンジン始動を確認後、発電電動機102bの電動機としての動作を停止し、発電機として機能する。なお、図35には、モータクリープからエンジンクリープに移行する際のタイムチャートが示してある。クリープ時におけるSOCの設定値最下点にくるとモータクリープ処理を停止し、エンジンを始動し、エンジンクリープ処理を行うとともに、発電電動機102bが発電機として作動している様子を示してある。これによりスムーズな切り換え処理が行われる。
【0037】図10には、定常走行処理900のフローチャートを示す。ステップ901でATポジションがDレンジにあるかどうかを確認し、YESであればステップ902に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ902ではブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ903に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ903ではアクセル開度が定常状態であるかどうかを判断し、定常であればステップ904へ進み、加速であればステップ1000へ進んで加速処理を行う。ステップ904ではエンジン回転数が1000〜3000rpm(尚、回転数範囲はエンジンの熱効率の良いところを選択すればよい。)の間にあるかどうかを判断し、YESであればステップ905へ進み、NOであればステップ906に進む。ステップ905では、SOCが設定値内かどうかを判断し、YESであれば、ステップ907へ進み、NOであればステップ906へ進む。ステップ906では、発電電動機102bの発電を停止する。ステップ907では、発電電動機102bの発電を作動する。ステップ908では、電子制御スロットルによる発電分減速補正を行う。
【0038】定常走行時、すなわちアクセル開度が定常状態であると判定した場合には、エンジン回転数が1000〜3000rpmの範囲で、SOCが設定値内であれば、発電電動機102bをオルタネータとして発電作動させ、この発電作動により損失したトルクを電子制御スロットルにより減速補正することで運転者に違和感を与えることなく発電動作を行う。図24に、エンジン回転数が1000〜3000rpmであるときの、定常走行処理のタイムチャートを示す。なお、ここで図23にエンジン回転数が1000〜3000rpm以外の定常走行時のタイムチャートを示す。このときは、発電電動機102bの作動を停止しているため、SOCが設定値内であれば、通常のエンジン走行と同じであり、電装系が電力を消費するため、SOCの値のみが低下していく。これにより、エンジン23は従来ベルト等を介して駆動力を供給しなければならなかったポンプやオルタネータに駆動力を供給する必要がなく、車輪に対する駆動力のみを供給すればよいので、燃費を向上することができる。
【0039】図25には、車速が約40km/hで定常走行を行う際のヒステリシスを用いたタイムチャートが示してある。図中ヒス土5km/hと記載してあるのは、車速上昇時においては、45km/hまでは40km/h以下とみなし、車速減少時においては、35km/hまでは40km/h以上とみなすものである。同様に、エンジン回転数においてもヒス土500rpmとあるのは回転数が上昇時においては、3500rpmまでは3000rpm以下とみなし、回転数減少時においては、500rpmまでは1000rpm以上とみなすものである。これにより、車両が車速40km/h程度で走行中、車速の微妙な変化によって頻繁に制御が切り替わり、運転者に違和感を与えることをさける制御が行われている。
【0040】図11には、定常走行からの加速処理時のフローチャートを示す。ステップ1001では、発電電動機102bの発電を停止する。
【0041】定常走行時にアクセル開度から加速要求と判断された場合、直ちに発電電動機102bによる発電動作を停止し、通常のエンジンによる加速動作に移る。これによりエンジン出力等が小さい場合においても、運転者の要求を損なうことなく加速動作を行うことができる。図22には、車両の加速状態におけるタイムチャートが示してある。
【0042】図12には、可変動弁機構(以下、VELと表記する)60がエンジン23に備えられている場合の定常走行処理のフローチャートを示す。ここでまず、VEL60の構成を図37により説明する。図において51は吸気弁であって(実際には吸気弁の上端部を示している)、この吸気弁51は図外のスプリングからバルブリフタ50に入力される付勢力により閉弁方向に付勢されている。また、図において52はカムシャフトで、このカムシャフト52が回転すると、カムシャフト52に一体に設けられたカム49が回転する。このカム49が回転すると、これに伴って揺動アーム47の図中左側端部が上下し、揺動アーム47は、図中右側端部がこれとは逆に上下するように制御軸45を中心に振り子運動を繰り返す。そして、これに伴って揺動カム48の上端部が上下する。したがって、揺動カム48が下方に変位した時に、バルブリフタ50が下方に押されて吸気弁51が開弁する。なお、図中53は揺動カム48を反時計回り方向に揺動付勢する捻りスプリングである。
【0043】前記制御軸45は、図中P2で示す点を軸心として回動可能に支持され、この回動を図4に示したVELアクチュエータ(電磁アクチュエータ)A1により行うように構成されている。すなわち、VELアクチュエータA1により制御軸45を回動させて圧肉部が移動すると揺動アーム47による揺動カム48の押し下げ量が変更されることによって、動弁機構の開閉時期とバルブリフト量を変更している。これにより、機関低速低負荷時における燃費の改善や安定した運転性、並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気・排気バルブの開閉時期とバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御するものである。本実施の形態では、いわゆるアトキンソンサイクルとすることにより燃焼効率の向上を図っている。
【0044】さらに、本実施の形態にあっては、上記のVELアクチュエータA1の駆動に基づいて吸気弁51が全く開弁しない状態、すなわち弁停止状態を形成可能に構成されている。このように弁停止させた場合、エンジン23のシリンダ内の空気が密閉されて気体の流入流出に伴う移動エネルギの損失(尚、これをポンプ損失という。)が無くなる。
【0045】以下に、図12のフローチャートについて説明する。ステップ1101ではATポジションがDレンジにあるかどうかを確認する。
【0046】ステップ1102ではブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1103に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1103ではアクセル開度が定常状態であるかどうかを判断し、定常であればステップ1104へ進み、加速であればステップ1000へ進んで加速処理を行う。ステップ1104ではエンジン回転数が1000〜3000rpmの間にあるかどうかを判断し、YESであればステップ1105へ進み、NOであればステップ1106へ進む。ステップ1105では、SOCが設定値内かどうかを判断し、YESであればステップ1107へ進み、NOであればステップ1106へ進む。ステップ1106では、発電電動機102bの発電を停止する。ステップ1107では、発電電動機102bの発電を作動する。ステップ1108では、VELによる吸排気弁位相制御によりアトキンソンサイクルにする。
【0047】この定常走行処理にあっては基本的な制御フローは前述の図10における制御と同じであるが、本制御では、電子制御スロットルによる回生分減速補正を行うのではなく、VEL60により、吸排気弁位相をアトキンソンサイクルにすることによって、燃焼効率の向上を図り、その燃焼効率向上分を発電するようにしている点で異なる。
【0048】図13には、エンジン再始動処理1200のフローチャートを示す。ステップ1201では、車速を判断し、0km/hであればステップ1202へ進み、0km/h<車速<3.5km/hであればステップ1203へ進み、3.5km/h<車速<40km/hであればステップ1315へ進んで減速中再加速処理1315を行う。
【0049】ステップ1202では、ブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1204に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1203では、アクセルがONかどうかを判断し、YESであればステップ1204に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1204では、アクセル開度から緩加速か急加速かどうかを判断し、緩加速であればステップ1205へ進み、急加速であればステップ700へ進んでモータクリープからの加速処理700を行う。ステップ1205では、前後進切換機構部103においてNレンジに切り替える信号を出力する。ステップ1206では、エンジン側クラッチ102dを締結する。ちなみに、この時はエンジン23が停止しているが、外部の電動オイルポンプ80により必要な油圧は常に供給されている。ステップ1207では、発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1208では、エンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ1209では、発電電動機102bの電動機としての作動を停止させる。ステップ1210では、前後進切換機構部103においてDレンジに切り替える信号を出力する。
【0050】すなわち、エンジン再始動処理を行う場合、すなわち、走行中にエンジン23を停止してからエンジン23を再始動する場合は、次の3つの状況がある。1つは車速3.5〜40km/hで減速状態の場合で、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これは減速再加速処理のステップ1315に移行する。
【0051】2つめは、車速0〜3.5km/hの場合でATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これはモータクリープ処理を実行している状態である。この時は、アクセルがONの時は、アクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、急加速であれば図8に示したモータクリープからの加速処理700に移行する。
【0052】緩加速であれば、前後進切換機構部103に対してDレンジからNレンジに切り替える信号を出力し、一旦駆動軸と変速装置104との接続を解除する。次にエンジン側クラッチ102dを接続し、発電電動機102bをスタータとして作動(電動機として作動)させ、エンジン23を始動し、エンジン回転数からエンジン始動を確認した後、発電電動機102bのスタータとしての機能を停止させ、前後進切換機構部103に対してNレンジからDレンジへ切り替える信号を出力し、駆動軸と変速装置104とを接続し、通常のエンジン走行状態に移行する。図21にこの制御フローのタイムチャートを示す。ここで、エンジン始動時に前後進切換機構部103においてD→N→Dと切り替えるのは、エンジン始動のためのトルク等の変動が駆動輪に伝達されることにより、運転者に違和感を与えることがないよう配慮したためである。
【0053】図38には、前後進切換機構部103においてD→N→D切り替えを行うシフトバルブ42部分の構成を示す。このシフトバルブ42は図外のシフトレバーに接続されており、このシフトレバーの操作に基づき、P,R,N,D,2,1の各ポジションに切り換わる。シフトバルブ42が、Dレンジに位置している時には図中Dに示す油路にライン圧が供給され、また、Rレンジに位置している時には図中Rで示す油路に油路が供給されて、この油圧信号を受けて、前後進切換機構部103が前後進を切り換えるように構成されている。また、Nレンジの際にはどの油路にもライン圧が供給されない。
【0054】また、Dの油路の途中には電磁弁43が設けられ、電磁弁43の非駆動時にはDの油路にライン圧が供給されるが、電磁弁43の駆動時にはこのDの油路が塞がれて前後進切換機構部103に対してはNレンジの信号が出力されている状態となる。そこで、ステップ1205および1210の処理により変速レンジをD→N→Dに変更する場合、D→Nの切り換えは電磁弁43を駆動させ、N→Dの切り換えは電磁弁43の駆動を停止させることで行う。電磁弁43を設けたことにより、応答性の高いD→N→D切り換えが可能となる。
【0055】3つめは、モータクリープ状態に移行した状態で、ブレーキをONし、車速0km/hになった直後、ブレーキをOFFした状態であり、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態が考えられる。この時は、前記モータクリープからの再始動処理時と同様の処理が行われる。
【0056】図14には、減速時にエンジン側クラッチ102dの接続が解除され、エンジン23が停止状態になるように制御される場合の、減速状態から加速状態に切り替わる際の減速再加速処理のフローチャートを示す。ステップ1301では、アクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1302に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1302では、エンジン23への燃料噴射をカットする。ステップ1303では、車速が40km/h以下かどうかを判断し、YESであればステップ1311へ進み、NOであればステップ1304へ進む。ステップ1304では、VEL60による弁停止を行う。ステップ1305では、発電電動機102bによる回生作動を行う。ステップ1306では、SOCが設定値内かどうかを判断しYESであればステップ1307へ進み、NOであればステップ1314へ進む。ステップ1307では、アクセルがONかどうかを判断し、YESであればステップ1308に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1308では、発電電動機102bによる回生動作を停止する。ステップ1309では、エンジン23の燃料噴射を再開する。ステップ1310では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。
【0057】ステップ1311では、エンジン側クラッチ102dの接続を解除する。ステップ1312では、発電電動機102bによる回生作動を行う。ステップ1313では、SOCが設定値内かどうかを判断しYESであればステップ1315へ進み、NOであればステップ1314へ進む。ステップ1314では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。
【0058】ステップ1315では、アクセル開度から急加速か緩加速かを判断し、緩加速であればステップ1322へ進み、急加速であればステップ1316へ進む。ステップ1316では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。ステップ1317では、エンジン側クラッチ102dを接続する。ステップ1318では発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1319では、エンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ1320では発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。ステップ1321では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。ステップ1322では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。ステップ1323では、前後進切換機構部103においてNレンジに切り換える信号を出力する。ステップ1324では、エンジン側クラッチ102dを接続する。ステップ1325では、発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1326では、エンジン回転数からエンジン23の始動を確認する。ステップ1327では、発電電動機102bの電動機としての作動を停止させる。ステップ1328では、前後進切換機構部103においてDレンジに切り換える信号を出力する。ステップ1329では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。
【0059】すなわち、減速状態においてアクセルがOFFの時は、燃料噴射をカットし、車速が40km/h以上の状態であれば、VEL60による弁停止、つまり吸気弁51を塞ぐこととし、エンジン23のシリンダ内を密閉状態に保つ。それにより、いわゆるエンジンブレーキ状態となって出力軸→クランク軸と動力が伝達され、ピストンが駆動された際、シリンダ内の空気の出入りがなくなるため、気体の移動によるエネルギ損失分がなくなって、エンジンブレーキ分の制動力が低下する。その分を発電電動機102bにより回生することにより、違和感なく回生を行うことができる。図27に、この40km/h以上における減速時のタイムチャートを示す。
【0060】SOCが設定値内でなければ、発電電動機102bによる回生動作は停止する。SOCが設定値内で、アクセルがONであるときは、つまり加速状態に移行すると、回生動作を停止し、エンジン燃料噴射を再開し、通常のエンジン駆動時と同様アクセルで加速する。図31に上記制御フローにおけるタイムチャートを示す。
【0061】また、減速状態において、車速が40km/h以下の時は、エンジン側クラッチ102dの締結を解除して、発電電動機102bにより回生作動を行う。この時、エンジン23と発電電動機102bの連結が失われているため、エンジンブレーキ分の回生が可能である。図28には、この40km/h以下の減速状態のタイムチャートを示す。この減速状態から加速状態に移行する際、アクセル開度から急加速か緩加速かを判定し、急加速と判定した場合、発電電動機102bの回生動作を停止させ、エンジン側クラッチ102dを接続する。この段階で発電電動機102bを電動機として作動し、エンジン23のスタータとしての機能を果たす。エンジン回転数からエンジン始動を確認後、発電電動機120bの電動機(スタータ)としての機能を停止させ、通常のエンジン駆動時と同様アクセルで加速する。この制御は、基本的に図8で示したモータクリープから加速処理の急加速時と同じものである。
【0062】緩加速と判定した場合、発電電動機102bによる回生動作を停止し、前後進切換機構部103においてNレンジに切り換え、駆動軸17との接続を解除した状態で、エンジン側クラッチ102dを接続し、発電電動機102bをスタータとして作動し、エンジン始動を確認後、発電電動機102bのスタータとしての作動を停止し、前後進切換機構部103においてDレンジに切り換え、駆動軸との接続を行い、通常のエンジンによるアクセル加速を行う。このD→N→D切り換えは、前述の図13のステップ1205〜ステップ1210の制御フローと基本的に同じである。図32に上記ステップ1322〜ステップ1329の制御フローのタイムチャートを示す。
【0063】図15には、エンジン側クラッチ102dの締結が解除され、エンジンがアイドリング状態になる場合の、減速から加速状態に移行する際の減速再加速処理のフローチャートを示す。ただし、車速が40km/h以上の制御に関しては、エンジンが停止していないため、図14に示した制御と同じ制御を行う。したがって、制御の異なるステップについてのみ説明する。
【0064】ステップ1401では、エンジン23へのリカバリー噴射(アイドル回転数を維持する程度の燃料を噴射すること)でアイドル回転数を維持する。ステップ1402では、発電電動機102bを発電機として回生作動する。ステップ1403では、SOCが設定値内かどうかを判断するかを判断し、YESであればステップ1405に進み、NOであればステップ1404に進む。ステップ1404では、発電電動機102bの回生作動を停止する。ステップ1405では、アクセル開度からアクセルを踏んでいるかどうかだけを判断し、YESであればステップ1406へ進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1406では、発電電動機102bの回生作動を停止する。ステップ1407では、エンジン側クラッチを接続する。ステップ1408では、アクセル開度に応じた燃料を増量して噴射する。ステップ1409では、通常のアクセルによる加速を行う。
【0065】すなわち、減速時、車速が40km/h以下で、エンジン側クラッチの接続を解除したときに、エンジン23を停止することなく、リカバリー噴射をすることで、アイドル回転を維持しておく。次に、発電電動機102bを回生作動させ、SOCが設定値内であるかを確認する。次に、加速意志により、アクセルを踏み込んだことを確認すると、発電電動機102bの回生作動を停止して、エンジン側クラッチ102dを接続し、アクセル開度に応じた燃料を増量し、アクセルで加速する。このように、エンジン側クラッチ102dの接続を解除したにもかかわらず、アイドル回転を維持するのは、加速意志に対する応答性を高めるためであり、エンジン23がある程度の回転数を維持していれば、D→N→D制御等を行うことなく、スムーズにエンジン23と、駆動軸を接続することが可能になる。
【0066】図16には、ブレーキ協調回生制御を行い、かつ、ブレーキ回生装置がない場合において、減速時にエンジン側クラッチ102dの接続が解除された際、エンジンを停止する場合の減速再加速処理についてのフローチャートを示す。ステップ1312及びステップ1305の処理1及び処理2が異なるが、基本的制御内容は図14に示した制御内容と同じであるため、その点についてのみ説明する。なお、後述するブレーキ回生装置を備えた場合につての説明についても、ステップ1312及びステップ1305の処理1及び処理2のみが異なるため、相違点をまとめた図16(b)の表を参照されたい。
【0067】ステップ1312の処理1において、エンジンブレーキ分を回生するとともに、要求制動力に上乗せする電動ブレーキによる回生を行う。ステップ1305の処理2において、VELによる弁停止によりポンプ損失分を回生するとともに、要求制動力に上乗せする電動ブレーキによる回生を行う。
【0068】すなわち、図14のステップ1305及び1312で、エンジンブレーキ分又は、弁停止によるポンプ損失分を回生していたのに加え、図16のステップ1305及び1312では、要求制動力に上乗せする形での回生量をえることで、より回生量を確保している。これは、あくまで運転者に違和感を与えない程度において行うものであり、これにより、運転性が損なわれることはない。
【0069】次に、図16において、ブレーキ回生装置が備えられた場合の減速再加速処理について説明する。
【0070】ステップ1312の処理1において、エンジンブレーキ分の回生のみを行うか、もしくはエンジンブレーキ分回生及びブレーキ制動回生を行う。
【0071】ステップ1305の処理2において、VELによる弁停止によりポンプ損失分の回生のみを行うか、もしくはポンプ損失分及びブレーキ制動回生を行う。
【0072】すなわち、ブレーキ回生装置が備えられている場合、つまり回生バルブ2が備えられている場合は、要求制動力を演算し、ブレーキ圧を回生バルブ2よりリークし、その分を発電電動機102bによる電動ブレーキとして回生作動する。図2には本実施の形態においては、ABS装置(アンチロックブレーキシステム)を備えており、図39にABS装置の構成図を示す。図39は実施の形態のブレーキ装置の要部を示す構成図であって、図中4はマスタシリンダである。このマスタシリンダ4は、運転者がブレーキペダルを操作することにより液圧を発生するよう構成されている。
【0073】図39において、WCはホイルシリンダを示している。なお、()内の符号、FLは左前輪のホイルシリンダ、FRは右前輪のホイルシリンダ、Rは後輪のホイルシリンダを示している。なお、後輪のホイルシリンダWCは、左右の車輪にそれぞれ設けられているが、本実施の形態では、両者は同圧に制御するため、図面では1つしか示していない。これらホイルシリンダWCは、ブレーキ回路21,22を介してマスタシリンダMC4に接続されているもので、左右前輪のホイルシリンダWC(FL),WC(FR)に接続されたブレーキ回路21と、左右後輪のホイルシリンダWC(R)に接続されたブレーキ回路22との2系統が設けられている。また、以下の説明において前記ホイルシリンダWC(FL)(FR)(R)について、特定のものを指さない場合には、WCとだけ表記する。
【0074】前輪側のブレーキ回路21は、分岐点21dにおいて各前輪のホイルシリンダ(FL),(FR)に向けて分岐回路21Lと分岐回路21Rとに分岐され、各分岐回路21L,21Rの途中には、流入弁25が設けられ、また、ブレーキ回路22の途中にも流入弁25が設けられている。これら流入弁25は、非作動時にスプリング力により回路21L,21R,22を連通状態とし、作動時(通電時)にこれらを遮断する常開の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されている。また、各流入弁25には、これを迂回するバイパス路21hが設けられ、このバイパス路21hに、下流(ホイルシリンダWC側)から上流(マスタシリンダMC側)への戻りのみを許す一方弁21gが設けられている。
【0075】また、各流入弁25の下流には、ブレーキ回路21,22と液圧を畜圧可能に構成されたリザーバ27とを連通させるドレーン回路30が接続されている。そして、これらドレーン回路30に流出弁26が設けられている。これら流出弁26は、非作動時にドレーン回路30を遮断し、作動時にドレーン回路30を連通させる常閉の2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されている。
【0076】前記ドレーン回路30は、還流回路31を介して、各ブレーキ回路21,22の流入弁25よりも上流位置に接続されている。そして、前記還流回路31の途中にリザーバ27に貯留されているブレーキ液をブレーキ回路21,22に戻すポンプ24,24が設けられている。これらポンプ24は、それぞれプランジャ24pが摺動するのに伴って容積室の容積が変化することで吸入・吐出を行うプランジャ型のものであり、モータMの駆動で作動する。なお、各ポンプ24には、それぞれ一方弁構造の吸入弁24a,吐出弁24bが設けられているとともに、吐出側に脈動吸収用のダンパ24dが設けられている。
【0077】なお、以上説明した構成のうち、図39において一点鎖線BUで囲んでいる構成は、ブレーキユニットとして1つにまとめて収容されている。
【0078】本実施の形態においては、このABS装置に回生バルブ2が設けられており、ABSが作動していないことを確認したときに、この回生バルブ2により油圧をリークする。また、駆動輪からの入力トルクにより回生動作を行うため、望ましくは、駆動輪のホイルシリンダのみの油圧を減圧し、その分を発電電動機102bで回生することで、前後輪のブレーキバランスを維持するものである。図29には40km/h以上における、図30には40km/h以下におけるブレーキ制動による減速状態のタイムチャートを示す。なお、このブレーキ制動のタイムチャートについては、図27及び図28に示す慣性制動状態のタイムチャートと基本的に同じであり、ブレーキのON、OFFのみ異なる。
【0079】図17には、ブレーキ協調回生制御を行い、かつ、ブレーキ回生装置がない場合において、減速時にエンジン側クラッチ102dの接続が解除された際、エンジンを停止せず、アイドル状態を維持する場合の減速再加速処理についてのフローチャートを示す。ステップ1402及びステップ1305の処理1及び処理2が異なるが、基本的制御内容は図15に示した制御内容と同じであるため、この異なる点についてのみ説明する。なお、後述するブレーキ回生装置を備えた場合につての説明についても、ステップ1402及びステップ1305の処理1及び処理2のみが異なるため、相違点をまとめた図17(b)の表を参照されたい。
【0080】ステップ1402の処理1において、エンジンブレーキ分を回生するとともに、要求制動力に上乗せする電動ブレーキによる回生を行う。ステップ1305の処理2において、VELによる弁停止によりポンプ損失分を回生するとともに、要求制動力に上乗せする形で発電電動機102bにより電動ブレーキをかけることで回生を行う。
【0081】すなわち、図15のステップ1305及び1402で、エンジンブレーキ分又は、弁停止によるポンプ損失分を回生していたのに加え、図17のステップ1305及び1402では、要求制動力に上乗せする形での回生量をえることで、より回生量を確保している。これは、あくまで運転者に違和感を与えない程度において行うものであり、これにより、運転性が損なわれることはない。
【0082】次に、図17において、ブレーキ回生装置が備えられた場合の減速再加速処理について説明する。
【0083】ステップ1402の処理1において、エンジンブレーキ分の回生のみを行うか、もしくはエンジンブレーキ分回生及びブレーキ制動回生を行う。
【0084】ステップ1305の処理2において、VELによる弁停止によりポンプ損失分の回生のみを行うか、もしくはポンプ損失分及びブレーキ制動回生を行う。
【0085】すなわち、ブレーキ回生装置が備えられている場合は、要求制動力を演算し、ブレーキ圧を回生バルブ2よりリークし、その分を発電電動機102bによる電動ブレーキとして回生作動する。この作動においても、図16で示したものと同様に、ABS装置に回生バルブ2が設けられており、ABSが作動していないことを確認したときに、この回生バルブ2により油圧をリークする。また、駆動輪からの入力トルクにより回生動作を行うため、望ましくは、駆動輪のホイルシリンダのみの油圧を減圧し、その分を発電電動機102bで回生することで、前後輪のブレーキバランスを維持するものである。
【0086】図18には、車両の電力消費量(以下Ecと表記する。)を計算するフローチャートを示す。
【0087】ステップ1801では、電動パワーステアリング消費量E1と、電動エアコン消費量E2と、その他電装系電気負荷消費量E3の合計を算出し、電力消費量Ecを求める。
【0088】つまり、車両の必要とする電力消費量Ecを計算することで、発電電動機102bを発電機として使用するか、もしくは電動機として使用するかの判断基準の1つとする。これにより、従来エンジンのクランク軸等にベルト等を介して動力を得ていたパワーステアリングや、エアコン等の動力を電力としても、常に必要な電力を発電、供給することができる。
【0089】図19には、エンジン23のアイドリングを停止する、アイドル停止処理のフローチャートを示す。
【0090】ステップ1901では、イグニッションスイッチがONかどうかを確認し、YESであればステップ1902へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1902では、エンジン停止を手動で強制的に行うためのエンジン停止解除マニュアルスイッチをOFFしたかどうかを確認し、YESであればステップ1903へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1903では、車速が40km/h以下かどうかを確認し、YESであればステップ1904へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1904では、ABSが不作動かどうかを確認し、YESであればステップ1905へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1905では、SOCより充電可能かどうかを確認し、YESであればステップ1906へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1906では、車速がエンジンブレーキ分の回生制動を行う車速域内(5〜40km/h)にあるかどうかを判断し、YESであればステップ1907へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1907では、車速が0km/h、つまり一旦停止してからある一定時間が経過しているかどうかを判断し、YESであればステップ1908へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1908では、モータ駆動クリープ可能なバッテリ残量を計算式(SOC現在値−Ec>0)を満たしているかどうかによって判断し、YESであればステップ1909へ進み、NOであればステップ1910へ進む。ステップ1909では、アイドル停止要件が成立したとしてアイドルを停止する。ステップ1910では、アイドル停止解除要件が成立したとしてアイドル停止を解除する。
【0091】つまり、安全性、運転性、バッテリ残量等の面からアイドリングを停止してもよいと判断されたときは、アイドリングを停止し、より燃費を向上させることができる。
【0092】図26には後進時におけるタイムチャートを示す。ブレーキがOFFで、アクセルがOFFであれば、基本的には通常のモータクリープ状態と同じである。次に、アクセルがONになり、つまり加速要求がなされると、エンジン側クラッチ102dが接続され、発電電動機102bの回転数を上昇する事でスタータとして作動させ、回転数が1400rpmに達するとエンジン23を始動が確認され、エンジンによる通常の加速処理を行う。次に、アクセルがOFFとなり、ブレーキがONになると、発電電動機102bの電動機としての作動を停止し、エンジンブレーキにより減速する。このとき発電電動機102bを発電機としては作動させないためSOCの値は基本的に変化しない。
【0093】以上説明したように、本発明の実施の形態をとることによって、車両全体の制御を行うことが可能となり、走行状態に応じてもっとも効率のよい状態をエネルギマネジメント制御コントロールユニットC1で演算し、制御信号を出力することで燃費を高めることができる。また、回生バルブ2を設けたことにより、減速時において、運転者がブレーキを踏んだときに、要求制動力を演算し、この制動エネルギの回生可能なエネルギ分を前記発電電動ユニット102により回生し、この回生分の制動エネルギを発生する油圧を前記回生バルブ2によりリークすることで、運転者に違和感を与えることなくエネルギを回生することができる。
【0094】また、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ102aを設けたことにより、エンジン出力の小さい車両においても十分な発進トルクを得ることができる。これにより、適用可能な車種の範囲を広げることができる。また、減速時において変速装置105の入力軸からトルクが入力された際、ロックアップクラッチ102cを接続することで、発電電動機102bにトルクが入力され、これにより制動エネルギを前記発電電動機102bにより回生することができる。また、エンジン側クラッチ102dを設けたことにより、エンジン23の出力軸と発電電動ユニット102との接続を解除することが可能となり、これにより減速時において発電電動機102bによりエンジンブレーキ分を回生することができる。
【0095】また、エネルギマネジメント制御コントロールユニットC1において、車両の停車中、もしくは減速時に所定の条件を満たしたときは、前記エンジン側クラッチ102dによりエンジン23と発電電動ユニット102との接続を解除し、エンジン23を停止する制御を行うことで、無駄な燃料消費を抑え、燃費を向上することができる。また、減速時に所定の条件を満たしたときは、エンジン側クラッチ102dによりエンジン23と発電電動ユニット102との接続を解除し、エンジン23を停止することなくアイドル状態を維持することとしたため、減速状態から加速状態に移行する際、再度エンジン23を始動する必要がなく、応答性のよい制御をすることができる。
【0096】また、外部に電動オイルポンプ80を設けたことにより、エンジン側クラッチ102d及びロックアップクラッチ102cが油圧作動であったとしても、任意のタイミングで接続又は解除が可能となり、エネルギマネジメント制御等を実行する際、効率よく作動させることができる。また、変速機構部104がベルト・プーリー式無段変速機の場合、プライマリプーリーとセカンダリプーリーに必要な油圧を常に供給可能なため、燃費向上のためエンジン23を停止しても、何ら問題なく走行することが可能となる。
【0097】
【発明の効果】以上説明してきたように、本願全請求項に記載の発明においては、従来の車両に大幅な変更を加えることなく簡単な構成でエネルギを効率よく回生する事が可能となり、コストを上げることなく燃費を向上することができる。また、発電電動機を電動機として使用すれば、スタータ、もしくはトルクアシストをする動力源として使用することが可能となり、スタータを廃止することができる。また、発電機として作動させればエンジンの駆動力、または、減速時等における駆動輪側からの入力トルクにより発電することが可能となり、オルタネータを廃止することができる。これにより、従来の車両に搭載されていたスタータ及びオルタネータを1つの発電電動機によって機能させることが可能となり、かつ、従来の車両よりも発電容量の大きな発電機として構成できる。よって、車両の軽量化及びコンパクト化を図りつつ、発電容量の大きなオルタネータを提供することが可能となる。
【0098】また、エネルギマネジメント制御コントロールユニットにより、発電電動機とエンジンを総合的に制御することが可能となり、走行状態に応じてもっとも効率のよい状態を前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットで演算し、前記エンジンと前記発電電動ユニットと前記電力供給電源に対して制御信号を出力することで、燃費を高めることができる。
【0099】請求項2に記載の発明では、減速時に前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットにおいて、運転者の要求制動力及び回生可能な制動エネルギを演算し、その回生可能なエネルギに相当するブレーキの油圧を回生バルブからリークさせ、その分を発電電動機により回生することができる。請求項3に記載の発明では、エンジン側クラッチを接続すれば、発電電動機をスタータとして作動させることが可能となる。また、減速時において、エンジン側クラッチの接続を解除し、ロックアップクラッチを接続してトルクコンバータをロックアップ状態とすることで、エンジンブレーキ分のエネルギを発電電動機により回生することができる。また、エンジンを停止し、発電電動機を電動機として使用してモータクリープを実行している際、運転者の加速意志によりエンジンを再始動する際、エンジン側クラッチを接続し、発電電動機によりエンジンを始動したとしても、そのときのトルク変動がトルクコンバータにより吸収されることにより、変速装置の前後進切り換え部分等で、いったんニュートラル状態にする必要がなく、制御を簡略化することができる。請求項4に記載の発明では、エンジンへの燃料噴射を抑えることが可能となり、燃費を向上することができる。請求項5に記載の発明では、燃料噴射料を抑えると同時に、走行中エンジンブレーキ分を回生するために、エンジンと発電電動ユニットの接続を解除し、再度エンジンにより加速する制御を行う際、エンジンを始動することなく燃料噴射量を増加させるだけで対応でき、運転者の要求に対する応答性を高めることができる。請求項6に記載の発明では、エンジンと変速装置とが直結されている場合でも、可変動弁機構によりエンジンのエネルギ損失を抑えた分だけエンジン側の抵抗を落として、この抵抗を落とした分だけ回生することにより、違和感なく回生を行うことができる。すなわち、従来、エンジンと変速装置とが直結された状態では、回生作動を行うと、通常のエンジンブレーキ相当の制動力に加えて回生分の制動力が発生するため、制動力が増して違和感を感じる。しかしながら、この請求項4の発明では、エンジンと変速装置とが直結された状態において、エンジンのエネルギ損失を抑えてエンジンブレーキ分の制動力を低下せさ、この低下分を回生するからトータルの制動力はエンジンブレーキ分となって違和感が生じない。請求項7に記載の発明では、従来の車両に搭載されていた12V電装系への電力供給と同時に、新たにパワーステアリングやエアコン等を動作させるための高電圧により作動するアクチュエータに対しても、電力を供給することが可能となる。これにより、従来の車両への搭載性を確保しながら燃費向上を図ることができる。請求項8に記載の発明では、前記エネルギマネジメント制御コントロールユニットにおいてもっとも効率の良い状態を演算する際、油圧作動によるアクチュエータの作動がエンジンの状態に左右されることがないため、制御の自由度を高めることが可能となり、これにより燃費を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000167406
【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
【出願日】 平成11年4月30日(1999.4.30)
【代理人】 【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
【公開番号】 特開2000−324608(P2000−324608A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−123992