| 【発明の名称】 |
鉄道車両の接地端子台 |
| 【発明者】 |
【氏名】芳村 敏幸
|
| 【要約】 |
【課題】鉄道車両の接地端子台について、銅板製の接地板を省略し、また防錆塗装を省略できるように接続端子台の構造を工夫すること。
【解決手段】接地端子台本体をステンレス鋼板製とし、導電線との接続面にハンダメッキを施したことである。ステンレス鋼板製であるので問題なく車体に溶接することができ、また、それ自体の耐蝕性が高いから防錆塗装を施す必要はない。他方、接地端子台本体の導電線との接続面はハンダメッキされているから、このハンダメッキ層によってアース線などの導電線との導電性は十分確保される。したがって、養生のために銅板を張り付ける必要も、また防錆塗装をする必要も、さらに定期的に当該防錆塗装面のメンテナンスを行う必要もない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両に対する溶接が可能でかつ耐蝕性にすぐれた金属材料製の接地端子台本体の導電線との接続面を、導電性にすぐれたメッキ層で被覆した鉄道車両の接地端子台。 【請求項2】接地端子台本体をステンレス鋼板製とし、導電線との接続面にハンダメッキを施した鉄道車両の接地端子台。 【請求項3】接地端子台本体を単一材料の板材で形成した請求項1の鉄道車両の接地端子台。 【請求項4】上記メッキ厚を0.03mm以上とした請求項1〜請求項4の鉄道車両の接地端子台。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は鉄道車両の床下に設けた接地端子台に関するものであり、当該接地端子台の養生を不要にしてその設置作業を簡略にするとともにそのメンテナンスコストを低減することができるものである。 【0002】 【従来の技術】鉄道車両の各機器への電力供給経路の概略は図1に示すとおりであり、架線1からパンタグラフ2、車両内配線を経て機器3に供給される。そして、機器3は車両床下に設けた接地端子台20を経てアース線25に接続されている。従来の接地端子台20は鋼板製のL形接地端子台本体20aを車両床下に溶接し固定したものであり、導電線との電気的接続を良好にするために接続面に銅板製の接地板21を張り付け、孔22にボルトを通してこの接地板21にアース線等を固定している。ところで、接地端子台20は鉄道車両の床下に露出した状態で取付けられているものであるので、接地端子台本体20aに防錆塗装を施してあり、定期的にこの塗装面のメンテナンスを行う必要がある。他方、接地板21は銅板製であり、アース線などの導電線が接続されるものであるから、接地板21の張り付け作業に作業工数を要し、またその接続部に塗料がかからないように(塗料がかかると導電線との接続面の導電性が低下するため)接地板にマスクをかけるなどして、接地端子台本体20aに塗装を施す必要がある。上記の塗装作業は面倒で手間を要し、また塗装面のメンテナンスは車両床下での作業であるから面倒である。 【0003】 【解決しようとする課題】この発明は従来の鉄道車両の接地端子台における上記問題を簡便に解消することを目的とし、銅板製の接地板を省略し、また防錆塗装を省略できるように接続端子台の構造を工夫することをその課題とするものである。 【0004】 【課題解決のために講じた手段】上記課題解決のために講じた手段は、接地端子台本体をステンレス鋼板製とし、導電線との接続面にハンダメッキを施したことである。 【0005】 【作用】接地端子台本体は必ず溶接して直接車体に固定しなければならないが、ステンレス鋼板製であるので問題なく車体に溶接することができ、また、それ自体の耐蝕性が高いから防錆塗装を施す必要はない。他方、接地端子台本体の導電線との接続面にハンダメッキ層があるので、このハンダメッキ層によってアース線などの導電線との導電性は十分確保される。したがって、導電線との接続面に養生のための銅板を張り付ける必要はなく、また、防錆塗装をする必要も、さらに定期的に当該防錆塗装面のメンテナンスを行う必要もない。なお、ステンレス鋼板のハンダメッキ層は長期間にわたって剥離することはないので、導電性確保の面からのメンテナンスを行うことは必要ない。 【0006】 【実施例】次いで図3を参照しつつ実施例を説明する。この実施例の接地端子台30の形状、大きさは従来のものと違いはないが、その接地端子台本体30aはステンレス鋼板をL形に曲げて製作したものである。アース線等の導電線との接続面にハンダメッキ層31を形成するが、メッキ作業の都合からこの実施例においては接地端子台本体30aの垂下部30bのほぼ全面にハンダメッキを施している。このハンダメッキ層の厚さは耐久性の観点からは最低0.03mmあればよいが、メッキ厚さのばらつきを勘案してほぼ0.05mm程度にしている。 【0007】 【その他】本発明の基本思想は、接地端子台本体を車両に対して直接溶接することができ、かつそれ自体の耐蝕性が高い材料製とし、この材料の選択に伴う導電線との接続面の導電性の低下を導電性メッキ層によって補完するというものである。したがって、上記の基本思想に適うように接地端子台本体の材料を選択し、接地端子台本体の材料にメッキ可能であって導電性の高い材料を上記メッキ層の材料として選択すればよい。また、接地端子台本体を複合構造にして車両に対する溶接性、導電性、耐蝕性のこれら特性を異なる材料の特性の組み合わせで達成するのも本発明の技術思想を実現する一つの方法であるが、これではコスト高になるのが避けられない。 【0008】 【効果】以上述べたとおり、接地端子台本体を、比較的安価で加工性、耐蝕性に優れ、車両への溶接性に優れたステンレス鋼板製とし、このステンレス鋼板製接地端子台本体の接続面の導電性を、ステンレス鋼板にハンダメッキ層を施し、当該メッキ層の導電性で補完したことにより、接地端子台を支障なく車体に溶接することができ、また養生のための銅板を接地端子台本体に張付ける必要がなく、また、防錆塗装を省略することができ、さらにこの防錆塗装面についての定期的なメンテナンスを不要にすることができる。したがって、接地端子台の製造コスト及びメンテナンスコストを低減することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年5月12日(1999.5.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110386 【弁理士】 【氏名又は名称】園田 敏雄
|
| 【公開番号】 |
特開2000−324601(P2000−324601A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−131622 |
|