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【発明の名称】 車輪モータ一体形駆動装置
【発明者】 【氏名】松岡 孝一

【氏名】八木 信行

【氏名】山脇 和典

【氏名】白石 茂智

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記軸受外輪の外端側より、外周面に雄ネジが加工された端蓋を前記車輪に加工された雌ネジと係合させて設け、この端蓋を締付けて前記軸受外輪を軸方向に加圧固定する構造としたことを特徴とする車輪モータ一体形駆動装置。
【請求項2】 台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の内径面の中央部に嵌合された軸受外輪の内端側に、前記車輪のボス部の端部に設けられたリング状のツバと軸受外輪とで外周部が挟み込まれることで固定される端蓋を設け、前記軸受外輪の外端側には外周面に雄ネジが加工された端蓋を設け、この端蓋の雄ネジと前記車輪のボス部に加工された雌ネジとを係合して軸受外輪を軸方向に締付け固定し、これら両端蓋の軸受に対向する側に前記車軸を中心とする環状のグリース充填空間をそれぞれ設けたことを特徴とする車輪モータ一体形駆動装置。
【請求項3】 台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面にアースリングを取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記アースリングの外周部を覆うように内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に開口部を設け、この開口部に前記アースリングと摺動するアースブラシを有する接地装置を設けたことを特徴とする車輪モータ一体形駆動装置。
【請求項4】 台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面に歯車円板を取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記歯車円板の外周部を覆うように内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に開口部を設け、この開口部に先端検出部が前記歯車円板の外周面と一定の間隙を存するように速度検出器を設けたことを特徴とする車輪モータ一体形駆動装置。
【請求項5】 台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面にアースリングと歯車円板とを並べて取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記アースリングと前記歯車円板の外周部を覆うようにして内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に前記アースリング及び前記歯車円板に対応させて開口部をそれぞれ設け、その一方の開口部に前記アースリングと摺動するアースブラシを有する接地装置を設け、他方の開口部に先端検出部が前記歯車円板の外周面と一定の間隙を存するように速度検出器を設けたことを特徴とする車輪モータ一体形駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用台車等に設けられたアウタロータモータを有する車輪一体形駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両の駆動構造は、車輪と一体化された車軸に大歯車を取付け、この大歯車に噛合させて設けられた小歯車の軸に台車に支持された主電動機(以下モータと呼ぶ)の回転軸を接続し、モータの回転力を歯車減速装置を介して車輪に伝達して車輪を駆動するものである。
【0003】近年では車両の低騒音化、保守の省力化等を図るため、歯車装置をなくした図7に示すようなアウタロータを使用した車輪、モータ一体形の駆動方式の開発が進められている。
【0004】図7において、1は回転しない車軸(以下固定車軸と呼ぶ)で、この固定車軸1の両端部は軸支持箱3で支持され、この軸支持枠3は軸バネ等を介して台車枠4に支持されている。
【0005】上記固定車軸1の中央部にはアウタロータタイプの永久磁石式同期電動機のモータ固定子2が取付けられ、固定軸1の両端側には軸受6を介して車輪7が回転自在に支持されている。
【0006】また、モータ固定子2の外周部には内周面に永久磁石9を有する円筒状のモータ回転子8が配置され、このモータ回転子8の両端はブラケット10にて車輪7にボルトにより締結されている。この場合、永久磁石9の内周面とモータ固定子2の外周面の間は一定の空隙を存している。
【0007】このようにモータ回転子8が車輪7と一体的に構成され、直接車輪7を回転させることにより、車両をレール11に沿って走行駆動するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような車輪モータ一体形駆動装置において、車軸軸受部としては図8に示すような構成となっている。
【0009】すなわち、図8に示すように車輪7のボス部内周面に軸受外輪6aが嵌合され、両側面より内側端蓋12と外側端蓋13によりボルト14,15により締付けて固定している。また、軸受内輪6bは固定車軸1に嵌合され、両端面側を固定部材により鋏付けるようにして固定されている。
【0010】上記内側端蓋12および外側端蓋13のそれぞれ軸受側には固定車軸1を中心とする環状のグリース充填ポケット12aおよび12bが設けられ、これらのポケットに潤滑グリースが充填されている。
【0011】しかし、このような構造の車軸軸受部を備えた車輪モータ一体形駆動装置においては、次のような問題がある。
【0012】(1)軸受外輪6aの軸長手方向の固定は、内側端蓋12および外側端蓋13を介してボルト14,15の締付けで行っている。この場合、軸受外輪6aを確実に加圧した状態にするためには、車輪7と内側端蓋12および外側端蓋13との合せ面(X部)に微小間隙を持たせてある。
【0013】しかし、このような軸受部の構造では、車両の運転時に車輪7にレールからの衝撃力が伝わり、特にレールの継目では最大10トンもの横圧が車輪に作用する。この衝撃荷重は、軸受6を介して固定車軸1で受けることになるため、車軸外輪6aを締付けているボルト14,15にもこの荷重が作用する。
【0014】この場合、ボルト締付部の端蓋と車輪の合せ面(X)に微小間隙があるため、車輪7と軸受外輪6aとの間に軸方向の相対変位が生じ、締付ボルトに大きな変動荷重が作用し、ボルトの疲労破壊が生じ易くなる。
【0015】また、レールからの大きな横圧による荷重に耐えられるように締付ボルトのサイズと本数を多くして締付力を大きくしているため、長期使用中に微小間隙(X)がなくなる方向に内側端蓋12および外側端蓋13が変形を生じ易く、変形が生じた場合には締付けボルト12,13の緩みが生じ、必要な締付力が維持できなくなる。
【0016】このように運転時にレールから車輪に作用する横圧による衝撃荷重に対して軸受外輪の締付方法は、現状の構造では不十分である。
【0017】(2)一方、車両からの帰線電流をレールに戻すため、従来の車両では回転する車軸に接地装置により通電し、車輪を通じてレールに電流を流す構造となっている。
【0018】しかしながら、車輪モータ一体形の駆動装置では、車軸は固定となり、軸受を介して車輪を支持する構成のため、車軸より車輪に電流を流すと軸受6に電食が発生して軸受を損傷するため、車軸に接地装置を設けて電流をレールに流すことはできない。
【0019】そこで、現在では図8および図9に示すような接地構造を検討している。図8および図9において、車輪7の側面と車軸支持箱3との間に存する空間(Z)を利用し、この狭い空間に接地装置を設ける構成とする案である。すなわち、接地装置17を支持する固定ブラケット16を固定車軸1に固定し、接地装置に内蔵するアースブラシ18をバネにし、外側端蓋13の外周面に押付けて摺動させるものである。
【0020】従って、このような接地装置にあっては、車体の帰線電流はアース線20より接地装置に入り、アースブラシ18より外側端蓋13に流れ、次いで車輪7を介してレール11に流れることになる。
【0021】このように車輪一体形駆動方式では、接地装置17の取付けスペース(Z)が十分ないため、アースブラシ18を直接車輪7に摺動させることは困難であり、外側端蓋13の外周面を利用してアースブラシを摺動させる構成としている。
【0022】この場合、接地装置17は、絶縁体19を介して固定ブラケット16に取付け、電流が固定ブラケット16から固定車軸1、軸受6、車輪7の経路で流れることがないようにしている。
【0023】しかし、このような構造においても次のような問題があり、その改善が望まれている。
【0024】すなわち、外側端蓋13をアースリングと兼用しているため、外側端蓋13の材質を摺動特性と耐摩耗性、導電性の良いものに選定する必要があり、外側端蓋13が高価になり、またアースリングの特性を良好なものにすると、外側端蓋としての機械的強度が低下するなどの問題がある。また使用している間に摺動部の摩耗、荒損により外側端蓋を交換する必要がある。
【0025】さらに、外側端蓋と車輪7との合せ面(X)は微小間隙を存した構成としているため、電流は外側端蓋と軸受外輪6aの端面の接触部より固定車軸1へ流れることになり、通電面積が不十分になることもある。
【0026】本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は車輪を支持している軸受の締付けに緩みが生じることなく、また横圧の衝撃荷重によって締付け部の疲労破壊が生じることのない信頼性の高い軸受部とすることを可能とし、第2の目的は接地装置や速度発電機を制約された小スペースの中で構成可能にして車両の信頼性向上、性能向上および小型軽量化を図ることが可能な車両モータ一体形駆動装置を提供するにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を解決するため、次のような手段により車輪一体形回転電機を構成する。
【0028】請求項1に対応する発明は、台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記軸受外輪の外端側より、外周面に雄ネジが加工された端蓋を前記車輪に加工された雌ネジと係合させて設け、この端蓋を締付けて前記軸受外輪を軸方向に加圧固定する構造とする。
【0029】請求項2に対応する発明は、台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の内径面の中央部に嵌合された軸受外輪の内端側に、前記車輪のボス部の端部に設けられたリング状のツバと軸受外輪とで外周部が挟み込まれることで固定される端蓋を設け、前記軸受外輪の外端側には外周面に雄ネジが加工された端蓋を設け、この端蓋の雄ネジと前記車輪のボス部に加工された雌ネジとを係合して軸受外輪を軸方向に締付け固定し、これら両端蓋の軸受に対向する側に前記車軸を中心とする環状のグリース充填空間をそれぞれ設けたものである。
【0030】上記請求項1及び請求項2に対応する発明の車輪モータ一体形駆動装置にあっては、軸受外輪の固定が強固になり、車輪に横圧による衝撃荷重が作用した場合でも端蓋と車輪のネジ部に大きな変動荷重が作用しなくなり、ネジ部が疲労破壊することがなくなる。
【0031】請求項3に対応する発明は、台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面にアースリングを取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記アースリングの外周部を覆うように内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に開口部を設け、この開口部に前記アースリングと摺動するアースブラシを有する接地装置を設けたものである。
【0032】上記請求項3に対応する発明の車輪モータ一体形駆動装置にあっては、端蓋とは別に独立したアースリングが車輪に取付けられるため、アースリングを適切な材料に選定することが可能になると共に、車輪に密着して取付けられるため、通電面積を十分に確保される。
【0033】請求項4に対応する発明は、台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面に歯車円板を取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記歯車円板の外周部を覆うように内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に開口部を設け、この開口部に先端検出部が前記歯車円板の外周面と一定の間隙を存するように速度検出器を設けたものである。
【0034】請求項5に対応する発明は、台車に両端部が固定支持された車軸の中央部にモータ固定子を設けると共に、車軸の両端部に各々軸受を介して車輪を回転自在に支持させ、前記モータ固定子の外周面に所定の空隙を存して筒状のモータ回転子を配設すると共に、このモータ回転子の両端部を各々ブラケットにより前記車輪に一体的に締結してなるアウタロータタイプの車輪モータ一体形駆動装置において、前記車輪の車軸側に有するボス部の外端側の外周面にアースリングと歯車円板とを並べて取付け、前記車輪と車軸支持箱の間に固定ブラケットを前記アースリングと前記歯車円板の外周部を覆うようにして内径部を前記車軸に嵌合させて固定し、この固定ブラケットの外周面の一部に前記アースリング及び前記歯車円板に対応させて開口部をそれぞれ設け、その一方の開口部に前記アースリングと摺動するアースブラシを有する接地装置を設け、他方の開口部に先端検出部が前記歯車円板の外周面と一定の間隙を存するように速度検出器を設けたものである。
【0035】上記請求項4及び請求項5に対応する発明の車輪モータ一体形駆動装置にあっては、アースリング部分にアースリングの他に速度発電機用の歯車円板を共存した形で取付け、固定ブラケットに速度発電機の検出部分を設置することにより、従来より取付け困難であった速度発電機を取付けることが可能になる。
【0036】
【実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明による車輪一体形回転電機の第1の実施の形態をそれぞれ示すもので、図1は車輪一体形モータの一部を示す断面図であり、図2は図1のB−B線に沿う矢視断面図である。なお、図8及び図9と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。
【0037】図1及び図2に示すように、車輪22の固定車軸側に有するボス22aの内径面に内側端蓋23が嵌込んだ後、軸受6を構成する軸受外輪6a部分が挿入される。また、車輪22のボス22aの外側に突出するボス張出部の内径面に加工された雌ネジY部に外周部に雄ネジYが加工された外側端蓋25をねじ込んで、軸受外輪6aを軸方向に加圧した状態で固定している。
【0038】この場合、外側端蓋25には締付作業時のスパナ(専用工具)の爪を差し込むための穴25bが複数個設けられている。また、内側端蓋23と外側端蓋25の軸受側には、固定車軸1を中心とする環状の空間であるグリース充填ポット23a,25aが設けられ、軸受の潤滑グリースが充填されている。
【0039】さらに、軸受内輪6bは、固定車軸1に挿入され、両側の軸受押え24及び固定ブラケット26、固定部材28により固定されている。
【0040】一方、車輪22のボス張出部の外周部にアースリング27が取付けられ、ボルト29により車輪22に締付け固定されている。
【0041】上記固定車軸1に固定された固定ブラケット26は、外周部が車輪22のボス張出部に取付けられたアースリング27の外周側を覆う如く形成され、この固定ブラケット26の外周部の一部に開口部を設けると共に、この開口部に接地装置17が取付けられている。
【0042】この接地装置17は、固定ブラケット26に絶縁体19を介して取付けられると共に、アース線20により車体の接地部と接続されている。
【0043】上記接地装置17の内部には、アースブラシ18を有し、このアースブラシ18はバネによりアースリング27の外周面に加圧した状態で取付けられ、回転時には摺動する構成となっている。
【0044】このように構成された車輪モータ一体形駆動装置において、軸受外輪6aは外側端蓋25のネジ(Y)部で強固に締付け固定されているが、このネジ(Y)部は外側端蓋25の外径部全周に加工されているため、ボルト締付け方式に比べて大幅にネジの強度を増大することが可能となり、横圧による衝撃荷重が作用しても応力が小さくなる。
【0045】また、ボルト締付方式では、図8に示すように軸受外輪6aを確実に押付けた状態とするため、微小間隙(X)を必要としていたが、本実施の形態の外側端蓋25の外径部全周に加工されたネジ(Y)部による締付け構造では、この微小間隙は不要のため、横圧作用時に変動応力が大幅に増大することがなく、疲労破壊を生ずることもなくなる。
【0046】さらに、外側端蓋25の外径を小さくできることから、外側端蓋25の外周部の車輪22のボス22a部にアースリング27を配置することが可能となる。しかも、アースリング27が別個に設けられるため、アースリングの材質を外側端蓋25とは関係なく最適なものとすることができる。
【0047】一方、長期使用によりアースリング27の摩耗や荒損が生じた場合には、アースリングのみを交換すればよく、その作業を容易に行うことができる。
【0048】また、アースリング27は車輪22に密着して取付けられているので、アース電流の通電面積も十分確保することができる。
【0049】さらに、軸受6を車輪22より取外す場合には、図3に示すように車輪22のボス22a部の内径側に形成された雌ネジ(Y)部から外側端蓋25の雄ネジ(Y)部を緩めて取外した後、内側端蓋23を図示矢印方向に押圧することにより、容易に軸受6を車輪22より取外すことができる。
【0050】この場合、軸受外輪6aは車輪22に強固に嵌合されているので、軸受6を取出すときは軸受内輪6bを加圧するのではなく、軸受外輪6aを加圧する必要がある。
【0051】図4乃至図6は本発明による車輪モータ一体形駆動装置の第2の実施の形態をそれぞれ示すもので、図4は車輪モータ一体形駆動装置の一部を示す横断面図、図5は図4のC−C線に沿う矢視断面図、図6は図4のD−D線に沿う矢視断面図である。なお、図1及び図2と同一部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点についてのみ述べる。
【0052】第2の実施の形態では、図4乃至図6に示すように固定車軸1に内径部が固定された固定ブラケット30部に接地装置17と速度発電機32とを取付けるものである。
【0053】図4乃至図6に示すように、車輪22を支持する軸受6の外輪6aは外径部の全周に雄ネジ(Y)が加工された外側端蓋25を車輪22のボス部22aの内径側に加工された雌ネジ(Y)部に螺合とて軸方向に締付けることにより、固定されている。
【0054】また、車輪22のボス部の外径側に外側端蓋25の外周位置に対応させてアースリング31と速度発電機用の歯車円板33がボルト34により締付け固定される。そして、これらアースリング31と歯車円板33の外周側を覆うように固定ブラケット30が設けられ、この固定ブラケット30の外周部の適宜2か所に開口部が設けられ、この開口部に接地装置17と速度発電機32がそれぞれ取付けられている。
【0055】この場合、接地装置17のアースブラシ18はバネによりアースリング31の外周面に押付けられ、回転時には摺動する構造となっている。また、歯車円板33の歯部に先端検出部が一定の間隙を存するように対向させて速度発電機32が設けられている。
【0056】このような構成の車輪モータ一体形駆動装置において、運転時に歯車円板33が回転すると、速度発電機32は歯車円板3の歯の凹凸により速度を検出し、この速度に応じた信号を自動列車制御装置(ATC)やブレーキ制御装置に供給する。
【0057】このように固定ブラケット30の取付けスペースを利用して接地装置17と速度発電機32を容易に取付けることが可能になる。
【0058】なお、上記実施の形態では、アースリング31と歯車円板33とを図示するように別個に構成したが、これら両者を一体化したものとして設けるようにしても良い。また、アースリング31と接地装置17又は歯車円板33と速度発電機32の一方を配設するようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、車輪を支持している軸受の締付けに緩みが生じることなく、また横圧の衝撃荷重によって締付け部の疲労破壊が生じることのない信頼性の高い軸受部を構成することができ、また接地装置や速度発電機を制約された小スペースの中に配設可能な構成としたので、車両の信頼性向上、性能向上および小型軽量化を図ることができる車輪モータ一体形駆動装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所
【識別番号】000221177
【氏名又は名称】東芝トランスポートエンジニアリング株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年4月15日(1999.4.15)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2000−308204(P2000−308204A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−108172