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【発明の名称】 昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置
【発明者】 【氏名】藤田 良和

【要約】 【課題】昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置において、バッテリ充電器の不必要な増設を回避し、また、バッテリ過放電以外の原因により走行不能となった故障車を自車で救援する場合に、故障車のバッテリが持つエネルギを回収することができ、小容量のバッテリで済み、小型・軽量化を図る。

【解決手段】降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子Q1,Q2と、同素子の中点から取り出したチョークコイルLから成るチョッパを用いて、自車1のバッテリBAT1の電圧が他車2のバッテリBAT2の電圧よりも高い時に、コンタクタM1−1,M1−2をオンとし、スイッチング素子Q1を動作させることで、バッテリBAT1からバッテリBAT2を降圧充電する。また、スイッチング素子Q2を動作させることで、バッテリBAT2からバッテリBAT1を昇圧充電する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自車又は他車のいずれか一方に搭載された充電器と自車および他車双方に搭載されたバッテリとの間で昇降圧チョッパを用いていずれか一方から他方を充電することが可能な車載型双方向バッテリ充電装置であって、自車又は他車のいずれか一方に搭載されたバッテリの出力端子間に、開閉動作される第1コンタクタを介して直列に接続される降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の各々に並列接続され、該素子のオン時に流れる電流とは逆向きの電流が該素子のオフ時に流れることを許容するダイオードと、前記スイッチング素子の中点に一端が接続され、他端が前記第1コンタクタと同じ開閉動作をする第2コンタクタを介して他車又は自車のバッテリに接続される昇圧及び降圧動作に共用されるチョークコイルとを備え、前記自車のバッテリ電圧が他車又は自車のいずれか一方のバッテリ電圧よりも高い時に、前記第1及び第2コンタクタをオンとし、前記降圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、自車又は他車のバッテリから他車又は自車のバッテリを降圧充電し、また、昇圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、他車又は自車のバッテリから自車又は他車のバッテリを昇圧充電するようにしたことを特徴とする昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置。
【請求項2】 前記直列に接続された降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子が、さらに前記第1及び第2コンタクタとは別の第3コンタクタを介して他車又は自車のバッテリの出力端子間に接続可能とされ、かつ、前記直列に接続されたスイッチング素子の中点に一端が接続されたチョークコイルの他端を前記第3コンタクタと同じ開閉動作をする第4コンタクタを介して自車又は他車のバッテリに接続可能とされており、前記他車又は自車のバッテリ電圧が自車又は他車のバッテリ電圧よりも高い時に、前記第3及び第4コンタクタをオンとし、前記降圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、他車又は自車のバッテリから自車又は他車のバッテリを降圧充電し、また、昇圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、自車又は他車のバッテリから他車又は自車のバッテリを昇圧充電するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新都市交通システム等に用いられているようなバッテリ式電気車両に適用される昇圧/降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッテリを駆動源として搭載し軌道に沿って走行する電気車両、例えば、電気工作車や検査・測定車等のユーザにおいて、新たな増車が要求される場合、軌道の延長や作業内容の変化等の要因によって、既納車と同じ仕様で納品することはほとんどなく、また、搭載されるバッテリの仕様も異なることが多い。このため、バッテリ充電器(地上据置型、準定電圧方式)も既納品とは別の仕様が必要となる。また、電圧の異なる複数のバッテリ間で双方向に昇圧充電又は降圧充電を行うには、2組のチョツパ回路を別個に必要とし、構成が複雑になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来では、受電容量(KVA値)は特に変わらないのに、バッテリ出力電圧が異なることにより、バッテリ充電器の共通使用が不可能となるため、現実的には3台、4台と増車された場合、バッテリ充電器を増設せざるを得ず、設備費が嵩み、また、充電設備の運用も複雑化していた。さらには、何らかの異常又はバッテリ過放電により走行不能となった故障車(他車とする)を正常な車(自車とする)で救援する場合に、自車のバッテリに大きな負担をかけることなく、他車を牽引走行したり他車のバッテリに給電するといったことが、簡単な構成にて行える車載型バッテリ充電装置の実現が望まれていた。
【0004】本発明は、上記問題を解消するものであり、バッテリ充電器の不必要な増設を回避することができて設備費の削減が図れ、また、何らかの異常又はバッテリ過放電により走行不能となった故障車を自車で救援(牽引走行や他車のバッテリに給電)する場合に、故障車のバッテリが持つエネルギを回収することができ、可能な限り小容量のバッテリを搭載すればよく、小型・軽量化が図れ、しかも多目的に活用することが可能な昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自車又は他車のいずれか一方に搭載された充電器と自車および他車の双方に搭載されたバッテリとの間で昇降圧チョッパを用いていずれか一方から他方を充電することが可能な車載型双方向バッテリ充電装置であって、自車又は他車のいずれか一方に搭載されたバッテリの出力端子間に、開閉動作される第1コンタクタを介して直列に接続される降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の各々に並列接続され、該素子のオン時に流れる電流とは逆向きの電流が該素子のオフ時に流れることを許容するダイオードと、前記スイッチング素子の中点に一端が接続され、他端が前記第1コンタクタと同じ開閉動作をする第2コンタクタを介して他車又は自車のバッテリに接続される昇圧及び降圧動作に共用されるチョークコイルとを備え、前記自車のバッテリ電圧が他車又は自車のいずれか一方のバッテリ電圧よりも高い時に、前記第1及び第2コンタクタをオンとし、前記降圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、自車又は他車のバッテリから他車又は自車のバッテリを降圧充電し、また、昇圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、他車又は自車のバッテリから自車又は他車のバッテリを昇圧充電するようにしたものである。
【0006】上記構成においては、降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子と同素子の中点から取り出したチョークコイルから成る1組の昇圧及び降圧チョッパを用いて、自車のバッテリ電圧が他車のバッテリ電圧よりも高い時に、第1及び第2コンタクタをオンとし、降圧動作用のスイッチング素子を動作させることで、チョッパ作用により、自車のバッテリから他車のバッテリを降圧充電することができる。これにより、バッテリ過放電の故障車に対して給電することができる。また、昇圧動作用のスイッチング素子を動作させることで、他車のバッテリから自車のバッテリを昇圧充電することができる。これにより、故障車を牽引する場合に、故障車のバッテリの持つエネルギを回収することができる。なお、自車と他車とは相対的な関係にあり、互いに入れ替わったものをも含む。
【0007】また、請求項2の発明は、上記請求項1に記載の構成において、前記直列に接続された降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子が、さらに前記第1及び第2コンタクタとは別の第3コンタクタを介して他車又は自車のバッテリの出力端子間に接続可能とされ、かつ、前記直列に接続されたスイッチング素子の中点に一端が接続されたチョークコイルの他端を前記第3コンタクタと同じ開閉動作をする第4コンタクタを介して自車又は他車のバッテリに接続可能とされており、前記他車又は自車のバッテリ電圧が自車又は他車のバッテリ電圧よりも高い時に、前記第3及び第4コンタクタをオンとし、前記降圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、他車又は自車のバッテリから自車又は他車のバッテリを降圧充電し、また、昇圧動作用のスイッチング素子をオン/オフさせることで、自車又は他車のバッテリから他車又は自車のバッテリを昇圧充電するようにしたものである。
【0008】上記構成においては、請求項1の作用に加えて、他車のバッテリ電圧が自車のバッテリ電圧よりも高い時に、第3及び第4コンタクタをオンとし、降圧動作用のスイッチング素子を動作させることで、他車のバッテリから自車のバッテリを降圧充電することができる。また、昇圧動作用のスイッチング素子を動作させることで、自車のバッテリから他車のバッテリを昇圧充電することができる。こうして、自車又は他車のいずれのバッテリの電圧が高いかに応じて、所定の組のコンタクタをオンして、降圧動作用又は昇圧動作用のスイッチング素子のいずれかを動作させることで、所望の充電動作を行うことができる。コンタクタの動作はバッテリ電圧検出結果に基づいて自動的に行うようにしてもよい。また、いずれのバッテリを降圧又は昇圧で充電するか(スイッチング素子へのオン/オフ信号付与)は、多くの場合、オペレータが自車と他車の異常状況を把握しているから、オペレータが指示するようにすればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による、車載型双方向バッテリ充電装置について、図1を参照して説明する。本充電装置は、自車1に搭載されたバッテリBAT1と他車2又は充電器(請求項でいう他車)に搭載されたバッテリBAT2との間で昇降圧チョッパを用いていずれか一方から他方を双方向に充電することが可能なものである。自車1のバッテリBAT1の出力端子間に、開閉動作される第1コンタクタM1−1を介して直列に降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子Q1,Q2が接続される。このスイッチング素子Q1,Q2の各々に並列に、該素子のオン時に流れる電流とは逆向きの電流を該素子のオフ時に流すダイオードD1,D2が接続されている。また、スイッチング素子Q1,Q2の中点に、昇圧及び降圧動作に共用されるチョークコイルLの一端が接続され、その他端は第1コンタクタM1−1と同じ開閉動作をする第2コンタクタM1−2を介して他車2のバッテリBAT2に接続される。
【0010】上記構成において、自車1のバッテリBAT1の電圧(Vb1)が他車2のバッテリBAT2の電圧(Vb2)よりも高い時に、第1及び第2コンタクタM1−1,M1−2をオンとし、降圧動作用のスイッチング素子Q1をオン/オフさせることで、チョッパ作用により、自車1のバッテリBAT1から他車2のバッテリBAT2を降圧充電する(その時の電流を実線と破線で示す)。この充電動作は、他車2がバッテリ過放電の故障車のような場合に給電する時に使用される。
【0011】また、昇圧動作用のスイッチング素子Q2をオン/オフさせることで、チョッパ作用により、他車2のバッテリBAT2から自車1のバッテリBAT1を昇圧充電するようにしている(その時の電流を一点鎖線と二点鎖線で示す)。この充電動作は、他車2が走行不能の故障車であって、自車1で牽引する場合で、他車2のバッテリBAT2のエネルギを回収する時に使用される。こうして、1組の昇圧及び降圧チョッパを用いるだけの簡単な構成により、双方向に充電が行える。なお、自車1と他車2とは相対的な関係にあり、互いに入れ替わったものであってもよい。
【0012】また、前記直列のスイッチング素子Q1,Q2が、さらに前記第1及び第2コンタクタM1−1,M1−2とは別の第3コンタクタM2−1を介して他車2のバッテリBAT2の出力端子間に接続可能とされ、かつ、チョークコイルLの他端を第3コンタクタM2−1と同じ開閉動作をする第4コンタクタM2−2を介して自車1のバッテリBAT1に接続可能とされている。
【0013】この構成において、他車2のバッテリBAT2の電圧(Vb2)が自車1のバッテリBAT1の電圧(Vb1)よりも高い時に、第3及び第4コンタクタM2−1,M2−2をオンとし、降圧動作用のスイッチング素子Q1をオン/オフさせることで、他車2のバッテリBAT2から自車1のバッテリBAT1を降圧充電する。また、昇圧動作用のスイッチング素子Q2をオン/オフさせることで、自車1のバッテリBAT1から他車2のバッテリBAT2を昇圧充電する。
【0014】以上のようにして、自車1又は他車2のいずれのバッテリの電圧が高いかに応じて、所定の組のコンタクタをオンして、降圧動作用又は昇圧動作用のスイッチング素子Q1,Q2のいずれかを動作させることで、所望の充電動作を得ることができる。また、コンタクタM1−1,M1−2の組、コンタクタM2−1,M2−2の組の動作は、後述のようにバッテリ電圧検出結果に基づいて自動的に行うようにすればよい。また、いずれのバッテリを降圧又は昇圧で充電するか(スイッチング素子Q1,Q2のゲート端子へのオン/オフ信号付与)についても、自車1と他車2の異常状況の検出結果に応じて自動的に適宜に行われるようにすることができる。
【0015】また、本装置には上記動作を制御するための演算ユニット5が備えられ、この演算ユニット5には、各バッテリ電圧(VF1,VF2)、カレントセンサCSによる検出電流(CF)が入力される。バッテリBAT1の電圧VF1(VF2)が高い場合に、コンタクタM1−1,M1−2(M2−1,M2−2)はオンとなる。自車1の充電プラグを他車2(又は定置式充電器)の充電用プラグを接続すれば、演算ユニット5は、その電圧の差を検出し、コンタクタM1−1,M1−2、またはM2−1,M2−2をオンさせ、次に、自車1(他車2)のバッテリを充電する操作指示が入力されると、VF1(VF2)が設定電圧になるまで、定電圧、定電流充電を行う。
【0016】なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能であり、例えば、いずれのバッテリを降圧又は昇圧で充電するか(スイッチング素子Q1,Q2のゲート端子へのオン/オフ信号付与)は、多くの場合、オペレータが自車1と他車2の異常状況を把握しているから、オペレータが指示するようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に係る昇降圧チョッパによる車載型双方向バッテリ充電装置によれば、(1)降圧動作用及び昇圧動作用のスイッチング素子と共用のチョークコイルから成る1組のチョッパ回路を用いるだけの簡単な構成により、自車のバッテリと他車のバッテリとの間で双方向に充電することができる。
(2)既に納入している電気車両(既納車)用の充電器から充電を受けることができる(充電器が流用できる)ので、各車両に搭載のバッテリ電圧が異なっていても、新たな充電設備を増設する必要がなく、設備費を削減することができる。
(3)相手である故障車の(他車)を車庫まで救援・牽引走行する場合等に、相手のバッテリの持つエネルギを自車のバッテリに回収することができ、従って、自車に搭載するバッテリは最低限の容量のものでよく、軽量化、小型化が可能となる。
(4)バッテリ過放電により走行不能になった車に対しても、給電が行える。
(5)昇圧での充電動作は力率が高いものとなり、効率が良い。
【0018】また、請求項2の発明によれば、上記効果に加えて、自車又は他車のいずれのバッテリの電圧が高いかに応じてコンタクタを切換えて、降圧動作用又は昇圧動作用のスイッチング素子のいずれかを動作させることで、適宜に必要な充電動作を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000232807
【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
【公開番号】 特開2000−295716(P2000−295716A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−96186