| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車の定速走行装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田端 淳
【氏名】多賀 豊
【氏名】中村 誠志
【氏名】天野 正弥
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| 【要約】 |
【課題】減速要求条件解除時において、速やかな加速を行う。
【解決手段】先行車両に追従して走行している際に、追従車両がいなくなった場合には(S11〜S15)、そのときの加速要求から出力トルクを演算する(S16)。そして、モータジェネレータの出力制御を行うと共にエンジンの出力をアップする(S17,18)。所定時間経過した場合には(S19)、通常のスロットル制御に移り(S20)、モータジェネレータの出力を停止する(S21)。モータジェネレータのトルクアシストを利用して、速やかな加速が得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンとモータにより車両を駆動することができ、かつ車速を設定された目標車速に維持するようにフィードバック制御する定速走行制御を行うとともに所定の減速要求条件下では前記定速走行制御を中止して車速が前記設定された目標車速より低下するようエンジン出力を制御する減速走行制御を行うハイブリッド車の定速走行装置において、前記所定の減速要求条件が解除され、前記定速走行制御が再開された場合、所定時間だけモータによるトルクアシストを行うハイブリッド車の定速走行装置。 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、前記減速要求条件は、前方走行車両との車間距離が設定値以下に減少したことを検出したときであるハイブリッド車の定速走行装置。 【請求項3】 エンジンとモータにより車両を駆動することができ、かつ車速を設定された目標車速に維持するようにフィードバック制御する定速走行制御を行うとともに所定の減速要求条件下では前記定速走行制御を中止して車速が前記設定された目標車速より低下するようエンジン出力を制御する減速走行制御を行うハイブリッド車の定速走行装置において、前記エンジンとモータの間に設けられ動力の伝達をオンオフする入力クラッチを有し、前記減速走行制御時は、前記入力クラッチを常時オン状態とするハイブリッド車の定速走行装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】エンジンとモータにより車両を駆動し、車速を目標車速に維持するように車速を制御するハイブリッド車の定速走行装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、設定車速をセットすることで、車速が設定車速になるように走行制御を行う定速走行装置があり、多くの車両に搭載されている。また、定速走行をセットしている際に、先行車両と近づいた場合には、減速する必要がある。そこで、車両に前方監視用のレーダを搭載し、先行車両を検出した場合には、その先行車両との車間距離を所定のものに維持する制御に移行する車間距離制御機能を有する定速走行装置も知られている。 【0003】エンジンとモータの両方を搭載するハイブリッド車においても定速走行装置を搭載することが好適である。定速走行は、80km/h以上などという高速走行状態で行うことが多い。このような高速走行時においては、その駆動源としてエンジンが用いられる。図5に、ハイブリッド車における車速及び要求駆動力に対する駆動源の関係を示す。このように、車速が小さい場合に、モータの出力が利用される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ここで、車間距離制御において、先行車両が他車線に移動したり、側道にはずれたりして、車間距離制御の対象となる先行車両がなくなり、減速要求条件が解除された場合には定速走行に戻る。この場合、電子制御によりスロットル開度を増大して、加速を行う。ところが、この際の加速がドライバにとって遅く感じる可能性があった。これは、ドライバは先行車両がいなくなることをウィンカの点滅や車両進行方向の変化の開始などによって早期に認識すること及び電子制御によるスロットルの開制御におけるエンジンの出力変化までの制御遅れがあること等が原因と考えられる。 【0005】本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、減速要求がなくなった場合の加速を速やかに行える定速走行装置を提供することを目的とする。 【0006】なお、通常の定速走行時において、モータの出力によりアシストを行うことは、特開平9−207622号公報に記載がある。しかし、この従来例は、単なる定速走行時のトルクアシストであり、また一時的にアシストするという概念が示されていない。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンとモータにより車両を駆動することができ、かつ車速を設定された目標車速に維持するようにフィードバック制御する定速走行制御を行うとともに所定の減速要求条件下では前記定速走行制御を中止して車速が前記設定された目標車速より低下するようエンジン出力を制御する減速走行制御を行うハイブリッド車の定速走行装置において、前記所定の減速要求条件が解除され、前記定速走行制御が再開された場合、所定時間だけモータによるトルクアシストを行う。 【0008】このように、本発明によれば、車速のフィードバック制御が再開されたときに、モータによるトルクアシストを行う。モータの出力トルクは早期に立ち上がるため、これによって十分な加速が得られる。また、時間を限定してトルクアシストを行うため、バッテリの消耗などの問題がない。 【0009】また、前記減速要求条件は、前方走行車両との車間距離が設定値以下に減少したことを検出したときであることが好適である。定速走行時において、先行車両が存在する場合には、その先行車両との車間距離を維持して追従走行することが好ましい。そして、この先行車がいなくなった場合において、モータのトルクアシストを利用して、速やかに加速が行える。 【0010】また、本発明は、エンジンとモータにより車両を駆動することができ、かつ車速を設定された目標車速に維持するようにフィードバック制御する定速走行制御を行うとともに所定の減速要求条件下では前記定速走行制御を中止して車速が前記設定された目標車速より低下するようエンジン出力を制御する減速走行制御を行うようにするハイブリッド車の定速走行装置において、エンジンとモータの間に設けられ動力の伝達をオンオフする入力クラッチを有し、前記減速走行制御時は、前記入力クラッチを常時オン状態とする。 【0011】このように、減速走行制御時において、エンジンは常に回転している。そこで減速走行制御が解除され、定速走行制御に戻った場合には、エンジンを点火してすぐにトルクを発生することができ、速やかな加速が得られる。また、減速走行制御時にエンジンを負荷として利用して効果的な減速が行える。なお、通常の走行時や定速走行時などにおいては、モータ駆動時において、エンジンを切り離すことにより、モータの負荷を減少することができ、また減速時において入力クラッチをオフにすることによって、モータの回生制動によりエネルギーの回収率を高めることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。 【0013】「第1実施形態」図1に、第1実施形態におけるハイブリッド車の構成ブロック図を示す。エンジン1の出力軸は、モータジェネレータ2に接続されており、モータジェネレータ2の出力軸は、トルクコンバータ3に接続され、トルクコンバータ3の出力軸は、自動変速機4に接続されている。すなわち、エンジン1の動力とモータジェネレータ2の動力とをトルクコンバータ3を介して自動変速機4に出力できるように構成されている。そして、自動変速機4の出力が車輪に伝達される。 【0014】エンジン1は、燃料の燃焼によって動力を出力する形式の装置であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの他、液化石油ガスや天然ガス等のガス燃料を燃焼させるエンジンが含まれる。モータジェネレータ2は、電気的エネルギーを回転運動等の運動エネルギーに変化して出力するモータ機能と伝達された動力エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機能を併せ持つ。トルクコンバータ3は、駆動部材のトルクを流体を介し従動部材に適切に伝達させるものでる。自動変速機4は、歯車変速機部と油圧制御部とからなり、入力回転数と出力回転数の比(変速比)を自動で適宜変更することのできる装置であって、有段式の変速機や変速比を連続式に変化させることのできる無段変速機等が採用される。 【0015】図2に本実施形態のシステム構成図を示す。モータジェネレータ2には、インバータ5を介してバッテリ6が接続されている。インバータ5は、その内部の複数のスイッチング素子をオンオフしてバッテリ6からの直流電力を所定の交流電力に変換してモータジェネレータ2に供給し、またモータジェネレータ2における交流の発電電力を直流電力としてバッテリ6に供給する。そして、このような動作を制御するためにコントローラ7が設けられている。すなわち、このコントローラ7は、アクセルの操作などに基づいてインバータ5を制御して、モータジェネレータ2の出力トルクや回生制動力を制御する。なお、本実施形態のモータジェネレータ2では、その入力側がエンジン1の出力の出力軸に接続されており、モータジェネレータ2の出力軸のトルクは、エンジン1の出力とモータジェネレータ2の出力の和となっている。そして、上述のようにトルクコンバータ3、自動変速機4を介し、出力トルクが車輪に伝達される。 【0016】さらに、エンジン1には、ECU8が接続されており、このECU8によりエンジン1の出力がコントロールされる。このECU8は、マイクロコンピュータで構成され、ここには車速信号やアクセル開度信号、SOC(充電状態)信号、ブレーキ信号等の検出信号が供給される。そして、ECU8は、これらの検出信号に基づいてエンジン1の駆動を制御すると共に、トルクコンバータ3のスリップ率や自動変速機4の変速比等も制御する。なお、ECU8は、コントローラ7を介し、モータジェネレータ2の出力を制御して、バッテリ6のSOCが所定範囲内に収まるように制御する。 【0017】ここで、本実施形態では、ECU8は、定速走行のための制御も行う。すなわち、このECU8は、車速セット信号を受け設定車速を取り込み、その後は供給される車速信号が設定車速に近づくように、スロットル開度を調節してエンジン1の出力をフィードバック制御する。 【0018】さらに、ECU8は、レーザやミリ波を利用したレーダからの先行車両との車間情報を基に、所定範囲内に先行車両が存在した場合には、上述のフィードバック制御を中止して、車間距離が一定になるようにエンジン1の出力を制御して追従走行制御を行う。そして、先行車両が車線変更、右左折、測道へそれることなどによっていなくなった場合には、自動的にセット車速へのフィードバック制御(定速走行制御)に戻る。 【0019】ここで、本実施形態における定速走行時の処理について、図3,4に基づいて説明する。まず、各種センサからの入力信号を取り込む(S11)。次に、定速走行中かを判定する(S12)。このS12の判定における定速走行は、先行車両への追従走行制御も含む概念である。このS12の判定でYESであれば、前回の判定まで先行車両との車間距離制御(追従制御)を行っていたかを判定する(S13)。この判定でYESであれば、今回先行車両がいなくなったかを判定する(S14)。そして、この判定でYESであれば、加速要求があるかを判定する(S15)。これは、先行車両への追従制御を行っていても、先行車両がほぼセット車速であれば、加速要求は生じないからである。 【0020】このS15の判定においてもYESの場合には、本実施形態によるモータジェネレータ2を利用した加速制御に入る。なお、S12〜S15の判定において、NOであれば、加速制御は不要であり、処理を終了する。 【0021】S15において、YESの場合、加速要求からこれに応じて増加すべき出力トルクの演算を行う(S16)。すなわち、現在車速とセット車速の差に応じて増加すべき出力トルクを演算算出する。そして、演算算出された増加すべき出力トルクに基づき、モータジェネレータ2の出力を制御する(S17)と共に、スロットルを開きエンジン1の出力アップの制御を開始する(S18)。 【0022】ここで、モータジェネレータ2は、出力アップの指令と共に、すぐに出力トルクが上昇する。そこで、本実施形態では、エンジン1が出力トルクアップの指令に基づき、その目標出力トルクまでに至る時間T1を演算算出しておき、その時間T1に限定して、モータジェネレータ2からの出力トルクで、加速のアシストを行う。 【0023】図3に示すように、先行車両がいなくなったことを検出して、次の処理ループに入ったときに、モータジェネレータ2を駆動制御し、かつスロットル開度を大きくするが、モータジェネレータ2の出力トルクは、最終的に目標車速で走行する際に必要なトルクの増加分の50%程度に設定する。そして、モータジェネレータ2は、エンジン1の出力で、目標車速を維持できるようになるT1の時間の半分程度で、最高の出力を出し、T1の時間経過後には出力をゼロに戻す。 【0024】すなわち、S17の加速制御開始からの経過時間Tを加速に必要な時間T1と比較し(S19)、T1に至った場合に、通常の定速走行のスロットル制御に戻り(S20)、モータジェネレータ2の出力を停止する(S21)。これによって、定速走行は、検出車速と、設定車速の比較に基づくフィードバック制御に戻る。 【0025】このように、本実施形態では、先行車両がいなくなった場合に、モータジェネレータ2を所定時間、例えばエンジンの出力トルクが設定車速を維持できるようになるまでの期間だけ利用して加速を行う。そこで、ドライバのフィーリングにあった加速を行うことができる。 【0026】なお、上述の説明では、先行車両の存在により通常の定速走行が行えなくなり、その後この減速要求条件が解除された場合について説明した。しかし、減速要求条件は、これに限らず他の場合でもよい。例えば、ブレーキ操作によっても定速走行状態が解除されない場合には、ブレーキ操作でもよい。すなわち、先行車両が所定の前方に存在しない場合においても、ドライバは自己の判断でブレーキを操作して減速する場合がある。そして、その後ブレーキ操作がなくなった場合に、速やかに定速走行に移る場合には、本実施形態の構成が好ましい。 【0027】「第2実施形態」図6に、第2実施形態における入力クラッチ10を示す。このように、入力クラッチ10は、エンジン1とモータジェネレータ2の間に配置され、両者間の動力の伝達をオンオフする。 【0028】この入力クラッチ10は、図2におけるECU8によって制御されるが、これについて図7に基づいて説明する。 【0029】まず、ECU8は、各種センサから入力信号を取り込む(S31)。次に、定速走行中かを判定する(S32)。このS32の判定における定速走行は、第1実施形態と同様に先行車両への追従走行制御も含む概念である。このS32の判定でYESであれば、前回の判定まで先行車両との車間距離制御(追従制御)を行っていたかを判定する(S33)。 【0030】そして、この判定でYESであれば、入力クラッチ10を常時オンとする(S34)。一方、S32またはS33においてNOの場合には、車両走行条件毎に入力クラッチ10のオンオフを制御する(S35)。 【0031】ここで、S35における入力クラッチ10のオンオフ制御について説明する。S35における追従走行でない場合には、ECU8は、入力クラッチ10をオンオフ制御して、不要な場合においてエンジン1をモータジェネレータ2から切り離す。 【0032】すなわち、図5に示すモータジェネレータ2の動作状態である定速で要求駆動が大きい状態において、モータジェネレータ2を駆動源とする。この場合、入力クラッチ10をオフして、エンジン1を切り離し、駆動が停止される。これによって、エンジン1は完全に停止した状態になり、モータジェネレータ2の出力は、車輪駆動力として有効に利用される。 【0033】さらに、図5における回生制動状態においても、入力クラッチ10をオフする。これによって、減速によって得られるエネルギーはすべてモータジェネレータ2による発電に利用され、これでバッテリを充電することによって、効果的なエネルギーの回収を行うことができる。 【0034】一方、追従制御の場合には、S34において入力クラッチ10は常時オンとなる。そこで、モータジェネレータ2がオンとなり、エンジン1がオフとなる車両駆動状態においても入力クラッチ10がオンとなり、エンジン1はモータジェネレータ2と一体化回転で連れ回る状態になる。従って、前方車両がいなくなって、加速するときには、エンジンに点火することによって、エンジン1はすぐにトルクを発生し、エンジン1の駆動力を利用して迅速な加速を達成することができる。 【0035】さらに、エンジン1が連れ回っているため、前方車両が減速した場合などにおいて、エンジン1を負荷として、減速力を発生することができる。従って、モータジェネレータ2の回生制動による減速力だけでなくエンジン1を利用して減速力を得ることができ、減速応答性を改善することができる。 【0036】以上説明したように、本実施形態によれば、追従制御を行っているときに、入力クラッチ10をオンとして、エンジン1をモータジェネレータ2と一緒に回転させているため、その後のエンジン1の始動を迅速に行えるとともに、減速性能を改善することができる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、エンジン出力のフィードバック制御が再開されたときに、モータによるトルクアシストを行う。モータの出力トルクは早期に立ち上がるため、これによって十分な加速が得られる。また、時間を限定してトルクアシストを行うため、バッテリの消耗などの問題がない。 【0038】また、減速走行制御時において、入力クラッチを接続しておくため、そのときの減速性能および定速走行に戻ったときの加速性能を改善することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月15日(1999.12.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−295714(P2000−295714A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−355301 |
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