トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 モータ駆動制御のバッテリ管理装置
【発明者】 【氏名】森本 一彦

【氏名】小俣 美昭

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料の燃焼によって駆動するエンジンに電気エネルギで駆動して発電機能を有する電動モータを直結して設け、この電動モータに駆動電力を供給するとともに前記電動モータの発電電力により充電される電池を設けたモータ駆動制御のバッテリ管理装置において、前記電池の電池電圧のみを検出して前記電動モータの運転状態を決定する制御手段を設けたことを特徴とするモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項2】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動発電許可状態において、前記電池の電池開放電圧あるいは前記電動モータの駆動時電池電圧を検出し、この検出値によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項3】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動発電許可状態において、前記電池の電池開放電圧を検出する場合に、前記電動モータの運転停止中の電池電圧によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項4】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動発電許可状態において、前記電動モータの駆動時電池電圧を検出する場合に、前記電動モータの駆動運転中の電池電圧によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項5】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動発電許可状態において、前記電動モータの駆動時電池電圧を検出する場合に、前記電動モータの駆動運転開始直後の電池電圧の変化量によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項6】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動発電許可状態において、前記電動モータの駆動時電池電圧を検出する場合に、前記電動モータの駆動運転中の電池電圧と駆動運転直前の電池開放電圧との差によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項7】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動禁止状態において、前記電池の電池開放電圧あるいは前記電動モータの発電時電池電圧を検出し、この検出値によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項8】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動禁止状態において、前記電池の電池開放電圧を検出する場合に、前記電動モータの運転停止中の電池電圧によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項9】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動禁止状態において、前記電動モータの発電時電池電圧を検出する場合に、前記電動モータの発電運転中の電池電圧によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【請求項10】 前記制御手段は、前記電動モータの駆動禁止状態において、前記電動モータの発電時電池電圧を検出する場合に、前記電動モータの発電運転を一時的に中断し、この電動モータの運転停止中の電池電圧によって前記電動モータの運転状態を決定することを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動制御のバッテリ管理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ駆動制御のバッテリ管理装置に係り、特に電動モータに駆動電力を供給するとともに電動モータの発電電力により充電される電池を設けたモータ駆動制御のバッテリ管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、燃料の燃焼によって駆動するエンジンに電気エネルギで駆動して発電機能を有する電動モータを直結して設けた、いわゆるハイブリッド車両がある。この車両は、エンジン及び電動モータの運転状態を制御するエンジン制御手段及びモータ制御手段を設け、車両の運転時にエンジン及び電動モータの運転状態を夫々のエンジン制御手段及びモータ制御手段が検出し、エンジン及び電動モータの運転状態を関連して制御することにより、要求される性能(燃費や排気有害成分値、動力性能等)を高次元で達成している。この場合に、電動モータには、この電動モータに駆動電力を供給するとともに電動モータの発電電力により充電される電池を連絡して設けている。この電池は、電動モータを所要に駆動発電・駆動禁止するために、所要の残存容量が必要である。このため、電池を管理する必要がある。
【0003】このようなハイブリッド車両の電池管理にあっては、電池電圧、電流、電池温度等を検出する各種検出手段を設け、これら各種検出手段からの各種検出値を演算装置で演算して行っていた。この演算装置は、中央演算処理部(CPU)を備え、外部の制御手段に電池状態や充放電要求を出力し、また、電池状態を高精度で算出している。
【0004】このような電池の管理装置としては、例えば、特開平4−368401号公報、特開昭60−245402号公報に開示されている。特開平4−368401号公報に記載のものは、電池の放電状態、充電状態、自己放電状態を各温度によって把握し、その時々の電池の残存容量を算出するものである。特開昭60−245402号公報に記載のものは、電池の残存容量・寿命状態を、エンジンの始動時や走行時でも検出表示するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、このようなハイブリッド車両においては、電流を検出する場合に、電流検出回路が必要になるとともに、電池温度を検出する場合に、電池温度センサが必要になり、また、電池管理専用の演算装置が必要になり、構成の複雑化を招くとともに、高価になるという不都合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、燃料の燃焼によって駆動するエンジンに電気エネルギで駆動して発電機能を有する電動モータを直結して設け、この電動モータに駆動電力を供給するとともに前記電動モータの発電電力により充電される電池を設けたモータ駆動制御のバッテリ管理装置において、前記電池の電池電圧のみを検出して前記電動モータの運転状態を決定する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明は、電池電圧のみで電動モータの運転状態を決定するので、電流や電池温度を検出することがなく、電流検出回路、電池温度センサや電池管理専用の演算装置を不要とし、構成の簡素化を図るとともに、廉価にすることができる。
【0008】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜図17は、この発明の実施例を示すものである。図15、16において、2は車両(図示せず)に搭載されるエンジン、4はクランク軸、6はクラッチ、8は手動変速機、10は差動機である。エンジン2は、燃料の燃焼によって駆動するものである。クラッチ6は、手動変速機8側へのエンジン出力を伝達・遮断するものである。エンジン2のクランク軸8には、一端側のフライホイール12側の端部位に電動モータ14が直結して設けられている。この電動モータ14は、電気エネルギで駆動して発電機能を有するものであり、ロータ16とステータコイル18とからなる。
【0009】この場合に、図17に示す如く、車両にあっては、電動モータ14を、クランク軸8の他端側のクランクスプロット22側の端部位に設けることもできる。
【0010】エンジン2には、発電用のオルタネータ20とエアコン(A/C)用のエアコンコンプレッサ24と始動用のスタータ26とサブラジエータ28と電動水ポンプ30とが設けられている。オルタネータ22とエアコンコンプレッサ24とは、クランクプーリに巻掛けたベルト(図示せず)で駆動される。スタータ26は、ギヤ機構(図示せず)を介してフライホイール12に連結されている。
【0011】エンジン2には、エンジン制御手段32が連絡している。このエンジン制御手段32は、副電池34に連絡している。この副電池34には、オルタネータ22とステータ26とサブラジエータ28と電動水ポンプ30とが連絡している。
【0012】電動モータ14は、モータ制御手段36に連絡している。このモータ制御手段36は、副電池30に連絡しているとともに、主電池38に連絡している。この主電池38は、電動モータ14に駆動電力を供給するとともに電動モータ14の発電電力によって充電されるものである。
【0013】エンジン制御手段32には、図13に示す如く、燃料噴射制御部40と、点火時期制御部42と、ISC(アイドルスピード)制御部44と、フューエルポンプリレー制御部46と、ラジエータファンリレー制御部48と、エアコン制御部50と、セルフシャットオフ機能部52と、副電池逆接保護機能部54と、フェールセイフ機能部56と、セルフダイアグノーシス部58とが設けられている。
【0014】このエンジン制御手段32の入力側には、イグニションスイッチ60と、クランク角センサ62と、スロットルセンサ64と、吸気圧センサ66と、水温センサ68と、ノックセンサ70と、点火時期調整用レジスタ72と、酸素濃度センサ74と、車速センサ76と、電気負荷センサ78と、ブレーキペダル(図示せず)を踏み込むとオンになるブレーキスイッチ80と、エアコンエバポレータサーミスタ82と、エアコンスイッチ84と、ブロアファン86と、テストスイッチ88と、ダイアグノーシススイッチ90とが連絡している。
【0015】このエンジン制御手段32の出力側には、インジェクタ92と、イグニションコイル/イグナイタ94と、ISCバルブ96と、フューエルポンプリレー98と、ラジエータファンリレー100と、タコメータ102と、エアコンコンプレッサクラッチ104と、エアコンコンデンサファンリレー106と、メインリレー108と、チェックエンジンランプ110とが連絡している。
【0016】また、このエンジン制御手段32には、エンジン2がリーンバーン(希薄燃焼)エンジンの場合に、破線で示す如く、電子スロットル制御部112と、規範燃焼制御部114と、EGR制御部116と、キャニスタパージバルブ制御部118とが連絡される。この場合に、エンジン制御手段32の入力側には、スロットルセンサ64に加えて、アクセルセンサ120と、空燃比センサ122とが連絡するとともに、エンジン制御手段32の出力側には、スロットルモータ124と、スロットルパワーリレー126と、エアアシストバルブ128と、スワールコントロールバルブ130と、空燃比センサ122のヒータ及びポンプ132と、ジェネレータ134と、EGRバルブ136と、キャニスタパージバルブ138とが連絡している。
【0017】更に、エンジン制御手段32には、変速機が自動変速機の場合に、破線で示す如く、AT制御部140が連絡している。この場合に、エンジン制御手段32の入力側には、ATシフトスイッチ142が連絡するとともに、エンジン制御手段32の出力側には、シフトソレノイドバルブ144が連絡している。
【0018】エンジン制御手段32は、クランク角センサ62やスロットルセンサ64等から入力する信号によりインジェクタ92やイグニションコイル/イグナイタ94等を駆動し、エンジン2の燃料噴射量や点火時期等の運転状態を制御する。このエンジン制御手段32は、モータ制御手段22から独立し、主電池38の電池電圧が低下して電動モータ14の駆動が困難な場合にも、エンジン2を制御して、オルタネータ22やスタータ26によりエンジン2のみでも走行を可能としている。
【0019】モータ制御手段36には、図1、14、15に示す如く、モータ制御部146と、モータ駆動部148と、入出力処理部(インターフェイス)150と、主電池状態管理部152と、フェイルセイフ部154、中央演算処理部(CPU)156と、メモリ158と、インバータ160とが設けられている。
【0020】モータ制御手段36の入力側には、イグニションスイッチ60と、エンジン負荷検出手段としての吸気圧センサ66と、水温センサ68と、車速センサ76と、ブレーキスイッチ80と、アクセルセンサ120とに加えて、スタータスイッチ162と、クラッチスイッチ164と、エンジン回転数検出手段であるエンジン回転数センサ166と、エンジン2がアイドル運転状態になるとオンになるアイドルスイッチ168と、補助(AUX)センサ170と、主電池電圧検出器172とが連絡している。
【0021】モータ制御手段36の出力側には、電動モータ14が連絡している。この電動モータ14は、入出力処理部(インターフェイス)150とインバータ160とに連絡している。
【0022】このモータ制御手段36は、エンジン制御手段32との間でデータ交換をせずに、エンジン制御手段32によるエンジン2の制御から独立して、電動モータ14の駆動状態及び発電状態をエンジン2の運転状態と車両の運転状態とに基づき独自に判断して制御する。
【0023】モータ制御手段36は、図11に示す如く、車両の運転状態に基づく制御状態として、停車中制御状態と走行中制御状態とを設定し、これら停車中制御状態と走行中制御状態との間を遷移する際に、電動モータ14の駆動及び発電を禁止する駆動・発電禁止制御状態を経由するよう制御する。
【0024】また、モータ制御手段36は、電動モータ14に駆動電力を供給するとともに電動モータ14の発電電力により充電される主電池38の主電池電圧を検出する主電池電圧検出器172から主電池電圧信号を入力し、この主電池電圧により主電池状態を主電池状態管理部152により管理するように制御する。
【0025】更に、モータ制御手段36においては、図12に示す如く、停車中制御状態として、アイドリング用発電制御状態と発進用駆動制御状態と始動用駆動制御状態とアイドル安定化用駆動制御状態とが設定されている。モータ制御手段36は、アイドリング用発電制御状態においては電動モータ14により発電して主電池38を充電するよう制御し、発進用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動して車両の発進をアシストするよう制御し、始動用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動してエンジン2の始動をアシストするよう制御し、アイドル安定化用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動してエンジン2のアイドリングを安定させるように制御する。
【0026】更にまた、モータ制御手段36にあっては、図12に示す如く、走行中制御状態として、駆動発電許可状態と駆動禁止状態と駆動発電禁止状態とが設定されている。モータ制御手段36は、駆動発電許可状態においては電動モータ14の駆動及び発電を許可するよう制御し、駆動禁止状態においては電動モータ14の駆動を禁止して発電を許可するよう制御し、駆動発電禁止状態においては電動モータ14の駆動及び発電を禁止するよう制御する。
【0027】走行中制御状態として設定された駆動発電許可状態と駆動禁止状態との間は、図12に示す如く、モータ制御手段36の主電池状態管理部152によって管理される主電池38の主電池電圧に基づいて遷移される。
【0028】即ち、モータ制御手段36においては、図12に示す如く、電動モータ14の駆動発電運転の際に、主電池38の電池電圧が充電状態(SOC)100%から駆動発電許可状態で電動モータ14の駆動及び発電運転が行われ、電動モータ14の駆動運転によって放電が進んで主電池38の電池電圧が低下してきた時に、主電池38の電池電圧が下限の駆動禁止判定電圧未満になると、駆動禁止制御状態に遷移し、電動モータ14が発電運転のみ行われる。
【0029】また、モータ制御手段36においては、電動モータ14の発電運転の際に、駆動禁止制御状態で発電運転のみ行なわれることで、主電池38の電池電圧は、除々に回復し、駆動発電許可判定電圧を越えると駆動許可状態となり、電動モータ14は駆動発電運転を行なうようになる。この場合に、駆動禁止判定電圧、駆動発電許可判定電圧は、各々に複数設定された判定条件毎に多種の値を有する。また、この判定は、電池電圧によって行うので、充電状態(SOC)を把握してこの充電状態(SOC)により判定しているわけではない。従って、充電状態(SOC)が低下していなくても、駆動禁止になる可能性がある。
【0030】また、このモータ制御手段36においては、主電池38の電池電圧のみを検出して電動モータ14の運転状態を決定する。この場合に、モータ制御手段36は、電動モータ14の駆動発電許可状態において、主電池38の電池開放電圧あるいは電動モータ14の駆動時電池電圧を検出し、この検出値によって電動モータ14の運転状態を決定するものであり、主電池38の電池開放電圧を検出する場合に、電動モータ14の運転停止中の電池電圧によって電動モータ14の運転状態を決定し、また、電動モータ14の駆動時電池電圧を検出する場合には、第1に、電動モータ14の駆動運転中の電池電圧によって電動モータ14の運転状態を決定し(図2、3参照)、第2に、電動モータ14の駆動運転開始直後の電池電圧の変化量によって電動モータ14の運転状態を決定し(図4、5参照)、第3に、電動モータ14の駆動運転中の電池電圧と駆動運転直前の電池開放電圧との差によって電動モータ14の運転状態を決定する(図6、7参照)。
【0031】また、モータ制御手段36は、電動モータ14の駆動禁止状態において、主電池38の電池開放電圧あるいは電動モータ14の発電時電池電圧を検出し、この検出値によって電動モータ14の運転状態を決定するものであり、主電池38の電池開放電圧を検出する場合に、電動モータ14の運転停止中の電池電圧によって電動モータ14の運転状態を決定し、電動モータ14の発電時電池電圧を検出する場合には、第1に、電動モータ14の発電運転中の電池電圧によって電動モータ14の運転状態を決定し(図8、9参照)、第2に、電動モータ14の発電運転を一時的に中断し、この電動モータ14の停止中の電池電圧によって電動モータ14の運転状態を決定する(図10参照)。
【0032】次に、この実施例の作用を、図2〜12に基づいて説明する。
【0033】モータ制御手段36は、電動モータ14の駆動発電許可状態と電動モータ14の駆動禁止状態とで主電池38の電池電圧を検出し、電動モータ14の運転状態を決定する。
【0034】駆動禁止判定(駆動発電許可状態)においては、電池開放電圧による判定と、第1〜3の駆動時電池電圧による判定とがある。
【0035】電池開放電圧による判定にあっては、電動モータ14の運転停止中(駆動発電運転していない時)の電池電圧により判定する。但し、電動モータ14の運転停止直後(駆動発電運転停止直後)は、電池開放電圧が安定するまで(電池電圧の過度変化が終了するまで)、判定を行わない。この場合の判定条件は、主電池開放電圧<駆動禁止開放電圧の状態が任意時間継続したら電動モータ14を駆動禁止状態とする。ここで、駆動禁止開放電圧は、メモリ158に記憶された値である。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0035】第1の駆動時電池電圧による判定にあっては、電動モータ14の駆動運転中の電池電圧により行う。この場合の判定条件は、図2、3に示す如く、駆動時電池電圧<駆動時下限電圧の状態が任意時間継続したら電動モータ14を駆動禁止状態とする。ここで、駆動時下限電圧は、メモリ158に記憶された図2のマップにより検索した値である。このマップは、モータ回転数とモータトルク(トルク指令値)による2次元マップである。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0036】第2の駆動時電池電圧による判定にあっては、電動モータ14の駆動運転開始直後の電池電圧の変化を検出し、この変化量(電圧低下の傾き)により判定する。この場合の判定条件は、電動モータ14の駆動運転開始直後の任意時間経過時点において、図4、5に示す如く、(電池開放電圧−駆動時電池電圧)>電池電圧変化量最大値が成立したら電動モータ14を駆動禁止状態とする。ここで、電池電圧変化量最大値は、メモリ158に記憶された図4のマップにより検索した値である。このマップは、モータ回転数とモータトルク(トルク指令値)による2次元マップである。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0037】第3の駆動時電池電圧による判定にあっては、電動モータ14の駆動運転中の電池電圧と駆動運転直前の電池開放電圧との差により判定する。この場合の判定条件は、電動モータ14の駆動運転中の電池電圧と駆動運転直前の電池開放電圧との差が、図6、7に示す如く、(電池開放電圧−駆動時電池電圧)>電圧降下最大値となり、この状態が任意時間継続したら電動モータ1を4駆動禁止状態とする。ここで、電圧降下最大値は、メモリ158に記憶された図6のマップにより検索した値である。このマップは、モータ回転数とモータトルク(トルク指令値)による2次元マップである。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0038】一方、駆動発電許可判定(駆動禁止状態)においては、電池開放電圧による判定と、第1の発電時電池電圧による判定と、第2の発電運転中断による判定がある。
【0039】電池開放電圧による判定にあっては、電動モータ14の運転停止中(発電運転をしていない時)の電池電圧により判定する。但し、但し、電動モータ14の運転停止直後(駆動発電運転停止直後)は、電池開放電圧が安定するまで(電池電圧の過度変化が終了するまで)、判定を行わない。この場合の判定条件は、電池開放電圧>駆動許可開放電圧の状態が任意時間継続したら電動モータ14を駆動発電許可状態とする。ここで、駆動許可開放電圧は、メモリ158に記憶された値である。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0040】第1の発電時電池電圧による判定にあっては、電動モータ14の発電運転中の電池電圧により行う。この場合の判定条件は、図8、9に示す如く、発電時電池電圧>発電時上限電圧の状態が任意時間継続したら電動モータ14を駆動発電許可状態とする。ここで、発電時上限電圧は、メモリ158に記憶された図8のマップにより検索した値である。このマップは、図8に示す如く、モータ回転数とモータトルク(トルク指令値)による2次元マップである。また、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0041】第2の発電運転中断による判定にあっては、図10に示す如く、電動モータ14の発電運転が任意時間以上継続した場合に、電動モータ14の発電運転を一時的に中断し、上述の電池開放電圧による判定と同じように、電池開放電圧>駆動許可開放電圧で判定を行う。そして、この判定の判定終了後には、電動モータ14の発電運転を再開する。ここで、任意時間は、メモリ158に記憶された値である。
【0042】これにより、エンジン制御手段32とモータ制御手段36とを独立させて、各々の制御手段32・36によってエンジン2と電動モータ14とを別個に制御することができ、制御を簡易化し、コストを低減することができる。また、エンジン制御手段32によるエンジン2の制御からの独立とは、エンジン制御用の入力信号からエンジン制御用の出力を独自に非通信状態において特定して、電動モータ14を制御する。つまり、モータ制御手段32は、図13の出力段に示される出力ではなく、入力段に示されるエンジン2の運転状態に基づいて電動モータ14を制御する。
【0043】また、モータ制御手段36は、停車中制御状態として、アイドリング用発電制御状態と発進用駆動制御状態と始動用駆動制御状態とアイドル安定化用駆動制御状態とを設定し、アイドリング用発電制御状態においては電動モータ14により発電して主電池38を充電するよう制御し、発進用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動して車両の発進をアシストするよう制御し、始動用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動してエンジン2の始動をアシストするよう制御し、アイドル安定化用駆動制御状態においては電動モータ14を駆動してエンジン2のアイドリングを安定させるよう制御する。
【0044】更に、この実施例によれば、主電池38の電池電圧のみを検出して電動モータ14の運転状態を決定するので、主電池38の電流や電池温度を検出することがなく、電流検出回路、電池温度センサや電池管理専用の演算装置を不要とし、構成の簡素化を図るとともに、廉価にすることができる。
【0045】また、この実施例においては、バッテリ管理を主電池38の電池電圧でのみ行い、構成上バッテリ管理精度があまり高くなので、電池使用不可状態になったときに電動モータ系がない状態で車両を走行状態にすることが望ましいので、この場合には、エンジン制御手段32がオルタネータ22やスタータ26を駆動して、エンジン2のみで車両を走行させることができる。
【0046】また、モータ制御手段36は、車両の運転状態に基づく制御状態として、停車中状態と走行中状態とを設定して設け、これら停車中状態と走行中状態との間を遷移する際に、電動モータ14の駆動及び発電を禁止する駆動発電禁止状態を経由するよう制御するので、電動モータ14を車両の停車中と走行中とにおいて夫々に適した簡易な制御をすることができ、また、電動モータ14の駆動及び発電を禁止する駆動発電禁止状態を経由するよう制御し、制御の信頼性を向上することができる。
【0047】更に、モータ制御手段36は、主電池電圧検出器172から入力する主電池電圧信号により主電池38の電池状態を管理するので、システムを簡易化することができる。
【0048】また、モータ制御手段36は、走行中制御状態として、駆動発電許可状態と駆動禁止状態と駆動発電禁止状態とを設定し、主電池38の電池電圧に基づいて、駆動発電許可状態においては電動モータ14の駆動及び発電を許可するよう制御し、駆動禁止状態においては電動モータ14の駆動を禁止して発電を許可するよう制御し、駆動発電禁止状態においては電動モータ14の駆動及び発電を禁止するよう制御し、また、エンジン2に電動モータ14を機械的に直結した構成を有することから、駆動発電禁止状態は必要不可欠な制御状態であり、走行中状態におけるシフトチェンジ時、走行中ニュートラル時、停車直前(減速中)の低車速時には、駆動発電禁止状態への一時的な制御状態の遷移を行ので、電動モータ14の駆動機能と発電機能とを適切に制御し得て、主電池38の過放電や過充電を防止し得て、適切に放電・充電させ得て、主電池38の寿命を延長することができる。
【0049】なお、この発明においては、バッテリ管理を、モータ制御手段で行ったが、エンジン制御手段でも行うことが可能である。
【0050】また、この発明においては、現在の電池電圧の状態を把握し、この電池電圧の状態を利用して、その後の電動モータの駆動発電可能状況や発電必要状況を表示手段によって運転者に告知させることもできる。この場合に、上述の各状況を複数に分けて表示させ、この表示させた各状況を運転者によって選択させ、運転者の意志で電動モータの運転状態を決定させることができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳細な説明から明かなようにこの発明によれば、電池の電池電圧のみを検出して電動モータの運転状態を決定する制御手段を設けたことにより、電池電圧のみで電動モータの運転状態を決定させるので、電池の電流や電池温度を検出することがなく、電流検出回路、電池温度センサや電池管理専用の演算装置を不要とし、構成の簡素化を図るとともに、廉価とし得る。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
【公開番号】 特開2000−287309(P2000−287309A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−92619