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【発明の名称】 発電電動ユニット
【発明者】 【氏名】浜井 九五

【氏名】谷内 理

【要約】 【課題】既存のパワートレーンを利用可能であるとともに既存の生産ラインを利用可能な安価な構成とすることができ、かつ、発電容量の向上および回生能力の向上を図ることができる、新規な発電電動ユニットを提供すること、及び既存の車両におけるスタータ及びオルタネータを廃止すること。

【解決手段】エンジンの出力軸と、ニュートラル状態及び前後進状態を切替可能であるとともに変速比を変更可能な変速装置の入力軸と、の間に介在される発電電動ユニットであって、前記エンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間で駆動力の切断及び伝達を行うクラッチと、前記クラッチよりも前記変速装置の入力軸側に設けられ、前記クラッチとの間でトルクを授受可能に設けられた発電電動機と、を備えていることとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力軸と、ニュートラル状態及び前後進状態を切替可能であるとともに変速比を変更可能な変速装置の入力軸と、の間に介在される発電電動ユニットであって、前記エンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間で駆動力の切断及び伝達を行うクラッチと、前記クラッチよりも前記変速装置の入力軸側に設けられ、前記クラッチとの間でトルクを授受可能に設けられた発電電動機と、を備えていることを特徴とする発電電動ユニット。
【請求項2】 前記発電電動ユニットを覆う外側ハウジングと、この外側ハウジング内にもう一つの内側ハウジングとが設けられ、この内側ハウジング内に前記クラッチが納められるとともに、前記内側ハウジング及び前記外側ハウジングにより区画される空間に前記発電電動機が設けられ、これにより前記発電電動ユニットが2室で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発電電動ユニット。
【請求項3】 前記クラッチとして電磁クラッチが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電電動ユニット。
【請求項4】 前記クラッチとして油圧クラッチが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電電動ユニット。
【請求項5】 前記発電電動ユニットにトルクコンバータが設けられ、前記クラッチが、このトルクコンバータのロックアップ状態を形成可能に設けられたロックアップクラッチであることを特徴とする請求項1ないし4に記載の発電電動ユニット。
【請求項6】 前記発電電動機が、前記外側ハウジングの内側に固定されたステータ、及びこのステータと対向して前記クラッチの回転要素に取り付けられたロータにより構成される前記発電電動機において、前記ロータにフィンを設けたことを特徴とする請求項1ないし5に記載の発電電動ユニット。
【請求項7】 前記エンジンの出力軸と前記クラッチとの間に、出力軸の曲げ振動を吸収する吸収プレートが設けられ、前記クラッチの締結面よりも変速装置側の部材と変速装置の入力軸との間に、捻り振動を吸収するダンパが設けられていることを特徴とする請求項1ないし6に記載の発電電動ユニット。
【請求項8】 前記外側ハウジングにおいて発電電動機のステータの固定面に冷媒が通るジャケットが設けられていることを特徴とする請求項1ないし7に記載の発電電動ユニット。
【請求項9】 前記発電電動ユニットに油圧クラッチの締結力を供給するオイルポンプが内蔵されていることを特徴とする請求項4ないし8に記載の発電電動ユニット。
【請求項10】 前記発電電動ユニットの外部に、前記油圧クラッチの締結力及び前記変速装置の制御圧を供給する電動オイルポンプを備えていることを特徴とする請求項1ないし9に記載の発電電動ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと変速機との間に介在されたクラッチの回転要素との間でトルクを授受可能に構成された発電電動機を有した発電電動ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車において環境および有限資源に対する考慮から燃費の向上が望まれている。この燃費向上を図る技術の1つとして、エンジンの駆動力伝達系に発電電動機を設け、例えば、走行エネルギを電力として取り出す回生を行ったり、電動機の出力トルクによりエンジントルクをアシストするなどする技術が提案されている。
【0003】このような従来技術として、例えば、特開平7−123509号公報記載の技術や、特開平10−225058号公報記載の技術が知られている。前者の従来技術は、エンジンの出力軸とトルクを授受可能に発電電動機が設けられており、バッテリ残量に余裕がある場合には、発電電動機をモータとして機能させてエンジンの駆動力をアシストし、また、制動時には、発電電動機を発電機として機能させてバッテリ容量を超えない範囲で走行エネルギを電力として回生するものである。これにより、従来のパワートレーンを用いながら燃費の向上を図ることができる。
【0004】後者の従来技術は、いわゆるハイブリッドカーと呼ばれる技術であって、これはエンジンとクラッチモータとアシストモータとを備え、これらの駆動を制御することにより、走行エネルギの発生、走行中の発電、制動時の回生を効率よく行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の従来技術にあっては、以下に述べるような解決すべき課題を有していた。すなわち、前者の従来技術にあっては、既存のパワートレーンに対する変更は少ないものの、変速装置として手動変速機が用いられており、減速時に回生を行おうとした場合、エンジンブレーキ分の制動力に回生分の制動力が加わって制動力が大きくなり違和感を感じてしまう。また、変速装置として現在主流となっているトルクコンバータを有した自動変速機を適用した場合、減速時にあっては、変速装置の入力軸に接続されるタービンランナと、エンジンの出力軸に接続されるコンバータカバーとの間で駆動輪側からの入力トルクの伝達が悪く、回生を効率的に行うことができない。また、この前者の従来技術にあっては、オルタネータは常時エンジンの負荷となっており、常にオルタネータ駆動負荷分の燃料が余分に必要となるため、燃費を向上する上で不利である。さらに、近年のハイテク化により車両に搭載される電装部品が急激に増加しているとともに、燃費の向上を図るために従来エンジンのクランク軸にベルト等を介して動力を得ていたエアコンやパワーステアリング等においても、電磁アクチュエータによって作動させる提案がなされており、バッテリの負荷が大きくなる傾向にあり、これに対応するためにバッテリ電圧を12Vから42V程度の高電圧に高めることが予期されている。このためオルタネータの容量を大きくする必要があるが、発電電動機と別途オルタネータの容量を大きくすることは非合理的であり、かつ、大容量のオルタネータを常時エンジンで作動させると、燃費の悪化を招くという問題があった。
【0006】上記のような前者の従来技術の問題に対して、後者の従来技術は、エンジンとクラッチモータとアシストモータの運転を制御することにより、モータ駆動による走行およびエンジンアシスト・回生・発電を効率よく行うことができる。しかしながら、この後者の従来技術は、既存のエンジンと変速装置とを有したパワートレーンとは全く異なる構成であって、既存のパワートレーンを利用したり、既存の生産ラインを利用するすることができないため、非常に高価になってしまうという問題を有している。
【0007】本発明は上述の従来の問題点に着目してなされたもので、第1の目的として、既存のパワートレーンを利用可能であるとともに既存の生産ラインを利用可能な安価な構成とすることができ、かつ、発電容量の向上および回生能力の向上を図ることができる、新規な発電電動ユニットを提供することを目的とする。
【0008】また、第2の目的として、既存の車両におけるスタータ及びオルタネータを廃止し、かつ、発電容量の向上及び回生能力の向上を図ることができる、新規な発電電動ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、エンジンの出力軸と、ニュートラル状態及び前後進状態を切替可能であるとともに変速比を変更可能な変速装置の入力軸と、の間に介在される発電電動ユニットであって、前記エンジンの出力軸と変速装置の入力軸との間で駆動力の切断及び伝達を行うクラッチaと、前記クラッチaよりも前記変速装置の入力軸側に設けられ、前記クラッチaとの間でトルクを授受可能に設けられた発電電動機bと、を備えていることとした。
【0010】したがって、前記クラッチaを締結することで、発電電動機bをスタータとして機能させることができる。
【0011】また、エンジンが駆動している時に、発電電動機bを発電機として機能させればオルタネータとして使用でき、また、電動機として機能させれば、エンジンの駆動力をアシストすることができる。
【0012】また、走行中に回生を行う場合、クラッチaの締結を解除することにより、変速装置の入力軸から入力される駆動輪トルクを全て発電電動機bにより回生することができる。
【0013】請求項2に記載の発明においては、前記発電電動ユニットを覆う外側ハウジングと、この外側ハウジング内にもう一つの内側ハウジングとが設けられ、この内側ハウジング内に前記クラッチが納められるとともに、前記内側ハウジング及び前記外側ハウジングにより区画される空間に前記発電電動機が設けられ、これにより前記発電電動ユニットが2室で構成されていることとした。
【0014】したがって、発電電動機の乾燥室を確保しつつ、内側ハウジング内を乾式クラッチ、湿式クラッチまたはトルクコンバータもしくはこれらの組み合わせのどれを用いてもよく、設計自由度を与えることができる。
【0015】請求項3に記載の発明においては、前記クラッチとして電磁クラッチが設けられていることとした。
【0016】したがって、任意の状態でエンジンと発電電動機、またはエンジンと駆動軸を締結もしくは解除することが可能となる。回生作動時には、クラッチの締結の有無にかかわらず、駆動輪側からトルクコンバータに入力される駆動トルクにより発電電動機のロータが回転されて回生エネルギを得ることができる。そして、この時、クラッチの締結を解除しておけば、エンジン負荷分を回生しても、違和感なく回生することができる。
【0017】請求項4に記載の発明においては、前記クラッチとして油圧クラッチが設けられていることとした。
【0018】請求項5に記載の発明においては、前記発電電動ユニットにトルクコンバータが設けられ、前記クラッチが、このトルクコンバータのロックアップ状態を形成可能に設けられたロックアップクラッチであることとした。
【0019】したがって、エンジンの出力が小さな車両においても、発進トルク等を十分発生することが可能となり、また、回生作動時には、前記ロックアップクラッチの締結の有無にかかわらず、駆動輪側からトルクコンバータに入力される駆動トルクにより発電電動機のロータが回転されて回生エネルギを得ることができる。そして、この時、前記ロックアップクラッチの締結を解除しておけば、エンジン負荷分を回生しても、違和感なく回生することができる。
【0020】請求項6に記載の発明においては、前記発電電動機が、前記外側ハウジングの内側に固定されたステータ、及びこのステータと対向して前記クラッチの回転要素に取り付けられたロータにより構成される前記発電電動機において、前記ロータにフィンを設けたこととした。
【0021】したがって、ロータが回転するのに伴ってハウジング内に空気の流れが生じて発電電動機が冷却され、熱による発電電動機の機能低下を防止できる。
【0022】請求項7に記載の発明においては、前記エンジンの出力軸と前記クラッチとの間に、出力軸の曲げ振動を吸収する吸収プレートが設けられ、前記クラッチの締結面よりも変速装置側の部材と変速装置の入力軸との間に、捻り振動を吸収するダンパが設けられていることとした。
【0023】したがって、前記クラッチを直結状態とした時に、エンジン側と変速装置側とから曲げ振動や捻じれ振動が前記クラッチに入力されても、これらの振動を吸収プレートとダンパにより吸収することができる。よって、前記クラッチの回転要素と前記内側及び外側ハウジングとの間で軸直交方向の相対変位が生じ難くなり、これにより発電電動機においてロータとステータとの間隔を狭くしても両者が干渉し難くなり、発電電動機の入出力効率を向上させることができる。
【0024】請求項8に記載の発明においては、前記外側ハウジングにおいて発電電動機のステータの固定面に冷媒が通るジャケットが設けられていることとした。
【0025】したがって、発電電動機のステータが冷却されて発電電動機の熱による機能低下を防止できる。
【0026】請求項9に記載の発明においては、前記発電電動ユニットに前記油圧クラッチの締結力を供給するオイルポンプが内蔵されていることとした。
【0027】したがって、外部にオイルポンプ設ける必要がなく、構成をコンパクトにすることができる。
【0028】請求項10に記載の発明においては、前記発電電動ユニットの外部に、前記油圧クラッチ及び変速装置に制御圧を供給するための、電動オイルポンプを備えていることとした。
【0029】したがって、エンジン停止時においても常に油圧を発生することが可能となり、油圧クラッチを任意のタイミングで接続することができる。
【0030】
【実施の形態】以下本願発明における各実施の形態をより詳しく説明する。
(実施の形態1)図2は、本発明の実施の形態1の発電電動ユニット102を示す断面図である。この発電電動ユニット102は、エンジン23の出力軸13と変速装置105の入力軸105aとの間に介在されている。
【0031】前記エンジン23はガソリンにより運転され、このエンジン23のクランク軸18から出力される回転力がエンジン出力軸13を介してエンジン23の側面に固定された発電電動ユニット102に出力される。また、変速装置105は、周知の無段変速装置であり、プラネタリギヤから構成された前後進切換部103とベルト・プーリ式の変速機構部104とから構成されている。
【0032】発電電動ユニット102は、外側ハウジング5及び内側ハウジング30により独立した2室に構成され、外側ハウジング5と内側ハウジング30によって区画されたモータ室32には、電動機及び発電機として機能する発電電動機(後述のフローチャートではSTR/ALTと表記する。)102bが設けられており、内側ハウジング30内にはトルクコンバータ102aが設けられ、トルクコンバータ102aには、ロックアップ用の電磁クラッチ102dが設けられている。このトルクコンバータ102aのコンバータケース3は、内部に隔壁3bが構成され、これにより2室構成となっている。この2室はそれぞれ油室であるトルクコンバータ部分と、乾燥室である電磁クラッチ部分とからなる。なお、電磁クラッチ102dは、42V電磁ロックアップクラッチ用端子19からスリップリング19aを介してコイル16bにに対する通電および通電カットにより締結および締結解除作動を行うよう構成されている。
【0033】前記コンバータカバー3はオイルポンプ駆動軸3aに連結されており、コンバータカバー3の回転によってオイルポンプ駆動軸3aに回転力が入力され内蔵オイルポンプ4を駆動し油圧を発生する。この時コンバータカバー3と内側ハウジング30とにより区画される空間は、コンバータカバー3の回転を妨げないために乾燥室としてあり、オイルポンプケース30aとオイルポンプ駆動軸3aの間にはオイルシール7が設けられている。
【0034】内側ハウジング30は、エンジン23に固定支持されており、オイルポンプケース30a及びステータ固定軸30bにより構成されている。ステータ固定軸30bは中空軸構造を取っており、この中空軸内には駆動軸17が貫通支持されている。また、前記ステータ固定軸30bには前記オイルポンプ駆動軸3aが回転可能に支持されると共に、ステータブレード11がワンウェイクラッチ9を介して固定支持されている。このワンウェイクラッチ9はステータブレード11がコンバータカバー3の回転方向と同じ方向には回転しないが、反対方向に油圧によるトルクが発生したときは、ステータブレード11がその方向に回転可能に支持するものである。
【0035】前記ステータ固定軸30bに貫通支持された駆動軸17には、タービンランナ12及びロックアップピストン16が結合されている。また、駆動軸17は前記隔壁3bを貫通しているが、電磁クラッチ102dは乾燥室内に構成されているため、隔壁3bと駆動軸17の間にはオイルシール7aが構成されている。前記ロックアップピストン16は駆動軸17上をスライド可能なセレーション結合されている。また、駆動軸17内には油路22が設けてあり、この油路22がトルクコンバータ102aのトルコン作動圧を供給している。
【0036】また、駆動軸17は出力軸13に設けられた位置決め孔70に相対回転可能に支持されているが、ベアリング等を介した固定ではなく、エンジンのクランクシャフト等の振動が伝達されない構造となっている。
【0037】図3にセレーション結合された結合部の拡大断面図を示す。前記ロックアップピストン16は入力プレート40及び出力プレート41から構成され、この2つのプレート40,41はトーションスプリング15を介して結合されている。また、この2つのプレート40,41は捻り振動を吸収するために相対回動する。相対回動時に入力トルクを捻り角特性にヒステリシスを与えるために、皿ばね38及び摩擦プレート37が設けてある。
【0038】これにより2つのプレート40,41を連結するトーションスプリング15の伸縮方向が規定され、急激なトルク変動を正確に吸収している。出力プレート41は駆動軸17にセレーション結合されており、通常時はスプリング39によりロックアップ解除の状態を保持するよう構成されている。
【0039】駆動軸17は内側ハウジング30のステータ固定軸30bを貫通し、モータ室32へと出力されている。この時、モータ室32はロータ8の回転を妨げないために乾燥室となっている。このモータ室32部分の駆動軸17にはロータ支持部材8aが連結されており、駆動軸17の駆動によりこのロータ支持部材8aに設けられた発電電動機102bのロータ8が回転する。また、このロータ8に対向して発電電動機102bのステータ1が外側ハウジング5に固定されている。前記ロータ支持部材8aにはフィン6が設けられており、ロータ支持部材8aの回転によってロータ8やステータ1の空冷を行うことができる。前記ロータ支持部材8aを構成することにより、ロータ8の径方向長さを確保し、かつ、トルクコンバータ102aの径方向外側にロータ8部分を位置することが可能となるために、ユニット全体の軸方向長さをさほど延長することなくロータ8の軸方向長さを確保することが可能となり、発電電動機102bの電動機および発電機としての能力を高く設定することができる。
【0040】外側ハウジング5外側には、発電電動機102bに電源を供給、または回収するための電源部44が設置されている。ステータ1及びコイル2がこのハウジング5内周面に沿って固定されている。また、外側ハウジング5とステータ1の固定接触面には水冷却もしくは冷媒封入のヒートパイプ冷却を行うためのジャケットが設けられており、電源部44及びステータ1近傍の冷却を同時に行うことができるよう構成されている。駆動軸17は外側ハウジング5を貫通し、変速装置105の入力軸105aと一体に連結されている。
【0041】前後進切換機構部103は、プラネタリギヤにより構成されているものでリングギヤ25とこのリングギヤ25内に設けられたクラッチ29と、ピニオンギヤ26及びこのピニオンギヤ26を固定するためのクラッチ28と、回転軸33に連結されたサンギヤ27から構成されており、駆動軸17から伝達された駆動力はリングギヤ25に伝達される。ここでクラッチ28,29の接続パターンによって後進状態、ニュートラル状態、前進状態を決定し、回転軸33を介して変速機構部104へと駆動力を伝達する。本実施の形態1では変速機構部104として無段変速機を用いており、プライマリープーリ34に伝達された駆動力は、ベルト36を介してセカンダリープーリ35へ伝達され、図外のアイドラギヤ、ファイナルギヤ、デファレンシャルギヤを介して駆動輪へと伝達され、車輪を駆動する。なお、本実施の形態1においては、変速装置に供給される油圧は、内蔵オイルポンプ4によってすべて供給するものではなく、エンジン停止時においても、別途アキュムレータ等が装備されており、これにより変速装置への油圧の供給は妨げられないものである。
【0042】図4には、本発明の実施の形態1におけるコントロールユニットC1を示す。このコントロールユニットC1は、イグニッションスイッチS1に接続され、車速センサS2、ブレーキセンサS3、アクセル開度センサS4、ATポジションセンサS5、電圧計S6、エンジン回転数センサS7、の各センサ信号が入力され、このセンサ信号を元に、各種演算を行い、電磁クラッチ102dの電磁クラッチ部分、発電電動機102b、電磁弁43、エンジンコントロールユニットC2に制御信号を出力する。なお、エンジンコントロールユニットC2は、エンジン23の駆動をコントロールするものであり、本実施の形態では、前記コントロールユニットC1からの信号を元に、後述する可変動弁機構部A1、燃料噴射装置A2、点火装置A3等に制御信号を出力する。
【0043】次に、実施の形態1のコントロールユニットC1による制御の内容についてフローチャートに基づいて説明する。図5には、本発明の実施の形態1における停車状態からのエンジン始動処理400のフローチャートを示す。ステップ401で車速が0km/hであるかどうかを判断し、YESであればステップ402に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ402でイグニッションがONであるかどうかをを判断し、YESであればステップ403に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ403でブレーキがONであるかどうかを判断し、YESであればステップ404に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ404でアクセルがOFFであるかどうかを判断し、YESであればステップ405に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ405でATポジションがPレンジにあるかどうかを確認し、Pレンジであればステップ406に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ406で電磁クラッチ102dを締結する。ステップ407で発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ408でエンジン始動完了を確認する。ステップ409で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。ステップ410で電磁クラッチ102dの締結を解除する。
【0044】すなわち、このエンジン始動制御にあっては、車速が0km/hで、イグニッションがON、ブレーキがON、アクセルはOFF、ATのポジションがパーキング位置にあることを確認し、図15のタイムチャートに示すように、トルクコンバータ102aをロックアップ状態として発電電動機102bを電動機として駆動させる。この駆動によりエンジン23の出力軸13が回転してエンジン23が始動する。エンジン始動完了を確認した後、発電電動機102bを停止し、電磁クラッチ102dの締結を解除する。
【0045】なお、ここで始動後の作動についても説明すると、エンジン23がアイドリング状態となると、エンジン23の出力軸13から出力される駆動力は、発電電動ユニット102に設けられたトルクコンバータ102aのコンバータカバー3にクランク軸曲げ振動を抑制するために設けられたフレキプレート14を介して伝達され、コンバータカバー3を回転駆動する。コンバータカバー3にはオイルポンプ駆動軸3aが連結されているため、オイルポンプ4が油圧を発生する。
【0046】同時に、コンバータカバー3内部に固定されたポンプインペラ10が回転駆動され、コンバータカバー3内のオイルを撹拌する。このオイルはステータブレード11にぶつかり流れる方向が変更される。この変更されたオイルの流れには、エンジントルクとステータブレード11の反力が合計されることによるトルク増大作用があり、この増大されたトルクはタービンランナ12を介して駆動軸17に駆動力として伝達される。
【0047】駆動軸17の回転によりエンジン始動時はスタータとして作用したモータ部分であるロータ8及びロータ支持部材8aは、エンジンからの駆動力により回転駆動されることでジェネレータとして機能することができる。また、駆動軸17の駆動力により前後進切換機構部103のリングギヤ25が駆動される。この時、クラッチ28,29を開放していると変速装置104に駆動力が伝達されることはない。
【0048】図6にはエンジンクリープ処理500のフローチャートを示す。ステップ501でATポジションがDレンジにあるかどうかを判断し、YESであればステップ502に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ502でブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ503に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ503でアクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ504に進み、NOであれば通常のアクセル加速処理を行う。ステップ504で通常のエンジンクリープ動作を行う。このエンジンクリープとは、エンジン23を駆動させてトルクコンバータ102aによるクリープ力により、僅かに駆動力を出力するものである。なお、Dレンジではクラッチ29が締結される。
【0049】前進する場合には、運転者はブレーキを踏み、セレクトレバーをDレンジに入れる。この時、前後進切換機構部103のクラッチ29が接続される。運転者はブレーキを踏んでいるので、駆動軸17は固定され、エンジン出力軸13から伝達された駆動力は、コンバータカバー3内のポンプインペラ10を回転することで、トルクコンバータ102a内にクリープ力として蓄積される。よって、運転者がブレーキを放すと、このクリープ力により僅かに推進される。
【0050】図7には発電電動機102bを用いたモータクリープ処理600のフローチャートを示す。ステップ601で車速が3.5km/h以下であり、かつ、バッテリの充電状態を表す量、例えばバッテリ出力電圧等(以下SOCと表記する。)が設定値よりも大きい値であるかどうかを判断し、YESであればステップ602へ進み、NOであればステップ500へ進み、エンジンクリープ処理を行う。ステップ602でエンジン23を停止する。ステップ603でATポジションがDレンジにあるかどうかを判断し、YESであればステップ604に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ604でブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ605に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ605でアクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ606へ進み、NOであればステップ700へ進み、モータクリープからの加速処理を行う。ステップ606で発電電動機102bによる発電を停止する。ステップ607で発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ608でSOCが設定値より大きいかどうか、すなわちバッテリ電圧が充分に高いか否かを判断し、YESであればこの処理を終了し、NOであればステップ800へ進み、モータクリープからエンジンクリープへの切替処理を行う。
【0051】モータクリープとは、発電電動機102bを駆動させて、僅かに駆動力を出力するもので、すなわち、車速が3.5km/h以下でSOCが設定値以上であれば、エンジン23を停止してモータクリープ処理を行い、この条件を満たさなければエンジンクリープ処理を行う。モータクリープ処理は、SOCが設定値以上であることに加えて、ATポジションがDレンジで、ブレーキがOFF、アクセルがOFFであれば、発電電動機102bによる発電を停止して、電動機として作動させてクリープ作動を行う。なお、このモータクリープ実行途中でSOCが設定値以下になったときにはエンジンクリープへの切替処理を行う。なお、図16(a)には、上述のエンジンのアイドリング停止からモータクリープに移行する際のタイムチャートが示してある。
【0052】図8に、モータクリープからの加速処理700のフローチャートを示す。ステップ701でアクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、急加速であればステップ702へ進み、緩加速であればステップ1200へ進んで後述のエンジン再始動処理を行う。ステップ702で発電電動機102bの電動機としての回転数を上昇させる。ステップ703で電動機としてのドライブ回転数が1400rpm以上であるかどうかを判断し、YESであればステップ704に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ704で電磁クラッチ102dを締結する。ステップ705でエンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ706で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。
【0053】すなわち、このクリープからの加速時には、アクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、エンジン再始動処理を行う。急加速と判定された場合、発電電動機102bのモータとしての駆動回転数を上昇させて、車速を上昇させ、さらに、この回転数が1400rpm以上になると、電磁クラッチ102dを締結させ、これによりエンジンを始動する。エンジン回転数からエンジン始動を確認後、発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。急加速要求時には、エンジン23を始動させずに、まず、発電電動機102bの回転数を上昇させ、応答性の確保を図っている。
【0054】図9には、モータクリープからエンジンクリープへの切替処理800のフローチャートを示す。ステップ801で電磁クラッチ102dを締結する。ステップ802でエンジン始動が完了されたかどうかを確認し、始動完了を確認するまでこのステップを繰り返す。ステップ803で発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。ステップ804で電磁クラッチ102dの締結を解除する。モータクリープ作動時は、電磁クラッチ102dは開放状態として発電電動機102bを電動機として作動させているため、まず、電磁クラッチ102dを締結し、これにより電動機の駆動力をエンジン23に入力してエンジンを始動させ、エンジン始動を確認後、発電電動機102bの電動機として動作を停止し、電磁クラッチ102dを切断する。図19に上記制御フローのタイムチャートを示す。これによりスムーズな切替処理が行われる。
【0055】図10には、定常走行処理900のフローチャートを示す。ステップ901でATポジションがDレンジにあるかどうかを確認する。ステップ902ではブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ903に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ903ではアクセル開度が定常状態であるかどうかを判断し、定常であればステップ904へ進み、加速であればステップ1000へ進んで加速処理を行う。ステップ904ではエンジン回転数が1000〜3000rpm(尚、回転数範囲はエンジンの熱効率の良いところを選択すればよい。)の間にあるかどうかを判断し、YESであればステップ905へ進み、NOであればステップ906に進む。ステップ905では、SOCが設定値内かどうかを判断し、YESであれば、ステップ907へ進み、NOであればステップ906へ進む。ステップ906では、発電電動機102bの発電を停止する◎。
【0056】ステップ907では、発電電動機102bの発電を作動する。ステップ908では、電子制御スロットルによる発電分減速補正を行う。
【0057】すなわち、定常走行時、すなわち、アクセル開度が定常状態であると判定した場合には、エンジン回転数が1000〜3000rpmの範囲で、SOCが設定値内であれば、発電電動機102bをオルタネータとして発電作動させ、この発電作動により損失したトルクを電子制御スロットルにより減速補正することで運転者に違和感を与えることなく発電動作を行う。図17に、定常走行処理のタイムチャートを示す。
【0058】図11には、定常走行からの加速処理時のフローチャートを示す。ステップ1001では、発電電動機102bの発電を停止する。
【0059】定常走行時にアクセル開度から加速要求と判断された場合、直ちに発電電動機102bによる発電動作を停止し、通常のエンジンによる加速動作に移る。これによりエンジン出力等が小さい場合においても、運転者の要求を損なうことなく加速動作を行うことができる。
【0060】図12には、可変動弁機構(以下、VELと表記する)60がエンジン23に備えられている場合の定常走行処理のフローチャートを示す。ここでまず、VEL60の構成を図21により説明する。図において51は吸気弁であって(実際には吸気弁の上端部を示している)、この吸気弁51は図外のスプリングからバルブリフタ50に入力される付勢力により閉弁方向に付勢されている。また、図において52はカムシャフトで、このカムシャフト52が回転すると、カムシャフト52に一体に設けられたカム49が回転する。このカム49が回転すると、これに伴って揺動アーム47の図中左側端部が上下し、揺動アーム47は、図中右側端部がこれとは逆に上下するように制御軸45を中心に振り子運動を繰り返す。そして、これに伴って揺動カム48の上端部が上下する。したがって、揺動カム48が下方に変位した時に、バルブリフタ50が下方に押されて吸気弁51が開弁する。なお、図中53は揺動カム48を反時計回り方向に揺動付勢する捻りスプリングである。
【0061】前記制御軸45は、図中P2で示す点を軸心として回動可能に支持され、この回動を図4に示したVELアクチュエータ(電磁アクチュエータ)A1により行うように構成されている。すなわち、VELアクチュエータA1により制御軸45を回動させて厚肉部が移動すると揺動アーム47による揺動カム48の押し下げ量が変更されることによって、動弁機構の開閉時期とバルブリフト量を変更している。これにより、機関低速低負荷時における燃費の改善や安定した運転性、並びに高速高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気・排気バルブの開閉時期とバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御するものである。本実施の形態1では、いわゆるアトキンソンサイクルとすることにより燃焼効率の向上を図っている。
【0062】さらに、本実施の形態1にあっては、上記のVELアクチュエータA1の駆動に基づいて吸気弁51が全く開弁しない状態、すなわち弁停止状態を形成可能に構成されている。このように弁停止させた場合、エンジン23のシリンダ内の空気が密閉されて気体の流入流出に伴う移動エネルギの損失(尚、これをポンプ損失という。)が無くなる。
【0063】以下に、図12のフローチャートについて説明する。ステップ1101ではATポジションがDレンジにあるかどうかを確認する。ステップ1102ではブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1103に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1103ではアクセル開度が定常状態であるかどうかを判断し、定常であればステップ1104へ進み、加速であればステップ1000へ進んで加速処理を行う。ステップ1104ではエンジン回転数が1000〜3000rpmの間にあるかどうかを判断し、YESであればステップ1104へ進み、NOであればステップ1106へ進む。ステップ1105では、SOCが設定値内かどうかを判断し、YESであればステップ1107へ進み、NOであればステップ1106へ進む。ステップ1106では、発電電動機102bの発電を停止する。ステップ1107では、発電電動機102bの発電を作動する。ステップ1108では、VELによる吸排気弁位相制御によりアトキンソンサイクルにする。
【0064】この定常走行処理にあっては基本的な制御フローは前述の図10における制御と同じであるが、本制御では、電子制御スロットルによる回生分減速補正を行うのではなく、VEL60により、吸排気弁位相をアトキンソンサイクルにすることによって、燃焼効率の向上を図り、その燃焼効率向上分を発電するようにしている点で異なる。
【0065】図13には、エンジン再始動処理1300のフローチャートを示す。ステップ1201では、車速を判断し、0km/hであればステップ1202へ進み、0km/h<車速<3.5km/hであればステップ1203へ進み、3.5km/h<車速<40km/hであればステップ1315へ進んで減速中再加速処理1315を行う。
【0066】ステップ1202では、ブレーキがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1204に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1203では、アクセルがONかどうかを判断し、YESであればステップ1204に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1204では、SOCが設定値以上かどうかを判断し、YESであればステップ1205に進み、NOであればこの処理を終了する。
【0067】ステップ1205では、アクセル開度から緩加速か急加速かどうかを判断し、緩加速であればステップ1206へ進み、急加速であればステップ700へ進んでモータクリープからの加速処理700を行う。ステップ1206では、前後進切換機構部103においてNレンジに切替る信号を出力する。ステップ1207では、電磁クラッチ102dの電磁クラッチ部分を締結する。ステップ1208では、発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1209では、エンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ1210では、発電電動機102bの電動機としての作動を停止させる。ステップ1211では、電磁クラッチ102dの締結を解除する。ステップ1212では、前後進切換機構部103においてDレンジに切替る信号を出力する。
【0068】すなわち、エンジン再始動処理を行う場合、すなわち、走行中にエンジン23を停止してからエンジン23を再始動する場合は、次の3つの状況がある。1つは車速3.5〜40km/hで減速状態の場合で、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これは減速再加速処理のステップ1315に移行する。
【0069】2つめは、車速0〜3.5km/hの場合でATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これはモータクリープ処理を実行している状態である。この時は、アクセルがON、SOC>設定値である時は、アクセル開度から緩加速か急加速かを判定し、急加速であれば図8に示したモータクリープからの加速処理700に移行する。ここで再度SOC>設定値の判断を行うのは、バックグラウンドジョブが行われて、そこに定周期割り込み処理やイベント割り込み処理が繰り返されているためであり、クリープ処理を行っている時にも、他の処理に移行し、再度クリープ処理に戻ってくるという状況も想定されるからである。つまり、各処理はそれぞれ独立して各自状況確認ができるようにすることで、モータクリープで走っていても、モータクリープ処理以外の処理が順々に処理されている状態を考慮したものである。
【0070】緩加速であれば、前後進切換機構部103に対してDレンジからNレンジに切替る信号を出力し、一旦駆動軸17と変速装置104との接続を解除する。次に電磁クラッチ102dを接続し、発電電動機102bをスタータとして作動(電動機として作動)させ、エンジン23を始動し、エンジン回転数からエンジン始動を確認した後、発電電動機102bのスタータとしての機能を停止させ、電磁クラッチ102dの接続を解除し、前後進切換機構部103に対してNレンジからDレンジへ切替る信号を出力し、駆動軸17と変速装置104とを接続し、通常のエンジン走行状態に移行する。図16(b)にこの制御フローのタイムチャートを示す。ここで、エンジン始動時に前後進切換機構部103においてD→N→Dと切替るのは、エンジン始動のためのトルク等の変動が駆動輪に伝達されることにより、運転者に違和感を与えることがないよう配慮したためである。
【0071】図22には、前後進切換機構部103においてD→N→D切替を行うシフトバルブ42部分の構成を示す。このシフトバルブ42は図外のシフトレバーに接続されており、このシフトレバーの操作に基づき、P,R,N,D,2,1の各ポジションに切り換わる。シフトバルブ42が、Dレンジに位置している時には図中Dに示す油路にライン圧が供給され、また、Rレンジに位置している時には図中Rで示す油路に油路が供給されて、この油圧信号を受けて、前後進切換機構部103が前後進を切替るように構成されている。また、Nレンジの際にはどの油路にもライン圧が供給されない。
【0072】また、Dの油路の途中には電磁弁43が設けられ、電磁弁43の非駆動時にはDの油路がライン圧が供給されるが、電磁弁43の駆動時にはこのDの油路が塞がれて前後進切換機構部103に対してはNレンジの信号が出力されている状態となる。そこで、ステップ1206および1212の処理により変速レンジをD→N→Dに変更する場合、D→Nの切り換えは電磁弁43を駆動させ、N→Dの切り換えは電磁弁43の駆動を停止させることで行う。電磁弁43を設けたことにより、応答性の高いD→N→D切替が可能となる。
【0073】3つめは、モータクリープ状態に移行した状態で、ブレーキをONし、車速0km/hになった直後、ブレーキをOFFした状態であり、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態が考えられる。この時は、再度SOC>設定値であることを確認後、前記モータクリープからの再始動処理時と同様の処理が行われる。
【0074】図14には、減速状態から加速状態に切り替わる際の減速再加速処理のフローチャートを示す。ステップ1301では、アクセルがOFFかどうかを判断し、YESであればステップ1302に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1302では、エンジン23への燃料噴射をカットする。ステップ1303では、車速が40km/h以下かどうかを判断し、YESであればステップ1311へ進み、NOであればステップ1304へ進む。ステップ1304では、VEL60による弁停止を行う。ステップ1305では、発電電動機102bによる回生作動を行う。ステップ1306では、SOCが設定値内かどうかを判断しYESであればステップ1307へ進み、NOであればステップ1314へ進む。ステップ1307では、アクセルがONかどうかを判断し、YESであればステップ1308に進み、NOであればこの処理を終了する。ステップ1308では、発電電動機102bによる回生動作を停止する。ステップ1309では、エンジン23の燃料噴射を再開する。ステップ1310では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。
【0075】ステップ1311では、電磁クラッチ102dの接続を解除する。ステップ1312では、発電電動機102bによる回生作動を行う。ステップ1313では、SOCが設定値内かどうかを判断しYESであればステップ1315へ進み、NOであればステップ1314へ進む。ステップ1314では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。
【0076】ステップ1315ではアクセル開度から急加速か緩加速かを判断し、緩加速であればステップ1322へ進み、急加速であればステップ1316へ進む。ステップ1316では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。ステップ1317では、電磁クラッチ102dを接続する。ステップ1318では発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1319では、エンジン回転数からエンジン始動を確認する。ステップ1320では発電電動機102bの電動機としての作動を停止する。ステップ1321では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。
【0077】ステップ1322では、発電電動機102bによる回生作動を停止する。ステップ1323では、前後進切換機構部103においてNレンジに切替る信号を出力する。ステップ1324では、電磁クラッチ102dを接続する。ステップ1325では、発電電動機102bを電動機として作動させる。ステップ1326では、エンジン回転数からエンジン23の始動を確認する。ステップ1327では、発電電動機102bの電動機としての作動を停止させる。ステップ1328では、前後進切換機構部103においてDレンジに切替る信号を出力する。ステップ1329では、通常のエンジン23によるアクセル加速を行う。
【0078】すなわち、減速状態においてアクセルがOFFの時は、燃料噴射をカットし、車速が40km/h以上の状態であれば、VEL60による弁停止、つまり吸気弁51を塞ぐこととし、エンジン23のシリンダ内を密閉状態に保つ。それにより、いわゆるエンジンブレーキ状態となって出力軸13→クランク軸18と動力が伝達され、ピストンが駆動された際、シリンダ内の空気の出入りがなくなるため、気体の移動によるエネルギ損失分がなくなって、エンジンブレーキ分の制動力が低下する。その分を発電電動機102bにより回生することにより、違和感なく回生を行うことができる。SOCが設定値内でなければ、発電電動機102bによる回生動作は停止する。SOCが設定値内で、アクセルがONであるときは、つまり加速状態に移行すると、回生動作を停止し、エンジン燃料噴射を再開し、通常のエンジン駆動時と同様アクセルで加速する。図20に上記制御フローにおけるタイムチャートを示す。
【0079】また、減速状態において、車速が40km/h以下の時は、電磁クラッチ102dの締結を解除して、発電電動機102bにより回生作動を行う。この時、エンジン23と発電電動機102bの連結が失われているため、エンジンブレーキ分の回生が可能である。この減速状態から加速状態に移行する際、アクセル開度から急加速か緩加速かを判定し、急加速と判定した場合、発電電動機102bの回生動作を停止させ、電磁クラッチ102dを接続する。この段階で発電電動機102bを電動機として作動し、エンジン23のスタータとしての機能を果たす。エンジン回転数からエンジン始動を確認後、発電電動機120bの電動機(スタータ)としての機能を停止させ、通常のエンジン駆動時と同様アクセルで加速する。この制御は、基本的に図8で示したモータクリープから加速処理の急加速時と同じものである。なお、本実施の形態1においては、回生時エンジンを停止させるものとし、この場合、変速装置105等に必要な油圧は別途設けられた油圧発生手段により供給されるものとし、エンジン停止を行わない場合(フューエルカットにとどめる場合)においては、前記油圧発生手段は不要である。
【0080】緩加速と判定した場合、発電電動機102bによる回生動作を停止し、前後進切換機構部103においてNレンジに切替、駆動軸17との接続を解除した状態で、電磁クラッチ102dを接続し、発電電動機102bをスタータとして作動し、エンジン始動を確認後、発電電動機102bのスタータとしての作動を停止し、前後進切換機構部103においてDレンジに切替、駆動軸17との接続を行い、通常のエンジンによるアクセル加速を行う。このD→N→D切替は、前述の図13のステップ1205〜ステップ1212の制御フローと基本的に同じである。図18に上記ステップ1322〜ステップ1329の制御フローのタイムチャートを示す。
【0081】以上説明したように、本発明の実施の形態1では、トルクコンバータ102aをロックアップ状態とするクラッチとして電磁クラッチ102dを設け、トルクコンバータ102aの外側ハウジング5内に、発電電動機102bを設けた構成としたため、トルクコンバータ102aを有したこのトルクコンバータ102aよりも変速装置105側に発電電動機102bが設けられている構成にもかかわらず、必要に応じて電磁クラッチ部分を締結させることにより、エンジン23側と発電電動機102bと連結させることができ、発電電動機102bをスタータ・オルタネータ・駆動アシスト・回生手段のいずれの機能も発揮させることができ、しかも、既存のパワートレーンの構成を大幅に変更することが不要であるとともに、生産ラインも大幅な変更が不要で、低コストの手段とすることができる。よって、スタータ・オルタネータ・駆動アシスト・回生の機能を有した発電電動ユニットを安価に提供することができる。さらに、トルクコンバータ102aのハウジングとして既存品をそのまま用いることができるため、パワートレーンとして、既存のトルクコンバータ102aをそのまま用いる仕様と、本発明の発電電動ユニットを用いた仕様と2通りの仕様の設定が可能となり、設計自由度の向上を図ることができる。
【0082】また、トルクコンバータ102aをロックアップ状態とした時に、エンジン側と変速機側とから曲げ振動や捻じれ振動がトルクコンバータ102aに入力されても、これらの振動をフレキプレート14とトーションスプリング15により吸収することができる。よって、トルクコンバータ102aから出力される駆動軸17に連結されたロータ8と外側ハウジング5との間で軸直交方向の相対変位が生じ難くなり、これにより発電電動機102bにおいてロータ8とステータ1との間隔を狭くしても両者が干渉し難くなり、発電電動機102bの入出力効率を向上させることができる。また、ロータ支持部材8aを設けたことにより、発電電動機102bの径方向及び軸方向の長さを確保でき、駆動容量及び回生容量を大きくすることが可能となる。また、ロータ支持部材8aにフィン6を設けたことにより、ステータ1およびロータ8が冷却されて発電電動機102bの熱による機能低下を防止でき、しかも、外側ハウジング5には冷媒を流すジャケットを設けているため、これによってもステータ1を冷却でき、熱による機能低下を防止できる。また、内蔵オイルポンプ4を設けたことにより、外部にオイルポンプを設ける必要がなく、構成をコンパクトにすることができる。また、電磁クラッチ102dによりエンジン23側と発電電動機102bが設けられている駆動軸17とが直結されている場合でも、VEL60による弁停止によりエンジン23のエネルギ損失を抑えた分だけエンジン側の抵抗を落として、この抵抗を落とした分だけ回生することにより、違和感なく回生を行うことができ、回生能力の向上を図ることができる。すなわち、従来、エンジン23と発電電動機102b側とが直結された状態では、回生作動を行うと、通常のエンジンブレーキ相当の制動力に加えて回生分の制動力が発生するため、制動力が増して違和感を感じる。しかしながら、この実施の形態1では、この直結状態において、エンジン23のエネルギ損失を抑えてエンジンブレーキの制動力を低下させ、この低下分を回生するからトータルの制動力はエンジンブレーキ分となって違和感が生じない。
【0083】(実施の形態2)図23は、本願発明の実施の形態2を示す断面図である。この実施の形態2は、トルクコンバータ102a及び内側ハウジング30の構成が実施の形態1と異なるだけで基本的構成は実施の形態1と同じであるので、同じ構成には同じ符号を付けることで説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0084】発電電動ユニット102は、外側ハウジング5及び内側ハウジング30により独立した2室に構成され、外側ハウジング5と内側ハウジング30によって区画されたモータ室32には、電動機及び発電機として機能する発電電動機102bが設けられており、内側ハウジング30内にはトルクコンバータ102aが設けられ、トルクコンバータ102aには、ロックアップ用の油圧クラッチ102cが設けられている。なお、油圧クラッチ102cは、ロックアップピストン16が油圧により締結および締結解除作動を行う。ちなみに、油圧クラッチ102cの油圧による作動は従来のトルクコンバータのロックアップ条件と同じプログラムにより実行されるように構成されている。
【0085】コンバータカバー3と内側ハウジング30とにより区画される空間は、コンバータカバー3の回転を妨げないために乾燥室としてある。
【0086】前記ステータ固定軸30bに貫通支持された駆動軸17には、タービンランナ12及びロックアップピストン16が結合されており、ロックアップピストン16は駆動軸17上をスライド可能なセレーション結合されている。
【0087】また、駆動軸17内には油路22が設けてあり、この油路22が図2に示す油圧室21の油圧を調整可能としている。これにより油圧クラッチ102cがロックアップクラッチとしての締結力を発生する。
【0088】また、電動オイルポンプ80が発電電動ユニット102の外部に設けられており、この電動オイルポンプ80から必要な油圧が発電電動モジュール102及び変速装置105に供給される。
【0089】図24には、本発明の実施の形態1におけるコントロールユニットC1を示す。このコントロールユニットC1は、イグニッションスイッチS1に接続され、車速センサS2、ブレーキセンサS3、アクセル開度センサS4、ATポジションセンサS5、電圧計S6、エンジン回転数センサS7、の各センサ信号が入力され、このセンサ信号を元に、各種演算を行い、発電電動機102b、電磁弁43、エンジンコントロールユニットC2に制御信号を出力する。なお、エンジンコントロールユニットC2は、エンジン23の駆動をコントロールするものであり、本実施の形態では、前記コントロールユニットC1からの信号を元に、後述する可変動弁機構部A1、燃料噴射装置A2、点火装置A3等に制御信号を出力する。実施の形態1では、電磁クラッチへの制御信号が出力されていたが、本実施の形態2には電磁クラッチへの出力信号が無い点で異なる。
【0090】次に、実施の形態1のコントロールユニットC1による制御の内容について説明する。本発明の実施の形態2における制御フローは電動オイルポンプ80を有することから、実施の形態1における電磁クラッチ102dの働きを油圧クラッチ102cにそのまま適用することが可能となり、それにより実施の形態1と同じ制御をすることが可能となる。
【0091】以上説明したように、本発明の実施の形態2では、トルクコンバータ102aをロックアップ状態とするクラッチとして油圧クラッチを設け、トルクコンバータ102aの外側ハウジング5内に、発電電動機102bを設けた構成とし、外部に電動オイルポンプ80を設けたため、このトルクコンバータ102aよりも変速装置105側に発電電動機102bが設けられている構成にもかかわらず、必要に応じて油圧クラッチ部分を締結させることにより、エンジン23側と発電電動機102bと連結させることができ、発電電動機102bをスタータ・オルタネータ・駆動アシスト・回生手段のいずれの機能も発揮させることができ、しかも、既存のパワートレーンの構成を大幅に変更することが不要であるとともに、生産ラインも大幅な変更が不要で、低コストの手段とすることができる。また、実施の形態1においては、変速装置103に油圧を供給する別途手段を必要としたが、本実施の形態2において電動オイルポンプ80を設けたことにより、エンジンの運転、停止に関わらず、油圧を供給することが可能となり、前記別途手段を必要としない。これにより、構成を簡略化することが可能となる。
【0092】(実施の形態3)図25は、本願発明の実施の形態3を示す断面図である。この実施の形態3は、トルクコンバータ102a及び内側ハウジング30の構成が実施の形態1と異なるだけで基本的構成は実施の形態1と同じであるので、同じ構成には同じ符号を付けることで説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0093】内側ハウジング30内には油圧クラッチ102cのみが設けられている。なお、油圧クラッチ102cは、ロックアップピストン16が油圧により締結および締結解除作動を行う。
【0094】この油圧クラッチ102cのクラッチケース3cはオイルポンプ駆動軸3aに連結されており、クラッチケース3cの回転によってオイルポンプ駆動軸3aに回転力が入力され内蔵オイルポンプ4を駆動し油圧を発生する。この時クラッチケース3cと内側ハウジング30とにより区画される空間は、クラッチケース3cの回転を妨げないために乾燥室としてあり、オイルポンプケース30aとオイルポンプ駆動軸3aの間にはオイルシール7が設けられている。
【0095】内側ハウジング30は、エンジン23に固定支持されており、オイルポンプケース30a及びステータ固定軸30bにより構成されている。ステータ固定軸30bは中空軸構造を取っており、この中空軸内には駆動軸17が貫通支持されている。また、前記ステータ固定軸30bには前記オイルポンプ駆動軸3aが回転可能に支持されるものである。
【0096】前記ステータ固定軸30bに貫通支持された駆動軸17には、ロックアップピストン16が結合されており、ロックアップピストン16は駆動軸17上をスライド可能なセレーション結合されている。また、駆動軸17内には油路22が設けてあり、この油路22が図2に示す油圧室21の油圧を調整可能としている。これにより油圧クラッチ102cが締結力を発生する。
【0097】本発明の実施の形態3のコントロールユニットは、実施の形態2と同じであるため図24を参照されたい。
【0098】次に、実施の形態3における制御フローを説明する。この制御フローも、実施の形態1との相違点のみ説明する。
【0099】エンジン始動時、図外のスタータによりエンジンが始動される。エンジン始動後の作動について説明すると、エンジン23がアイドリング状態となると、エンジン23の出力軸13から出力される駆動力は、発電電動ユニット102に設けられた油圧クラッチ102cのクラッチケース3cにクランク軸曲げ振動を抑制するために設けられたフレキプレート14を介して伝達され、クラッチケース3cを回転駆動する。クラッチケース3にはオイルポンプ駆動軸3aが連結されているため、内蔵オイルポンプ4が油圧を発生する。油圧室21の油圧を駆動軸17内に設けられた油路22により制御することで油圧クラッチ102cを締結し、駆動軸17に駆動力が伝達される。
【0100】駆動軸17の回転によりモータ部分であるロータ8及びロータ支持部材8aは、エンジンからの駆動力により回転駆動されることでジェネレータとして機能することができる。また、駆動軸17の駆動力により前後進切換機構部103のリングギヤ25が駆動される。この時、クラッチ28,29を開放していると変速装置104に駆動力が伝達されることはない。
【0101】前進する場合には、運転者はブレーキを踏み、セレクトレバーをDレンジに入れる。この時、前後進切換機構部103のクラッチ29が接続される。運転者はブレーキを踏んでいるので、駆動軸17は固定され、エンジン出力軸13から伝達された駆動力は、クラッチケース3cを回転し、この段階で油圧クラッチ102cは解除された状態である。好ましくは、ブレーキOFFで油圧クラッチ102cを半クラッチ状態とすることでクリープ状態を形成する。よって、運転者がブレーキを放すと、このクリープ力により僅かに推進される。
【0102】次に、モータクリープ作動からエンジンクリープ作動への切替処理について説明すると、モータクリープ作動時は、油圧クラッチ102cは開放状態として発電電動機102bを電動機として作動させているため、まず、図外のスタータによりエンジンを始動させ、エンジン始動を確認後、油圧クラッチ102cを締結し、発電電動機102bの電動機としての動作を停止する。これによりスムーズな切替処理が行われる。
【0103】次に、エンジン再始動作動について説明すると、エンジン再始動作動を行う場合、すなわち、走行中にエンジン23を停止してからエンジン23を再始動する場合は、次の3つの状況がある。1つは車速3.5〜40km/hで減速状態の場合で、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これは減速再加速作動に移行する。
【0104】2つめは、車速0〜3.5km/hの場合でATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態であり、これはモータクリープ作動を実行している状態である。この制御も基本的には実施の形態1と同じである。
【0105】緩加速であれば、前後進切換機構部103に対してDレンジからNレンジに切替る信号を出力し、一旦駆動軸17と変速装置104との接続を解除する。次に油圧クラッチ102cを接続し、発電電動機102bをスタータとして作動(電動機として作動)させ、エンジン23を始動し、エンジン回転数からエンジン始動を確認した後、発電電動機102bのスタータとしての機能を停止させ、前後進切換機構部103に対してNレンジからDレンジへ切替る信号を出力し、駆動軸17と変速装置104とを接続し、通常のエンジン走行状態に移行する。ここで、実施の形態1においては、油圧クラッチ102cの締結を解除していたが、本実施の形態3においては、エンジン駆動力は油圧クラッチ102cのみを介して伝達されるため、油圧クラッチ102cを解除することはない。
【0106】3つめは、モータクリープ状態に移行した状態で、ブレーキをONし、車速0km/hになった直後、ブレーキをOFFした状態であり、ATポジションがDレンジで、エンジン23が停止している状態が考えられる。この時は、再度SOC>設定値であることを確認後、前記モータクリープからの再始動処理時と同様の処理が行われる。
【0107】以上説明したように、本発明の実施の形態3では、油圧クラッチ102cのみを設け、外側ハウジング5内に、発電電動機102bを設けた構成としたため、基本的な動作能力を確保しながらも、実施の形態1において用いられたトルクコンバータ102aを廃止したことにより、低コストで、伝達効率を向上させることができる。また、トルクコンバータ102aがないため、非常にコンパクトな構成をとることが可能となり、適用可能な車種の範囲を広げることができる。
【0108】
【発明の効果】以上説明してきたように、本願全請求項に記載の発明によれば、エンジンと変速装置の間にクラッチを設け、このクラッチと前記変速装置の間に発電電動機を設けた構成としたために、発電電動機をスタータ・オルタネータ・駆動アシスト・回生手段のいずれの機能も発揮させることができ、しかも、既存のパワートレーンの構成を大幅に変更することが不要であるとともに、生産ラインも大幅な変更が不要で、低コストの手段とすることができる。よって、スタータ・オルタネータ・駆動アシスト・回生・の機能を有した発電電動ユニットを安価に提供することができるという効果が得られる。さらに、トルクコンバータのハウジングとして既存品をそのまま用いることができる場合、パワートレーンとして、既存のトルクコンバータをそのまま用いる仕様と、本発明の発電電動ユニットを用いた仕様と2通りの仕様の設定が可能となり、設計自由度の向上を図ることができる。
【0109】請求項2に記載の発明によれば、発電電動機の乾燥室を確保しつつ、内側ハウジング内を乾式クラッチ、湿式クラッチまたはトルクコンバータもしくはこれらの組み合わせのどれを用いてもよく、設計自由度を与えることができる。
【0110】請求項3に記載の発明によれば、回生作動時には、油圧クラッチの締結の有無にかかわらず、駆動輪側から入力される駆動トルクにより発電電動機のロータが回転されて回生エネルギを得ることができる。そして、この時、油圧クラッチの締結を解除しておけば、エンジン負荷分を回生しても、違和感なく回生することができる。また、油圧クラッチのみより、非常にコンパクトな構成をとることが可能となり、適用可能な車種の範囲を広げることができる。
【0111】請求項4に記載の発明によれば、エンジンの出力が小さな車両においても、発進トルク等を十分発生することが可能となり、また、回生作動時には、前記ロックアップクラッチの締結の有無にかかわらず、駆動輪側からトルクコンバータに入力される駆動トルクにより発電電動機のロータが回転されて回生エネルギを得ることができる。そして、この時、前記ロックアップクラッチの締結を解除しておけば、エンジン負荷分を回生しても、違和感なく回生することができる。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、発電電動機をスタータとして用いる場合は、電磁クラッチを締結させてトルクコンバータをロックアップ状態とすることで、発電電動機の駆動トルクがトルクコンバータからエンジンの駆動軸に伝達される。これによりエンジンスタータを廃止することができる。
【0113】請求項7に記載の発明によれば、ロータが回転するのに伴ってハウジング内に空気の流れが生じて発電電動機が冷却され、熱による発電電動機の機能低下を防止できる。
【0114】請求項8に記載の発明によれば、前記クラッチを直結状態とした時に、エンジン側と変速装置側とから曲げ振動や捻じれ振動が前記クラッチに入力されても、これらの振動を吸収プレートとダンパにより吸収することができる。よって、前記クラッチの回転要素と前記内側及び外側ハウジングとの間で軸直交方向の相対変位が生じ難くなり、これにより発電電動機においてロータとステータとの間隔を狭くしても両者が干渉し難くなり、発電電動機の入出力効率を向上させることができる。
【0115】請求項9に記載の発明によれば、発電電動機のステータが冷却されて発電電動機の熱による機能低下を防止できる。
【0116】請求項10に記載の発明によれば、外部にオイルポンプ設ける必要がなく、構成をコンパクトにすることができる。
【0117】請求項11に記載の発明によれば、エンジンの状態に関わらず、常に油圧を供給することが可能となり、これにより、油圧クラッチに電磁クラッチと同じ働きをさせることが可能になり、しかも、変速装置等に常に必要な油圧を供給することが可能なため、他の油圧発生手段を設ける必要がないため、構成を簡略化することができる。
【出願人】 【識別番号】000167406
【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
【公開番号】 特開2000−287305(P2000−287305A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−90958