| 【発明の名称】 |
電気自動車の電源システム |
| 【発明者】 |
【氏名】渡邉 慶人
【氏名】山田 淳
【氏名】岡村 廸夫
【氏名】山岸 政章
【氏名】木下 繁則
|
| 【要約】 |
【課題】電気自動車の電源システムにおいて、小型軽量化と高効率化をはかる。
【解決手段】走行用モータ6に電力を供給する主蓄電装置4と、主蓄電装置4に電気二重層キャパシタセル1によって構成される3つの電池ブロック10,11,12と、主蓄電装置4の電圧Vcが規定値V1以上となるように電気二重層キャパシタセル100,110,120の充放電による電圧変化に対応して直列に接続される電池ブロック10,11,12の数を切換えるブロック接続切換回路13とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行用モータに電力を供給する主蓄電装置を備え、前記主蓄電装置を複数の電気二重層キャパシタセルによって構成する電気自動車の電源システムにおいて、前記主蓄電装置に前記電気二重層キャパシタセルによって構成される複数の電池ブロックと、前記主蓄電装置の電圧が規定値以上となるように前記電気二重層キャパシタセルの充放電による電圧変化に対応して直列に接続される前記電池ブロックの数を切換えるブロック接続切換回路とを備えたことを特徴とする電気自動車の電源システム。 【請求項2】前記主蓄電装置の電圧が規定値以下となるように前記各電池ブロックに蓄えられる電力を漸次変えることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の電源システム。 【請求項3】前記ブロック接続切換回路を双方向通流型半導体スイッチで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電気自動車の電源システム。 【請求項4】前記双方向通流型半導体スイッチを互いに逆並列接続される対のサイリスタで構成したことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車の電源システム。 【請求項5】前記双方向通流型半導体スイッチを互いに逆並列接続される対の逆阻止型GTOサイリスタで構成したことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車の電源システム。 【請求項6】前記双方向通流型半導体スイッチを互いに逆極性に直列接続される対のトランジスタと、前記各トランジスタに対して逆並列に接続されるダイオードで構成したことを特徴とする請求項3に記載の電気自動車の電源システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層キャパシタセルを主蓄電装置に用いた電気自動車の電源システムの改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電気自動車等に搭載される主蓄電装置は、車両の加速時および定速走行時に放電、制動時に充電を繰り返し、その作動回数は数万回にも達するが、主蓄電装置として化学電池は充放電サイクル寿命が短く、かつ高出力作動時の効率が悪いため、近年、主蓄電装置として電気二重層キャパシタセルが着目されている。 【0003】図12はシリーズ式ハイブリッド車に搭載される主蓄電装置に電気二重層キャパシタセルを適用した電気システムの公知の基本構成例を示す。エンジン1は発電機2を駆動し、発電機2で発電される電力が整流器3を介して主蓄電装置4に供給されるとともに、インバータ5を介して走行用モータ6に供給される。図示しない車輪は走行用モータ6によって駆動される。図において、8は化学電池で構成される補助蓄電装置、7は補助蓄電装置8を充電するDC−DCコンバータ、9は補機である。 【0004】主蓄電装置4は、多数の電気二重層キャパシタセル41,42,43,…が直列に接続され、従来の化学二次電池を電気二重層キャパシタセルに置き換えたシステムとなっている。 【0005】加速時または定速走行時に、発電機2で発生した電力の一部または全部が主蓄電装置4に充電され、発電機2で発生した電力と主蓄電装置4の電力がインバータ5を介して走行用モータ6に供給される。制動時に、走行用モータ6に発生した制動電力がインバータ5を介して主蓄電装置4に回生される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、電気二重層キャパシタセル41,42,43,…の蓄電エネルギはキャパシタセル41,42,43,…の電圧の2乗に比例する。言い換えれば、直流電源として使用した場合、放電エネルギの増大に応じてキャパシタセル41,42,43,…の電圧は低下して行く。エネルギの75%を放電すると、電圧は1/2に低下する。 【0007】主蓄電装置4とインバータ5の間にチョッパ回路44を挿入して、インバータ5の入力電圧を一定にする方法がとられているが、チョッパ回路44は電流平滑用リアクトルが必須であり、このリアクトル電流は主蓄電装置4の電圧に反比例するので、主蓄電装置4の電圧が半減するとリアクトル電流は2倍にもなる。このため、主蓄電装置4の電圧の変動が大きいと、チョッパ回路44が大型化し、効率が低下するという問題点があった。 【0008】また、特開平8−168182号公報として電気二重層キャパシタセルを用いた電源装置が提案されている。 【0009】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、電気自動車の電源システムの小型軽量化と高効率化をはかることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、走行用モータに電力を供給する主蓄電装置を備え、主蓄電装置を複数の電気二重層キャパシタセルによって構成する電気自動車の電源システムに適用する。 【0011】そして、主蓄電装置に電気二重層キャパシタセルによって構成される複数の電池ブロックと、主蓄電装置の電圧が規定値以上となるように電気二重層キャパシタセルの充放電による電圧変化に対応して直列に接続される電池ブロックの数を切換えるブロック接続切換回路とを備えるものとした。 【0012】第2の発明は、第1の発明において、主蓄電装置の電圧が規定値以下となるように各電池ブロックに蓄えられる電力を漸次変えるものとした。 【0013】第3の発明は、第1または第2の発明において、ブロック接続切換回路を双方向通流型半導体スイッチで構成するものとした。 【0014】第4の発明は、第3の発明において、双方向通流型半導体スイッチを互いに逆並列接続される対のサイリスタで構成するものとした。 【0015】第5の発明は、第3の発明において、双方向通流型半導体スイッチを互いに逆並列接続される対の逆阻止型GTOサイリスタで構成するものとした。 【0016】第6の発明は、第3の発明において、双方向通流型半導体スイッチを互いに逆極性に直列接続される対のトランジスタと、各トランジスタに対して逆並列に接続されるダイオードで構成するものとした。 【0017】 【発明の作用および効果】第1の発明において、各キャパシタ電池ブロックの蓄電エネルギはキャパシタセルの電圧の2乗に比例するため、充放電による蓄積エネルギの変化でキャパシタブロックの電圧が大きく変動するが、ブロック接続切換回路が各キャパシタ電池ブロックの充放電に応じてこれらを必要数だけ直列に接続することにより、主蓄電装置の電圧の変動が抑えられる。このため、主蓄電装置の電圧を略一定にするチョッパ回路の小形軽量化、高効率化がはかれ、長寿命な電気自動車の電源システムを実現できる。 【0018】第2の発明において、各電池ブロックに蓄えられる電力を漸次変えて、主蓄電装置の電圧が規定値以下となるように設定することにより、電池ブロック接続時に主蓄電装置の電圧が過大になることが抑えられる。このため、主蓄電装置の電圧を略一定にするチョッパ回路の小形軽量化、高効率化がはかれ、長寿命な電気自動車の電源システムを実現できる。 【0019】第3の発明において、双方向通流型半導体スイッチは主蓄電装置の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。 【0020】第4の発明において、電流の向きと無関係に逆並列に接続されたサイリスタの両方にオンオフ信号を与えることにより、主蓄電装置の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。 【0021】第5の発明において、電流の向きと無関係に逆並列に接続された逆阻止型GTOサイリスタの両方にオンオフ信号を与えることにより、主蓄電装置の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。 【0022】第6の発明において、電流の向きと無関係に逆極性に直列接続されたトランジスタの両方にオンオフ信号を与えることにより、主蓄電装置の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明をシリーズ式ハイブリッド車に搭載される主蓄電装置に適用した電気システムの実施の形態を添付図面に基づいて説明する。 【0024】図1に示すように、エンジン1は発電機2を駆動し、発電機2で発電される電力が整流器3を介して主蓄電装置4に供給されるとともに、インバータ5を介して走行用モータ6に供給される。主蓄電装置4とインバータ5の間に昇降圧チョッパ回路44が介装され、インバータ5の入力電圧を一定にするようになっている。図示しない車輪は走行用モータ6によって駆動される。図において、8は化学電池で構成される補助蓄電装置、7は補助蓄電装置8を充電するDC−DCコンバータ、9は補機である。 【0025】主蓄電装置4は、3つのキャパシタ電池ブロック10,11,12と、ブロック接続切換回路13とで構成される。なお、キャパシタ電池ブロック数は2つ以上あればよい。 【0026】各キャパシタ電池ブロック10,11,12は、それぞれ複数の電気二重層キャパシタセル100,110,120を直並列接続している。キャパシタ電池ブロック10,11,12の電圧極性は同一極性とする。 【0027】図2に示すように、ブロック接続切換回路13はスイッチ130,131,132を備え、これらがオンオフされることで各キャパシタ電池ブロック10,11,12を必要数だけ直列に接続する。各スイッチ130,131,132は双方向通流型の半導体スイッチで構成される。図2において各電池ブロック10,11,12のキャパシタセルの表示は省略してある。 【0028】図3に示すように、ブロック接続切換回路13のスイッチ130はサイリスタ130a,130bを逆並列に接続して構成される。動作モードによってスイッチ130がオンオフされるとき、電流の向きと無関係に逆並列に接続されたサイリスタ130a,130bの両方にオンまたはオフ信号を与えることにより、主蓄電装置4の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。スイッチ131,132も同様な構成であるので説明は省略する。 【0029】ブロック接続切換回路13は、主蓄電装置4の電圧が規定値V1以上となるように電気二重層キャパシタセル100,110,120の充放電による電圧変化に対応して電池ブロック10,11,12の接続を切換えるようになっている。図4は図2の回路構成について、主蓄電装置4の電圧Vcの挙動を放電動作の場合について示したものである。図5は図3の動作モードに対応した図2の等価回路を示す。 【0030】モードIではスイッチ130をオン、スイッチ131,132をオフする。主蓄電装置4の電圧は電池ブロック10の電圧となり、図5に示す(a)の回路となる、キャパシタセルの電流は電池ブロック10からのみの放電となり、電池ブロック10の電圧V0が図4のモードIに示すように低下して行く。主蓄電装置4の電圧Vcが規定値V1になったら、スイッチ131をオンして、スイッチ130をオフする。これにより、主蓄電装置4はキャパシタ電池ブロック10,11の直列接続となり、図5の(b)の回路となる。主蓄電装置4の電圧Vcはキャパシタ電池ブロック10,11の和の電圧V2となる。この回路での動作が図4のモードIIである。V2はV0と略等しい値になる様、キャパシタ電池ブロック11の電圧は選定される。 【0031】モードIIで放電が更に進むと、キャパシタ電池ブロック10,11が放電して電圧VcがV1まで低下すると、スイッチ132をオンして、スイッチ130,131をオフする。これにより、主蓄電装置4はキャパシタ電池ブロック10,11,12の直列接続となり、図5の(c)の回路となる。キャパシタ電池ブロック10,11,12の和の電圧が出力電圧V3になる。キャパシタ電池ブロック12の電圧V3がV0と略等しくなるように選定される。この回路での動作が図4の動作モードIIIである。 【0032】モードIIIで、放電が進むと電圧V3が低下して規定電圧値V1に達したら、各キャパシタ電池ブロック10,11,12の放電動作は終了となる。 【0033】上記電圧V1,V2,V3の最大値が略等しくなるように、各電池ブロック10,11,12に蓄えられる電力を漸次小さく設定している。これにより、電池ブロック10に対して電池ブロック11,12が接続されるときの電圧を規定値以下に抑えられる。 【0034】主蓄電装置4が充電される場合は、前述した主蓄電装置4が放電される場合の動作の逆となるので、詳述は省略する。 【0035】図6はチョッパ回路44の回路構成を示し、図において、441,442は半導体スイッチで、同図ではトランジスタの場合で示してある。443,444はダイオードで図示のように半導体スイッチ441,442に逆並列に接続される。445は電流平滑リアクトル、446,447はフィルタコンデンサである。 【0036】加速および定速走行時に、主蓄電装置4の電圧Vcはインバータ5の入力電圧より下がるのと、チョッパ回路44は、図7に示すように、昇圧チョッパとして作動させる。この場合、半導体スイッチ441をスイッチングし、半導体スイッチ442はオフする。 【0037】回生制動時に、チョッパ回路44は図8に示すように降圧チョッパとして作動させる。この場合、半導体スイッチ442をスイッチングし、半導体スイッチ441をオフする。 【0038】図9は図6のチョッパ回路44の動作を説明する図である。モードIは加速、定遠走行時、モードIIは蛇行時、モードIIIは制動時の動作を示す。加速、定速走行時は主蓄電装置4は放電して、電池電圧Vcは減少するが、チョッパ回路44の昇圧動作により、インバータ5の入力電圧Viは一定に保たれる。チョッパ回路44の電流Ic(図6のリアクトルの電流)は主蓄電装置4の電圧低下に応じて増大する。モードIIIの回生制動では、チョッパ回路44の降圧チョッパ動作により、チョッパ回路44の入力電圧を一定に保ちながら、回生電力を主蓄電装置4に充電する。チョッパ回路44の電流Icは主蓄電装置4の電圧Vcの上昇に応じて減少する。 【0039】各キャパシタ電池ブロック10,11,12の蓄電エネルギはそれぞれの電圧の2乗に比例するため、充放電による蓄積エネルギの変化でそれぞれの電圧が大きく変動するが、ブロック接続切換回路13が各キャパシタ電池ブロック10,11,12の充放電に応じてこれらを必要数だけ直列に接続することにより、主蓄電装置4の電圧Vcの変動が抑えられる。チョッパ回路44は電流平滑用リアクトル445を備え、このリアクトル電流は主蓄電装置4の電圧Vcに反比例するので、主蓄電装置4の電圧Vcの変動が抑えられることにより、チョッパ回路44の小形軽量化、高効率化がはかれ、長寿命な電気自動車の電源システムを実現できる。 【0040】ブロック接続切換回路13の半導体スイッチ130は、回路切換え時のみのスイッチング動作で、定常時にスイッチングを行わず、かつ通流する半導体スイッチは1素子で済むので、高効率な電源システムが実現できる。 【0041】図10はキャパシタ電池切換回路13のスイッチ130の第二の実施形態を示すもので、スイッチ130は逆阻止型GTOサイリスタ130c,130dを逆並列に接続して構成される。動作モードによってスイッチ130がオンオフされるとき、電流の向きと無関係に逆並列に接続された逆阻止型GTOサイリスタ130c,130dの両方にオンまたはオフ信号を与えることにより、主蓄電装置4の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。スイッチ131,132も同様な構成であるので説明は省略する。 【0042】図11はキャパシタ電池切換回路13のスイッチ130の第三の実施の形態を示すもので、スイッチ130はトランジスタ130e,130fを逆極性に直列接続し、同様にダイオード130g,130hをトランジスタ130e,130fに対して逆並列に接続して構成される。動作モードによってスイッチ130がオンオフされるとき、電流の向きと無関係に逆極性に直列接続されたトランジスタ130e,130fの両方にオンまたはオフ信号を与えることにより、主蓄電装置4の放電又は充電の電流の向きに対応して自動的に通流する。スイッチ131,132も同様な構成であるので説明は省略する。 【0043】以上、シリーズ式ハイブリッド電気自動車の場合で説明したが、本発明はパラレル式ハイブリッド電気自動車や発電機を搭載しない電気自動車、燃料電池を電源とする電気自動車をはじめとする他の電気自動車の電源システムに適用可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003908 【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社 【識別番号】393013560 【氏名又は名称】株式会社岡村研究所 【識別番号】594086288 【氏名又は名称】株式会社パワーシステム 【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年3月19日(1999.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−278806(P2000−278806A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月6日(2000.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−75987 |
|