| 【発明の名称】 |
リニアモータカー用リアクションプレート |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 久嗣
【氏名】小林 昇
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| 【要約】 |
【課題】二次導体の上面に、動作影響が出ない表面保護層を設けることによって、保線時などにおいて上面を歩行することを可能とする。
【解決手段】リアクションプレート1は、二次鉄心2と、それの上側に一体的に結合された二次導体3とを備える。二次導体3の上面に、その全体に亘って一様厚さの表面保護層4を設ける。表面保護層4には、動作性能に影響が出ないように、非磁性体からなり耐摩耗性を有する材料、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二次鉄心と、該二次鉄心の上側に設けられる二次導体と、それらを支持する架台とを備えるリニアモータカー用リアクションプレートにおいて、前記二次導体の上面側に、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層が形成されていることを特徴とするリニアモータカー用リアクションプレート。 【請求項2】 前記表面保護層は、オーステナイト系のステンレス鋼にて形成される請求項1記載のリニアモータカー用リアクションプレート。 【請求項3】 前記表面保護層は、厚さ0.3mm程度である請求項2記載のリニアモータカー用リアクションプレート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、輸送装置や交通機関に用いるリニアモータカー用リアクションプレートに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車体にリニアモータを取り付け、地上側にはリニアモータに対向してリアクションプレートを敷設し、そのリニアモータとリアクションプレートとの間に推力を直接発生させる駆動方式は知られている(例えば特開昭63−224661号公報参照)。 【0003】そのような駆動方式に用いられるリアクションプレート101は、図2に示すように、基本的な構成要素として、台車側の一次鉄心及び一次導体に対応する二次鉄心102及び二次導体103並びにそれらを支持する架台104とを備える。うず電流が流れる二次導体103が、リニアモータの磁路を構成する二次鉄心102の上側に一体的に結合され、それから、不等辺山形鋼から構成される架台104の長辺部104aの頂点で、二次鉄心102と溶接により結合されている。また、架台104の短辺部104bの先端部が押さえ金具105を介して、ねじボルト106、ワッシャ107及びロックナットワッシャ108によって枕木に固定される。 【0004】そのようなリアクションプレート101は、誘導電流を流れやすくするために、二次導体103としては電気抵抗の小さいアルミニウム合金や銅などの金属材料が用いられ、また、リアクションプレート101の上面に誘導電流を生じさせるための磁束の通路として、二次導体103の下側に二次鉄心102が設けられている。 【0005】ところで、軌道の幅は1430mm程度で、リアクションプレートの幅は360mm程度ではあるが、保線時等においては、軌道面上には枕木があるなどの理由により、リアクションプレート101の上面101aを歩く方が、軌道面上を歩くよりも歩行が容易であり、その上面101aを歩きたいという要求がかなり強い。 【0006】また、例えば車両火災が発生した場合のような緊急避難時には、速やかに避難する必要があり、そのような場合には、歩きやすいリアクションプレート101の上面101a上を歩けるようにすることが望ましい。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのようなリアクションプレート101では、上面101aを二次導体103が占めているが、二次導体103に用いられる金属材料は、比較的軟らかく、傷つきやすい。また、二次導体103の上面の傷は、動力性能に影響するため、取り扱いには十分な注意が必要であり、保線時等においては、軌道外を歩行しているのが現状である。 【0008】この発明は、二次導体の上面に、動作性能に影響がでない表面保護層を設けることによって、保線時などにおいて上面を歩行することができるリニアモータカー用リアクションプレートを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、二次鉄心と、該二次鉄心の上側に設けられる二次導体と、それらを支持する架台とを備えるリニアモータカー用リアクションプレートにおいて、前記二次導体の上面側に、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層が形成されているものである。ここで、表面保護層は、耐摩耗性を有する非磁性体であれば、金属材料であっても、繊維強化プラスチック等の非金属材料であってもよい。 【0010】請求項1の発明によれば、二次導体の上面側に、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層が形成されているから、リアクションプレートの上面上を歩行することができる。表面保護層は耐摩耗性を有するので、歩行により傷が付きにくく、万一傷が付いても、その傷は表面保護層のみに付き、二次導体にまでは至らないと考えられる。よって、表面保護層によって二次導体は、上面上の歩行から保護される。また、表面保護層は非磁性体であるから、動作性能に影響を与えることもない。 【0011】このように、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層を二次導体の上面上に設けるという簡単な構造で、動作性能に影響を与えることなく、リアクションプレートの上面上を歩行することが可能となる。 【0012】請求項2の発明は、請求項1のリニアモータカー用リアクションプレートにおいて、前記表面保護層が、オーステナイト系のステンレス鋼にて形成されるものである。 【0013】請求項2の発明によれば、表面保護層としては、オーステナイト系のステンレス鋼を用いているので、例えば冷間圧延による分子拡散を利用することで、二次導体の上面上に簡単に接合される請求項3の発明は、請求項2のリニアモータカー用リアクションプレートにおいて、前記表面保護層が、厚さ0.3mm程度である。 【0014】請求項3の発明によれば、表面保護層が、層厚さ0.3mm程度とかなり薄いので、リアクションプレートとリニアモータとの間の空隙約10〜15mmに対して無視できるもので電気性能を無理なく確保される。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。 【0016】図1は本発明に係るリニアモータカー用リアクションプレートの断面図である。 【0017】図1に示すように、リアクションプレート1は、従来構造と同様に、二次鉄心2と、それの上側に一体的に結合された二次導体3とを備える。二次導体3として、電気抵抗の小さいアルミニウム合金を用いており、凹部が設けられた二次鉄心2に対し二次導体3を押し付けることにより接合するいわゆるアンカーボンド方式により二次鉄心2の上側に一体に結合させている。なお、二次導体3として、アルミニウム合金に代えて、電気良導体である銅を用いることも可能である。【0018】前記二次導体3の上面3aには、その全体に亘って一様厚さの表面保護層4が設けられている。この表面保護層4には、動作性能に影響がでない材料が用いられている。具体的には、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼を用いることができ、二次導体3の上面3aに、例えば冷間圧延による分子拡散により簡単に接合され、一体化される。オーステナイト系ステンレス鋼としては、18%クロム8%ニッケル(18−8)鋼が代表的であり、組織がオーステナイトであるため、非磁性体である。なお、リニアモータ(図示せず)がリアクションプレート1に接触するのを防止するために、リアクションプレート1とリニアモータとの間に10〜15mm程度のギャップを設ける必要から、前記表面保護層4の層厚さは薄く、0.3mm程度とされている。 【0019】また、二次導体3は、二次鉄心2の左右両側部に沿って下方に延びる短いフランジ部3bを有する。二次鉄心2は、下面の左右両側において、架台5に溶接により固着されている。架台5は、長辺部5aと、該長辺部5aに直交する方向に延び前記長辺部5aよりも短い短辺部5bとを有する不等辺山形鋼で構成されている。架台5の長辺部5aの上端部が二次鉄心2の下面に溶接され、短辺部5bの先端部が、押さえ金具6にて上側から押さえ付けられる。なお、押さえ金具6は、ねじボルト7、ワッシャ8及びナット9によって枕木(図示せず)に固定されている。 【0020】この構成によれば、二次導体3の上面3aに、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層4が設けられているので、二次導体3自体の上面3aが傷つくのを防止することができ、動作性能に影響を与えることなく、リアクションプレート1の上面(表面保護層4の上面)を歩行することが可能となる。 【0021】よって、従来のように二次導体3の上面3aに傷つけないように取り扱いに十分注意する必要がなくなり、また、保線時、緊急避難時等において、軌道外を歩行することなく、リアクションプレート1の上面上を速やかに歩行することが可能となる。 【0022】また、前記表面保護層4を、オーステナイト系ステンレス鋼を用いて形成しているので、二次導体3の上面3a上に、例えば冷間圧延による分子拡散より、簡単に接合して、一体化することができる。 【0023】さらに、リアクションプレート1にリニアモータが接触するのを防止するために、リアクションプレート1とリニアモータとの間には10〜15mm程度のギャップを設ける必要があるが、表面保護層4の層厚さとしては、0.3mm程度と薄くしているので、前記所定のギャップを確保するのにも影響を与えない。 【0024】それに加えて、リアクションプレート1の上面上を、単に保線時などに歩行できるというだけでなく、例えば、車両火災が発生したような場合には、煙の流れ等を考慮すると、避難通路の位置は少なくとも低い方が望ましく、その意味からもリアクションプレート1上を歩行できるようにすることは望ましい。このように、二次導体3の上面に、動作性能に影響が出ない表面保護層4を設けるという簡単な構造で、リアクションプレート1の上面を非常時の歩行路としても使用できるのは、安全を確保する上できわめて有利である。 【0025】さらに、モータの効率を向上させる目的で、リニアモータとのギャップを少なくするために、リアクションプレート1上をリニアモータが走行するシステムが知られているが、そのようなシステムの場合においても、前記表面保護層4を設けることで、リアクションプレート1の上面の摩耗特性を向上させることが可能である。 【0026】前記実施の形態においては、架台5を二次鉄心2に溶接することにより結合しているが、そのほか、二次鉄心又は二次導体の一方から下方に延びる取付部を形成し、該取付部に対し架台をボルトを用いて締結するようにすることも可能である。 【0027】また、前記実施の形態においては、二次鉄心2に二次導体3をいわゆるアンカーボンド法で結合したものに適用しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、二次導体が平板状の二次鉄心の周囲を囲むように、二次鉄心の上側に位置する上板部と、該上板部の左右両側に一端部がそれぞれ連設され前記上板部に直交する方向に延びる一対の側板部と、該各側板部の他端部に連設され前記上板部と平行にかつ内方に延びる一対の下板部とを有し、該下板部が二次鉄心にかしめられているような構造であっても、前記二次導体の上面側に、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層を形成することで、同様に、リアクションプレートの上面上を歩行可能とすることができる。 【0028】 【発明の効果】この発明は、以上に説明したように実施され、以下に述べるような効果を奏する。 【0029】請求項1の発明は、二次導体の上面側に、非磁性体からなり耐摩耗性を有する表面保護層を形成しているので、動作性能に影響を与えることなく、保線時等において、リアクションプレートの上面上を歩行することが可能となる。それに加えて、例えば車両火災が発生した場合のような緊急避難時には、歩きやすいリアクションプレートの上面上を歩いて、速やかに避難することが可能となり、安全上きわめて有利である。 【0030】請求項2の発明は、表面保護層を、オーステナイト系のステンレス鋼にて形成しているので、例えば冷間圧延による分子拡散を利用することができ、簡単に製造することができる。 【0031】請求項3の発明は、表面保護層の厚さを0.3mm程度としているので、リアクションプレートとリニアモータとの間における必要なギャップの確保を損なうことがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社 【識別番号】598143103 【氏名又は名称】川重車両エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月15日(1999.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085291 【弁理士】 【氏名又は名称】鳥巣 実 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−270413(P2000−270413A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月29日(2000.9.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−68040 |
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