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【発明の名称】 電動車両等の充電アーム制御装置
【発明者】 【氏名】森 直樹

【要約】 【課題】車両停止から充電終了までの時間を短縮することができる電動車両等の充電アーム制御装置を提供する。

【解決手段】車両駐車時に自動充電装置6の充電アーム9を延ばして電動車両1に設けられた充電ソケット2を検索し、充電ソケット2に嵌合して電動車両1に充電を行う電動車両等の充電アーム制御装置であって、自動充電装置6の近傍に停車した電動車両1の現在位置を、検出装置14による磁気ネイルの検出から距離センサKと方位センサHを用いた積算により測定し、かつ、この現在位置と理想位置との誤差を計測するコンピュータCと、測定された誤差を自動充電装置6に通知する無線装置4とを備え、自動充電装置6の充電アーム9を、前記誤差に基づいて電動車両1の現在位置に対応した充電アーム9の初期位置まで移動させることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両駐車時に自動充電装置の充電アームを延ばして車両に設けられた充電ソケットを検索し、充電ソケットに嵌合して車両に充電を行う電動車両等の充電アーム制御装置であって、自動充電装置の近傍に停車した車両の現在位置を測定する手段と、前記現在位置と理想位置との誤差を測定する手段と、測定された誤差を自動充電装置に通知する手段とを備え、前記自動充電装置の充電アームを、前記誤差に基づいて車両の現在位置に対応した充電アームの初期位置まで移動させることを特徴とする電動車両等の充電アーム制御装置。
【請求項2】 上記車両の現在位置を測定する手段が、車両の起点位置検出装置と車両に設けられた距離センサと方位センサであることを特徴とする請求項1に記載の電動車両等の充電アーム制御装置。
【請求項3】 上記車両の現在位置を測定する手段が、路面に配置された磁束発生装置からの磁束を検出する検出装置であることを特徴とする請求項1、または、請求項2のいずれかに記載の電動車両等の充電アーム制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動車両等の充電アーム制御装置に係るものであり、特に、充電アームによる電動車両の充電ソケット位置を短時間で検索して、充電時間を短縮することができる電動車両等の充電アーム制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気自動車等の充電を必要とする電動車両に充電を行うために、自動嵌合方式の充電装置が知られている。すなわち、電動車両に搭載された充電ソケットと、地上に設置された電流供給用の自動充電装置と、自動充電装置の自動充電アームとを備え、充電する必要がある電動車両が充電のための駐車場に停止すると、自動充電装置がセンサ等を用いて電動車両の充電ソケットを探し、自動充電アームを延ばして電動車両の充電ソケットと自動的に嵌合して充電を開始するものである(例えば、特開平6−14408号公報に示されている)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記自動充電アームが電動車両の充電ソケットに嵌合するに際しては、充電アームに設けられたセンサ等によって充電ソケットを検索する操作が必要になるため、充電アームは初期位置を中心として所定の範囲移動できるようになっている。しかしながら、上記従来技術にあっては、充電ソケットが充電アームの初期位置の近傍に位置している場合には、充電アームによる充電ソケットの検索は短時間で行うことができるが、電動車両の停止位置がばらつき、充電ソケットの位置が充電アームの初期位置から大きく外れている場合には、充電アームの検索範囲が広がり、したがって、検索に多くの時間が必要になり、車両停止から充電終了までの時間が長くかかってしまうという問題がある。そこで、この発明は、車両停止から充電終了までの時間を短縮することができる電動車両等の充電アーム制御装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両駐車時に自動充電装置(例えば、実施形態における自動充電装置6)の充電アーム(例えば、実施形態における充電アーム9)を延ばして車両(例えば、実施形態における電動車両1)に設けられた充電ソケット(例えば、実施形態における充電ソケット2)を検索し、充電ソケットに嵌合して車両に充電を行う電動車両等の充電アーム制御装置であって、自動充電装置の近傍に停車した車両の現在位置(例えば、実施形態における現在位置(x’、y’))を測定する手段(例えば、実施形態における検出装置14等)と前記現在位置と理想位置(例えば、実施形態における理想位置(x、y))との誤差(例えば、実施形態における誤差(Δx、Δy))を測定する手段(例えば、実施形態におけるコンピュータC)と、測定された誤差を自動充電装置に通知する手段(例えば、実施形態における無線装置4)とを備え、前記自動充電装置の充電アームを、前記誤差に基づいて車両の現在位置に対応した充電アームの初期位置まで移動させることを特徴とする。
【0005】このように構成することで、車両駐車時に自動充電装置の充電アームを延ばして車両に設けられた充電ソケットを検索し、充電ソケットに嵌合して車両に充電を行うに際して、車両が理想位置に停車できなかった場合でも、車両の現在位置を測定し、現在位置と理想位置との誤差を測定し、測定された誤差を自動充電装置に通知して、上記誤差に基づいて車両の現在位置に対応する充電アームの初期位置に当該充電アームを移動する。そして、この充電アームによって車両の充電ソケットを通常の検索範囲で検索し充電アームを充電ソケットに嵌合して両者を連結し充電を行うことが可能となる。
【0006】請求項2に記載した発明は、上記車両の現在位置を測定する手段が、車両の起点位置検出装置(例えば、実施形態における磁気ネイル12を検出する検出装置14)と車両に設けられた距離センサ(例えば、実施形態における距離センサK)と方位センサ(例えば、実施形態における方位センサH)であることを特徴とする。このように構成することで、例えば、有人で車両を充電のために駐車場に移動した場合に、自動充電装置の近傍の任意の点を起点検出装置が検出すると、この起点を基準にして距離センサと方位センサとによって車両の現在位置を積算によって検出することができる。そしてこの検出結果を基にして、車両の位置を的確に把握して充電作業を行うことが可能となる。請求項3に記載した発明は、上記車両の現在位置を測定する手段が、路面に配置された磁束発生装置(例えば、実施形態における磁気ネイル12、ケーブル13)からの磁束を検出する検出装置(例えば、実施形態における検出装置14)であることを特徴とする。このように構成することで、例えば、無人で車両を充電のために駐車場に移動した場合に、路面に配置された磁気ネイルや、ケーブルからの磁束を手がかりにして、例えば、コンピュータにより車両の現在位置を測定し、これに基づいて車両の位置を的確に把握して充電作業を行うことが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1はこの発明の一実施形態の正面図である。同図において1は電動車両を示し、この電動車両1は有人、あるいは、無人で運転されるもので、例えば、車体側部には図示しないバッテリへの充電を行うための充電ソケット2が設けられている。
【0008】また、電動車両1にはGPS(Global Positioning System)装置3が搭載され、図示しないGPS衛星が送り出す電波を用いて大まかな現在位置を測定できるようになっている。4は無線装置であって、この無線装置4にはアンテナ5が接続され、このアンテナ5から、後述する自動充電装置6の無線装置7のアンテナ8に直接あるいは管制センター等を介して間接的に電波を送出して、電動車両1の現在位置等を通知できるようになっている。
【0009】一方、上記電動車両1に充電を行う駐車場Pには自動充電装置6が配置され、この自動充電装置6には充電アーム9が伸縮可能に設けられている。充電アーム9の先端の連結部9aは上記電動車両1の充電ソケット2に嵌合できるようになっており、電動車両1の駐車時に充電アーム9を延ばして電動車両1の充電ソケット2を検索し、連結部9aを充電ソケット2に嵌合して電動車両1に充電を行うものである。具体的には、充電ソケット2には図示しない反射器(反射板)が設けられ、充電アーム9の先端には図示しない発光部(例えば赤外線発光器)および受光部が設けられていて、赤外線の反射波の有無により、充電ソケット2の位置を検出するようになっている。
【0010】10は制御装置を示し、この制御装置10には無線装置7が接続されている。無線装置7にはアンテナ8が接続され電動車両1から送られた信号に基づいて、電動車両1の現在位置に対応する最適な位置に上記充電アーム9の位置を制御する。具体的には電動車両1に搭載されたコンピュータCによって電動車両1の現在位置と理想位置、実際には電動車両の所定位置に設けられた充電ソケット2の現在位置と理想位置との誤差を計算し、この誤差に基づいて自動充電装置6の充電アーム9を初期位置まで変位させるものである。
【0011】ここで、駐車場Pには図2に示すように入口に光電管11を配置したり、路面に埋設された永久磁石である磁気ネイル12及びケーブル13が配設されており、電動車両1には磁気ネイル12やケーブル13から発せられる磁束を検出する検出装置14が設けられている。また、電動車両1には距離センサK及び方位センサHが設けられ、これら距離センサK及び方位センサHはコンピュータCに接続されている。
【0012】次に、上記実施形態の作用について図3及び図4のフローチャートに基づいて説明する。まず、図4のステップ1において駐車場Pに停止した電動車両1の現在位置(x’、y’)を測定する。ここで、電動車両1の現在位置の測定は、有人運転の場合には、運転者が駐車場Pにバックで電動車両1を誘導し、駐車場P内の入口側の磁気ネイル12を検出装置14が検出すると、この磁気ネイル12の位置を起点として車載の距離センサK及び方位センサHにより後退する車両の位置がコンピュータCにより積算(検出装置14自体により積算機能するものでも良い。)によって測定される。一方、無人運転の場合には、管制からの信号によってバックで電動車両1を駐車場Pに誘導し、車幅方向はケーブル13によって、前後方向については磁気ネイル12によって検出装置14で位置を検出して、コンピュータCでの積算により車両停止時における現在位置が正確に測定される。尚、このとき光電管11によって駐車場Pの入口に至ったことを確認しながら電動車両1を誘導することができる。
【0013】次に、ステップS2において電動車両1に搭載されたコンピュータCにより現在位置(x’、y’)と理想位置(x、y)との誤差(Δx、Δy)を計算する。すなわち、電動車両1の前後方向を例にして説明すると、図3に示すように、本来ならば磁気ネイル12の位置から後方に距離Lだけ後退した位置に停止すべきところを、距離L’のところで停止したとすると、L−L’=Δxの誤差が生じていることとなり、同様にして電動車両1の車幅方向においてはケーブル13によって誤差Δyを求めるのである。そして、この計算結果はステップS3において無線装置4によりアンテナ5から自動充電装置6のアンテナ8に通知され、無線装置7から制御装置10に取り込まれる。
【0014】次に、ステップS4において自動充電装置6の制御装置10は上記誤差(Δx、Δy)を考慮して、充電アーム9の初期位置を決定し充電アーム9を電動車両1の現在位置に対応する初期位置へ移動する。つまり、電動車両1が本来の理想位置に停止していれば充電アーム9はその位置において一定の範囲で検索を行えばよいのだが、上記誤差(Δx、Δy)分だけ移動することで、初期位置を補正してその位置から検索を行うのである。したがって、理想位置にある場合と同様に最小の検索範囲で検索を行えば済むことになる。そして、ステップS5において充電アーム9により通常の範囲で移動して充電ソケットの検出を行い、ステップS6にて充電アーム9の連結部9aを電動車両1の充電ソケット2に嵌合して連結する。
【0015】したがって、この実施形態によれば電動車両1が理想位置からずれた位置に停止した場合でも、この変位に応じて充電アーム9を移動して電動車両1の現在位置に対する初期位置にセットすることができるため、充電アーム9による充電ソケット2の検索を短時間で行うことができる。すなわち、上記電動車両1は理想位置に停止しようとしても、実際には理想位置からずれることは避けられず、このように理想位置からずれた場合には、充電アーム9による充電ソケット2の検索は理想位置からずれた分だけ広がることとなる。したがって、そのままで検索をすると検索範囲が広がった分、検索時間は長くなる。そこで、電動車両1の現在位置と理想位置との誤差を測定しその誤差分だけ充電アーム9の初期位置をずらしておき、充電アーム9の検索範囲を最小範囲にすることができる。これによって、充電アーム9の検索時間が短縮され、電動車両1の停止から充電終了までの時間を短縮できる。
【0016】また、この実施形態は、複数の電動車両1がある一定の地域的範囲において管理され、各電動車両1のバッテリの残容量に応じて定期不定期で自動で充電を行う必要があるため、充電時間の長短が電動車両1の管理に大きな影響を与えるような場合に好適である。
【0017】尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、車載のコンピュータCにより理想位置と現在位置との誤差を検出して自動充電装置6へ通知する場合について説明したが、電動車両1では現在位置のみを測定して、この現在位置のみを自動充電装置6に通知し、自動充電装置6の制御装置10において上記誤差を計算するようにしてもよい。また、電動車両等には電気自動車以外に、いわゆるハイブリッド車両を含めることができ、ハイブリッド車両のバッテリを充電する場合にも適用することができる。そして、上記実施形態ではGPS装置3によって直接的に電動車両1の位置を測定してはいなかったが、例えば、GPS装置3を用いリアルタイムキネマティックにより直接的に電動車両1の現在位置を測定してもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、車両の現在位置と理想位置との誤差に基づいて、充電アームを車両の現在位置に対応した充電アームの初期位置に移動してから充電アームにより充電ソケットの検索を行うため、上記誤差に基づいて充電アームを移動しないで検索を行った場合に比較して充電アームによる検索時間が短縮でき、したがって、車両停止から充電終了までの時間を短縮できる効果がある。
【0019】請求項2に記載した発明によれば、起点位置検出装置によって検出された起点から距離センサ、方位センサによって正確な車両の位置を測定することができるため、充電アームに正確な移動量を与えることができ、したがって、充電アームによる検索範囲を狭くでき検索時間の短縮によって、充電時間の更なる短縮が可能となる効果がある。。請求項3に記載した発明によれば、磁束発生装置からの距離に検出装置で検出することにより精度よく現在位置を測定することができるため、充電アームに正確な移動量を与えることができ、したがって、充電アームによる検索範囲を狭くでき検索時間の短縮によって、充電時間の更なる短縮が可能となる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外8名)
【公開番号】 特開2000−270411(P2000−270411A)
【公開日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願番号】 特願平11−67588