| 【発明の名称】 |
電動車両の制動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 博樹
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| 【要約】 |
【課題】エンジンブレーキレンジへの選択時、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える大きなエンジンブレーキ感を得ることができると共に、エンジンブレーキレンジへの選択による制動違和感の防止を図ることができる電動車両の制動装置を提供すること。
【解決手段】回生制動力発生手段eを、検出されるセレクト位置が通常走行レンジの時、アクセル足離し操作に基づいてエンジンブレーキ相当の回生制動力を発生し、制動操作の開始を検出すると液圧制動力を補完する回生制動力を加えた回生制動力を発生する通常走行レンジ選択時回生制動力発生部e1と、検出されるセレクト位置がエンジンブレーキレンジの時、通常走行レンジの選択時に比べ、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力を増加し、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力を減少するエンブレレンジ選択時回生制動力発生部e2による手段とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪の回転に伴い自動変速機を介して電動機が発生する電力を車載のバッテリーに回収する回生制動力発生手段と、ブレーキ操作子の操作に応じて液圧制動力を発生する液圧制動力発生手段と、を備えた電動車両の制動装置において、アクセル足離し操作を検出するアクセル足離し操作検出手段と、制動操作の開始を検出する制動開始スイッチと、前記自動変速機のセレクト位置を検出するセレクト位置検出手段とを設け、前記回生制動力発生手段を、検出されるセレクト位置が通常走行レンジの時、アクセル足離し操作に基づいてエンジンブレーキ相当の回生制動力を発生し、制動操作の開始を検出すると液圧制動力を補完する回生制動力を加えた回生制動力を発生する通常走行レンジ選択時回生制動力発生部と、検出されるセレクト位置がエンジンブレーキレンジの時、通常走行レンジの選択時に比べ、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力を増加し、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力を減少するエンジンブレ−キレンジ選択時回生制動力発生部による手段としたことを特徴とする電動車両の制動装置。 【請求項2】 請求項1記載の電動車両の制動装置において、前記エンジンブレ−キレンジ選択時回生制動力発生部を、エンジンブレーキレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力のみを通常走行レンジの選択時に比べて増加し、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力はゼロとする回生制動力発生部としたことを特徴とする電動車両の制動装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電動車両の制動装置において、前記回生制動力発生手段を、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力と、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力との総和を、自動変速機のセレクト位置にかかわらず一定にする手段としたことを特徴とする電動車両の制動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと電動モータを併用するハイブリッド車両や電動モータを原動機とする電動車両に適用される電動車両の制動装置の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、電動車両の制動装置としては、例えば、特開平6−153315号公報に記載のものが知られている。 【0003】この公報には、アクセル足離し操作時にエンジンブレーキ相当の回生制動力を発生し、制動操作の開始を検出すると液圧制動力を補完する回生制動力を発生する技術が記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の電動車両の制動装置にあっては、図11に示すように、電動モータと駆動輪間に設けられる自動変速機のセレクト位置にかかわらず、エンジンブレーキ相当分と液圧ブレーキ補完分の総和による回生制動力を得る制御が行われるため、セレクト位置を通常走行レンジ(以下、Dレンジ)からDレンジより大きなエンジンブレーキを要求するエンジンブレーキレンジ(以下、Lレンジ)に変えるセレクト操作をした場合、Lレンジ選択状態でアクセル足離し操作をしてもエンジンブレーキ相当分の回生制動力はDレンジ選択時と同レベルもしくはDレンジ選択時より低レベルで設定されることになり、ドライバーが所望する大きなエンジンブレーキが得られないという問題がある。 【0005】すなわち、Lレンジを選択した場合、内燃機関のみの車両において一般的に行われる変速機の変速比を大きくする方法では、電動モータの回転数が上昇してしまい、電動モータの特性上、許容される回生制動力限界値はむしろ減少してしまうことになる(図10)。よって、高速走行時は電動モータの回転数が上昇するため、回生制動力が多く得られず、ブレーキ操作に基づく液圧ブレーキ補完分をあらかじめ確保した上でエンジンブレーキ相当分の回生制動力を確保しようとしても、エンジンブレーキ相当分の確保が困難な場合もある。 【0006】また、上記問題を解決するために、Lレンジ選択状態ではDレンジ選択時よりもエンジンブレーキ相当分の回生制動力を大きく取るという案がある。 【0007】しかし、この場合、大きなエンジンブレーキ相当分に、ブレーキ操作に基づく液圧ブレーキ補完分を加えた回生制動力が駆動輪に発生することになるため、駆動輪−非駆動輪間の制動力配分が著しく駆動輪寄りとなり、Dレンジ選択時での制動フィーリングとは異なり、制動違和感を招く。特に、Lレンジ選択時に低摩擦係数路(以下、低μ路)においてブレーキ操作をした場合、駆動輪寄りの制動力配分で駆動輪の早期ロック等の問題が発生する。 【0008】本発明は上記問題に着目してなされたもので、エンジンブレーキレンジへの選択時、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える大きなエンジンブレーキ感を得ることができると共に、エンジンブレーキレンジへの選択による制動違和感の防止を図ることができる電動車両の制動装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、図1のクレーム対応図に示すように、車輪aの回転に伴い自動変速機bを介して電動機cが発生する電力を車載のバッテリーdに回収する回生制動力発生手段eと、ブレーキ操作子fの操作に応じて液圧制動力を発生する液圧制動力発生手段gと、を備えた電動車両の制動装置において、アクセル足離し操作を検出するアクセル足離し操作検出手段hと、制動操作の開始を検出する制動開始スイッチiと、前記自動変速機bのセレクト位置を検出するセレクト位置検出手段jとを設け、前記回生制動力発生手段eを、検出されるセレクト位置が通常走行レンジの時、アクセル足離し操作に基づいてエンジンブレーキ相当の回生制動力を発生し、制動操作の開始を検出すると液圧制動力を補完する回生制動力を加えた回生制動力を発生する通常走行レンジ選択時回生制動力発生部e1と、検出されるセレクト位置がエンジンブレーキレンジの時、通常走行レンジの選択時に比べ、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力を増加し、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力を減少するエンブレレンジ選択時回生制動力発生部e2による手段としたことを特徴とする。 【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電動車両の制動装置において、前記エンジンブレ−キレンジ選択時回生制動力発生部e1を、エンジンブレーキレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力のみを通常走行レンジの選択時に比べて増加し、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力はゼロとする回生制動力発生部としたことを特徴とする。 【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電動車両の制動装置において、前記回生制動力発生手段eを、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力と、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力との総和を、自動変速機bのセレクト位置にかかわらず一定にする手段としたことを特徴とする。 【0012】 【発明の作用および効果】請求項1記載の発明にあっては、セレクト位置検出手段jにより検出されるセレクト位置が通常走行レンジの時、通常走行レンジ選択時回生制動力発生部e1において、アクセル足離し操作に基づいてエンジンブレーキ相当の回生制動力が発生するように電動機cが制御され、制動操作の開始を検出すると液圧制動力を補完する回生制動力を加えた回生制動力を発生するするように電動機cが制御される。一方、セレクト位置検出手段jにより検出されるセレクト位置がエンジンブレーキレンジの時、エンブレレンジ選択時回生制動力発生部e2において、通常走行レンジの選択時に比べ、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力が増加され、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力が減少され、この一方を増加し他方を減少させた回生制動力を得るように電動機cが制御される。 【0013】よって、エンジンブレーキレンジへの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力の増加により、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える大きなエンジンブレーキ感を得ることができると共に、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力の減少により、トータル回生制動力に大きな差が出ることが抑えられることで、エンジンブレーキレンジへの選択による制動違和感の防止を図ることができる。 【0014】請求項2記載の発明にあっては、エンジンブレ−キレンジ選択時回生制動力発生部e1において、エンジンブレーキレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力のみが通常走行レンジの選択時に比べて増加され、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力はゼロとされる。よって、液圧制動力を補完する回生制動力を全てエンジンブレーキ相当の回生制動力の増加分として加えることで、エンジンブレーキレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力を最大の増加代で設定でき、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える極めて大きなエンジンブレーキ感を得ることができる。 【0015】請求項3記載の発明にあっては、回生制動力発生手段eにおいて、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当の回生制動力と、制動操作に基づいて発生させる液圧制動力を補完する回生制動力との総和が、自動変速機bのセレクト位置にかかわらず一定の回生制動力が得られる回生制動力制御が行われる。よって、エンジンブレーキレンジ選択時にアクセル足離し操作に基づく大きな回生制動力に液圧ブレーキ補完分の回生制動力をさらに加え、エンジンブレーキレンジ選択時に通常走行レンジ選択時より回生制動力のレベルを高めた場合、低μ路制動時に制動力が著しく駆動輪寄りになり、駆動輪が早期にロックする等の問題が解消される。 【0016】 【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は請求項1〜請求項3に記載の発明に対応する電動車両の制動装置である。 【0017】まず、構成を説明する。 【0018】図2は実施の形態1の電動車両の制動装置が適用された回生協調ブレーキシステム図であり、回生協調ブレーキシステムは、従来の液圧のみによるブレーキに対し、モータ回生制動と協調するブレーキ液圧制御により、燃費の向上を図ることを目的とするシステムである。 【0019】図2において、1はブレーキペダル(ブレーキ操作子)、2は作動液圧ブースタ、3はマスタシリンダ、4はブレーキ液リザーバ、5は外部液圧発生ユニット、6は回生協調アクチュエータ(液圧制動力発生手段)、7はABSアクチュエータ、8FR,8RL,8RR,8FLはホイールシリンダ、12は回生協調コントロールユニット、13はABSコントロールユニット、14はモータコントローラ、15はインバータ&モータコントロールユニット(14,15は回生制動力発生手段)、16はモータ(電動機)、17はバッテリー、18はブレーキスイッチ(制動開始スイッチ)、19,20は圧力スイッチ、21はプライマリマスタシリンダ圧センサ、22はセカンダリマスタシリンダ圧センサ、23はアイドルスイッチ(アクセル足離し操作検出手段)、24はインヒビタースイッチ(セレクト位置検出手段)である。 【0020】前記マスタシリンダ3は、ブレーキペダル1へのペダル踏力を作動液圧ブースタ2により高め、ペダル踏力に応じたマスタシリンダ圧を発生する。 【0021】前記各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLは、マスタシリンダ3から回生協調アクチュエータ6及びABSアクチュエータ7を介して導かれるホイールシリンダ圧に応じた制動力を各車輪に付与する。 【0022】前記回生協調アクチュエータ6は、マスタシリンダ3とABSアクチュエータ7との間に配置され、モータ回生制動時、制動回生により得られる制動力と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLへのブレーキ液圧による制動力との合計がマスタシリンダ圧による必要制動力に一致するように、マスタシリンダ圧を減圧制御する。 【0023】前記ABSアクチュエータ7は、回生協調アクチュエータ6と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLとの間に配置され、制動ロックが発生するような低μ路制動時や急制動時等において、制動ロックを抑制するように各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLのブレーキ液圧を制御する。 【0024】前記回生協調コントロールユニット12は、必要制動力に対し回生制動力分と油圧制動力分との制動配分を決め、決められた油圧制動力分を各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLへのブレーキ液圧により得るために回生協調アクチュエータ6に対しバルブ駆動信号を出力する制御手段で、マスタシリンダ圧信号により必要制動力を算出する必要制動力算出部12aと、必要制動力とモータコントローラ14からの可能回生力により制動配分を決定する回生/油圧制動配分決定部12bと、決定された油圧制動配分に基づいてバルブ駆動信号を出力する油圧制御部12cと、信号を監視してフェイルセーフ制御を行なうFS制御部12dとを備えている。 【0025】前記ABSコントロールユニット13は、車輪速信号により車輪の制動スリップ状態を算出し、制動ロックと判断される時にABSアクチュエータ7に対しバルブ駆動信号を出力する。尚、ABS作動信号がABSコントロールユニット13から回生協調コントロールユニット12に出力され、回生協調制御中を含む制動時等においてにABS作動に入ったら回生協調制御を解除するという制御干渉防止措置がとられる。 【0026】前記モータコントローラ14は、制動時に可能回生制動力を算出し回生/油圧制動配分決定部12bに出力する可能回生力算出部14aと、回生/油圧制動配分決定部12bからの制動力配分情報やアイドルスイッチ23からのアクセルOFF信号やインヒビタースイッチ24からのセレクト位置信号を入力して回生制動力を制御する回生制動力制御部14bとを備えたコントローラである。 【0027】前記インバータ&モータコントロールユニット15は、モータコントローラ14からの指令に基づいてインバータを含むモータ制御を行なう手段である。 【0028】前記モータ16は、エンジンとの併用または単独で駆動系に設けられ、走行時には駆動モータとしての機能を発揮し、制動時や減速時等には回生によりバッテリー17に蓄電するジェネレータ(発電機)としての機能を発揮する。尚、モータ16と駆動輪との間には図外の自動変速機が配置される。 【0029】図3は実施の形態1の通常ブレーキ時&電気失陥(F/S)時の電動車両の制動装置を示す液圧回路図で、回生協調アクチュエータ6において、FCSは回生切換バルブ、P&RVは液圧制御バルブ、SCCは共用シリンダ、CSBは増圧バルブ、CSDは減圧バルブ、RSVはリザーバ、CHV1は第1チェックバルブ、CHV2は第2チェックバルブ、CHV3は第3チェックバルブ、BP1は第1バイパス液路、BP2は第2バイパス液路であり、ABSアクチュエータ7において、30FR,30RL,30RR、30FLは増圧制御バルブ、31FR,31RL,31RR、31FLは減圧制御バルブ、32P,32Sはリザーバ、33P,33Sはポンプ、34P,34Sはダンパ、35FR,35RL,35RR、35FLはチェックバルブである。 【0030】前記回生切換バルブFCSは、マスタシリンダ圧液路の途中に設けられ、モータ回生制動時にマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLの連通を遮断する2位置ソレノイドバルブである。 【0031】前記液圧制御バルブP&RVは、前記回生切換バルブFCSとは並列配置で設けられ、モータ回生制動時に回生分減圧した各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLへのブレーキ液圧を作り出すバルブで、マスタシリンダ圧を入力圧とし、プロポーショニングバルブ特性とリリーフバルブ特性とを合成した減圧特性により制動回生分を減圧したホイールシリンダ圧を出力する。 【0032】前記第1チェックバルブCHV1は、前記マスタシリンダ3と前記回生切換バルブFCSとを連通する液路の途中に設けられ、マスタシリンダ3から各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FL方向への流通のみを許す。 【0033】前記共用シリンダSCCは、前記第1チェックバルブCHV1の下流位置であって前記回生切換バルブFCSの上流位置から分岐する液路に設けられ、モータ回生制動による減圧時に消費液量が減少した分だけマスタシリンダ3からのブレーキ液を吸収する吸収シリンダ機能と、モータ回生制動から通常の制動への復帰時に各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLへのブレーキ液量を復元して増圧する増圧シリンダ機能を1つのシリンダで共用させたものである。この共用シリンダSCCは、ブレーキ液圧室側の小径シリンダ部と、背圧室側の大径シリンダ部と、両シンリンダ部に摺動可能に嵌合された段付きピストンと、該段付きピストンをブレーキ液圧室方向に付勢するスプリングとを有する。 【0034】前記第2チェックバルブCHV2は、前記第1チェックバルブCHV1と前記回生切換バルブFCSとを迂回してマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLを連通する第1バイパス液路BP1の途中に設けられ、各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLからマスタシリンダ3方向への流通のみを許す。 【0035】前記増圧バルブCSBは、前記共用シリンダSCCの背圧室と前記作動液圧ブースタ2とを連通する液路の途中に設けられた常開の2位置ソレノイドバルブであり、前記減圧バルブCSDは、前記共用シリンダSCCの背圧室と前記リザーバRSVとを連通する液路の途中に設けられた常閉の2位置ソレノイドバルブであり、前記第3チェックバルブCHV3は、前記減圧バルブCSDを迂回してリザーバRSVと増圧バルブCSBとを連通する第2バイパス液路BP2の途中に設けられ、リザーバRSVから増圧バルブCSB方向への流通のみを許す。尚、リザーバRSVのスプリング室はブレーキ液リザーバ4に連通されている。 【0036】次に、作用を説明する。 【0037】[通常のブレーキ作用]モータ回生制動条件を満足しない通常ブレーキ時や電気失陥によるフェイルセーフ時等においては、回生協調アクチュエータ6の各ソレノイドバルブFCS,CSB,CSDは図3に示すソレノイドOFF位置にある。 【0038】よって、ブレーキペダル1を踏み込むブレーキ操作を行なうと、マスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧は、第1チェックバルブCHV1→回生切換バルブFCS→ABSアクチュエータ7を経過してそのままホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLに導かれ、各車輪にマスタシリンダ圧(=ホイールシリンダ圧)による制動力が与えられる。 【0039】また、ブレーキペダル1から足を離してのブレーキ解放時には、ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLの液圧が、ABSアクチュエータ7→回生切換バルブFCS→第1チェックバルブCHV1を経過してマスタシリンダ3に戻され、各車輪に付与されていたホイールシリンダ圧が減圧される。 【0040】[回生協調ブレーキ制御での液圧制動作用]一定制動によるブレーキ液圧の回生協調制御について、図4〜図6に基づいて説明する。 【0041】ブレーキペダル1への踏み込みを開始すると、ブレーキスイッチ18がONとなり(図5のBPSがOFF→ON)、このスイッチ信号に基づいて、回生切換バルブFCS(ON)が連通から遮断に切り換えられ、マスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧は、液圧制御バルブP&RV→ABSアクチュエータ7を経過して各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLに導かれ、液圧制御バルブP&RVにおいて、図6に示す特性にてマスタシリンダ圧から制動回生による分を減圧したブレーキ液圧が作り出され、各車輪にはマスタシリンダ圧より低圧のホイールシリンダ圧による制動力が与えられる。すなわち、通常ブレーキ時は、図6(イ) に示すように、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧とは1:1の関係であるが、回生協調時は液圧制御バルブP&RVを介在させることにより、図6(ロ) に示すように、ホイールシリンダ圧がP1 まではマスタシリンダ圧をそのままホイールシリンダ圧であり、ホイールシリンダ圧がP1 に達するとマスタシリンダ圧の上昇に対してホイールシリンダ圧が微増するプロポーショニングバルブ特性(PV特性)とし、ホイールシリンダ圧がP2 以上になるとマスタシリンダ圧に比例したホイールシリンダ圧を出力するリリーフバルブ特性(RV特性)とを合成した減圧特性により制動回生分(図6の点描領域)を減圧したホイールシリンダ圧が出力されることになる。この制動回生分は、回生協調コントロールユニット12での回生/油圧の制動配分の算出結果に応じて決められる。 【0042】上記のように、モータ回生制動時には、回生切換バルブFCSによりマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLの連通が遮断され、液圧制御バルブP&RVにより制動回生による分を減圧したブレーキ液圧が作り出される。このため、マスタシリンダ3からのブレーキ液のうち各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLでの消費液量が減少した分だけのブレーキ液を吸収する必要がある。これに対し、図5に示すように、ブレーキペダル1の踏み込みが開始されると、まず、ブレーキスイッチ18のONに呼応して増圧バルブCSBが閉じられ、その直後、液圧制御バルブP&RVの減圧開始に呼応して減圧バルブCSDが開らかれる。よって、マスタシリンダ3からのブレーキ液は、第1チェックバルブCHV1を介して共用シリンダSCCに導かれ、共用シリンダSCCの段付きピストンを押してブレーキ液圧をブレーキ液圧室に貯め、共用シリンダSCCの背圧室(大気圧相当)から減圧バルブCSDを経過してリザーバRSVにブレーキ液を貯めることで吸収シリンダ機能が発揮される。 【0043】また、モータ回生制動から通常の制動への復帰時には、回生切換バルブFCSによりマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLとの遮断が解除され両シリンダ3,8FR,8RL,8RR,8FLが連通される。この時、上記ブレーキ液の吸収分だけ各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLのブレーキ液が不足し、液圧も低くなっているため、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧レベルまで引き上げる増圧を行なう必要がある。これに対し、図5に示すように、まず、液圧制御バルブP&RVでリリーフバルブ作動圧となったらそれ以降の時点で減圧バルブCSDが閉じられ、多少の時間遅れで増圧バルブCSBが開かれる。よって、回生協調終了時に回生切換バルブFCSが連通側に切り換えられると、ブースト圧を背圧とする共用シリンダSCCのブレーキ液が、第1チェックバルブCHV1によりマスタシリンダ3側に流れ込むことなく、回生切換バルブFCSを介して各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLに送られ、ブレーキ液量を復元して減圧されている各ホイールシリンダ8FR,8RL,8RR,8FLのブレーキ液圧がマスタシリンダ3のレベルまで増圧され、増圧シリンダ機能が発揮される。 【0044】[回生制動力制御作用]図7はモータコントローラ14で行なわれる回生制動力制御作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(回生制動力発生手段に相当)。 【0045】ステップ70では、アイドルスイッチ23からのアクセルOFF信号の入力時かどうかが判断される。 【0046】ステップ71では、インヒビタースイッチ24からのセレクト位置信号により自動変速機のセレクト位置がDレンジ位置かどうかが判断される。 【0047】ステップ72では、ブレーキスイッチ18からのスイッチ信号がON信号かどうかが判断される。 【0048】ステップ73では、ステップ70でアクセルOFFと判断され、ステップ71でDレンジと判断され、ステップ72でブレーキOFFと判断された時、エンジンブレーキ分(0.04G)の回生制動力を発生する指令がインバータ&モータコントロールユニット15に出力される。 【0049】ステップ74では、ステップ70でアクセルOFFと判断され、ステップ71でDレンジと判断され、ステップ72でブレーキONと判断された時、エンジンブレーキ分(0.04G)の回生制動力に油圧補完分(0.04G)を加えた回生制動力を発生する指令がインバータ&モータコントロールユニット15に出力される。なお、ステップ73及びステップ74は、通常走行レンジ選択時回生制動力発生部に相当する。 【0050】ステップ75では、インヒビタースイッチ24からのセレクト位置信号により自動変速機のセレクト位置がLレンジ位置かどうかが判断される。 【0051】ステップ76では、ステップ70でアクセルOFFと判断され、ステップ71でDレンジ以外と判断され、ステップ75でLレンジと判断された時、エンジンブレーキ分(0.08G)の回生制動力を発生する指令がインバータ&モータコントロールユニット15に出力される。なお、このステップ76はエンジンブレーキレンジ選択時回生制動力発生部に相当する。 【0052】[Dレンジ時の回生制動力発生作用]Dレンジを選択してのアクセル足離し操作時には、図7のフローチャートにおいて、ステップ70→ステップ71→ステップ72→ステップ73へと進む流れとなり、ステップ73では、エンジンブレーキ分(0.04G)の回生制動力を発生するようにモータ制御される。 【0053】そして、アクセル足離し操作後、ブレーキペダル1を踏み込んでのブレーキ操作を行うと、図7のフローチャートにおいて、ステップ70→ステップ71→ステップ72→ステップ74へと進む流れとなり、ステップ74では、エンジンブレーキ分(0.04G)+油圧補完分(0.04G)の回生制動力を発生するようにモータ制御される。 【0054】すなわち、図8に示すように、アクセル足離し操作に基づくモータ回生制動により0.04G程度のエンジンブレーキが働く。また、ブレーキ操作を行うと上記のように減圧された液圧ブレーキ分を補完するように液圧ブレーキ補完分のモータ回生制動が加わる。 【0055】[Lレンジ時の回生制動力発生作用]Lレンジを選択してのアクセル足離し操作時には、図7のフローチャートにおいて、ステップ70→ステップ71→ステップ75→ステップ76へと進む流れとなり、ステップ76では、エンジンブレーキ分(0.08G)の回生制動力を発生するようにモータ制御される。 【0056】すなわち、図9に示すように、アクセル足離し操作に基づくモータ回生制動により0.08G程度の大きなエンジンブレーキが働き、高いエンブレ感が得られる。そして、ブレーキ操作を行ってもエンジンブレーキ相当分の回生制動力に液圧ブレーキ補完分の回生制動力を予め含めた設定としているため、ブレーキ操作の有無によりトータル回生制動力は変化しない。 【0057】次に、効果を説明する。 【0058】(1) Lレンジを選択してのアクセル足離し操作時には、0.08G程度(Dレンジ選択時の2倍)の大きなモータ回生制動を得るようにしているため、Lレンジへの選択時、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える大きなエンジンブレーキ感を得ることができる。 【0059】(2) アクセル足離し操作に基づくモータ回生制動はDレンジの時より増加させているが、ブレーキ操作を行っても液圧ブレーキ補完分のモータ回生制動は逆にDレンジの時より減少させているため、Dレンジ選択時とLレンジ選択時とでトータル制動力の差が小さく抑えられ、トータル制動力に落差がある場合に生じるLレンジ選択時の制動違和感が解消される。 【0060】(3) Lレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当分の回生制動力のみをDレンジの選択時に比べて増加させ、制動操作に基づいて発生させる液圧ブレーキ補完分の回生制動力はゼロとされているため、例えば、トータル回生制動力を一定にする条件を課しても液圧ブレーキ補完分の回生制動力(0.04G)を全てエンジンブレーキ相当分の回生制動力の増加分として加えることができ、Lレンジの選択時、アクセル足離し操作に基づいて発生させるエンジンブレーキ相当分の回生制動力を最大の増加代で設定でき、アクセル足離し操作に対しドライバー要求に応える極めて大きなエンジンブレーキ感を得ることができる。 【0061】(4) Dレンジ選択時のエンジンブレーキ相当分の回生制動力x(=0.04G)とDレンジ選択時の液圧ブレーキ補完分y(=0.04G)の総和と、Lレンジ選択時のエンジンブレーキ相当分x+y(=0.08G)とを一致させ、セレクト位置にかかわらず回生制動力を一定としているため、Lレンジ選択時にアクセル足離し操作に基づく大きな回生制動力に液圧ブレーキ補完分の回生制動力をさらに加えた場合、低μ路制動時に制動力が著しく駆動輪寄りになり、駆動輪が早期にロックする等の問題も解消される。 【0062】(他の実施の形態)実施の形態1では、Lレンジ時にエンジンブレーキ相当分のみを増加し、液圧ブレーキ補完分をゼロとし、Lレンジ選択でのアクセル足離し操作時にエンジンブレーキ効果が最大に発揮される好ましい例を示したが、Lレンジ時にエンジンブレーキ相当分をDレンジ時より増加し、増加に対応して液圧ブレーキ補完分をDレンジ時より減少する例としても良い。 【0063】実施の形態1では、Lレンジ選択やDレンジ選択にかかわらず、トータル回生制動力を一定にすることで駆動輪早期ロックを防止できる好ましい例を示したが、Lレンジ選択時とDレンジ選択時とでトータル回生制動力に制動違和感を持たない程度に多少の回生制動力差が出るものであっても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月17日(1999.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105153 【弁理士】 【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−270405(P2000−270405A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月29日(2000.9.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−71268 |
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