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【発明の名称】 車両用パワーユニットの制御方法
【発明者】 【氏名】水野 裕

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力信号又は機械的に設定された操作量を情報処理回路で処理して制御信号に変換し、該制御信号に基づいて動作する駆動回路によって駆動部の出力を制御する車両用パワーユニットの制御方法において、路面情報を前記駆動部の制御情報として前記情報処理回路に入力して処理し、該制御情報に応じて前記制御信号を変化させることを特徴とする車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項2】 前記路面情報の検出手段として、変位を伴わないか或は変位が極めて小さな磁歪式、圧電式又は静電容量式の検出素子を使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項3】 前記駆動部の制御情報の検出手段として、変位を伴わないか或は変位が極めて小さな磁歪式、圧電式又は静電容量式の検出素子を使用し、1つの検出素子から同時に路面情報も取り出すことを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項4】 前記路面情報として、センサ出力信号の高周波成分の振幅回数又は強度の少なくとも一方を演算処理して使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項5】 前記路面情報の検出方式として、超音波式、光学式、磁気式又はポテンショ式を使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項6】 前記路面情報として、車両走行時に路面の影響によって生じる振動を使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項7】 前記路面情報として、路面の凹凸情報を使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項8】 前記路面情報として、車両のサスペンションの変位速度信号を使用することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項9】 人力に対する前記駆動部の出力の比であるアシスト比を路面情報に応じて変化させることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項10】 車両速度を路面情報に応じて変化させることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項11】 路面情報の許容量を設定し、路面情報が許容量を超えると車両を停止させることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項12】 路面情報に応じて警告信号を出力することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項13】 体重移動によって荷重を入力し、その荷重を荷重センサによって検出してその出力信号を出力信号処理回路で処理して制御信号に変換し、該制御信号に基づいて動作する駆動回路によって駆動部の出力を制御する車両用パワーユニットの制御方法において、荷重入力を開始してから車両が移動動作を開始するまでの時間遅れT1と荷重入力を終了してから車両が移動動作を終了するまでの時間遅れT2との関係がT2>T1となるよう前記駆動部の出力を制御することを特徴とする車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項14】 前記出力信号処理回路は、前記荷重センサの出力信号を入力した後にその値が低下しても、その低下速度よりも遅い速度で荷重センサの出力信号を低下させる出力遅延回路を備えることを特徴とする請求項13記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項15】 前記出力信号処理回路は、前記荷重センサの出力信号を入力した後にその値が低下しても、一定時間だけピーク出力を保持する出力遅延回路を備えることを特徴とする請求項13記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項16】 前記出力信号処理回路は、ソフト処理によって前記時間遅れT1とT2との関係がT2>T1となるよう設定することを特徴とする請求項13記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項17】 前記荷重センサとして応答性の良い磁歪式又は圧電式センサを用いることを特徴とする請求項13記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【請求項18】 前記時間遅れT1,T2をキー入力、スイッチ又はボタン操作によって任意に変更可能としたことを特徴とする請求項13記載の車両用パワーユニットの制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用パワーユニットの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】入力信号又は機械的に設定された操作量を情報処理回路で処理して制御信号に変換し、該制御信号に基づいて動作する駆動回路によって駆動部の出力を制御するよう構成された車両用パワーユニットにおいては、路面情報を考慮しないで、それ以外の入力信号又は操作量によって駆動部の出力制御を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のようにパワーユニットの駆動部の出力制御において制御パラメータに路面情報を含まない場合には、例えば車両が凹凸の激しい未舗装路を走行している状態では路面からの大きな振動等の影響でハンドル操作に困難を伴い、車両の走行安定性を損なわないよう乗員がその都度対応する必要があった。
【0004】従って、本発明の目的とする処は、乗員の特別な対応を要することなく、路面の状況に拘らず車両に常に高い走行安定性を確保することができ、車両の楽な操縦による快適な走行を実現することができる車両用パワーユニットの制御方法を提供することにある。
【0005】一方、例えばスケータ等のように乗員の体重移動によって荷重が入力される車両において、入力される荷重の大きさに応じて駆動部の出力を制御するようにしたパワーユニットを搭載する提案がなされている。斯かる車両において、荷重入力を終了してから車両が走行動作を終了するまでの時間遅れを適宜変化させれば、その車両の種類に応じた種々の乗車フィーリングを楽しむことができることが予想される。
【0006】従って、本発明の目的とする処は、車両の種類に応じた種々の乗車フィーリングを楽しむことを可能ならしめる車両用パワーユニットの制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、入力信号又は機械的に設定された操作量を情報処理回路で処理して制御信号に変換し、該制御信号に基づいて動作する駆動回路によって駆動部の出力を制御する車両用パワーユニットの制御方法において、路面情報を前記駆動部の制御情報として前記情報処理回路に入力して処理し、該制御情報に応じて前記制御信号を変化させることを特徴とする。
【0008】又、本発明は、体重移動によって荷重を入力し、その荷重を荷重センサによって検出してその出力信号を出力信号処理回路で処理して制御信号に変換し、該制御信号に基づいて動作する駆動回路によって駆動部の出力を制御する車両用パワーユニットの制御方法において、荷重入力を開始してから車両が移動動作を開始するまでの時間遅れT1と荷重入力を終了してから車両が移動動作を終了するまでの時間遅れT2との関係がT2>T1となるよう前記駆動部の出力を制御することを特徴とする。
【0009】従って、本発明によれば、パワーユニットの駆動部の出力の制御パラメータとして、入力信号又は機械的に設定された操作量の他に路面情報を加えたため、路面の状況に拘らず、乗員の特別な対応を要することなく車両に常に高い走行安定性を確保することができ、楽な操縦による車両の快適な走行を実現することができる。
【0010】又、本発明によれば、荷重入力を開始してから車両が移動動作を開始するまでの時間遅れT1と荷重入力を終了してから車両が移動動作を終了するまでの時間遅れT2との関係がT2>T1となるようパワーユニットの駆動部の出力を制御するようにしたため、車両の種類に応じた種々の乗車フィーリングを楽しむことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】<実施の形態1>図1は電動自転車の側面図、図2は同電動自転車の荷重検出装置の基本構成を示す断面図、図3は舗装路と未舗装路での荷重検出センサの出力の時間変化を示す図、図4は電動自転車に搭載されたパワーユニットの駆動制御系の構成を示すブロック図である。
【0013】先ず、図1に示す電動自転車1の概略構成について説明すると、図1において2はハンドル、3は前輪、4はダウンチューブ、5はシートチューブ、6はサドル、7は後輪、8はホイールスプロケットであり、車体の前後方向略中央下部にはパワーユニット10が配設されている。
【0014】上記パワーユニット10は、人力による駆動系と電動モータ11による補助動力系とを並設して構成され、乗員の人力(踏力)と補助動力を合成して出力するものであって、これにはクランク軸12が回転自在に支承されている。そして、クランク軸12の左右にはクランク(図1には一方のみ図示)13が取り付けられており、各クランク13の端部にはペダル14が回転自在に軸支されている。尚、パワーユニット10には、人力によってクランク軸12に入力される荷重(踏力)の大きさに応じて前記電動モータ11の出力(補助動力)を制御するためのコントローラ15が設けられている。
【0015】又、前記サドル6の下方であって、前記シートチューブ5と後輪7とで囲まれる空間にはバッテリボックス16が着脱可能に装着されており、このバッテリボックス16内にはシュリンクパックされた複数の単電池で構成される不図示のバッテリが収納されている。
【0016】而して、乗員がペダル14を漕いでクランク軸12を回転駆動すると、このクランク軸12に入力される荷重(踏力)が図2に示す荷重検出装置によって検出され、前述のようにコントローラ15は検出された荷重(踏力)の大きさに応じて前記電動モータ11の出力(補助動力)を制御する。従って、パワーユニット10においては、人力(踏力)とこれに比例する補助動力とが合成されて不図示のチェーンを介して前記ホイールスプロケット8に伝達され、該ホイールスプロケット8と後輪7が回転駆動されるため、電動自転車1は人力(踏力)とこれに比例した補助動力によって走行し、補助動力分だけ乗員の肉体的負担が軽減される。
【0017】ここで、前記荷重検出装置の基本構成と検出原理を図2に基づいて説明する。
【0018】図2において、20は荷重検出装置を構成する荷重センサであり、これは棒状の磁性体21とその周囲に配された検出コイル22とを磁性材料から成る磁気シールドケース23内に収納して構成されている。ここで、磁性体21は、鉄系、鉄クロム系、鉄ニッケル系、鉄コバルト系、純鉄、鉄珪素系、鉄アルミニウム系、パーマロイ材等の磁性材料、軟磁性材料又は超磁性材料によって構成されている。
【0019】又、24は遊星ギヤ機構であって、これは回転軸25に結着されたサンギヤ26と、大径のリングギヤ27と、サンギヤ26とリングギヤ27に噛合して自転しながら公転する複数(図示例では5個)の遊星ギヤ28を含んで構成されている。そして、リングギヤ27からはアーム29が接線方向に一体に延出しており、該アーム29の先端球形部29aは図示のように間に緩衝材19を介して荷重センサ20の前記磁性体21の上端部に当接している。尚、緩衝材19は磁気遮断材を兼ねている。
【0020】而して、回転軸25が所定の速度で回転駆動されると、その回転はサンギヤ26を介して遊星ギヤ28に伝達されるが、リングギヤ27から一体に延出するアーム29はその先端球形部29aが荷重センサ20の磁性体21に当接しているためにリングギヤ27は事実上固定されて回転しない。従って、複数の遊星ギヤ28は自転しながらサンギヤ26の周りを公転し、これらの遊星ギヤ28に取り付けられた不図示のキャリアが遊星ギヤ28と共に回転駆動される。
【0021】ところで、遊星ギヤ機構24においては、リングギヤ27には回転軸25から伝達される荷重(トルク)の大きさに比例した反力Pが発生し、この反力Pは緩衝材19を介して荷重センサ20の磁性体21によって受けられるため、該磁性体21には軸方向に圧縮荷重Pが作用する。
【0022】上述のように荷重センサ20の磁性体21の軸方向に圧縮荷重Pが作用すると、磁歪効果によって磁性体21の透磁率が減少してインダクタンス変化が生じ、このインダクタンス変化によって前記検出コイル22の両端の電圧Vが巻数比に比例して変化する。尚、磁歪効果は、超磁歪材の場合は数100〜数1000ppm、その他は10ppm以下である。
【0023】而して、電動自転車1が舗装路を走行しているときの荷重センサ20の出力(検出コイル22の電圧変化ΔV)の時間変化は図3(a)に示すように滑らかな波形を示し、電動自転車1が未舗装路を走行しているときの荷重センサ20の出力の時間変化は図3(b)に示すように振動の高周波成分を含んで乱れた波形を示す。従って、荷重センサ20は振動センサとしても機能して路面情報をも検知することができ、該荷重センサ20の出力信号は図4に示すように前記コントローラ15(図1参照)内の入力処理回路30に設けられたローパスフィルター31とハイパスフィルター32に並列的に入力され、ローパスフィルター31を通過した出力信号は振動の高周波成分が除去されて荷重成分のみを含む滑らかな波形を示し、この信号は整流された後に実効値変換され、情報処理回路40内に設けられた制御情報処理回路41に入力される。
【0024】他方、ハイパスフィルター32を通過した出力信号は荷重成分が除去されて振動の高周波成分のみを含み、その高周波成分の振幅回数はカウンター33によってカウントされて振動の頻度として情報処理回路40内の路面情報処理回路42に入力されるとともに、整流された後に実効値変換されて振動の強度として前記路面情報処理回路42に入力される。
【0025】而して、情報処理回路40においては、制御情報処理回路41からの荷重情報と路面情報処理回路42からの路面情報(振動の頻度と強度)に基づいて補助動力が演算される。具体的には、踏力に対する補助動力の比(以下、アシスト比と称する)が演算され、振動の大きな未舗装路を走行しているときにはアシスト比が大きく設定される。
【0026】上述のようにアシスト比が演算されると、それに対応する制御信号が情報処理回路40から駆動回路50に入力され、駆動回路50は制御信号に応じてパワーユニット10の電動モータ11を駆動制御してその出力(補助動力)を制御する。
【0027】以上のように、本実施の形態では、パワーユニット10の電動モータ11の出力(アシスト比)の制御パラメータとして、荷重センサ20によって検出される踏力の大きさの他に路面情報(振動の頻度と強度)も加え、電動自転車1が振動の大きな未舗装路を走行しているときにはアシスト比(補助動力)を大きくするようにしたため、未舗装路での走行でハンドルを取られるようなことがなく、乗員の特別な対応を要することなく高い走行安定性を得ることができ、楽な操縦による電動自転車1の快適な走行が実現される。
【0028】尚、図5に示すように、荷重(踏力)を検出するための第1の荷重センサ20Aとは別に、路面情報のみを検知するための第2の荷重センサ(振動センサ)20Bを設けても良い。
【0029】ところで、路面情報を検知する検出手段としては、変位を伴わないか或は変位が極めて小さな磁歪式、圧電式、静電容量式等の検出素子又は超音波式、光学式、磁気式、ポテンショ式等の検出素子を使用することができる。又、路面情報としては、車両のサスペンションの変位速度信号等を使用することもできる。
【0030】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形態2を図6〜図8に基づいて説明する。尚、図6は立乗りスケータの側面図、図7は同立乗りスケータの荷重検出部の拡大断面図、図8は人力入力とモータ出力の応答性を示す図である。
【0031】図6に示す立乗りスケータ101は、前輪102と後輪103との間に水平前後方向に移動可能なフットプレート104を配置して成り、該フットプレート104の前方に斜めに配されたメインフレーム105上にはコントローラ115とバッテリ117が配置されており、フットプレート104の下部には荷重検出部が設けられている。又、後輪103にはパワーユニットの駆動部を構成する電動モータ111が設けられている。
【0032】上記荷重検出部の構成の詳細は図7に示されるが、本実施の形態では前後一対の水平方向センサ120が後方のリンク118のカラー116を挟んで相対向して配置されるとともに、これらの前方に垂直方向センサ121が配置されている。この垂直方向センサ121は、フットプレート104に垂直に作用する荷重(乗員の体重)の有無によって乗員が乗車したか否かを検出するセンサとして機能する他、振動によって路面情報を検知するための振動センサとしても機能する。
【0033】ここで、水平方向センサ120及び垂直方向センサ121は前記実施の形態1に係る荷重センサ20と同様の磁歪式センサであって、水平方向センサ120は乗員によってフットプレート104に入力される水平方向の人力を電磁気的に検出するものである。
【0034】而して、以上の構成を有する立乗り式スケータ101において、図6に示すように乗員がフットプレート104上に両足を載せ、両手でハンドル102を引っ張りながら両足を前に押し出す動作によって体重を前方に移動させれば、フットプレート104に水平前方の人力(荷重)が作用する。
【0035】すると、フットプレート104に作用する水平前方の人力は前側の水平方向センサ120に作用してこれを圧縮するため、前記と同様の原理によって人力が電磁気的に検出され、その検出信号は前記コントローラ115に入力される。尚、本実施の形態においては、フットプレート104に作用する人力の大きさを前後一対の水平方向センサ120の差動電圧として検出しており、登り坂走行時等においてフットプレート104に水平後方の人力が作用した場合もその大きさを同様に検出することができる。
【0036】又、垂直方向センサ121は路面の凹凸による振動を検出し、その検出信号を路面情報としてコントローラ115に入力する。
【0037】而して、上述のように水平方向センサ120から荷重(人力)情報と垂直方向センサ121からの路面情報がコントローラ115に入力されると、コントローラ115ではこれらの情報に基づいて補助動力が演算され、その演算結果に対応する制御信号が不図示の駆動回路に入力され、駆動回路は制御信号に応じて電動モータ111を駆動制御してその出力(補助動力)を制御する。例えば、路面状況に応じてモータ電流を下げて減速することによって安全性を高めたり、走行安定性を高めるためにモータ電流を上げて駆動トルクを大きくすることが行われる。
【0038】以上のように、本実施の形態においても、パワーユニットの電動モータ111の出力(補助動力)の制御パラメータとして、水平方向センサ120によって検出される人力の大きさの他に垂直方向センサ121によって検出される路面情報も加えたため、前記実施の形態1と同様に、路面の状況に拘らず、乗員の特別な対応を要することなく高い走行安定性を得ることができ、楽な操縦による立乗り式スケータ101の快適な走行が実現される。
【0039】ところで、本実施の形態においては、図8に示すように荷重入力(人力入力)を終了してから立乗り式スケータ101が移動動作を終了するまでの時間遅れT2が荷重入力(人力入力)を開始してから立乗り式スケータ101が移動動作を開始するまでの時間遅れT1よりも大きくなるよう(T2>T1)設定されている。
【0040】上記を実現するための具体的な手法としては、コントローラ115内の出力信号処理回路に出力遅延回路を設け、水平方向センサ120の出力信号を入力した後にその値が低下しても、その低下速度よりも遅い速度で水平方向センサ120の出力信号を低下させたり、水平方向センサ120の出力信号を入力した後にその値が低下しても、一定時間だけピーク出力を保持する方法が考えられる。その他、ソフト処理によって前記時間遅れT1とT2との関係がT2>T1となるよう制御しても良い。尚、時間遅れT1,T2はキー入力、スイッチ又はボタン操作によって任意に変更可能としても良い。
【0041】而して、以上のような制御を行うことによって、入力に対して素早く反応し、入力を除去した後においてもパワーユニットの駆動部の出力を一定時間だけ保持することができ、従来の陸上の乗り物では得られないような不思議な乗車フィーリングを体験することができる。そして、時間遅れT1,T2を各車両に応じて変えることによって車両の種類に応じた種々の乗車フィーリングを楽しむことができる。
【0042】尚、この種の制御に用いられる荷重センサとして応答性の良い磁歪式又は圧電式センサを用いることが必要である。
【0043】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形態3を図9に基づいて説明する。尚、図9は本発明の実施の形態3に係る車両用パワーユニットの駆動制御系の構成を示すブロック図である。
【0044】本実施の形態に係る車両は、駆動部としてエンジンを採用するパワーユニットを搭載しており、機械的に設定された操作量としてエンジンのスロットル開度を情報処理回路40の制御情報処理回路41に入力する構成を採用している。
【0045】又、本実施の形態に係る車両には振動センサ220が設けられており、該振動センサ220からの検出信号は入力処理回路30のハイパスフィルター32を通過して振動の高周波成分のみを含み、その高周波成分は整流された後に実効値変換されて振動の強度として情報処理回路40の路面情報処理回路42に入力される。
【0046】而して、情報処理回路40においては、制御情報処理回路41からのスロットル開度(エンジン負荷)情報と路面情報処理回路42からの路面情報(振動の強度)に基づいてエンジン出力が演算される。そして、このようにしてエンジン出力が演算されると、それに対応する制御信号が情報処理回路40から燃料流量制御回路60に入力され、燃料流量制御回路60は制御信号に応じて燃料噴射ポンプ70を駆動制御して燃料噴射量を調整することによってエンジンの出力を制御する。
【0047】以上のように、本実施の形態では、パワーユニットのエンジンの出力の制御パラメータとして、機械的に設定された操作量としてのスロットル開度(エンジン負荷)の他に路面情報(振動の強度)も加えるようにしたため、前記実施の形態1及び2と同様に、乗員の特別な対応を要することなく高い走行安定性を得ることができ、楽な操縦による車両の快適な走行が実現される。
【0048】尚、図10に示すように、ハイパスフィルター32を通過した出力信号の高周波成分の振幅回数をカウンター33によってカウントして振動の頻度を振動の強度と共に情報処理回路40内の路面情報処理回路42に入力するようにしても良い。
【0049】ところで、路面情報の許容量を予め設定しておき、路面情報が許容量を超える車両を停止させたり、路面情報に応じて警告信号を出力するようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、パワーユニットの駆動部の出力の制御パラメータとして、入力信号又は機械的に設定された操作量の他に路面情報を加えたため、路面の状況に拘らず、乗員の特別な対応を要することなく車両に常に高い走行安定性を確保することができ、楽な操縦による車両の快適な走行を実現することができるという効果が得られる。
【0051】又、本発明によれば、荷重入力を開始してから車両が移動動作を開始するまでの時間遅れT1と荷重入力を終了してから車両が移動動作を終了するまでの時間遅れT2との関係がT2>T1となるようパワーユニットの駆動部の出力を制御するようにしたため、車両の種類に応じた種々の乗車フィーリングを楽しむことができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成11年3月11日(1999.3.11)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
【公開番号】 特開2000−261913(P2000−261913A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−65206