| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大金 宏明
【氏名】中島 祐樹
【氏名】吉野 太容
【氏名】内田 正明
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| 【要約】 |
【課題】エンジンの自動停止かつ再始動および4輪駆動の適正制御を得る。
【解決手段】前後輪の車軸のいずれか一方にエンジン1およびエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータ2が、もう一方の車軸に第2のモータジェネレータ15が接続され、エンジンの自動停止かつ再始動機能を持つハイブリッド車両において、エンジン部による駆動力を算出する手段と、第2のモータジェネレータ15のトルクを制御する手段とを備え、この制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時に、算出されたエンジン部による駆動力に応じて第2のモータジェネレータ15のトルクを制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンが再始動されるハイブリッド車両において、エンジン部による駆動力を算出するエンジン部駆動力算出手段と、第2のモータジェネレータのトルクを制御するモータ駆動力制御手段とを備え、モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時に、算出されたエンジン部による駆動力に応じて第2のモータジェネレータのトルクを制御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】 ドライバーの加速要求を検知するアクセル操作量検出手段を備え、前記モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセル操作量がない場合には、エンジン部による駆動力と第2のモータジェネレータによる駆動力との和が一定になるように第2のモータジェネレータのトルクを制御する請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】 ドライバーの加速要求を検知するアクセル操作量検出手段を備え、前記モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセル操作量がある場合には、第2のモータジェネレータによってエンジン部による駆動力の応答に対する遅れに応じた駆動力を発生させるように第2のモータジェネレータのトルクを制御する請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項4】 前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、4輪駆動機能が選択された場合に、エンジンの自動停止かつ再始動を不可とする不可手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項5】 4輪駆動機能が選択された場合に、第1のモータジェネレータを発電制御し、その発電電力を第2のモータジェネレータに供給する4輪駆動制御手段を備える請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項6】 前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、前後輪の車軸の回転数偏差を検出する回転数偏差検出手段と、エンジンの自動停止かつ再始動機能が選択され、かつ前後輪の車軸の回転数偏差が所定値以下の場合に、第2のモータジェネレータによる駆動力の発生を不可とする不可手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項7】 前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、外気温度を検出する外気温度検出手段と、外気温度が所定値以下の場合には、エンジンの自動停止かつ再始動を不可とし、4輪駆動制御を行う4輪駆動制御手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車両の前後輪のいずれか一方をエンジン、もう一方をモータで駆動するハイブリッド車両の駆動力を制御する装置に関わるもので、特に車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能を有する場合の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両の前後輪のいずれか一方をエンジン、もう一方をモータで駆動するハイブリッド車両としては、従来より数多く提案されているが、さらにエンジンに発電機能も付加したモータジェネレータを配設した車両としては、例えば特開平8-237806号公報に開示されているものがある。 【0003】これは、エンジンに力行と発電機能とを併せ持ったモータジェネレータが接続され、これらはクラッチ機構を介し車軸に連結され、またもう一方の車軸には別のモータジェネレータが差動装置を介し連結されている。 【0004】このように、前後輪に各動力源を配置してあることで、車両搭載性の自由度が増加し、かつ4輪駆動の機能も付加されている。また、低負荷時のエンジン停止や減速時のエネルギ回生等の機能も容易に得られ、燃費性能や排気性能の向上も図られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした従来技術では、車両停止中のエンジンを停止している状態から発進する場合、4輪駆動状態で発進するためには、前後輪共に高出力のモータ(モータジェネレータ)が必要となり、これらに電力を供給するための2次電池の容量も大きくなってしまい、車両の大型化や重量増加を招くという問題がある。 【0006】この一方、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジン自動停止再始動システムを適用した場合、例えばエンジンの出力を併用してエンジン側のモータジェネレータに出力の小さいものを用いるようにしても、発進時にはエンジンが自立回転するまで前後輪の駆動力配分が発進開始からの時間で変化するようになり、そのため特に摩擦係数の低い路面では車両をコントロールしにくいという問題がある。 【0007】この発明は、このような問題点を解決することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンが再始動されるハイブリッド車両において、エンジン部による駆動力を算出するエンジン部駆動力算出手段と、第2のモータジェネレータのトルクを制御するモータ駆動力制御手段とを備え、モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時に、算出されたエンジン部による駆動力に応じて第2のモータジェネレータのトルクを制御する。 【0009】第2の発明は、第1の発明において、ドライバーの加速要求を検知するアクセル操作量検出手段を備え、前記モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセル操作量がない場合には、エンジン部による駆動力と第2のモータジェネレータによる駆動力との和が一定になるように第2のモータジェネレータのトルクを制御する。 【0010】第3の発明は、第1の発明において、ドライバーの加速要求を検知するアクセル操作量検出手段を備え、前記モータ駆動力制御手段は、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセル操作量がある場合には、第2のモータジェネレータによってエンジン部による駆動力の応答に対する遅れに応じた駆動力を発生させるように第2のモータジェネレータのトルクを制御する。 【0011】第4の発明は、前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、4輪駆動機能が選択された場合に、エンジンの自動停止かつ再始動を不可とする不可手段を備える。 【0012】第5の発明は、第4の発明において、4輪駆動機能が選択された場合に、第1のモータジェネレータを発電制御し、その発電電力を第2のモータジェネレータに供給する4輪駆動制御手段を備える。 【0013】第6の発明は、前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、前後輪の車軸の回転数偏差を検出する回転数偏差検出手段と、エンジンの自動停止かつ再始動機能が選択され、かつ前後輪の車軸の回転数偏差が所定値以下の場合に、第2のモータジェネレータによる駆動力の発生を不可とする不可手段とを備える。 【0014】第7の発明は、前後輪の車軸のいずれか一方にエンジンが連結かつエンジンの出力軸にエンジンの始動機能を有する第1のモータジェネレータが接続され、もう一方の車軸に駆動力を発生可能な第2のモータジェネレータが接続され、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能と、4輪駆動機能を選択可能な機能選択手段が備えられるハイブリッド車両において、外気温度を検出する外気温度検出手段と、外気温度が所定値以下の場合には、エンジンの自動停止かつ再始動を不可とし、4輪駆動制御を行う4輪駆動制御手段とを備える。 【0015】 【発明の効果】第1〜第3の発明によれば、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセル操作量がない場合に、エンジン回転の立ち上がりに対して第2モータジェネレータによってクリープトルクが補足され、このためクリープトルクによる車両のスムーズな発進状態を得ることができる。また、エンジン停止からの再始動かつ車両発進時にアクセルを踏み込んだ場合、エンジン回転の上昇にしたがい車両の発進が行われると共に、エンジン部による駆動力の応答に対する遅れに応じて第2モータジェネレータによる駆動力が与えられる。したがって、各モータジェネレータに電力を供給する2次電池の容量を大きくすることなく、4輪駆動を必要とする状態でもスムーズな発進性能を確保でき、車両安定性を向上できる。 【0016】第4の発明によれば、4輪駆動機能が選択された場合に、エンジンの自動停止かつ再始動を不可とするので、発進時より4輪駆動機能を維持でき、発進性能が向上する。 【0017】第5の発明によれば、4輪駆動に対して、2次電池の容量を小さくできる。 【0018】第6の発明によれば、エンジンの自動停止かつ再始動機能が選択された場合に、4輪駆動を限定して行うので、2次電池の容量を一層小さくでき、各モータジェネレータも小型化できる。 【0019】第7の発明によれば、外気温度が低いときに、エンジンの自動停止かつ再始動を行わず4輪駆動制御を優先して行うので、路面凍結状態等、4輪駆動機能を必要とする路面状態での良好な発進性能を確保できる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0021】図1に示すように、エンジン1と無段自動変速機3との間に発電機および電動機の両機能を併せ持つ第1モータジェネレータ2が配設される。 【0022】第1モータジェネレータ2は、エンジン1の図示しないクランクシャフトに直結され、エンジン1と同期回転する。無段自動変速機3は、トルクコンバータ4と、前後進切替えクラッチ5と、ベルト式の無段変速機6とから構成され、エンジン1の駆動トルクをこれらを介して前後輪のいずれか一方(例えば、前輪)のドライブシャフト7およびタイヤ8に伝える。 【0023】なお、第1モータジェネレータ2はエンジン1のクランクシャフトにベルトやチェーンを介して連結しても機能的には同等である。また、無段自動変速機3の代わりに有段自動変速機を用いても良い。 【0024】また、前後輪のもう一方(例えば後輪)のドライブシャフト17には第2モータジェネレータ15が差動装置16を介して連結され、第2モータジェネレータ15の駆動トルクを差動装置16を介してドライブシャフト17およびタイヤ18に伝える。 【0025】第1モータジェネレータ2は第1モータコントローラ12により、第2モータジェネレータ15は第2モータコントローラ14により、駆動(電動動作)または被駆動(発電動作)され、これらの電力はバッテリ13から供給またはバッテリ13に充電される。 【0026】9はエンジン1の回転数(モータジェネレータ2の回転数)を検出する回転数センサ、11は車両のブレーキペダル(図示しない)の踏み込み量を検出するブレーキセンサ、21はアクセルペダル(図示しない)の操作量を検出するアクセル操作量センサ、22は前輪のドライブシャフト7の回転数を検出する前輪回転センサ、23は後輪のドライブシャフト17の回転数を検出する後輪回転センサで、これらの信号は車両のパワートレイン全体の制御を統括する統合コントローラ10に入力する。 【0027】統合コントローラ10は、図示しないエンジンのコントロールユニット、自動変速機のコントロールユニットが連係(リンク)しており、前記各センサ信号、スイッチ信号に基づき、第1モータコントローラ12、第2モータコントローラ14に各モータジェネレータ2,15の目標トルク、目標回転数を出力して、第1モータコントローラ12、第2モータコントローラ14を介して、モータジェネレータ2,15の制御、即ちエンジン停止状態からの始動発進制御、4輪駆動制御を行う。 【0028】次に、エンジン停止状態からの始動発進制御の内容を説明する。 【0029】この制御は、車両停止時にエンジンを自動停止して発進する際にエンジンを再始動させるエンジンの自動停止かつ再始動機能を備えるものに適用している。 【0030】このエンジンの自動停止かつ再始動機能は、暖機運転の終了後、車両を一時停止する場合、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ状態にあり、車速がほぼ0km/hになり、エンジンの回転速度がアイドル回転速度にあると、所定時間後にエンジンの燃料噴射を停止してエンジンを一時的に停止すると共に、この後車両を発進する際に、運転者がブレーキペダルを放すと(セレクトレバーはドライブレンジ等)、エンジンを再始動させるものである。 【0031】なお、エンジンの燃料噴射、点火の制御はエンジンのコントロールユニットが行う。 【0032】図2のフローチャート(所定の制御周期で実行)に示すように、まず、ステップ1,2ではエンジン1の停止中にエンジン1の始動要求が有るかを見る。これは、ブレーキセンサ11がオフ(ブレーキペダルが開放)になったときに、始動要求有りと判定する。 【0033】エンジン1の始動要求が有ると、ステップ3ではエンジンコントロールユニットや第1モータコントローラ12にエンジン1の始動指令を出し、ステップ4ではアクセル操作量θを読み込む。 【0034】この始動指令によって、エンジン1を起動させ、最速で自立させるべく、第1モータコントローラ12が第1モータジェネレータ2に目標回転数または目標トルクを与えて第1モータジェネレータ2を駆動し、エンジンコントロールユニットが燃料噴射制御、点火制御を行う。この第1モータジェネレータ2の駆動、エンジンの起動によって、無段自動変速機3のトルクコンバータ4の出力側に、後述するようにエンジン回転数の2乗に比例してクリープトルクが発生する。 【0035】ステップ5では、アクセル操作量θをほぼ操作量0に近い所定値θ1と比較する。 【0036】アクセル操作量θが所定値θ1以下の場合つまりクリープ走行状態の場合はステップ6,7にて、エンジン回転数Neを読み込み、エンジン回転数Neが目標回転数Ne1以下かを見る。目標回転数Ne1はアイドル回転数またはその近傍の所定値に設定している。 【0037】エンジン回転数Neが目標回転数Ne1以下のときは、ステップ8〜10に進む。ステップ8では、エンジン部(エンジン1、第1モータジェネレータ2)による前輪の駆動力を算出する。 【0038】この場合、無段自動変速機3のトルクコンバータ4の伝達トルクはα(定数)×τ(トルクコンバータのトルク容量係数)×Ne2により求まり、エンジン回転数Neの2乗でトルクコンバータ4の出力側トルクが決まる。また、駆動力は無段変速機6の変速比によって変わるが、発進時付近では変速比は最Low一定値であり、したがってエンジン回転数Neに対して駆動力は図3のような特性になる。そのため、エンジン回転数Neを基に、予め図3のような特性に設定したマップを検索して駆動力を求める。 【0039】ステップ9では、第2モータジェネレータ15(M/G2)の必要トルクT1を設定する。これは、目標駆動力つまりエンジンのアイドル回転数Ne1における駆動力を確保するように、エンジン部による前輪の駆動力に対して、第2モータジェネレータ15によって後輪に駆動力を与え、補足するもので、エンジン部による前輪の駆動力と第2モータジェネレータ15による後輪の駆動力との和が一定の前記目標駆動力となるように、第2モータジェネレータ15の必要トルクT1を設定する。即ち、エンジン部による前輪の駆動力に応じて、予め図4のa-bのような特性に設定したマップを検索して必要トルクT1を求める。 【0040】ステップ10では、第2モータコントローラ14に必要トルクT1を指示し、第2モータジェネレータ15のトルク制御を行う。 【0041】したがって、ブレーキペダルを放すと、エンジン1の始動と同時にクリープ走行によって、車両が発進し始める。 【0042】エンジン回転数Neが目標回転数Ne1になると、エンジンが完全に自立したと判断して、ステップ8〜10の制御を終了する。この後、走行条件に応じて通常の4輪駆動制御を行う。 【0043】なお、図4のa-dの必要トルクT1の場合、エンジンの始動開始時にはエンジン部による駆動力を全て第2モータジェネレータ15が補足することになるが、ブレーキペダルが開放つまりブレーキでの制動力が解除されたのと同時に第2モータジェネレータ15によりその分のトルクを発生させるとショックとなる。このため、エンジンの始動開始から開始直後のエンジン部による駆動力がかなり小さいときには、必要トルクT1を図4のc-dのように漸増するように設定して良い。また、エンジン停止中に予め第2モータジェネレータ15にクリープ相当もしくはそれ以下のトルクを与えておいて良い。 【0044】一方、ステップ5において、アクセル操作量θが所定値θ1より大きい場合は加速要求状態にあり、この場合はステップ11〜13にて、アクセル操作量θに基づき目標回転数Ne2を算出し、エンジン回転数Neを読み込み、エンジン回転数Neが目標回転数Ne2以下かを見る。 【0045】エンジン回転数Neが目標回転数Ne2以下のときは、ステップ14〜18に進む。ステップ14では、ステップ8と同様のマップを用いて、エンジン回転数Neを基に、エンジン部による前輪の駆動力を算出する。 【0046】ステップ15では、第2モータジェネレータ15の許容トルクTmaxを設定する。この許容トルクTmaxは、エンジン部による前輪の駆動力に対し、車両の走行安定性を損なわないように設定する限度値で、エンジン部による駆動力に応じて、予め図5のようにエンジン部による駆動力が小さいときは小さく、大きいときは大きくなる特性に設定したマップを検索して求める。ただし、エンジン部による駆動力が0付近つまり始動発進直後は、図5のe−gのように許容トルクTmaxを小さく設定している。 【0047】ステップ16,17では、前輪回転数と後輪回転数を読み込み、その偏差に応じて第2モータジェネレータ15の必要トルクT2を設定する。 【0048】これは、アクセル踏み込み時の4輪駆動性能を確保するためのもので、前輪と後輪の回転数偏差(前輪回転数−後輪回転数)に応じて、予め図6のように回転数偏差が0のときは0、大きいときほど大きくなる特性に設定したマップを検索して求める。即ち、発進時に前輪が空転して前輪と後輪の回転数偏差が大きくなるほど、第2モータジェネレータ15に大きなトルクを与える。ただし、T2が前記許容トルクTmax以上の場合は、T2=Tmaxとする。 【0049】ステップ18では、第2モータコントローラ14に必要トルクT2を指示し、第2モータジェネレータ15のトルク制御を行う。 【0050】したがって、アクセルを踏み込んだ場合、エンジン回転の上昇にしたがい発進するが、前輪が空転した場合、第2モータジェネレータ15による駆動力を後輪に与えて発進する。 【0051】エンジン回転数Neが目標回転数Ne2になると、ステップ14〜18の制御を終了する。この後、走行条件に応じて通常の4輪駆動制御を行う。この場合、ステップ16〜18の制御は、前輪と後輪に回転数偏差があると、第2モータジェネレータ15による駆動力を後輪に与える、即ち前輪と後輪の回転数偏差に応じて第2モータジェネレータ15のトルク制御を行うため、4輪駆動制御にスムーズに移行する。 【0052】このように構成したため、エンジンの自動停止機能によりエンジン1が停止している状態からブレーキペダルを放した場合(アクセルは踏み込んでいない場合)、エンジンの再始動機能によりエンジン1が始動されると同時に、エンジン回転の立ち上がりに対して第2モータジェネレータ15によってクリープトルクが補足される。 【0053】このため、ブレーキペダルを放すと、クリープトルクによって車両のスムーズな発進状態が得られる。また、登坂路において車両後退等の違和感も解消される。 【0054】一方、このエンジン1が停止している状態からブレーキペダルを放して、アクセルを踏み込んだ場合、エンジンの再始動機能によりエンジン1が始動されると共に、エンジン回転の上昇にしたがい車両が発進されるが、この場合前輪と後輪の回転数偏差に応じて第2モータジェネレータ15による駆動力が後輪に与えられる。 【0055】したがって、エンジン1が停止している状態からアクセルを踏み込み発進する場合、スムーズな発進性能が確保される。また、許容トルクの設定によって第2モータジェネレータ15による過大な駆動力が防止される。このため、2次電池の容量が小さくなると共に、前後輪の駆動トルクの格差による車両安定性も向上される。 【0056】図7は、本発明の第2の実施の形態を示す。これは、エンジンの自動停止かつ再始動モード、4輪駆動モードを選択するためのモード選択スイッチ24(図1参照)を設け、その選択を基にエンジン1、第2モータジェネレータ15、第2モータジェネレータ15の制御を行うようにしたものである。 【0057】図7に示すように、ステップ21では、モード選択スイッチ24の信号を読み込む。 【0058】4輪駆動モードが選択されている場合は、4輪駆動制御を行うように、ステップ22からステップ23以降に進む。 【0059】ステップ23では、エンジンの自動停止かつ再始動制御を不可とするエンジン自動停止禁止フラグをセット[1]する。 【0060】ステップ24,25では、前輪回転数と後輪回転数を読み込み、4輪駆動つまり第2モータジェネレータ15の作動の必要性を判断する。 【0061】前輪と後輪の回転数偏差がある場合、第2モータジェネレータ15の作動を必要として、ステップ26では、その回転数偏差に応じて第2モータジェネレータ15の必要トルクを設定すると共に、第2モータジェネレータ15を作動するための必要電力量を算出する。 【0062】ステップ27では、第2モータコントローラ14に必要トルクを指示し、第2モータジェネレータ15のトルク制御を行う。 【0063】ステップ28では、第1モータコントローラ12に第2モータジェネレータ15の必要電力量に相当する必要トルクを指示し、第1モータジェネレータ2を発電制御する。この発電電力を第2モータジェネレータ15に供給する。この場合、エンジンコントロールユニットへは、第1モータジェネレータ2の発電分の負荷を増加するべく、エンジン空気量を増加させるなどの指示を行う。 【0064】なお、ステップ26にて、前輪と後輪の回転数偏差がほぼ無く、第2モータジェネレータ15の作動の必要が無い場合、リターンする。 【0065】一方、4輪駆動モードが選択されていない場合は、ステップ22からステップ29に進む。 【0066】ステップ29では、エンジンの自動停止かつ再始動モードが選択されているかどうかを見る。 【0067】エンジンの自動停止かつ再始動モードが選択されている場合、ステップ30では、エンジン自動停止禁止フラグをクリア[0]する。即ち、所定の条件(暖機条件、停止発進条件等)が成立した場合にエンジンの自動停止かつ再始動制御を行う。 【0068】ステップ31〜33では、前輪回転数と後輪回転数を読み込み、その偏差ΔNwを算出し、偏差ΔNwを所定値ΔNw1と比較する。 【0069】偏差ΔNwが所定値ΔNw1以上の場合、ステップ34,35では、その偏差ΔNwに応じて第2モータジェネレータ15の必要トルクを設定すると共に、第2モータコントローラ14に必要トルクを指示し、第2モータジェネレータ15のトルク制御を行う。 【0070】即ち、エンジンの自動停止かつ再始動モードが選択されている場合、前輪と後輪の回転数偏差ΔNwが小さいときは4輪駆動を行わず、大きいときは4輪駆動を行う。この場合、4輪駆動の範囲を車両の走行安定性に影響を及ぼすときに限定するように、所定値ΔNw1を設定して良い。 【0071】このようにすれば、ドライバーが4輪駆動モードを選択した場合には、いかなる状態でもエンジンの自動停止かつ再始動を行わないので、特に4輪駆動機能を必要とする状態での発進性能が向上する。また、この4輪駆動の場合、第1モータジェネレータ2の発電電力を第2モータジェネレータ15に供給するので、2次電池の容量を小さくできる。 【0072】また、エンジンの自動停止かつ再始動モードを選択した場合、4輪駆動の範囲を限定(前輪と後輪の回転数偏差が所定値以上)するので、各々のモータジェネレータ2,15に電力を供給する2次電池の容量を一層小さくでき、さらに各々のモータジェネレータ2,15も小型化できる。 【0073】なお、エンジンの自動停止かつ再始動制御時は、エンジンの再始動が終了しエンジンが自立した状態、つまり第1モータジェネレータ2の作動終了後に第2モータジェネレータ15の作動を開始するようにしても良い。 【0074】図8は、本発明の第3の実施の形態を示す。これは、外気温度を検出する外気温度センサ25(図1参照)を設け、外気温度を基にエンジンの自動停止かつ再始動、4輪駆動を限定的に行うようにしたものである。 【0075】図8に示すように、ステップ41では外気温度センサ25の信号より外気温度Taを読み込み、ステップ42では外気温度Taが所定値Ta1以下(例えば、氷点下)かどうかを見る。 【0076】外気温度Taが所定値Ta1以下の冷間時には、ステップ43以降に進み、前図7のステップ23〜28の処理と同様に、エンジンの自動停止かつ再始動制御を不可として、4輪駆動制御を行う。 【0077】一方、外気温度Taが所定値Ta1よりも高い場合は、ステップ49以降に進み、前図7のステップ30〜35の処理と同様に、所定の条件(暖機条件、停止発進条件等)が成立した場合にエンジンの自動停止かつ再始動制御を行い、またこの場合、前輪と後輪の回転数偏差ΔNwが小さいときは4輪駆動を行わず、大きいときは4輪駆動を行う。 【0078】このように、外気温度が低いときに、エンジンの自動停止かつ再始動を行わず4輪駆動を優先して行えば、路面凍結状態等、4輪駆動機能を必要とする路面状態での良好な発進性能を確保できる。また、エンジン停止を禁止することで、外気温度が低いときの車室内ヒーター性能との両立を図ることができる。 【0079】また、外気温度が高い場合に、エンジンの自動停止かつ再始動制御を優先して、4輪駆動の範囲を限定するので、前記実施の形態と同様に、2次電池の容量および各々のモータジェネレータ2,15を小型化できると共に、燃費性能を向上できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月10日(1999.3.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−261909(P2000−261909A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−63027 |
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