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【発明の名称】 電動車
【発明者】 【氏名】上符 敏昭

【要約】 【課題】軽量で寿命も長い安定な電源を有する電動車を提供する。

【解決手段】トランジスタTRをONすることにより電気二重層コンデンサC1 に蓄積した電気エネルギを放出してリアクトルLに蓄積し、トランジスタTRをOFFすることによりリアクトルLに蓄積した電気エネルギでコンデンサC2を充電するとともに、コンデンサC2 の両端の電圧を設定電圧Eと比較し、両者の偏差に応じてトランジスタTRをON状態にする時間を制御し、トランジスタTRを介して電流iが流れる度にリアクトルLに蓄積される電気エネルギでコンデンサC2 を充電することによりこのコンデンサC2 の電圧を一定に保持して駆動電動機Mに対する定電圧源として機能させるように電源装置を構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気二重層コンデンサ、スイッチ手段及びコンデンサを負荷に対して並列に接続し、電気二重層コンデンサの充電電荷に基づく電流をスイッチ手段をON状態にすることによりリアクトルに流し、スイッチ手段をOFF状態にしたときリアクトルに蓄積されたエネルギに基づく電流でコンデンサを充電するとともに、このコンデンサの両端の電圧を設定電圧と比較し、両者の偏差に応じてスイッチ手段をON状態にする時間を制御し、スイッチ手段を介して電流が流れる度にリアクトルに蓄積される電気エネルギでコンデンサを充電することによりこのコンデンサの電圧を一定に保持して駆動電動機に対する定電圧源として機能させるように構成した電源装置を有することを特徴とする電動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動車に関し、特に従来のバッテリを電源とする電動車のバッテリを除去し、このバッテリの代替電源を有する電動車として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】バッテリを電源としてモータ駆動により走行する電動車では、一般にバッテリとして、サイクル充電が可能な鉛蓄電池を用いている。したがって、バッテリ(鉛蓄電池)の能力としては、予め定められた走行時間に亘って給電可能な電源として機能できることが求められ、かかる能力を有するバッテリー(鉛蓄電池)を車両に搭載している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如きバッテリを電源としてモータ駆動により走行する電動車では、バッテリを電源としているため、次のような問題がある。
■ メンテナンス上の問題電解液の比重管理が必要で、使用しない状態でも自己放電して数カ月単位で充電が必要になる。
■ 使用上の問題充放電サイクル又は放電率等によって寿命に大きなバラツキが生じ、適用上の注意が必要になる。
■ 充電についてイ)過充電した場合、内部のガス圧の上昇により、爆発の危険がある。
ロ)不足充電での繰返し使用は、サルフェーション等による劣化が生じ、容量が急減する。
ハ)充電電流が大きい場合、■と同様の理由により危険であり、電動車の運行タクトやサイクルタイム等から制約を受け、対策としてシステムの電動車の台数を増やす必要がでてくる。
■ 寿命について一般に充放電サイクルは実用レベルで400〜1000回程度で2〜3年毎に交換を要する。
■ 低温時の容量低下、高温での充放電電流の制限、特にアルカリバッテリは、高温時(45℃以上)の適用については問題があり、クーリング等の処置が必要になる。
【0004】本発明は、上記従来技術に鑑み、軽量で寿命も長い安定な電源を有する電動車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は電気二重層コンデンサを電源として用いるものである。このように、電気二重層コンデンサを電源とすることにより、バッテリで発生する問題点は解決できる。すなわち、基本的にバッテリが化学反応によって充放電されるのに対して電気二重層コンデンサは物理現象による充放電のため、繰返し耐量が大きい。また、高温(70℃)での適用での寿命も大幅に改善され、使用上の制約はバッテリに較べて大きい。ところが、このような電気二重層コンデンサの最大の欠点は、内部インピーダンスが大きく、大電流を供給した場合には電圧降下が大きく、出力電圧の変動が大きいことから、適用上微弱電流を供給すれば良い、メモリー回路のバックアップ用として用いられてきた。本発明は、かかる電気二重層コンデンサの欠点を昇圧回路を設けることにより解決するものであり、次の点を特徴とする。
【0006】電気二重層コンデンサ、スイッチ手段及びコンデンサを負荷に対して並列に接続し、電気二重層コンデンサの充電電荷に基づく電流をスイッチ手段をON状態にすることによりリアクトルに流し、スイッチ手段をOFF状態にしたときリアクトルに蓄積されたエネルギに基づく電流でコンデンサを充電するとともに、このコンデンサの両端の電圧を設定電圧と比較し、両者の偏差に応じてスイッチ手段をON状態にする時間を制御し、スイッチ手段を介して電流が流れる度にリアクトルに蓄積される電気エネルギでコンデンサを充電することによりこのコンデンサの電圧を一定に保持して駆動電動機に対する定電圧源として機能させるように構成した電源装置を有すること。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0008】図1に示すように、電源部は整流器RFと電流制限回路CHからなり、端子T1 、T2 を介して充電部である電動車の電源装置に接続するようになっている。ここで、電気二重層コンデンサC1 、スイッチ手段であるトランジスタTR及びコンデンサC2 は、電源部に接続した状態で整流器RFに並列に接続され、整流器RFから直流電力を供給しつつ電気二重層コンデンサC1 を充電し、この充電電荷に基づく電流iをトランジスタTRをON状態にすることによりリアクトルLに流し、トランジスタTRをOFF状態にしたときリアクトルLに蓄積されたエネルギに基づく電流でコンデンサC2 を充電するようになっている。電動車の駆動電動機MはコンデンサC2 を電源としてドライブ回路DRを介して駆動するようになっている。
【0009】さらに詳言すると、電気二重層コンデンサC1 には、整流器RF及び電流制限回路CHを介して電圧eが充電される。この結果、電気二重層コンデンサC1 に蓄積されたエネルギは、トランジスタTRをONすることによりリアクトルL及びトランジスタTRを介し電流iとなって放電される。ここで電流iは、( e/L) ×時間tで上昇するが、この電流iが予め設定しておいた電流設定値iref に達した時点でトランジスタTRをOFFにする。トランジスタTRがOFFされると、リアクトルLに蓄積されたエネルギはダイオードDを介してコンデンサC2 を充電する電流となって放出される。かかる動作を繰り返すことによりコンデンサC2 の電圧が設定電圧Eに近づく。
【0010】このとき、コンデンサC2 の電圧が設定電圧Eに近づくにつれてトランジスタTRがOFFする電流iの値が漸減するように制御し、このことによりコンデンサC2 の電圧を一定に保持することが可能になる。そこで、本形態においては、トランジスタTRに流れる電流iを電流検出器Aで検出するとともに、コンデンサC2 の両端の電圧を電圧検出器Vで検出し、図2に示すような制御回路でトランジスタTRのON、OFFを制御している。すなわち、図2に示すように、設定電圧Eと電圧検出器Vで検出する電圧検出値edet とを比較して両者の偏差ΔEをとり、この偏差ΔEに基づき制御部PIでPI制御を行い設定器Sに供給する。設定器Sは偏差ΔEに対応する電流設定値iref を出力する。すなわち、設定器Sは偏差ΔEに対応する電流設定値iref のマップを記憶しており、このマップは偏差ΔEが大きくなる程、電流設定値iref が大きくなるように作ってある。電流設定値iref はコンパレータCPで電流検出器Aが検出する電流検出値idet と比較される。コンパレータCPは、電流検出値idet が電流設定値iref になるまでトランジスタTRをONするようにその出力信号で制御する。
【0011】かかる本形態によれば、コンデンサC2 が設定電圧Eになった時点で商用電源をOFFにして電源部を端子T1 、T2 で切り離し、以後は電気二重層コンデンサC1 の電気エネルギでコンデンサC2 を一定電圧に制御し、ドライブ回路DRを介して駆動電動機Mを回転駆動する。すなわち、コンデンサC2 の電圧検出値edet が低下すると、その低下に応じて生じた設定電圧値Eとの偏差ΔEに対応する電流検出値idet になるまでトランジスタTRがON状態となり、このときトランジスタTRを介して流れる電流iによりリアクトルLに電気エネルギが蓄積され、トランジスタTRがOFF状態となった時点で、リアクトルLに蓄積する電気エネルギでコンデンサC2 を充電する。かくしてコンデンサC2 の両端の電圧は許容範囲の一定電圧とすることができる。すなわち、コンデンサC2 は駆動電動機Mの定電圧源として機能する。このとき、電気二重層コンデンサC1 が放出する電気エネルギによる電流iの電流値は小さいので、電気二重層コンデンサC1 の内部インピーダンスが大きくても、このことがそれぼど問題となることはない。
【0012】一方、電気二重層コンデンサC1 の電荷がなくなり、コンデンサC2 の電圧を設定電圧Eに保持することができなくなると、再度電気二重層コンデンサC1 を充電する必要がある。この充電に際しては、電気二重層コンデンサC1 の特性を活かし、電源部から大きな充電電流を供給して短時間充電が可能となる。また、寿命的な制限もなく、充電装置(電源部)の構成もバッテリ式のものに較べ簡単になる。
【0013】
【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した通り、本発明によれば次のような効果が得られる。
■ 充電電流は内部インピーダンスで制限されるので、定格電圧を直接印加でき、充電装置が簡単になるばかりでなく、急速充電が可能でサイクルタイムの短縮を実現でき、システムの電動車の台数の低減にも寄与し得る。
■ 充放電回数に制限がなく、寿命が長い。
■ 電源材料が、活性炭と希硫酸であるので、バッテリの場合の鉛やニッケル・カドミニュウム・リチュウム電池に較べ軽量である。このため、電動車の駆動容量の低減化に資することができる。
■ 温度範囲が広いため、電動車の構造が簡単になる。
■ バッテリのように液漏れ、爆発等の心配がなく、寿命も長くなる。
■ ニッケル、カドミニュウム、鉛等の如く、公害規制を受けない。
■ 故障時には、回路がオープンとなるので、電気回路の短絡が発生しない。
■ 微小電流での充電が可能なので、太陽電池等を併用することが可能であり、屋外車に適用すれば、商用電源による充電エネルギを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
【公開番号】 特開2000−253509(P2000−253509A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−49843