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【発明の名称】 太陽電池装備自動車
【発明者】 【氏名】金子 聡志

【氏名】村田 清仁

【要約】 【課題】太陽電池の発電状態に応じてバッテリの目標充電量を決定し、太陽電池の発電能力を最大限に活用することにより、発電機を駆動するための燃料コストを低下できる太陽電池装備自動車を提供する。

【解決手段】駆動装置10に電力を供給するバッテリ12は、発電機14及び太陽電池16から充電される。バッテリ12の充電量は充電量検出手段18で検出され充電量制御手段20に入力される。充電量制御手段20ではバッテリ12の充電量に応じて発電機14の起動停止を制御し、発電機14の駆動用の燃料コストを低減させる。充電量制御手段20は、太陽電池16の発電量を予測するために、ナビゲーション装置22、通信手段24、大気状態検出手段26、車両姿勢検出手段28から天候情報や車両姿勢の情報が入力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリと、前記バッテリを充電するための発電機と、前記バッテリを充電するための太陽電池と、前記バッテリの充電量を検出するための充電量検出手段と、前記バッテリの目標充電量を決定し、前記発電機の起動停止を制御する充電量制御手段と、を備えることを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項2】 請求項1記載の太陽電池装備自動車において、前記充電量制御手段は、時刻に応じて目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項3】 請求項1記載の太陽電池装備自動車において、前記充電量制御手段は、前記太陽電池の出力量に応じて目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項4】 請求項3記載の太陽電池装備自動車において、前記太陽電池の出力量は、所定時間内の平均出力量であることを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項5】 請求項1記載の太陽電池装備自動車において、前記充電量制御手段は、車載されたナビゲーション装置からの情報に基づき目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項6】 請求項1記載の太陽電池装備自動車において、前記充電量制御手段は、車載された通信手段により受信された天候情報に基づき目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれか一項記載の太陽電池装備自動車は、さらに大気状態検出手段を備え、前記充電量制御手段は、前記大気状態検出手段の予測する天候状態に応じて目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【請求項8】 請求項1から請求項6のいずれか一項記載の太陽電池装備自動車は、さらに車両姿勢検出手段を備え、前記充電量制御手段は、前記車両姿勢検出手段の検出値に応じて目標充電量を変更することを特徴とする太陽電池装備自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池により発電機の負荷を低減できる太陽電池装備自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハイブリッド型自動車において、発電機による発電量を補い、電動機を駆動するためのバッテリの過放電を防止するために太陽電池を搭載する技術が提案されている。例えば、特開平8−251711号公報にも、電動機を駆動するための電源としてバッテリとコンデンサが搭載されており、これらの充電電圧が所定電圧より低いときに、太陽電池側から充電電流を供給し、バッテリとコンデンサの充電電圧を使用可能な状態とするように制御するハイブリッド自動車用バッテリ装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術においては、バッテリの目標充電量を常に固定的に設定しており、環境条件等によって変化する太陽電池の発電状態に応じて最適な目標充電量に制御することは行われていなかった。このため、太陽電池で発電しても、そのときのバッテリの充電量が多くて発電電力をバッテリに受け入れることができない状態が生じうることになる。したがって、太陽電池の発電能力を充分に活用できず、発電機を駆動するために使用される燃料コストを十分に低下させることができないという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、太陽電池の発電状態に応じてバッテリの目標充電量を決定し、太陽電池の発電能力を最大限に活用することにより、発電機を駆動するための燃料コストを低下できる太陽電池装備自動車を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は太陽電池装備自動車であって、バッテリと、バッテリを充電するための発電機と、バッテリを充電するための太陽電池と、バッテリの充電量を検出するための充電量検出手段と、バッテリの目標充電量を決定し、発電機の起動停止を制御する充電量制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】また、上記太陽電池装備自動車において、充電量制御手段は、時刻に応じて目標充電量を変更することを特徴とする。
【0007】また、上記太陽電池装備自動車において、充電量制御手段は、太陽電池の出力量に応じて目標充電量を変更することを特徴とする。
【0008】また、上記太陽電池装備自動車において、太陽電池の出力量は、所定時間内の平均出力量であることを特徴とする。
【0009】また、上記太陽電池装備自動車において、充電量制御手段は、車載されたナビゲーション装置からの情報に基づき目標充電量を変更することを特徴とする。
【0010】また、上記太陽電池装備自動車において、充電量制御手段は、車載された通信手段により受信された天候情報に基づき目標充電量を変更することを特徴とする。
【0011】また、上記太陽電池装備自動車は、さらに大気状態検出手段を備え、充電量制御手段は、大気状態検出手段の予測する天候状態に応じて目標充電量を変更することを特徴とする。
【0012】また、上記太陽電池装備自動車は、さらに車両姿勢検出手段を備え、充電量制御手段は、車両姿勢検出手段の検出値に応じて目標充電量を変更することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0014】図1には、本発明に係る太陽電池装備自動車の構成のブロック図が示される。図1において、モータ等で構成される駆動装置10には、バッテリ12から電力が供給される。このバッテリ12には、内燃機関によって駆動される発電機14及び太陽電池16から充電電流が供給され、充電が行われる。また、バッテリ12の充電量は充電量検出手段18によって検出される。
【0015】この充電量検出手段18によって検出されたバッテリ12の充電量は、充電量制御手段20に入力される。充電量制御手段20は、充電量検出手段18から入力されたバッテリ12の充電量に応じて、発電機14の起動停止を制御するように構成されている。すなわち、充電量制御手段20では、バッテリ12の目標充電量を決定し、この目標充電量に応じて発電機14の起動停止を制御することになる。この場合の目標充電量としては、従来太陽電池16が装着されていない場合には60%程度の値であったが、太陽電池16の発電能力を十分に活用するために、この目標充電量を低めに設定するのが好適である。例えば、40%程度とすることが考えられる。このように、目標充電量を低く設定しても、太陽電池16による発電電流を、例えば自動車が比較的長期間にわたって使用されず放置され、発電機14が駆動できない場合にも充電できるので、バッテリ12が過放電となることを防止できる。このため、バッテリ12の充電量不足により太陽電池装備自動車の走行に悪影響を与え、あるいは走行不能となるような事態を十分に回避できる。
【0016】また、太陽電池16による発電量は、時刻やその日の天候或いは車両姿勢等により変化するので、充電量制御手段20は、これらによる太陽電池16の発電量の変化を検出し或いは予測して、上述した目標充電量を適宜変更していく。例えば、太陽電池16の発電量は昼間の日照時間帯に高くなり、夜間では殆ど期待できなくなる。そこで、充電量制御手段20は、時刻に応じて目標充電量を変更する。すなわち、昼間は目標充電量を低くし、夜間はこれを高くする。これにより、昼間は太陽電池16からの発電電力をバッテリ12に十分受け入れ可能とするとともに、夜間においては発電機14による発電量を多くして、バッテリ12の過放電を防止する。
【0017】また、充電量制御手段20が太陽電池16の出力量を把握し、この出力量に応じて上記目標充電量を変更することも好適である。太陽電池16の出力量としては、例えば所定時間内の平均出力量を充電量制御手段20が算出しこれを使用することもできる。
【0018】図2(a)には、時刻に応じて充電量制御手段20が設定するバッテリ12の目標充電量の変化の例がテーブルαとして示される。また、図2(b)には、太陽電池16の時間平均出力量に応じて充電量制御手段20が目標充電量を変更する場合の例がテーブルβとして示される。図2(b)に示された時間平均出力量は、例えば30分間の太陽電池16の出力量の平均値である。
【0019】以上のような目標充電量は、図2(a)に示されたテーブルα及び図2(b)に示されたテーブルβを単独で用いてもよいが、次に示す計算式により充電量制御手段20がバッテリ12の目標充電量を算出する構成としてもよい。
【0020】
【数1】目標充電量=MIN(60%,テーブルαの値+テーブルβの値)すなわち上記式によれば、時刻及び太陽電池16の時間平均出力量に応じ、テーブルαから求めた値とテーブルβから求めた値との和と一定値例えば60%との大小を比較し、そのうち小さいものを目標充電量とすることになる。以上のようにして、バッテリ12の目標充電量をなるべく低い値に設定することにより、太陽電池16からの発電電流をより多くバッテリ12に受け入れることができ、その分発電機14を停止できるので、発電に使用される燃料コストを低減することができる。
【0021】また、太陽電池装備自動車にナビゲーション装置22が車載されている場合には、このナビゲーション装置22の保有するナビゲーション情報に基づいて充電量制御手段20がバッテリ12の目標充電量を変更する構成とするのも好適である。ナビゲーション情報としては、トンネルの有無やビルあるいは山等による日陰の有無等、太陽電池16の発電量に影響を及ぼす道路の状況に関する情報が考えられる。これにより、道路毎の個別的な太陽光の入射条件の変化に基づいて太陽電池16の発電量を予測でき、この予測値により最適な目標充電量を設定することができる。
【0022】また、太陽電池装備自動車に通信手段24が車載されている場合には、この通信手段24によって入手される天候に関する情報に基づいて、充電量制御手段20が目標充電量を変更する構成とするのも好適である。これにより、時刻のみならず、その日の天候情報に応じて太陽電池16の発電量を正確に予測でき、これにより最適な目標充電量を設定することができる。さらに、太陽電池装備自動車に、湿度や大気圧から以後の天候を予測する大気状態検出手段26を車載するのも好適である。この大気状態検出手段26により、湿度や大気圧等の検出値から予測された天候状態に応じて、充電量制御手段20がバッテリ12の目標充電量を変更する。これにより、大気状態検出手段26で予測したその日の天候に応じた最適な目標充電量を設定することができる。
【0023】また、太陽電池16は自動車に車載されているので、車両の方角や傾斜角などの車両姿勢により、太陽光の入射角度が変化し、発電量も変化する。従って、車両姿勢検出手段28を車載しておけば、これにより検出された車両姿勢に応じて充電量制御手段20が太陽電池16の発電量を予測し、最適な目標充電量を設定することができる。
【0024】以上に述べた本発明に係る太陽電池装備自動車は、ハイブリッド型自動車のみならず燃料電池により走行する自動車等、発電機14あるいは燃料電池等とバッテリ12とを有し、このバッテリ12の充電電流に太陽電池16からの発電電流を使用できる型の自動車であればいずれにも適用可能である。これにより、バッテリ12の充電電流の一部を太陽電池16で補い、発電機14や燃料電池の駆動用燃料のコストを低減することができる。
【0025】さらに、上述したバッテリ12の目標充電量は、マニュアル方式によりユーザがセットできるようにすることも好適である。例えば、停車後しばらく車両を使用しないような場合には、夜間であっても目標充電量を高く設定する必要はない。翌日或いは翌々日の昼間に、太陽電池16で発電した電流により十分充電可能だからである。このような場合には、ユーザがマニュアルで目標充電量を低く設定する等により、太陽電池16の発電能力をより効率的に使用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、充電量制御手段により最適な目標充電量を設定できるので、太陽電池の出力特性を最大限に活用することが可能となる。
【0027】また、時刻の推移による太陽光の入射量変化に応じて最適な目標充電量とすることができる。
【0028】また、太陽電池の出力量に応じて目標充電量を変更すれば、さらに太陽電池の発電能力を十分に活用できるとともに、バッテリの過放電も防止できる。
【0029】また、ナビゲーション装置から得られた道路環境等の情報や、通信手段から得られた天候情報に基づいて目標充電量を変更すれば、より適切な値に目標充電量を設定することができる。
【0030】また、大気状態検出手段を車載すれば、これにより検出された天候の予測値に応じて最適な目標充電量を設定することができる。
【0031】また、車両姿勢検出手段も車載すれば、車両の向きや傾斜角などの車両姿勢に応じた最適な目標充電量を設定することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年2月25日(1999.2.25)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2000−253504(P2000−253504A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−47759