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【発明の名称】 車両のインバータ搭載構造
【発明者】 【氏名】山田 良昭

【氏名】山田 淳

【氏名】佐々木 正和

【氏名】家中 弘

【要約】 【課題】車両のインバータ搭載構造において、インバータの脱着作業を容易にする。

【解決手段】インバータ1を冷却する冷却器2と、冷却器2に冷却媒体を循環させる冷却回路3と、冷却器2を冷却回路3に接続した状態でインバータ1に対して接離可能に支持する冷却器支持機構4と、冷却器2をインバータ1に押し付ける駆動機構6とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行用モータに供給される電力を変換するインバータと、前記インバータを冷却する冷却器と、前記冷却器に冷却媒体を循環させる冷却回路と、を備える車両のインバータ搭載構造において、前記冷却器を前記冷却回路に接続した状態で前記インバータに対して接離可能に支持する支持機構と、前記冷却器を前記インバータに押し付ける駆動機構と、を備えたことを特徴とする車両のインバータ搭載構造。
【請求項2】前記インバータを略水平方向に移動可能に支持するスライドレールを備え、前記冷却器支持機構は前記冷却器を略垂直方向に移動可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の車両のインバータ搭載構造。
【請求項3】前記駆動機構として前記冷却器と車体の間に移動可能な楔ブロックを介装したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のインバータ搭載構造。
【請求項4】前記駆動機構として前記冷却器と車体の間に伸縮可能なジャッキを介装したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のインバータ搭載構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車やハイブリッド車両において、インバータを車両に搭載する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ等の発熱部品で構成されるインバータを冷却するため、インバータのまわりに冷却液を循環させてその発熱を持ち去る水冷式冷却装置を備えるものがあった。
【0003】従来、この種のインバータを車両に搭載する構造として、例えば特開平7−194139号公報に開示されたものは、冷却器がインバータに一体化して設けられ、冷却液が循環する冷却器(ヒートシンク)を構成する部材(ベース)にトランジスタ等の発熱部品が固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のインバータ搭載構造にあっては、冷却器とインバータが一体化して設けられているため、車両からインバータを取り外す際に、冷却器に冷却液を導く配管を外す必要があり、車両の限られたスペースで行われるこの脱着作業に手間がかかるという問題点があった。また、配管を脱着する際に冷却液がインバータの電気回路にかかる心配があった。
【0005】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、車両のインバータ搭載構造において、インバータの脱着作業を容易にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、走行用モータに供給される電力を変換するインバータと、インバータを冷却する冷却器と、冷却器に冷却媒体を循環させる冷却回路とを備える車両のインバータ搭載構造に適用する。そして、冷却器を冷却回路に接続した状態でインバータに対して接離可能に支持する支持機構と、冷却器をインバータに押し付ける駆動機構とを備えるものとした。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、インバータを略水平方向に移動可能に支持するスライドレールを備え、冷却器支持機構は冷却器を略垂直方向に移動可能に支持するものとした。
【0008】第3の発明は、第1または第2の発明において、駆動機構として冷却器と車体の間に移動可能な楔ブロックを介装するものとした。
【0009】第4の発明は、第1または第2の発明において、駆動機構として冷却器と車体の間に伸縮可能なジャッキを介装するものとした。
【0010】
【発明の作用および効果】第1の発明において、インバータの脱着時に冷却器から冷却回路の配管を外す必要がないため、冷却液がインバータの回路にかかる心配がなく、インバータを容易に脱着することができる。
【0011】第2の発明において、重量の大きいインバータをスライドレールを介して容易に脱着することができる。
【0012】第3の発明において、楔ブロックを移動して冷却器をインバータに押し付けることにより、冷却器を確実に保持できるとともに、インバータを容易に脱着することができる。
【0013】第4の発明において、ジャッキを伸縮させて冷却器をインバータに押し付けることにより、冷却器を確実に保持できるとともに、インバータを容易に脱着することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】図1において、1はハイブリッド車両に搭載されるインバータであり、図示しない発電機で発電される電力がインバータ1を介して図示しない走行用モータとバッテリに供給される。インバータ1はトランジスタ、抵抗、コンデンサ等で構成される電力変換回路が基板上に設けられており、その作動時にこれらの部品から熱が発生する。
【0016】図1において、2はインバータ1を冷却する冷却器であり、冷却器2はこれを循環する冷却液(冷却媒体)によってインバータ1の熱を持ち去る熱交換器として機能する。
【0017】図4に示すように、冷却器2に冷却媒体として冷却液を循環させる冷却回路3が配設される。冷却回路3は冷却液を貯留するタンク12と、タンク12から冷却液を冷却器2に送るポンプ11と、冷却器2を通過してインバータ1の熱を吸収した冷却液から外気への放熱を促すラジエータ13とを備え、インバータ1を強制的に冷却するようになっている。冷却器2はその入り口がホース14を介してポンプ11の吐出側に連通し、その出口が図示しないホースを介してラジエータ13に連通している。
【0018】そして本発明の要旨とするところであるが、冷却器2をインバータ1と分離して設け、冷却器2を冷却回路3に接続した状態でインバータ1に対して接離可能に支持する支持機構4と、冷却器2をインバータ1に押し付ける駆動機構6とを備えて、インバータ1が冷却器2と独立して取り外せる構造とする。
【0019】冷却器2はインバータ1のアンダパネル15に接合し、インバータ1の電力変換回路に生じる熱を吸収するようになっている。アンダパネル15は電力変換回路の基板を支持する機能と、回路に生じる熱を冷却器2に伝える機能を持っている。
【0020】支持機構4として、冷却器2と車体9の間には板バネ17が介装される。板バネ17はS字形に折り曲げられ、冷却器2を略垂直方向に移動可能に支持するとともに、冷却器2をインバータ1から離れる方向に付勢している。なお、冷却器支持機構4として、板バネ17の代わりに冷却器2を略垂直方向に移動可能に支持するスライドレールを設けてもよい。
【0021】駆動機構6として、冷却器2の背面18に摺接しながら移動する楔ブロック21と、楔ブロック21をリンク23を介して移動させるロックレバー24を備える。楔ブロック21はその上面22が水平面に対して傾斜する楔形をしており、これに摺接する冷却器2の背面18も同じく水平面に対して傾斜して形成される。楔ブロック21は図1に矢印で示すように右方向に移動することにより、冷却器2を上昇させる。
【0022】図3に示すように、インバータ1は車体9に一対のスライドレール31を介して略水平方向に移動可能に支持され、垂直方向への移動が規制されている。
【0023】車体9にはコネクタボックス7が固定され、図2に示すようにインバータ1側に設けられる複数の端子10がコネクタボックス7に差し込まれることにより、発電機と走行用モータとバッテリおよびコントローラに配線がつながるようになっている。
【0024】以上のように構成されて、次に作用について説明する。
【0025】インバータ1の取り付け時は、図1に示すように、インバータ1がコネクタボックス7に当接する所定位置にある状態で、ロックレバー24を起こして楔ブロック21を図において右方向に移動させ、冷却器2を上昇させる。こうして冷却器2をインバータ1に押し付けた状態で、インバータ1を車体9に固定する。
【0026】インバータ1が取り付けられた状態で、冷却器2は駆動機構6を介して垂直方向の移動が係止されているため、車両の振動等を受けても冷却器2がインバータ1のアンダパネル15に密着した状態を維持できる。なお、インバータ1にロックレバー24の倒れを係止する爪を設けて二重にロックするようにしてもよい。
【0027】インバータ1の取り外し時は、図2に矢印で示す方向にロックレバー24を倒して楔ブロック21を図において左方向に移動させ、冷却器2をインバータ1から離した後、インバータ1をスライドレール31に沿って引き出す。
【0028】このようにインバータ1の脱着時に冷却器2からホース14等を外す必要がないため、冷却液がインバータ1の回路にかかる心配がなく、インバータ1を容易に脱着することができる。また、重量の大きいインバータ1をスライドレール31を介して容易に脱着することができる。
【0029】次に図5に示す他の実施の形態として、楔ブロック21に転接する玉軸受26冷却器2に取り付けて、楔ブロック21の摺動抵抗を減らしてもよい。
【0030】次に図6に示す他の実施の形態として、楔ブロック21をネジ棒27を介して移動させる構成としてもよい。ネジ棒27は楔ブロック21に螺合し、図中矢印で示すようにハンドル28を介して回転されることにより、楔ブロック21を水平方向に移動させるようになっている。
【0031】次に図7に示す他の実施の形態は、駆動機構6として冷却器2と車体の間にリンク式ジャッキ35を備え、ジャッキ35を伸縮させて冷却器2を昇降させるものである。ジャッキ35は、4本のリンク36によって構成され、下の回動支点37が車体9に連結され、上の回動支点38が車体9に連結され、左右の回動支点に部材41,42が連結され、各部材41,42に渡るネジ棒43を介して伸縮される、いわゆるパンタグラフ構造をしている。ネジ棒43は部材41を挿通するとともに部材42に螺合し、図中矢印で示すようにハンドル44を介して回転されることにより、ジャッキ35が垂直方向に伸縮して、冷却器2を昇降させる。
【出願人】 【識別番号】000003908
【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社
【出願日】 平成11年2月22日(1999.2.22)
【代理人】 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
【公開番号】 特開2000−245014(P2000−245014A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−42942