| 【発明の名称】 |
ハイブリッド自動車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂本 博史
【氏名】箕輪 利通
【氏名】萱野 光男
【氏名】越智 辰哉
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| 【要約】 |
【課題】モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値を超過するような運転者加速意図が発生した場合でも、駆動力低下を抑制し、自動車の加速性能の向上したハイブリッド自動車の制御装置を提供することにある。
【解決手段】パワートレイン制御ユニット100の駆動力低下予測手段150は、電動機29の単独駆動時から電動機29と内燃機関1の並列駆動への切替する際の電動機29と内燃機関1の回転数合せ期間における目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する。駆動力補正手段160は、この駆動力低下分予測手段150により求められた駆動力低下分に基づいて、電動機29の出力の基準となる最大値を越える出力を電動機の出力29として補正する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動への切替する際の上記電動機と上記内燃機関の回転数合せ期間における目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する駆動力低下分予測手段と、この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項2】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動への切替する際の上記内燃機関の出力の遅れによる目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する駆動力低下分予測手段と、この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項3】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機と上記内燃機関の並列駆動時から上記電動機の単独駆動への切替する際の上記内燃機関の駆動力伝達の解放までの期間における目標駆動力に対する駆動力増加分を予測する駆動力増加分予測手段と、この駆動力増加分予測手段により求められた駆動力増加分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド自動車の制御装置において、上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動機の連続使用可能な最大出力値であることを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド自動車の制御装置において、上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動機の連続使用可能な最大出力値に基づいて設定された出力値であることを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド自動車の制御装置において、上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動機の単独駆動から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動に切り替えた際の上記電動機の出力の最大値であることを特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関や、電動機及び動力伝達装置からなるハイブリッド自動車の制御装置に関し、特に、自動車の加減速性能向上を図るハイブリッド自動車の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の地球環境問題の観点から自動車の燃費の大幅低減が期待できるハイブリッド自動車(以下、「HEV」と称する)において、燃費と加速性能の両立を図る駆動力マネージメントHEV制御システムの確立が重要となってきている。このシステムでは、運転者が要求する加減速感を満足させつつ、エンジン及びモータを高効率域で運転するようにエンジン、モータ及び発電機を総合制御する必要がある。 【0003】一般に、HEVは、内燃機関(以下、「エンジン」と称する)と、電動機(以下、「モータ」と称する)及び動力伝達装置を備えている。そして、従来のHEVの制御装置としては、例えば、特開平8−98322号公報に記載されているように、エンジンとモータの間に機械的連結を開閉する連結開閉手段を設け、連結解放手段を閉じる際にエンジンとモータの回転数を実質的に一致させることにより、運転性能を向上させることが知られている。即ち、エンジンと同軸に接続された発電機のトルクを制御し、エンジンとモータの回転数を実質的に一致させることにより、エンジン回転数が常に一定ではないシステムにおいても、切り換えショックなく且つCVT(無段変速機)を使用することなく、シリーズモード・パラレルモード(シリーズモード:エンジンで発電したエネルギーを用いモータのみで走行、パラレルモード:エンジン及びモータで走行)の切り換えを行うことを可能にしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の制御装置では、モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値を超過するような運転者加速意図が発生した場合、エンジン駆動分を追加して駆動力を発生させることになるが、エンジンの回転数合わせが終了するまで連結開閉手段が解放されているため、エンジン出力が出力軸に伝達されず、駆動力低下が生じる。また、エンジン出力の遅れによっても駆動力低下が生じ、加速性能が悪化するという問題があった。 【0005】また、エンジン駆動分とモータ駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値よりも小さくなるような運転者減速意図が発生した場合、エンジン駆動分を除去して駆動力を発生させることになるが、連結解放手段が解放されるまで、エンジン出力が出力軸に伝達されるため、駆動力増加が生じ、減速性能が悪化するという問題があった。 【0006】本発明の第1の目的は、モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値を超過するような運転者加速意図が発生した場合でも、駆動力低下を抑制し、自動車の加速性能の向上したハイブリッド自動車の制御装置を提供することにある。 【0007】本発明の第2の目的は、エンジン駆動分とモータ駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値よりも小さくなるような運転者減速意図が発生した場合でも、駆動力増加を抑制し、自動車の減速性能が向上したハイブリッド自動車の制御装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動への切替する際の上記電動機と上記内燃機関の回転数合せ期間における目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する駆動力低下分予測手段と、この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えるようにしたものである。かかる構成により、回転数合せの期間における駆動力低下分を補正して、加速性能を向上し得るものとなる。 【0009】(2)また、上記第1の目的を達成するために、本発明は、内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動への切替する際の上記内燃機関の出力の遅れによる目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する駆動力低下分予測手段と、この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えるようにしたものである。かかる構成により、電動機と内燃機関の並列駆動への切替する際の内燃機関の出力の遅れによる駆動力低下分を補正して、加速性能を向上し得るものとなる。 【0010】(3)また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、内燃機関と電動機を有するハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置において、上記電動機と上記内燃機関の並列駆動時から上記電動機の単独駆動への切替する際の上記内燃機関の駆動力伝達の解放までの期間における目標駆動力に対する駆動力増加分を予測する駆動力増加分予測手段と、この駆動力増加分予測手段により求められた駆動力増加分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段とを備えるようにしたものである。かかる構成により、上記内燃機関の駆動力伝達の解放までの期間における内燃機関の駆動力増加分を補正して、減速性能を向上し得るものとなる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置の構成について説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いるハイブリッド自動車のシステム構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いるハイブリッド自動車の構成を示すシステム構成図である。 【0012】エンジン1の出力軸2には、噛み合い歯車3を有する低速用エンジン側歯車4と、噛み合い歯車5を有する高速用エンジン側歯車6と、低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン側歯車6と出力軸2を直結するハブ7と、スリーブ8とが設けられている。 【0013】低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン側歯車6が出力軸2の軸方向に移動しないようストッパー(図示しない)が設けられている。ハブ7の内側には、出力軸2の複数の溝9と噛み合う溝(図示しない)が設けてあり、ハブ7は出力軸2の軸方向には移動可能になっているが、出力軸2の回転方向への移動は制限される。従って、エンジン1から出力されるトルクは、ハブ7及びスリーブ8に伝達される。 【0014】エンジン1からのトルクを低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン側歯車6へ伝達するためには、スリーブ8を出力軸2の軸方向に移動させ、噛み合い歯車3あるいは噛み合い歯車5とハブ7とを直結する必要がある。噛み合い歯車3及び噛み合い歯車5とハブ7には、同一の溝が設けてあり、スリーブ8の内側にはハブ7に噛み合う溝(図示しない)が設けてある。スリーブ8の移動には、ラック11と、ラック11と噛み合う小歯車12及びステッピングモータ13から成るリニアアクチュエータが用いられる。また、スリーブ8の外周部は、出力軸2の回転方向にはフリーになっており、スリーブ8の回転に対して回転しないレバー14が設けられている。ここで、ハブ7と、スリーブ8と、噛み合い歯車3と、噛み合い歯車5とから成るクラッチ機構を、「ドッグクラッチ」と称している。このクラッチ機構は、エンジン1などの動力源からのエネルギーを高効率でタイヤ10に伝達することが可能になり、燃費低減が図れる。 【0015】また、ステッピングモータ13は、予め設定されたステップ数により回転角度が認識できるため、ラック11の移動位置が判断できる。よって、現在、低速用エンジン側歯車4が使われているか高速用エンジン側歯車6なのか、あるいは中立位置なのかの判断が可能になる。ステッピングモータの代わりにラックの位置を検出するセンサと直流モータの組み合わせでも、上記判断が可能である。 【0016】また、エンジン1の出力軸2と発電機15の出力軸16との直結のためにも、上述のクラッチ機構及びリニアアクチュエータは用いられている。出力軸2には、出力軸2と一体になって回転する噛み合い歯車17を有するエンジン1の回転数Ne検出用歯車18が設けられている。また、出力軸16には、出力軸16と一体になって回転し、かつ出力軸16の軸方向に溝19に沿って移動可能なハブ20と噛み合い歯車21を有する発電機15の回転数Ng検出用歯車22が設けられている。ハブ20の外周には、スリーブ23が設けられている。 【0017】さらに、出力軸2及び出力軸16の間には、スラストベアリング24が設けられており、2つの出力軸2,16の接触による摩擦抵抗を低減し、かつ軸の芯づれを防止している。リニアアクチュエータ部は、レバー25と、ラック26と、小歯車27と、ステッピングモータ28とから構成される。 【0018】車両(図示しない)駆動用のモータ29の出力軸30には、低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン側歯車6と、それぞれ噛み合う低速用モータ側歯車31及び高速用モータ側歯車32とが設けられている。低速用モータ側歯車31は、モータ29の回転数Nm検出用としても用いられる。また、出力軸30には、最終減速歯車33が設けられ、モータ29のみでの走行が可能になっている。 【0019】エンジン1では、吸気管34に設けられた電子制御スロットル35により吸入空気量が制御され、空気量に見合う燃料量が燃料噴射装置39から噴射される。電子制御スロットル35は、スロットルバルブ36と、駆動モータ37と、スロットルセンサ38とから構成される。 【0020】また、空気量及び燃料量から空燃比が決定され、燃料噴射装置39によってシリンダ内に燃料が噴射される。エンジン回転数などの信号から点火時期が決定され、点火装置40により点火される。燃料噴射装置39には、燃料が吸気ポートに噴射される吸気ポート噴射方式あるいはシリンダ内に直接噴射される筒内噴射方式があるが、エンジンに要求される運転域(エンジントルク,エンジン回転数で決定される領域)を比較して燃費が低減でき、かつ排気性能が良い方式のエンジンを選択することが望ましい。 【0021】次に、エンジン1,発電機15及びモータ29の制御装置100について説明する。パワートレイン制御ユニット100には、アクセルペダル踏み込み量α,ブレーキ踏力β,シフトレバー位置Ii,バッテリー容量Vb,モータ回転検出器42から検出されたモータ29回転数Nm,エンジン回転検出器43から検出されたエンジン回転数Ne及び発電機回転検出器44から検出された発電機回転数Ngが入力される。パワートレイン制御ユニット100は、エンジン1の出力Teを演算し、通信手段であるLANによりエンジン制御ユニット45に送信する。エンジン制御ユニット45内では、エンジン出力Teを達成するスロットルバルブ開度,燃料量及び点火時期が演算され、それぞれのアクチュエータが制御される。 【0022】また、パワートレイン制御ユニット100は、モータ29及び発電機15の負荷,ステッピングモータ13及びステッピングモータ28のステップ数を演算し、それぞれLANによりモータ制御ユニット46に送信し、各アクチュエータが制御される。モータ制御ユニット46は、発電機15から得られた電力をバッテリー47に充電したり、モータ29などを駆動するためバッテリー47から電力を供給したりする。 【0023】パワートレイン制御ユニット100は、車速検出手段110と、目標駆動力生成手段120と、駆動力源選択手段130と、エンジン出力遅れ予測手段140と、駆動力低下分予測手段150と、モータ出力の基準となる最大値を超過してトルク補正を実行する駆動力補正手段160とを備えている。なお、加速意図検出手段170については、後述する。 【0024】車速検出手段110は、モータ回転数Nmから車速Vspを、関数fにより、Vsp=f(Nm)として演算する。 【0025】目標駆動力生成手段120は、入力したアクセルペダル踏み込み量α及び車速検出手段110によって求められた車速Vspから、運転者が意図する目標駆動力ToutREFを演算する。また、駆動力選択手段130は、目標駆動力生成手段120によって求められた目標駆動力ToutREFから、駆動力源を、モータ29単独駆動とするか、モータ29とエンジン1の並列駆動とするかを選択する。 【0026】ここで、図2を用いて、目標駆動力生成手段120及び駆動力選択手段130の処理内容について説明する。図2において、横軸は車速Vspを示しており、縦軸は目標駆動力ToutREFを示している。また、実線の矢印がアクセルペダル踏み込み量α(%表示)を示している。 【0027】目標駆動力生成手段120は、車速Vspとアクセルペダル踏み込み量αとに基づいて、目標駆動力ToutREFを求める。アクセルペダル踏み込み量αの%が大きいほど、運転者は大きな加速感を要求するため、目標駆動力ToutREFが大きくなる。 【0028】図中の斜線領域がエンジン1の駆動分であり、点々領域がモータ29の駆動分である。モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEに、エンジン1の出力の最大値を加えたものが、モータ29とエンジン1による出力の最大値TmeMAXとなる。 【0029】求められた目標駆動量ToutREFが小さい場合には、モータ29の駆動だけで目標駆動力を得ることができるが、目標駆動量ToutREFが大きくなると、モータ29の駆動だけで目標駆動力を得ることができないため、エンジン1の駆動力も利用する必要がある。これらの領域にしたがい、駆動力選択手段130は、モータ29の単独駆動か、モータ29とエンジン1との並列駆動とするかの駆動力源を選択する。 【0030】なお、図示するモータ駆動分とエンジン駆動分の駆動力は、定常状態における値である。加速時等の過渡状態において、本実施形態においては、モータ駆動分は、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASE以上の駆動力を得るようにしている。 【0031】さらに、加速意図検出手段170は、アクセルペダル踏込み量αの時間変化分を検出して、急激にアクセルペダルが踏み込まれて運転者が急加速を意図している場合と、アクセルペダルがゆっくりと踏み込まれて運転者が緩加速を意図しているかを判別し、この加速意図の検出結果に基づいて、目標駆動力生成手段120が、求める目標駆動力を変えるようにしてもよいものである。即ち、運転者が急加速を意図している場合には、目標駆動力を大きめにする。 【0032】ここで、図3を用いて、本実施形態に用いるモータの出力について説明する。図3は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いるモータの出力の説明図である。 【0033】図において、横軸はモータ29の回転数Nmを示しており、縦軸はモータ29の出力Tmを示している。図中、実線がモータ29の最大定格出力TmMAXであり、破線がモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEである。モータ29の最大定格出力TmMAXは、モータ29を駆動した場合に、最大発生することができる出力であるが、長時間にわたって、この最大定格出力TmMAXを発生することはできないものである。一方、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、長時間にわたって発生することができる出力の最大値である。モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、例えば、1)モータのメーカーが予め定めているモータの連続使用可能な最大出力値であり、または、2)モータを使用する自動車メーカー等が、1)の連続使用可能な最大出力値に基づいて、独自に設定した出力の最大値である。1)若しくは2)のいずれにしても、モータを連続的に使用可能なものであり、3)図2に示したように、モータとエンジンを併用する場合には、モータ単独駆動からモータとエンジンの併用駆動に切り替える際のモータの出力の最大値ということもできるものである。 【0034】通常、モータ29は最大定格出力TmMAXを長時間にわたり発生することはできないので、図2に示した目標駆動力ToutREFはモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEに基づいて設定される。 【0035】なお、以下の説明においては、エンジン1の出力Teやモータ29の出力Tmは、低速用エンジン側歯車4や、高速用歯車6や、最終減速歯車33などを介してタイヤ10に伝達される駆動力と等価なものとする。 【0036】通常、エンジン1及びモータ29の小型・軽量化及び高効率運転による燃費低減の点で、低車速及び中車速の目標駆動力ToutREFが小さい領域では、モータ29のみで駆動する。ここで、モータ29の駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求した場合には、図2のA点からB点への破線矢印で示されるように、モータ29の駆動分の目標駆動力ToutREFの最大値を超過する目標駆動力ToutREFが発生するため、モータ単独駆動から、モータとエンジンの並列駆動に切り替える必要がある。 【0037】そして、本実施形態においては、モータ29の単独駆動時や、モータ29とエンジン1の並列駆動時の定常時には、目標駆動力ToutREFはモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEに基づいて設定するようにしている。しかしながら、モータ29の単独駆動から、モータ29とエンジン1との並列駆動に切り替えるような過渡期には、目標駆動力ToutREFはモータ29の最大定格出力TmMAXに基づいて設定するようにしたものである。 【0038】ここで、図4〜図6を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた加速時の制御方法について説明する。 【0039】最初に、図4を用いて、加速時の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた加速時の制御方法を示すタイムチャートである。 【0040】図4において、図4(A)はアクセルペダル踏み込み量αを示しており、図4(B)はモータ回転数Nmを示しており、図4(C)は車速Vspを示しており、図4(D)はエンジン回転数Neを示しており、図4(E)は目標駆動力ToutREFを示しており、図4(F)はモータ出力Tmを示しており、図4(G)はエンジン出力Teを示しており、図4(H)は駆動力Toutを示している。また、横軸は時間を示している。 【0041】図4(A)に示すように、モータ29のみの駆動分の駆動力で走行中に、時刻ta〜時刻tbにかけて、運転者が急加速を要求し、アクセルペダル踏み込み量αが変化すると、図4(E)に示すように、目標駆動力ToutREFも同様に変化する。 【0042】このとき、目標駆動力ToutREFに応じてエンジン駆動分の目標駆動力ToutREFを追加することになるが、従来の制御方法では、ハブ7,スリーブ8,噛み合い歯車3,噛み合い歯車5から成るドッグクラッチを、低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン側歯車6に直結させるまでに、出力軸2と出力軸30の変速比に応じた回転数合わせを行う必要がある。そのため、時刻tb〜tcまでの回転数合わせの期間は、ドッグクラッチが解放状態となるため、図4(H)に波線で示すように、エンジン1の出力Teがタイヤ10に伝達されずに、駆動力Toutの低下が発生する。 【0043】また、回転数合わせが終了すると、エンジン1の出力Teがタイヤ10に伝達され始めるが、図4(G)に示すように、時刻tb〜tcまでは、エンジン1の出力の遅れが発生するため、特に、時刻tc〜tdの間においては、図4(H)に波線Xで示すように、駆動力Toutの低下が発生する場合もある。 【0044】そこで、本実施形態においては、図1に示した駆動力低下分予測手段150によって駆動力の低下分を予測し、駆動力補正手段160によって駆動力の低下分を補正するようにしている。 【0045】ここで、図5を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力低下分予測手段150の処理内容について説明する。図5は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力低下分予測手段の処理内容を示すフローチャートである。 【0046】駆動力低下分予測手段150は、目標駆動力ToutREFから駆動力低下分ToutLOWを予測するものである。最初に、ステップ151において、駆動力低下分予測手段150は、目標駆動力ToutREFを読み込む。次に、ステップ152において、駆動力低下分予測手段150は、目標駆動力ToutREFにより、モータ29の単独駆動からエンジン1とモータ29の並列駆動を選択したか否かを判定する。モータ29の単独駆動からエンジン1とモータ29の並列駆動を選択していればステップ153へ進み、選択していなければ駆動力低下分ToutLOWの予測は終了となる。 【0047】次に、エンジン1とモータ29の並列駆動が選択されていると、ステップ153において、駆動力低下分予測手段150は、回転数合わせの期間(ドッグクラッチが中立状態の期間:図4の時刻tb〜tc)における駆動力低下分ToutLOWを演算する。例えば、駆動力低下分ToutLOWは、目標駆動力ToutREFから、予め設定されたモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEを差し引くことで求められる。次に、ステップ154において、駆動力低下分予測手段150は、回転数合わせが終了したか否かを判定する。回転数合わせが終了と判定した場合には、ステップ155に進み、回転数合わせが終了しない場合にはステップ153に戻り、回転数合わせの期間の補正をステップ153に基づいて求める。 【0048】そして、回転数合わせが終了すると、ステップ155において、駆動力低下分予測手段150は、エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分ToutLOWを演算する。例えば、エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分ToutLOWは、目標駆動力ToutREFから、予め設定されたモータ29の出力の基準となるTmBASEと、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Teを差し引くことで求められる。ここで、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Teは、図1に示したエンジン出力遅れ予測手段140によって求められる。エンジン出力遅れ予測手段140は、エンジン1の出力遅れ時の出力Te(遅れ時)を、例えば、吸気管モデルより得られる遅れ時間と、エンジン出力のマップなどから予測する。最後に、ステップ156において、駆動力低下分予測手段150は、エンジン1の出力Teの遅れによる駆動力低下分があるか否かを判定し、エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分があればステップ154に戻り、エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分がなければ、駆動力低下分ToutLOWの予測は終了となる。 【0049】エンジン1の出力遅れの時間tb〜tdは、運転状態によって変化するものである。即ち、アクセルペダルの踏込量αが小さい場合には、エンジンに求められる出力Teも小さいため、出力遅れ時間は短くなる。従って、時刻tb〜tcよりもエンジンの出力遅れの時間が短くなると、時刻tcにおいて、すでに、駆動力低下分ToutLOWは正の値となり、エンジンの出力遅れによる駆動力低下分はないことになる。 【0050】なお、駆動力低下分予測手段150の処理内容としては、上述したような演算を行わずに、目標駆動力ToutREFから駆動力低下分ToutLOWが得られるマップなどにより、駆動力低下分ToutLOWを予測してもよいものである。 【0051】次に、図6を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段160の処理内容について説明する。図6は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段の処理内容を示すフローチャートである。 【0052】駆動力補正手段160は、目標駆動力ToutREFと、駆動力低下分ToutLOWに基づき、予め設定されたモータ29の出力の基準となる最大値を超過するようなモータ29の出力Tmを演算する。最初に、ステップ161において、駆動力補正手段160は、目標駆動力ToutREFヲ読み込む。次に、ステップ162において、駆動力補正手段160は、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きいか否かを判定し、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きければステップ163に進み、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きくなければステップ165に進む。 【0053】目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合には、ステップ163において、駆動力補正手段160は、駆動力低下分ToutLOWを読み込む。次に、ステップ164において、駆動力補正手段160は、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEと駆動力低下分ToutLOWを足し合わせることにより、モータ29の出力Tmを演算する。 【0054】また、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合には、ステップ165において、駆動力補正手段160は、目標駆動力ToutREFによりモータ29の出力Tmを演算する。 【0055】そして、ステップ164若しくはステップ165において求められたモータ29の出力Tmは、図1に示したパワートレイン制御ユニット100からモータ制御ユニット46に出力される。 【0056】以上のようにして、モータ出力Tmを補正した結果について、再び、図4を用いて説明する。図4(A)に示すように、モータ29の駆動分の駆動力で走行中に、時刻ta〜tbに、運転者が急加速を要求し、アクセルペダル踏み込み量αが変化すると、図4(E)に示すように、アクセルペダル踏み込み量αと車速Vspに応じて目標駆動力ToutREFが生成される。 【0057】次に、目標駆動力ToutREFにより駆動力源が選択され、エンジン1の駆動分の目標駆動力ToutREFを追加して、図4(G)に示すように、エンジンの出力Teを追加して走行する。次に、目標駆動力ToutREF及び駆動力低下分ToutLOW(図4(H)の斜線部分Z1)が演算され、駆動力低下分ToutLOWによりモータ29の出力Tm(図4(F)の斜線部Z2)が演算される。 【0058】このような動作により、モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求された場合、駆動力の切替時に生じる目標駆動力に対する出力駆動力の低下分,例えば、クラッチの回転合わせ期間に生じる駆動力の低下分や、エンジン出力の遅れによる駆動力の低下分を求め、モータの出力により一時的に補うことにより、加速性能を向上することができる。 【0059】なお、図4(F)に示すモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、時刻td以降のモータとエンジンの並列駆動時におけるモータの出力である。そして、図4(F)に示す時刻tb〜tcの期間におけるモータ29の出力は、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASE以上の出力としているものである。 【0060】即ち、時刻tb〜tcにおけるモータ出力Tmは、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASE以上とするようにしているものである。そして、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、例えば、1)モータのメーカーが予め定めているモータの連続使用可能な最大出力値であり、または、2)モータを使用する自動車メーカー等が、1)の連続使用可能な最大出力値に基づいて、独自に設定した出力の最大値である。さらに、上述したように、3)図2に示したように、モータとエンジンを併用する場合には、モータ単独駆動からモータとエンジンの併用駆動に切り替えた際のモータの出力の最大値でもある。 【0061】以上説明したように、本実施形態によれば、駆動源の切替時に、出力駆動力の低下分を求め、モータの出力を、モータの出力の基準となる最大値TmBASE以上とすることにより、この低下分を補正して、加速性能を向上することができる。 【0062】次に、図7〜図10を用いて、本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置の構成について説明する。最初に、図7を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置の構成について説明する。なお、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いるハイブリッド自動車のシステム構成は、図1に示したものと同様である。そして、図1と同一符号は、同一部分を示している。図7は、本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置のブロック図である。 【0063】パワートレイン制御ユニット100Aは、車速検出手段110と、目標駆動力生成手段120と、駆動力源選択手段130Aと、エンジン出力遅れ予測手段140Aと、駆動力増加分予測手段150Aと、予め設定されたモータ出力の基準となる最大値を超過してトルク補正を実行する駆動力補正手段160Aと、減速意図検出手段170Aとを備えている。 【0064】車速検出手段110は、モータ回転数Nmから車速Vspを、関数fにより、Vsp=f(Nm)として演算する。 【0065】目標駆動力生成手段120Aは、入力したアクセルペダル踏み込み量α及び車速検出手段110によって求められた車速Vspから、運転者が意図する目標駆動力ToutREFを演算する。また、駆動力選択手段130Aは、目標駆動力生成手段120によって求められた目標駆動力ToutREFから、駆動力源を、モータ29単独駆動とするか、モータ29とエンジン1の並列駆動とするかを選択する。 【0066】ここで、モータ29の駆動分とエンジン1の駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求した場合には、図2のB点からA点への点線矢印で示されるように、モータ29の駆動分の目標駆動力ToutREFの最大値よりも小さくなる目標駆動力ToutREFが発生する。 【0067】さらに、加速意図検出手段170Aは、アクセルペダル踏込み量αの時間変化分を検出して、アクセルペダルが急激に離されて運転者が急減速を意図している場合と、アクセルペダルがゆっくりと離されて運転者が緩減速を意図しているかを判別し、この減速意図の検出結果に基づいて、目標駆動力生成手段120が、求める目標駆動力を変えるようにしてもよいものである。即ち、運転者が急減速速を意図している場合には、目標駆動力を小さめにする。 【0068】ここで、図8〜図10を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた減速時の制御方法について説明する。 【0069】最初に、図8を用いて、減速時の動作について説明する。図8は、本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた減速時の制御方法を示すタイムチャートである。 【0070】図8において、図8(A)はアクセルペダル踏み込み量αを示しており、図8(B)はモータ回転数Nmを示しており、図8(C)は車速Vspを示しており、図8(D)はエンジン回転数Neを示しており、図8(E)は目標駆動力ToutREFを示しており、図8(F)はモータ出力Tmを示しており、図8(G)はエンジン出力Teを示しており、図8(H)は駆動力Toutを示している。また、横軸は時間を示している。 【0071】図8(A)に示すように、モータ29の駆動分とエンジン1の駆動分の駆動力で走行中に、時刻ta〜時刻tbにかけて、運転者が急減速を要求し、アクセルペダル踏み込み量αが変化すると、図8(E)に示すように、目標駆動力ToutREFも同様に変化する。 【0072】このとき、目標駆動力ToutREFに応じてエンジン駆動分の目標駆動力ToutREFを除去することになるが、一般にドッグクラッチを締結状態から解放するためには、エンジン1の出力Teをある程度低下させておく必要がある。したがって、エンジン1の出力の遅れ(時刻tb〜tc)により、ドッグクラッチを解放させるまではエンジン1の出力がタイヤ10に伝達されるため、駆動力増加分ToutHIGHが生じる。 【0073】そこで、本実施形態においては、図7に示した駆動力増加分予測手段150Aによって駆動力の増加分を予測し、駆動力補正手段160Aによって駆動力の増加分を補正するようにしている。 【0074】ここで、図9を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力増加分予測手段150Aの処理内容について説明する。図9は、本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力増加分予測手段の処理内容を示すフローチャートである。 【0075】駆動力増加分予測手段150Aは、目標駆動力ToutREFから駆動力増加分ToutHIGHを予測するものである。ステップ151Aにおいて、駆動力増加分予測手段150Aは、目標駆動力ToutREFを読み込む。次に、ステップ152Aにおいて、駆動力増加分予測手段150Aは、目標駆動力ToutREFにより、エンジン1とモータ29を合わせた並列駆動からモータ29のみ駆動を選択したか否かの判定を行い、エンジン1とモータ29を合わせた並列駆動からモータ29のみの駆動を選択していればステップ1203へ進み、選択していなければ駆動力増加分ToutHIGHの予測は終了となる。 【0076】モータ29のみの駆動が選択されると、ステップ153Aにおいて、駆動力増加分予測手段150Aは、ドッグクラッチ解放までの駆動力増加分ToutHIGHを演算する。例えば、駆動力増加分ToutHIGHは、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Teから目標駆動力ToutREFを差し引くことで求められる。ここで、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Teは、エンジン出力遅れ予測手段140Aによって、予測される。エンジン1の出力遅れ時の出力Te(遅れ時)は、例えば、吸気管モデルより得られる遅れ時間と、エンジン出力のマップなどから得られる。 【0077】最後に、ステップ154Aにおいて、駆動力増加分予測手段150Aは、ドッグクラッチが解放されたか否かを判定し、ドッグクラッチが解放されていなければステップ1203に戻る。ドッグクラッチが解放されていれば、駆動力増加分ToutHIGHの予測は終了となる。また、駆動力増加分予測手段150Aは、上述したような演算を行わずに、目標駆動力ToutREFから駆動力増加分ToutHIGHが得られるマップなどにより、駆動力増加分ToutHIGHを予測してもよいものである。 【0078】次に、図10を用いて、本実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段160Aの処理内容について説明する。図10は、本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段の処理内容を示すフローチャートである。 【0079】駆動力補正手段160Aは、目標駆動力ToutREFと、駆動力増加分ToutHIGHに基づき、予め設定されたモータ29の出力の基準となる最大値を超過するようなモータ29の出力Tmを演算する。最初に、ステップ161Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、目標駆動力ToutREFヲ読み込む。次に、ステップ162Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きいか否かを判定し、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きければステップ163Aに進み、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きくなければステップ165Aに進む。 【0080】目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合には、ステップ163Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、駆動力増加分ToutHIGHを読み込む。次に、ステップ164Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、目標駆動力ToutREFから駆動力増加分ToutHIGHを差し引くことにより、モータ29の出力Tmを演算する。 【0081】また、目標駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きくない場合には、ステップ165Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEによりモータ29の出力Tmを演算する。このとき、モータ29の出力Tmがモータ29の出力の基準なる最大値TmBASEよりも大きければ、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEを超過してモータ29の出力Tmを発生する。 【0082】そして、ステップ164A若しくはステップ165Aにおいて求められたモータ29の出力Tmは、図7に示したパワートレイン制御ユニット100Aから図1に示したモータ制御ユニット46に出力される。 【0083】以上のようにして、モータ出力Tmを補正した結果について、再び、図8を用いて説明する。図8(A)に示すように、エンジン1駆動分とモータ29駆動分を合わせた駆動力で走行中に、時刻ta〜tbに、運転者が急減速を要求し、アクセルペダル踏み込み量αが変化すると、アクセルペダル踏み込み量αと車速Vspに応じて目標駆動力ToutREFが生成される。 【0084】次に、目標駆動力ToutREFにより駆動力源が選択され、エンジン1の駆動分の目標駆動力ToutREFを除去して、図8(G)に示すように、走行する。 【0085】次に、目標駆動力ToutREF及び駆動力増加分ToutHIGH(図8(H)の斜線部分Z3)が演算され、駆動力増加分ToutHIGHによりモータ29の出力Tmが演算される。 【0086】このような動作により、モータの駆動分とエンジンの駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値よりも小さくなるような運転者減速意図が発生した場合の駆動力増加を抑制することが可能となる。 【0087】以上説明したように、本実施形態によれば、駆動源の切替時に、出力駆動力の増加分を求め、モータの出力を、モータの出力の基準となる最大値TmBASE以上とすることにより、この増加分を補正して、減速性能を向上することができる。 【0088】なお、本発明は、上述した各実施形態のシステム構成に限定されるものではなく、他の変速機としてCVTや遊星歯車などを用いたハイブリッド自動車のシステムに適用することも可能である。 【0089】 【発明の効果】本発明によれば、エンジン,発電機及びモータを搭載したハイブリッド自動車において、モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求した場合、駆動力の低下を抑制し自動車の加速性能の向上を実現できる。 【0090】また、本発明によれば、エンジン,発電機及びモータを搭載したハイブリッド自動車において、エンジン駆動分とモータ駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求した場合、駆動力の増加を抑制し自動車の減速性能の向上を実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年2月24日(1999.2.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
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| 【公開番号】 |
特開2000−245011(P2000−245011A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月8日(2000.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−47004 |
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