| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】島崎 勇一
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| 【要約】 |
【課題】エンジンとの間にクラッチ装置を要する自動変速装置を車両に搭載したハイブリッド車両において、自動変速装置の変速動作に際しての空走感や衝撃を解消することができるハイブリッド車両を提供する。
【解決手段】自動変速装置4の入力駆動力を逐次把握しておき(STEP2-1,2-2)、自動変速装置4の変速動作の要求があったとき、クラッチ機構3を切断状態とすると共に、クラッチ機構3の出力側で自動変速装置4に接続された電動機2の駆動力を、クラッチ機構3の切断開始直前における自動変速装置4の入力駆動力(変速直前入力駆動力)に応じて制御する(STEP2-3 〜2-5 )。電動機2の駆動力は、変速直前入力駆動力と同等の駆動力を電動機2から自動変速装置4に入力するように制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の走行駆動源としてのエンジンと、該エンジンの出力を車両の駆動輪に伝達すべく該エンジンの出力軸にクラッチ手段を介して接続された自動変速装置と、前記エンジンの出力を補助する補助出力を前記自動変速装置を介して前記駆動輪に伝達すべく前記クラッチ手段の出力側で該自動変速装置に接続された電動機と、前記自動変速装置の変速動作の要求があったとき、前記クラッチ手段の切断動作及び接続動作を順次行わしめるクラッチ制御手段と、前記クラッチ手段の切断状態で前記自動変速装置の変速動作を行わしめる変速制御手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記自動変速装置の変速動作の要求があったとき、前記クラッチ手段の切断動作の開始直前に該自動変速装置に入力された駆動力を把握する駆動力把握手段と、該駆動力把握手段により把握された駆動力に略等しい駆動力を、前記クラッチ手段の切断状態で前記電動機から前記自動変速装置に入力するよう該電動機の駆動力を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】前記クラッチ手段の切断状態及び接続状態の中間状態における動作位置を検出する検出手段を備え、前記電動機制御手段は、前記クラッチ手段の中間状態では、前記検出手段により検出された前記クラッチ手段の動作位置が該クラッチ手段の接続状態に近づく程、前記電動機の駆動力を該クラッチ手段の切断状態における駆動力よりも減少させるように該電動機の駆動力を前記クラッチ手段の動作位置に応じて制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】前記クラッチ手段の切断状態から接続状態までの接続動作に要すべき時間を、前記駆動力把握手段により把握された前記駆動力と、前記変速動作の要求の発生前における前記エンジンの回転数と、前記変速動作の要求の発生前における前記自動変速装置の変速比と、前記変速動作の要求の発生前における前記車両の要求走行形態とのうちの少なくともいずれか一つに応じて設定する手段を備え、前記クラッチ制御手段は、その設定された時間に従って前記クラッチ手段の切断動作後の接続動作を行わしめることを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パラレル型のハイブリッド車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】パラレル型のハイブリッド車両は、車両の基本的な走行駆動源(原動機)としてのエンジンと、そのエンジンの出力を補助する補助出力を必要に応じて生成させる電動機とを車両に搭載し、それらのエンジン及び電動機の出力(機械的な動力)を変速装置等を含む動力伝達機構を介して車両の駆動輪に伝達して走行する。 【0003】この種のハイブリッド車両では、例えば車両の加速時に、電動機により前記補助出力を生成し、それをエンジンの出力と併せて駆動輪に伝達することで、車両の必要な加速性能を確保しつつエンジンの出力を抑制し、ひいては、エンジンの燃費の向上や排ガスの少量化を図るようにしている。 【0004】尚、前記電動機は、通常、発電機としても動作可能なもの(発電電動機)が用いられる。そして、例えば車両の減速時に、車両の駆動輪から動力伝達機構を介して電動機に伝達される車両の運動エネルギーによって該電動機を発電機として動作させ、その発電エネルギーを電動機の電源バッテリ等の蓄電装置に充電する(電動機の回生発電を行う)ことが一般的に行われている。 【0005】一方、この種のハイブリッド車両では、その動力伝達機構を構成する変速装置として、エンジンの出力軸との間にクラッチ装置を必要としないトルクコンバータ付きの自動変速装置を用いる場合もあるが、エンジンの出力軸との間にクラッチ装置を必要とする自動変速装置(例えば手動式変速装置(マニュアルトランスミッション)と同様の変速機構の駆動制御をアクチュエータを介して行う変速装置)を用いる場合もある。 【0006】そして、このようにクラッチ装置を必要とする自動変速装置を備えたハイブリッド車両では、自動変速装置の変速動作だけでなく、クラッチ装置の切断/接続動作もアクチュエータを介して自動制御することが一般的である。 【0007】このようなハイブリッド車両では、車両の走行中に、運転者による変速操作レバーの操作や、車両の運転状態等に応じてあらじめ定められた変速制御マップに基づいて自動変速装置の変速動作の要求が発生すると、まず、クラッチ装置の切断動作を行わしめる。そして、該クラッチ装置の切断状態で、自動変速装置の所要の変速動作を行わしめた後、クラッチ装置の接続動作を行わしめる。 【0008】尚、このようにクラッチ装置を要する自動変速装置を用いたハイブリッド車両では、前記電動機は、クラッチ装置の入力側(エンジンの出力軸側)でエンジンの出力軸に接続される場合もあるが、クラッチ装置の出力側(変速装置側)で変速装置に接続される場合もある。 【0009】ところで、上記のようにクラッチ装置と、これを要する自動変速装置を搭載したハイブリッド車両では、自動変速装置の変速動作に際して、クラッチ装置を一旦、切断状態とする。そして、この状態では、エンジンの出力が駆動輪に伝達されないので、車両は慣性力のみにより走行することとなる。このため、自動変速装置の変速動作に際してのクラッチ装置の切断時には、運転者にとって、所謂、空走感が生じるという不都合がある。 【0010】このような不都合を解消するめに、従来は、変速装置の変速動作をできるだけ速やかに行わしめると共にクラッチ装置を切断状態とする時間をできるだけ短くしたり、クラッチ装置の切断状態からの接続動作をできるだけ速やかに行う(所謂、半クラッチ状態の期間をできるだけ短くする)等の方策がとられている。 【0011】しかるに、このようにクラッチ装置を切断状態とする時間を短くするにも限界があると共に、その切断状態の時間を短くしても空走感を生じる期間が軽減されるに過ぎず、該空走感を十分に解消することはきないものとなっていた。 【0012】また、クラッチ装置の接続を速やかに行おうとすると、その接続時に大きな衝撃が発生しやすい。この結果、その衝撃が運転者に伝わってしまう虞があると共に、自動変速装置の所謂シンクロ機構に過度の負担がかかって、該シンクロ機構の耐久性が低下する虞があった。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に鑑み、エンジンとの間にクラッチ装置を要する自動変速装置を車両に搭載したハイブリッド車両において、自動変速装置の変速動作に際しての空走感や衝撃を解消することができるハイブリッド車両を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明のハイブリッド車両の制御装置はかかる目的を達成するために、車両の走行駆動源としてのエンジンと、該エンジンの出力を車両の駆動輪に伝達すべく該エンジンの出力軸にクラッチ手段を介して接続された自動変速装置と、前記エンジンの出力を補助する補助出力を前記自動変速装置を介して前記駆動輪に伝達すべく前記クラッチ手段の出力側で該自動変速装置に接続された電動機と、前記自動変速装置の変速動作の要求があったとき、前記クラッチ手段の切断動作及び接続動作を順次行わしめるクラッチ制御手段と、前記クラッチ手段の切断状態で前記自動変速装置の変速動作を行わしめる変速制御手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記自動変速装置の変速動作の要求があったとき、前記クラッチ手段の切断動作の開始直前に該自動変速装置に入力された駆動力を把握する駆動力把握手段と、該駆動力把握手段により把握された駆動力に略等しい駆動力を、前記クラッチ手段の切断状態で前記電動機から前記自動変速装置に入力するよう該電動機の駆動力を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0015】かかる本発明によれば、前記自動変速装置の変速動作の要求があると、前記クラッチ手段の切断動作の開始直前に該自動変速装置に入力された駆動力が前記駆動力把握手段により把握される。また、前記クラッチ制御手段は、前記クラッチ手段の切断動作を行わしめて該クラッチ手段を切断状態とし、その切断状態で、前記変速制御手段が前記自動変速装置の所要の変速動作を行わしめる。そして、この変速動作後、前記クラッチ制御手段は、クラッチ手段の接続動作を行わしめて該クラッチ手段を接続状態に復帰させる。 【0016】このとき、前記電動機は、前記駆動力把握手段により把握された駆動力、すなわちクラッチ手段の切断動作の開始直前に前記自動変速装置に入力された駆動力と略等しい駆動力を生成するように前記電動機制御手段によって制御される。 【0017】従って、自動変速装置には、前記クラッチ手段の切断状態でも該クラッチ手段の切断動作の開始前と同等の駆動力が与えられることとなり、それが、該自動変速装置を介して車両の駆動輪に伝達されることとなる。これにより、自動変速装置の変速動作に際してのクラッチ手段の切断状態における空走感を解消することができる。。 【0018】かかる本発明では、好ましくは、前記クラッチ手段の切断状態及び接続状態の中間状態における動作位置を検出する検出手段を備え、前記電動機制御手段は、前記クラッチ手段の中間状態では、前記検出手段により検出された前記クラッチ手段の動作位置が該クラッチ手段の接続状態に近づく程、前記電動機の駆動力を該クラッチ手段の切断状態における駆動力よりも減少させるように該電動機の駆動力を前記クラッチ手段の動作位置に応じて制御する。 【0019】すなわち、前記クラッチ手段の切断状態及び接続状態の中間状態(所謂、半クラッチ状態)では、前記エンジン側から前記自動変速装置に入力される駆動力がクラッチ手段の動作位置(より具体的には、例えばクラッチ手段の摩擦板の変移位置)によって変化する。例えば、クラッチ手段の切断状態から接続状態に移行する過程の中間状態では、クラッチ手段の接続動作の進行に伴ってエンジン側から前記自動変速装置に入力される駆動力が増加していく。そこで、本発明では、前記電動機制御手段は、前記クラッチ手段の中間状態では、前記検出手段により検出された前記クラッチ手段の動作位置が該クラッチ手段の接続状態に近づく程、前記電動機の駆動力を該クラッチ手段の切断状態における駆動力よりも減少させるように該電動機の駆動力を前記クラッチ手段の動作位置に応じて制御する。これにより、前記クラッチ手段の切断状態のみならず、該クラッチ手段の切断動作中、及び接続動作中の中間状態(半クラッチ状態)でも、前記駆動力把握手段により把握された駆動力に略等しい駆動力を前記自動変速装置に入力することが可能となる。つまり、クラッチ手段の切断動作の開始時から接続動作の終了時までの全期間にわたって、自動変速装置に入力する駆動力を均一的なものとして、空走感を確実に解消することができる。また、特にクラッチ手段の接続動作時の衝撃を緩和することができると共に、自動変速装置に変速動作を円滑に行うことができる。 【0020】また、上記のようにクラッチ手段の切断動作中、及び接続動作中の中間状態でも自動変速装置に入力する駆動力を均一的なものとすることができることから、クラッチ手段の切断動作や接続動作を行う時間幅の設定の自由度が高まる。この場合、クラッチ手段の切断動作は基本的には、迅速に行うことが望ましいが、クラッチ手段の接続動作は、車両の運転状況等に応じて設定することが好ましいと考えられる。 【0021】例えば、車両の大加速を行う状況や、加減速を頻繁に行うような状況では、応答性の良い車両の走行挙動を得るために、クラッチ手段の接続動作を短時間で行うことが望ましと考えられる。一方、略定車速でのクルーズ走行を行っているような状況では、クラッチ手段の接続動作に際しての衝撃をできるだけ軽減し、また、自動変速装置のシンクロ機構等の負担を軽減するために、クラッチ手段の接続動作を長めにすることが望ましいと考えられる。 【0022】そこで、前述のようにクラッチ手段の動作位置に応じて電動機の駆動力を制御する本発明にあっては、前記クラッチ手段の切断状態から接続状態までの接続動作に要すべき時間を、前記駆動力把握手段により把握された前記駆動力と、前記変速動作の要求の発生前における前記エンジンの回転数と、前記変速動作の要求の発生前における前記自動変速装置の変速比と、前記変速動作の要求の発生前における前記車両の要求走行形態とのうちの少なくともいずれか一つに応じて設定する手段を備え、前記クラッチ制御手段は、その設定された時間に従って前記クラッチ手段の切断動作後の接続動作を行わしめる。 【0023】このようにすることで、車両の運転状態や、走行状況に適したクラッチ手段の接続動作を行うことができる。 【0024】尚、この場合、前記駆動力把握手段により把握された前記駆動力あるいは前記変速動作の要求の発生前における前記エンジンの回転数に応じて前記クラッチ手段の接続動作に要すべき時間を設定する場合には、該駆動力あるいは回転数が低い程、クラッチ手段の接続動作に要すべき時間を長く設定することが好ましい。これは、上記駆動力あるいはエンジンの回転数が低い状態では、基本的には、略定車速でのクルーズ走行もしくはそれに近い走行を行っているような状況である可能性が高く、このような状況では、前述のようにクラッチ手段の接続動作に際しての衝撃をできるだけ軽減し、また、自動変速装置のシンクロ機構等の負担を軽減するために、クラッチ手段の接続動作の時間を長めに設定することが望ましいからである。また、逆に、上記駆動力あるいはエンジンの回転数が高い状態では、車両の大加速、あるいは頻繁な加減速を伴う走行を行ってるような状況である可能性が高く、このような状況では、前述のように車両の応答性の良い走行挙動を得るために、クラッチ手段の接続動作の時間を短めに設定することが望ましい。 【0025】また、前記変速動作の要求の発生前における前記自動変速装置の変速比に応じて前記クラッチ手段の接続動作に要すべき時間を設定する場合には、該変速比が高速側の変速比である程、クラッチ手段の接続動作に要すべき時間を長く設定することが好ましい。これは、自動変速装置の変速比が高速側の変速比である程、クルーズ走行もしくはそれに近い走行を行っているような状況である可能性が高く、このような状況では、前述の通り、クラッチ手段の接続動作の時間を長めに設定することが好ましいからである。逆に、自動変速装置の変速比が低速側の変速比であるときには、車両の大加速、あるいは頻繁な加減速を伴う走行を行ってるような状況である可能性が高く、このような状況では、前述の通り、クラッチ手段の接続動作の時間を短めに設定することが好ましい。 【0026】さらに、前記変速動作の要求の発生前における車両の要求走行形態に応じて前記クラッチ手段の接続動作に要すべき時間を設定する場合には、上記と同様の理由によってクルーズ走行もしくはそれに近い走行が要求されるような状況では、クラッチ手段の接続動作の時間を長めに設定し、車両の大加速、あるいは頻繁な加減速を伴う走行が要求されるような状況では、クラッチ手段の接続動作の時間を長めに設定することが好ましい。この場合、車両の要求走行形態は、例えば車両のアクセル操作量、あるいはこれに応じたエンジンのスロットル弁の開度の大きさや、変化量、変化速度に基づき把握することが可能である。 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。 【0028】図1を参照して、本実施形態のハイブリッド車両(パラレル型)では、エンジン1、電動機2(より詳しくは発電機としても動作可能な発電電動機)、クラッチ機構3(クラッチ手段)、自動変速装置4が車両に搭載されている。 【0029】エンジン1は車両の主たる走行駆動源であり、その出力軸としてのクランク軸1aは、クラッチ機構3を介して自動変速装置4の入力側に連接されている。そして、自動変速装置4の出力側のドライブシャフト4aは、図示を省略するが、差動歯車機構等を介して車両の駆動輪に連接されている。さらに、クラッチ機構3の後段(出力側)では、電動機2の図示しないロータが自動変速装置4の入力側に回転伝達手段5を介して連接されている。この回転伝達手段5は、例えば歯車/チェーン機構あるいはプーリ/ベルト機構、歯車機構により構成されたものである。 【0030】かかる構成により、エンジン1の出力は、クラッチ機構3の接続状態において、該クラッチ機構3及び自動変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達され、車両の走行が行われる。さらに、車両の走行に際して、電動機2によりエンジン1の出力を補助する補助出力(回転駆動力)を発生させたとき、その補助出力は、エンジン1の出力と併せて自動変速装置4を介して車両の駆動輪に伝達される。 【0031】尚、クラッチ機構3は、例えば摩擦係合式のもので、その図示しないクラッチ板を油圧式のクラッチ駆動装置6(アクチュエータ)により変移させることで、該クラッチ機構3の切断/接続動作が行われる。 【0032】また、自動変速装置4は、トルクコンバータを用いないもので、その図示しない変速機構をクラッチ機構3の切断状態において油圧式の変速駆動装置7(アクチュエータ)により駆動することで、該自動変速装置4の変速動作が行われる。 【0033】本実施形態のハイブリッド車両は上記のような機構的構成の他、次のような電気的構成を具備している。 【0034】すなわち、電動機2の動作用電源である蓄電装置8と、この蓄電装置8と電動機2との間の電力授受を行うレギュレータ/インバータ回路9と、マイクロコンピュータ等により構成されたコントローラ10とが車両に搭載されている。 【0035】そして、コントローラ10には、車両の車速V、エンジン1の回転数NE、吸気圧PB、車両の図示しないアクセルの操作量AP(以下、アクセル操作量APという)等の検出データが図示しない適宜のセンサ等から与えられるようになっている。 【0036】コントローラ10は、本発明に関連した機能的構成として、クラッチ機構3の切断/接続の動作制御を担うクラッチ制御手段11と、自動変速装置4の変速動作の制御を担う変速制御手段12と、電動機2の動作制御を担う電動機制御手段13と、自動変速装置4に入力される駆動力(トルク)を把握する駆動力把握手段14とを具備する。 【0037】この場合、クラッチ制御手段11は、前記自動変速装置4の変速動作の要求が発生したときに、クラッチ機構3の切断動作及び接続動作を順次行わしめるようにクラッチ駆動装置6を制御する機能を有するものである。 【0038】また、変速制御手段12は、前記自動変速装置4の変速動作の要求に伴うクラッチ機構3の切断状態で、自動変速装置4の所要の変速動作を行わしめるように変速駆動装置7を制御する機能を有するものである。 【0039】尚、本実施形態では、自動変速装置4の変速動作を行うべきタイミングやその変速動作により設定すべき自動変速装置4の変速比(本実施形態では1〜5速)を、車速Vやエンジン1の回転数NE、アクセル操作量AP等に応じて規定する図示しない変速制御マップをコントローラ10に備えている。そして、コントローラ10は、車速Vやエンジン1の回転数NE、アクセル操作量AP等の検出データから上記変速制御マップに基づいて、自動変速装置4の変速動作の要求の有無や、その変速動作により設定すべき変速比を認識するようにしている。 【0040】また、電動機制御手段13は、自動変速装置4の変速動作に際してのクラッチ機構3の切断/接続動作中に、蓄電装置8から電動機2に給電しつつ該電動機2に所要の駆動力を発生させるように電動機2の動作をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する機能を有するものである。この場合、詳細は後述するが、電動機2に発生させる所要の駆動力は、自動変速装置4の変速動作の要求に伴うクラッチ機構3の切断動作の開始直前に自動変速装置4に入力された駆動力(これは、駆動力把握手段14により後述のように把握される)に応じて決定される。 【0041】尚、電動機制御手段13は、例えば、車両の加速時において(但し、クラッチ機構3の接続状態)、蓄電装置8から電動機2に給電しつつ該電動機2に所要の補助出力を生成させるように電動機2の動作をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する機能も有する。さらに、例えば、車両の加速時において(但し、クラッチ機構3の接続状態)、該車両の運動エネルギーが自動変速装置4を介して与えられる電動機2を発電機として動作させて該電動機2の回生発電を行わしめ、その回生発電電力を蓄電装置8に充電せしめるように該電動機2の動作をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する機能も有する。 【0042】前記駆動力把握手段14は、車両の走行中におけるクラッチ機構3の接続状態で自動変速装置4に入力される駆動力(以下、入力駆動力という)を逐次把握する機能を有するものである。そして、自動変速装置4の変速動作の要求があったときに、その要求に伴うクラッチ機構3の切断動作の開始直前における上記入力駆動力を前記電動機制御手段13による電動機2の動作制御のために該電動機制御手段13に供するものである。 【0043】ここで、該駆動力把握手段14が把握する上記入力駆動力は、基本的には、エンジン1からクラッチ機構3を介して自動変速装置4に入力される駆動力、すなわち、エンジン1が出力する駆動力である。但し、例えば車両の加速時に電動機2により補助出力を生成しているときに、駆動力把握手段14が把握する駆動力は、エンジン1から自動変速装置4に入力される駆動力と、電動機2から回転伝達手段5を介して自動変速装置4に入力される駆動力との総和である。 【0044】この場合、本実施形態では、駆動力把握手段14は、エンジン1から自動変速装置4に入力される駆動力(エンジン1が出力する駆動力)を、例えばエンジン1の回転数NEと吸気圧PBとからあらかじめ定められたマップ等に基づいて把握する。また、電動機2に補助出力を生成させている際に該電動機2から自動変速装置4に入力される駆動力は、例えば、電動機制御手段13が電動機2に補助出力を生成させる際に設定する該電動機2の目標補助出力、あるいはそれに対応して定まる電動機2の生成トルクの目標値と、前記回転伝達手段5の変速比とから所定の演算により算出する。 【0045】尚、以下の説明では、自動変速装置4の変速動作の要求があったときに、その要求に伴うクラッチ機構3の切断動作の開始直前に前記駆動力把握手段14が把握する自動変速装置4の入力駆動力を変速直前入力駆動力と略称することがある。 【0046】また、図1で、参照符号15を付したものは、後述する第2の実施形態に関連したセンサであり、これは、本実施形態では使用しない。 【0047】次に本実施形態のハイブリッド車両の作動、特に、自動変速装置4の変速動作に係わる作動を説明する。 【0048】図2のフローチャートを参照して、車両の走行中において、コントローラ10は、自動変速装置4の入力駆動力を前記駆動力把握手段13によって逐次把握し(STEP2−1)、それを図示しないメモリに記憶保持しておく(STEP2−2)。この場合、前述の如く、駆動力把握手段13が把握する入力駆動力は、通常的には、エンジン1から自動変速装置4にクラッチ機構3を介して入力される駆動力(エンジン1が出力する駆動力)であるが、電動機2による補助出力の生成が行われている状態では、エンジン1が出力する駆動力と、電動機2から回転伝達手段5を介して自動変速装置4に入力される駆動力との総和である。 【0049】このように自動変速装置4の入力駆動力の把握及びその記憶保持を行いつつ、コントローラ10は、前記変速制御マップに基づいて、自動変速装置4の変速動作の要求があるか否か、すなわち、自動変速装置4の変速動作のためにクラッチ機構3を切断すべきタイミングであるか否を判断する(STEP2−3)。 【0050】このとき、変速動作の要求がない状態では、STEP2−1,2−2の処理が繰り返される。そして、変速動作の要求がある場合には、コントローラ10は、クラッチ制御手段11によってクラッチ駆動装置6を介してクラッチ機構3の切断動作を開始せしめる(STEP2−4)。 【0051】さらに、コントローラ10は、前記STEP2−2で最新に記憶保持された自動変速装置4の入力駆動力、すなわち、前記クラッチ機構3の切断動作の開始直前に駆動力把握手段14が把握した入力駆動力(変速直前入力駆動力)に応じた電動機2の駆動力の制御を前記電動機制御手段13によって開始する(STEP2−5)。 【0052】さらに詳細には、この電動機2の制御では、前記変速直前入力駆動力と、前記回転伝達手段5の変速比とから、電動機2に生成させるべき目標駆動力を決定する。この目標駆動力は、該電動機2から回転伝達手段5を介して自動変速装置4に入力される駆動力が、前記変速直前入力駆動力になるような電動機2の駆動力である。そして、その目標駆動力を電動機2に生成させるように蓄電装置8から電動機2への給電をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する。 【0053】つまり、STEP2−5の電動機2の駆動力制御では、前記変速直前入力駆動力に等しい駆動力(一定)が電動機2から自動変速装置4に入力されるように、電動機2の動作をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する。 【0054】このようにして電動機2の駆動力の制御を行った状態で、クラッチ機構3の切断動作が終了する(クラッチ機構3が切断状態となる)と(STEP2−6)、コントローラ10は、変速制御手段12によって、変速制御マップに従った自動変速装置4の変速動作(変速比の変更動作)を前記変速駆動装置7を介して行わしめる(STEP2−7)。 【0055】そして、該自動変速装置4の変速動作後、コントローラ10は、クラッチ制御手段11によって、クラッチ機構3の接続動作を行わしめ、該クラッチ機構3を接続状態に復帰させる(STEP2−8)。また、電動機2の前述のような制御を終了する(STEP2−9)。 【0056】尚、クラッチ機構3の接続完了後は、電動機2は、適宜、車両の走行状況に応じて補助出力を生成するように制御されたり、回生発電を行うように制御される。 【0057】以上説明したような自動変速装置4の変速動作に際しての作動によって、エンジン1からの駆動力が自動変速装置3に入力されなくなるクラッチ機構3の切断状態では、その切断動作の開始直前における自動変速装置4の入力駆動力(変速直前入力駆動力)と同等の駆動力が自動変速装置4に電動機2から付与される。 【0058】例えば、図3を参照して、自動変速装置4の変速要求が発生する前にエンジン1の出力のみにより車両の走行を行ってい場合を想定すると、変速要求の発生に応じてクラッチ機構3が切断されると、図3に実線aで示すように、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力は「0」に低下する。しかるに、このとき、図3に実線bで示すように、エンジン1から自動変速装置4への低下した入力駆動力を補うような入力駆動力が電動機2から自動変速装置4に与えられる。 【0059】このため、自動変速装置4の変速動作に際してのクラッチ機構3の切断状態であっても、あたかもクラッチ機構3が接続状態に維持されているかのような走行駆動力が車両の駆動輪に伝達される。この結果、クラッチ機構3の切断状態で従来発生していたような車両の空走感を解消することができる。 【0060】次に、本発明の第2の実施形態を前記図1並びに図4〜図10を参照して説明する。 【0061】尚、本実施形態のハイブリッド車両の基本構成は、前述の第1の実施形態と同一であるので、同一構成部分については、第1の実施形態と同一の参照符号を用いて詳細な説明を省略する。 【0062】図1を参照して、本実施形態では、クラッチ機構3に、そのクラッチ板(図示しない)の変移量CS(以下、クラッチストロークCSという)を該クラッチ機構3の動作位置を表すものとして検出するクラッチセンサ15(検出手段)が付設され、その検出データがコントローラ10に与えられるようになっている。 【0063】この場合、コントローラ10の機能的構成に関しては、クラッチ制御手段11は、前記第1の実施形態で前述した機能に加えて、クラッチ機構3の切断状態から接続状態に復帰させるまでに要すべき時間(以下、クラッチ接続時間という)をエンジン1の回転数NE等に応じて設定し、その設定したクラッチ接続時間に従って、クラッチ機構3の接続動作を行わしめる機能を有する。 【0064】さらに、前記電動機制御手段13は、自動変速装置4の変速動作のためのクラッチ機構3の切断/接続動作に際して、電動機2に生成させる駆動力を、前記変速直前入力駆動力と、前記クラッチセンサ15により検出されるクラッチストロークCSとに応じて制御する機能を有する。 【0065】尚、本実施形態では、コントローラ10は、アクセル操作量APに基づき車両の要求される走行形態を把握する機能も有するが、これについては後述する。 【0066】また、その他の構成及び機能は、前述の第1の実施形態と同一である。 【0067】次に、本実施形態のハイブリッド車両における自動変速装置4の変速動作に係わる作動を詳説する。 【0068】図4のフローチャートを参照して、車両の走行中において、コントローラ10は、前述の第1の実施形態の場合と全く同様に、自動変速装置4の入力駆動力を前記駆動力把握手段13によって逐次把握する(STEP4−1)。 【0069】さらに、エンジン1の回転数NEの検出データを取得すると共に、コントローラ10がその変速制御手段12により制御している自動変速装置4の変速比(1〜5速)と、運転者による車両の要求走行形態とを把握する(STEP4−2)。ここで、コントローラ10が把握する車両の要求走行形態は、基本的には、車両の加減速が要求される程度(以下、加減速要求度合いという)であり、それをアクセル操作量APの大きさや、変化量、変化速度に基づいて数値化して把握する。この場合、例えば、アクセル操作量APが頻繁に変化し、また、その変化量や変化速度が大きなものとなる頻度が高い程(車両の頻繁な加減速や、大きな加速力が要求されるような状況)、前記加減速要求度合いが高くなる。また、例えばアクセル操作量APが比較的小さく、ほぼ一定に維持される期間が比較的長いような状態(車両のクルーズ走行あるいはそれに近い走行が要求される状況)では、前記加減速要求度合いが低くなる。 【0070】尚、このような加減速要求度合いは、アクセル操作量APの代わりに、該アクセル操作量APに応じたエンジン1の図示しないスロットル弁の開度に基づいて把握するようにしてもよい。 【0071】コントローラ10は、上記のように把握した自動変速装置4の入力駆動力、エンジン1の回転数NE、自動変速装置4の変速比、加減速要求度合いのデータを図示しないメモリに逐次記憶保持しつつ(STEP4−3)、コントローラ10に備えた変速制御マップに基づいて、自動変速装置4の変速動作の要求があるか否か(自動変速装置4の変速動作のためにクラッチ機構3を切断すべきタイミングであるか否か)を判断する(STEP4−4)。 【0072】このとき、変速動作の要求がない状態では、STEP4−1〜4−3の処理が繰り返される。そして、変速動作の要求がある場合には、コントローラ10は、クラッチ制御手段11によってクラッチ駆動装置6を介してクラッチ機構3の切断動作を開始せしめる(STEP4−5)。 【0073】さらに、コントローラ10は、前記クラッチセンサ15により逐次検出されるクラッチストロークCSと、前記STEP4−2でクラッチ機構3の切断動作の開始直前に駆動力把握手段14が把握した入力駆動力、すなわち、前記変速直前入力駆動力とに応じた電動機2の駆動力の制御を前記電動機制御手段13によって開始する(STEP4−6)。 【0074】さらに詳細には、この電動機2の制御は次のように行われる。すなわち、コントローラ10の電動機制御手段13は、まず、クラッチセンサ15により逐次検出されるクラッチストロークCSから、図5のようにあらかじめ設定されたデータテーブルに基づいて、電動機2に生成させるべき駆動力を調整するための補正係数Kを求める。この補正係数Kは、基本的には、これを前記変速直前入力駆動力に乗算してなる値を、電動機2から自動変速装置4に入力すべき駆動力として決定するためのもので、クラッチ機構3の接続状態に対応するクラッチストロークCSでは、K=0、クラッチ機構3の切断状態に対応するクラッチストロークCSでは、K=1である。また、クラッチ機構3の接続状態と切断状態との間の中間状態である半クラッチ状態におけるクラッチストロークCSでは、補正係数Kは、クラッチ機構3が切断状態から接続状態に近づくに伴い「0」から「1」に向かって大きくなっていくように定められている。 【0075】コントローラ10の電動機制御手段11は、上記のようにしてクラッチストロークCSから逐次求めた補正係数Kを前記変速直前入力駆動力に乗算することで、時々刻々のクラッチストロークCSに対応して、電動機2から自動変速装置4に入力すべき駆動力の目標値を逐次決定し、さらにその目標値(=変速直前入力駆動力×K)と、前記回転伝達手段5の変速比とから電動機2に生成させる目標駆動力を逐次決定する。 【0076】このとき、前記補正係数Kは前述のようにクラッチストロークCSに応じて定まるため、これを前記変速直前入力駆動力に乗算してなる値、すなわち、電動機2から自動変速装置4に入力すべき駆動力の目標値は、エンジン1からの駆動力が自動変速装置4に入力されないクラッチ機構3の切断状態では、前記変速直前入力駆動力に等しい。従って、クラッチ機構3の切断状態における電動機2の目標駆動力は、該電動機2から回転伝達手段5を介して自動変速装置4に入力される駆動力が、前記変速直前入力駆動力になるような電動機2の駆動力である。 【0077】また、クラッチ機構3の半クラッチ状態では(この状態では、エンジン1からの駆動力の一部が自動変速装置4に入力される)、補正係数Kを前記変速直前入力駆動力に乗算してなる値(電動機2から自動変速装置4に入力すべき駆動力の目標値)は、クラッチ機構3の動作状態が接続状態に近い程、換言すれば、エンジン1からクラッチ機構3を介して自動変速装置4に入力される駆動力の割り合いが多い程、クラッチ機構3の切断状態の場合より少なくなる。 【0078】従って、クラッチ機構3の半クラッチ状態における電動機2の目標駆動力も、クラッチ機構3の動作状態が接続状態に近い程、クラッチ機構3の切断状態の場合より少なくなる。 【0079】コントローラ10の電動機制御手段11は、このようにして時々刻々のクラッチストロークCSに対応した電動機2の目標駆動力を決定しつつ、その目標駆動力を電動機2に生成させるように蓄電装置8から電動機2への給電をレギュレータ/インバータ回路9を介して制御する。 【0080】このように電動機2の駆動力制御を行っている状態で、クラッチ機構3の切断動作が終了すると(STEP4−7)、コントローラ10は、変速制御手段12によって、変速制御マップに従った自動変速装置4の変速動作(変速比の変更動作)を前記変速駆動装置7を介して行わしめる(STEP4−8)。 【0081】さらに、コントローラ10は、自動変速装置4の変速要求が発生する直前(クラッチ機構3の切断動作の直前)に、前記STEP4−1で駆動力把握手段13が把握した自動変速装置4の入力駆動力(変速直前入力駆動力)並びに、前記STEP4−2で把握したエンジン1の回転数NE、車両の加減速要求度合い、自動変速装4の変速比に応じて前記クラッチ接続時間を設定する(STEP4−9)。この設定はクラッチ制御手段11により次のように行われる。 【0082】すなわち、エンジン1の回転数NEから、図6に示すようにあらかじめ定められたデータテーブルに基づいて、クラッチ接続時間を調整するための補正係数K1 を求める。同様に、変速直前入力駆動力、加減速要求度合い、変速比から、それぞれ、図7〜図9に示すようにあらかじめ定められたデータテーブルに基づいて、補正係数K2 ,K3 ,K4 を求める。 【0083】この場合、回転数NEに応じた補正係数K1 は、該回転数NEが低い程、大きくなるように定められている。また、変速直前入力駆動力に応じた補正係数K2は、該変速直前入力駆動力が小さい程、大きくなるように定められている。また、加減速要求度合いに応じた補正係数K2 は、該加減速要求度合いが低い程(車両のクルーズ走行に近い走行が要求される状況)、大きくなるように定められている。さらに、変速比に応じた補正係数K4 は、変速比が高速側の変速比である程(速数が大きい程)、大きくなるように定められている。 【0084】そして、このようにして求めた補正係数K1 〜K4 をあらかじめ定めた所定の基準時間に乗算することで、クラッチ接続時間を決定する。 【0085】尚、このクラッチ接続時間の設定は、自動変速装置4の変速動作の要求が発生した直後に行っておくようにしてもよい。 【0086】このようにして、クラッチ接続時間を設定した後、コントローラ10は、クラッチ制御手段11によって、クラッチ機構3の接続動作を、該クラッチ接続時間で行わしめ、該クラッチ機構3を接続状態に復帰させる(STEP4−10)。この場合、例えばクラッチ機構3の切断状態から接続状態までに要するクラッチ板(図示しない)の変移量を設定されたクラッチ接続時間で除算することで、クラッチ機構3の接続動作の速度を決定する。そして、その決定した速度でクラッチ機構3の接続動作を行わしめることで、その接続動作にかかる時間が設定されたクラッチ接続時間になるようにする。 【0087】尚、前記STEP4−6で開始する電動機2の駆動力制御は、クラッチ機構3の接続動作中も継続され、クラッチ機構3の接続動作が完了すると(接続状態に復帰すると。STEP4−11)、電動機2の駆動力制御が終了される(STEP4−12)。 【0088】そして、クラッチ機構3の接続完了後は、電動機2は、適宜、車両の走行状況に応じて補助出力を生成するように制御されたり、回生発電を行うように制御される。 【0089】また、クラッチ機構3の切断動作に要する時間に関しては、該切断動作はできるだけ迅速に行うことが好ましいことから、本実施形態では、該切断動作の時間をクラッチ接続時間のように可変的に設定したりすることなく、該切断動作を短時間で行うようにしている。 【0090】以上説明したような本実施形態における自動変速装置4の変速動作に際しての作動によって、エンジン1からの駆動力が自動変速装置3に入力されないクラッチ機構3の切断状態では、その切断動作の開始直前における自動変速装置4の入力駆動力(変速直前入力駆動力)と同等の駆動力が自動変速装置4に電動機2から付与される。さらに、クラッチ機構3の切断動作中、あるいは接続動作中における半クラッチ状態では、クラッチストロークCSが、クラッチ機構3の接続状態に近く、エンジン1が出力する駆動力のうちの自動変速装置4に入力される駆動力の割合が大きい程、電動機2から自動変速装置4に入力する駆動力が前記変速直前入力駆動力よりも小さくなるように電動機2の駆動力が制御される。 【0091】つまり、クラッチ機構3の切断動作中の半クラッチ状態では、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力が減少していくことに合わせて、電動機2の駆動力、ひいては該電動機2から自動変速装置4への入力駆動力を増加させていく。また、クラッチ機構3の接続動作中の半クラッチ状態では、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力が増加していくことに合わせて、電動機2の駆動力、ひいては該電動機2から自動変速装置4への入力駆動力を減少させていく。 【0092】例えば、図10を参照して、自動変速装置4の変速要求が発生する前にエンジン1の出力のみにより車両の走行を行っていた場合を想定すると、変速要求の発生に応じてクラッチ機構3の切断動作が開始すると、図10に実線cで示すように、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力は、クラッチ機構3の切断動作の進行に伴い減少していき、該クラッチ機構3が切断状態になると、「0」になる。そして、このとき、電動機2から自動変速装置4への入力駆動力は、図10に実線dで示すように、クラッチ機構3の切断動作の進行に伴い、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力の減少分を補うようにして増加していき、クラッチ機構3が切断状態になると、前記変速直前入力駆動力に等しい駆動力となる。 【0093】さらに、クラッチ機構3の接続動作が開始すると、エンジン1から自動変速装置4への入力駆動力は、切断動作の場合と逆に、図10に実線cで示すように、クラッチ機構3の接続動作の進行に伴い上昇していく。そして、このとき、電動機2から自動変速装置4への入力駆動力は、図10に実線dで示すように、クラッチ機構3の接続動作の進行に伴い、減少していく。 【0094】従って、本実施形態によれば、自動変速装置4の変速動作に際してのクラッチ機構3の切断動作の開始時から接続動作の終了時まで均一的に、変速直前入力駆動力と同等の駆動力を自動変速装置4に入力することができる。すなわち、クラッチ機構3の切断動作の開始時から接続動作の終了時まで均一的な走行駆動力を車両の駆動輪に伝達することができる。この結果、クラッチ機構3の切断状態で従来発生していたような車両の空走感をより効果的に解消することができると共に、自動変速装置4の変速動作に際しての車両の挙動変化を低減することができ、快適な乗り心地を得ることができる。 【0095】また、クラッチ機構3が半クラッチ状態となる切断動作中と接続動作中とでは、クラッチストローク15に応じて電動機2の駆動力を制御することで、それらの切断動作及び接続動作に要する時間によらずに車両の駆動輪に伝達される走行駆動力を均一的なものとすることができる。このため、クラッチ機構3の切断動作や接続動作に要すべき時間の設定の自由度が高まり、それらの動作の時間を車両の運転状況等に応じて可変的に設定することが可能となる。 【0096】この場合、本実施形態では、特に、クラッチ機構3の接続動作に要する時間である前記クラッチ接続時間を、自動変速装置4の変速要求が発生する直前(クラッチ機構3の切断動作の直前)における自動変速装置4の入力駆動力(変速直前入力駆動力)、エンジン1の回転数NE、車両の加減速要求度合い、自動変速装4の変速比に応じて前述の如く設定する。このため、基本的には、車両の加減速をあまり行わず、クルーズ走行(略定車速での走行)もしくはそれに近い走行が行われているような状況における自動変速装置4の変速動作の際には、前記クラッチ接続時間は、長めに設定され、クラッチ機構3の接続動作が比較的ゆっくり行われる。そして、このように該クラッチ接続時間が長めに設定されることで、自動変速装置4の図示しないシンクロ機構等にかかる負担や、クラッチ機構3の接続時の衝撃をできるだけ軽減しつつ、クラッチ機構3の切断/接続動作を含めて、自動変速装置4の変速動作に係わる一連の動作を円滑に行うことができる。 【0097】また、車両の加減速が頻繁に行われたり、大加速を行うような状況における自動変速装置4の変速動作の際には、前記クラッチ接続時間は、短めに設定されるため、クラッチ機構3の接続動作が迅速に行われる。このため、車両の走行挙動の応答性を十分に確保することができる。 【0098】尚、以上説明した第2の実施形態では、クラッチ機構3の切断動作の時間は可変的な設定を行っていないが、必要に応じて切断動作の時間も、エンジン1の回転数NEや、車両の加減速要求度合い(要求走行形態)等に応じて可変的に設定するようにしてもよい。 【0099】また、前述した第1及び第2の実施形態では採用していないが、車両の減速中に電動機2の回生発電を行って、自動変速装置4に制動方向の駆動力(制動トルク)を入力しているような状態で、自動変速装置4の変速動作の要求が生じたときには、クラッチ機構3の切断状態や、切断動作、接続動作中に電動機2を逆転方向に駆動して、クラッチ機構3の切断動作の開始直前に自動変速装置4に入力された制動トルクと同等の制動トルクを電動機2から自動変速装置4に入力することも可能である。 【0100】また、第1及び第2の実施形態では、電動機2を回転伝達手段5を介して自動変速装置4の入力側に接続したが、電動機2をクラッチ機構3と自動変速装置4の間で直結的に自動変速装置4の入力側に接続するようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月23日(1999.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077805 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 辰彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−245010(P2000−245010A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月8日(2000.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−44607 |
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