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【発明の名称】 VVVFインバータ装置
【発明者】 【氏名】萱野 博之

【要約】 【課題】空転状態の制御時におけるモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得る。

【解決手段】誘導電動機のモータの回転を制御するVVVFインバータ装置において、誘導電動機のモータの回転を制御するVVVFインバータ装置において、誘導電動機の回転周波数から空転を検知して空転検知信号を出力する空転検知装置1と、空転検知信号の有無に基づきモータ電流設定のためのモータ電流パターンを出力する電流パターン制御部2と、モータ電流から実効値を算出する実効値演算部3と、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数を補正するすべり周波数補正量を出力する定電流制御系8と、すべり周波数補正量に基づきすべり周波数を算出するすべり周波数演算部7とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 誘導電動機のモータの回転を制御するVVVFインバータ装置において、上記誘導電動機の回転周波数から空転を検知して空転検知信号を出力する空転検知装置と、上記空転検知信号の有無に基づきモータ電流設定のためのモータ電流パターンを出力する電流パターン制御部と、上記モータ電流から実効値を算出する実効値演算部と、上記モータ電流パターンと上記モータ電流の実効値との偏差からすべり周波数を補正するすべり周波数補正量を出力する定電流制御系と、上記すべり周波数補正量に基づきすべり周波数を算出するすべり周波数演算部とを備え、上記すべり周波数に基づき、上記空転検知信号を検出した時は上記モータ電流パターンを絞り込み、上記空転検知信号が解除された時は通常のモータ電流パターンへ復帰させることを特徴とするVVVFインバータ装置。
【請求項2】 定電流制御系が、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数補正量を算出する制御系を1次遅れ要素で構成し、空転検知信号の有無に基づき上記制御系のゲインを切替える機能を有するすべり補正量制御系を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載のVVVFインバータ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用制御装置の誘導電動機の空転時のモータ電流制御を行うVVVFインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は,従来のVVVFインバータ装置の構成を示すブロック図で、例えば特開平5−260608号公報に示されたものである。9は、誘導電動機の周波数センサで,モータの各軸ごとに取り付けられており(PG1、2・)、各モータ軸の回転周波数を検出するものである。1は,空転検知装置であってモータの回転周波数の変化率、あるいは各軸の回転周波数の偏差に基づき、車軸の空転状態を検知するものである。2は、電流パターン制御部で,空転検知信号sに基づき、制御するモータ電流パターンIPを出力するものである。
【0003】10は、モータ電流センサで、モータ電流を測定するものである。3は,実効値演算部であって、モータ電流の瞬時値isを測定して、モータ電流の瞬時値isに基づいて、電流の実効値IMRを演算するものである。12は、定電流制御装置で、モータ電流パターンIPとモータ電流の実効値IMRとの偏差IDと、空転検知信号sの有無に基づき、モータの回転数を補正するためのすべり周波数補正量ICを出力するものである。7は、すべり周波数演算部で、すべり周波数の補正量ICに基づきインバータの周波数を補正するためのすべり周波数fsを算出するものである。
【0004】次に、従来のVVVFインバータ装置の動作について説明する。ある軸のモーターが空転すると、空転検知装置1において、誘導電動機の回転周波数の変化率、あるいは各軸の周回転波数の偏差に基づき空転が検知され、空転検知信号sが出力される。電流パターン制御部2に空転検知信号sがに入力されると、通常時のモータ電流パターンIPから所定の値を減少させた空転時モータ電流パターンIPVが出力される。
【0005】次に、測定されたモータ電流の瞬時値isから実効値演算部3において算出された実効値IMRと空転時モータ電流パターンIPVとの偏差IDに基づき、モータの回転数fを補正するためのすべり周波数補正量ICが算出される。すべり周波数演算部7において、すべり周波数の補正量ICに基づきすべり周波数fsを算出する。このすべり周波数fsをVVVFインバータに入力することにより、空転時のモータ電流を正常時のものより減少することにより再粘着が実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のインバータ装置においては、空転信号sに基づきモータ電流パターンIPを減少すると、すべり周波数が減少してモータ電流が減少するが、その際モータ電流パターンIPとモータ電流isとの間に偏差が生じる。
【0007】この期間においては、誘導電動機の特性により電流が減少しやすくなっているのに対し、電流パターンの絞り込みが追いつかず、制御系がモータ電流パターンとモータ電流の偏差を補償するためすべり周波数を増やし、過剰にモータ電流が増加され、モータ電流が振動するという問題があった。
【0008】この発明は、以上の問題点を解決するために行われたもので、空転状態の制御時におけるモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記載のVVVFインバータ装置は、誘導電動機のモータの回転を制御するVVVFインバータ装置において、誘導電動機の回転周波数から空転を検知して空転検知信号を出力する空転検知装置と、空転検知信号の有無に基づきモータ電流設定のためのモータ電流パターンを出力する電流パターン制御部と、モータ電流から実効値を算出する実効値演算部と、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数を補正するすべり周波数補正量を出力する定電流制御系と、すべり周波数補正量に基づきすべり周波数を算出するすべり周波数演算部とを備えたものである。
【0010】この発明の請求項2に記載のVVVFインバータ装置は、定電流制御系が、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数補正量を算出する制御系を1次遅れ要素で構成し、空転検知信号の有無に基づき制御系のゲインを切替える機能を有するすべり補正量制御系を設けたものとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、実施の形態1のVVVFインバータ装置の構成を示すブロック図である。4,5は、すべり補正量制御系であって、すべり周波数補正量ICの大きさを制御するものである。6は、切り替えスイッチで、空転検知信号sに基づき、すべり補正量制御系4又は5を選択するものである。8は、定電流制御系で、空転検知信号sの有無に基づき、すべり周波数補正量ICの大きさを切り替えて出力するものである。また、すべり周波数補正量ICの急激な変化を防止して徐々に補正するためには、すべり補正量制御系4,5を、1次遅れ要素(図示なし)で構成し、すべり周波数補正量の切替え時間を遅延させるとよい。その他の符号は、従来技術のものと同様のものであるので説明を省略する。
【0012】次に、実施の形態1のVVVFインバータ装置の動作について説明する。モータの空転が空転検知装置1で検出されると、空転検知信号sに基づき、電流パターン制御部2から、通常時のモータ電流パターンIPより小さい空転時のモータ電流パターンIPVが出力される。
【0013】また、定電流制御系8において、電流パターン制御部2から直接入力される空転検知信号sの有無に基づき、切り替えスイッチ6によりすべり補正量制御系4または5が選択される。すべり補正量制御系4または5は、実効値演算部3で得た実効値IMRと空転時モータ電流パターンIPVとの偏差IDからすべり周波数補正量ICを出力するものであるので、空転検知信号sの有無に基づきすべり補正量制御系4または5を選択することにより、制御ゲインの切り替えを行う。
【0014】このように、空転検知信号sを、電流パターン制御部2から直接切り替えスイッチ6に接続したので、空転時に電流パターンとモータ電流の間に偏差が生じても、制御ゲインを適正な値に切替えることができるので、空転時に電流パターンとモータ電流の間の偏差が生じても、制御系のゲインを適正な値に切替えることができるので、空転状態の制御時におけるモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得ることができる。
【0015】また、すべり補正量制御系4,5を、1次遅れ要素で構成したので、すべり周波数補正量ICの急激な変化を防止して徐々に補正することにより、空転状態の制御時におけるモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、誘導電動機のモータの回転を制御するVVVFインバータ装置において、誘導電動機の回転周波数から空転を検知して空転検知信号を出力する空転検知装置と、空転検知信号の有無に基づきモータ電流設定のためのモータ電流パターンを出力する電流パターン制御部と、モータ電流から実効値を算出する実効値演算部と、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数を補正するすべり周波数補正量を出力する定電流制御系と、すべり周波数補正量に基づきすべり周波数を算出するすべり周波数演算部とを備えたので、空転状態の制御時における制御系の不要動作により発生するモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得ることができる。
【0017】第2の発明によれば、定電流制御系が、モータ電流パターンとモータ電流の実効値との偏差からすべり周波数補正量を算出する制御系を1次遅れ要素で構成し、空転検知信号の有無に基づき制御系のゲインを切替える機能を有するすべり補正量制御系を設けたものとしたので、すべり周波数補正量の急激な変化を抑制することができ、空転状態の制御時におけるモータ電流の振動を抑制することができるVVVFインバータ装置を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年2月24日(1999.2.24)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−245006(P2000−245006A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−45990