トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 回生制動制御装置
【発明者】 【氏名】生原 忠男

【要約】 【課題】エネルギ回生効率を高く維持でき且つ常に十分な制動力を確保可能な回生制動制御装置を提供する。

【解決手段】車両に制動要求があるときには、通常は、回生制動手段により、内燃機関と駆動系部材間のクラッチが切断され、該駆動系部材に連結された発電機が駆動系部材を介して車輪より伝達される外力により作動され発電されることで回生制動が行われ、且つ、制動要求量に応じてサービスブレーキが作動することで上記回生制動による制動力の不足分が補われるが(S16〜S22)、回生制動制限手段によりバッテリの充電量に応じて回生制動が制限されているとき(S24)にブレーキ負荷検出手段により検出または推定されるサービスブレーキの制動負荷が所定量よりも大きくなると(S26)、エンジンブレーキ制御手段によって上記クラッチが接続されてエンジンブレーキが作用する(S28〜S36)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の駆動系部材にクラッチを介して連結された内燃機関と、車両に制動要求があるとき、車両の駆動系部材に連結された発電機を前記駆動系部材を介して車輪より伝達される外力により作動させ発電させることで前記駆動系部材に制動力を付与し回生制動を行う回生制動手段と、車両に制動要求があるとき、前記回生制動手段による制動力を補うべく制動要求量に応じて車両の駆動系部材に摩擦による制動力を付与するサービスブレーキと、前記発電機からの電力を蓄積するバッテリと、該バッテリの充電状態を検出する充電状態検出手段と、前記充電状態検出手段からの充電状態情報に応じ、前記回生制動手段による回生制動を制限する回生制動制限手段と、前記サービスブレーキの制動負荷の大きさを検出または推定するブレーキ負荷検出手段と、前記回生制動制限手段により回生制動が制限されていないとき前記クラッチを切断させ、回生制動が制限され且つ前記ブレーキ負荷検出手段により検出または推定される制動負荷が所定量よりも大きいとき、前記クラッチを接続させ前記駆動系部材にエンジンブレーキによる制動力を付与するエンジンブレーキ制御手段と、を備えたことを特徴とする回生制動制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回生制動制御装置に係り、詳しくは、制動エネルギを電気エネルギとして回生させる際の制動制御技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両に搭載された内燃機関の駆動軸(駆動系部材)に発電機を接続し、車両が制動状態にあるときに駆動軸を介して伝達される車輪からの外力で当該発電機を作動させ、これにより駆動軸を介して車輪に制動力を付与するとともに発電を行うエネルギ回生装置が特開平9−135502号公報等に開示され公知である。
【0003】このようなエネルギ回生装置では、発電により回生された電気エネルギをバッテリに充電して蓄積するようにしており、さらに、上記公報に開示された技術では、エネルギ回生時において発電機による発電量、即ちエネルギ回生量が極力多くなるように図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に開示の技術では、内燃機関が常に駆動軸に結合された状態とされている。故に、当該技術では、発電機によってエネルギ回生を行おうとしても、常にエンジンブレーキが作用することになり、高効率のエネルギ回生を実現することは困難である。
【0005】そこで、エネルギ回生時において駆動軸から内燃機関を切り離すことが考えられており、これにより、車輪からの外力を効率よく発電機に伝達することが可能とされる。そして、この場合、発電機の発電に伴う制動力で不足する制動力については、制御が容易であり且つ制動力をレスポンスよく十分に確保できることから、車輪等に設けられたサービスブレーキ(ドラムブレーキ、ディスクブレーキ等の摩擦式ブレーキ)を効かせて補うようにしている。
【0006】ところが、バッテリの充電量が充電容量に達している場合や該充電容量に近いような場合には、通常は過充電を防止すべく発電機による発電を禁止或いは大きく制限するようにしており、この際サービスブレーキの負担が極めて大きくなるという問題がある。特に、車両を降坂路等で制動させながら長時間に亘って走行させるような場合にあっては、サービスブレーキがフェード現象を起こして制動力が減衰するおそれがあり好ましいことではない。
【0007】本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、エネルギ回生効率を高く維持でき且つ常に十分な制動力を確保可能な回生制動制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、通常は、回生制動手段により、内燃機関と駆動系部材間のクラッチが切断され、該駆動系部材に連結された発電機が駆動系部材を介して車輪より伝達される外力により作動され発電されることで回生制動が行われ、且つ、制動要求量に応じてサービスブレーキが作動することで上記回生制動による制動力の不足分が補われるのであるが、回生制動制限手段によりバッテリの充電状態に応じて回生制動が制限されているときにブレーキ負荷検出手段により検出または推定されるサービスブレーキの制動負荷が所定量よりも大きくなると、エンジンブレーキ制御手段によって上記クラッチが接続されてエンジンブレーキが作用する。
【0009】従って、エネルギ回生時には、車輪からの外力により極めて効率よく発電機を作動させることができ且つサービスブレーキによりレスポンスのよい確実な制動が実現可能とされ、さらに、回生制動が制限された場合にあっては、エンジンブレーキの併用によりサービスブレーキの過剰負担によるフェード現象の発生が防止される。
【0010】これにより、車両の制動時において、高効率のエネルギ回生が実現可能とされるとともに常に十分な制動力が確保可能とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。図1を参照すると、ハイブリッド型電気自動車の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき本発明に係る回生制動制御装置の構成を説明する。図1に示すハイブリッド型電気自動車は、所謂パラレル式と呼ばれるもので、エンジン(内燃機関)1の出力軸2は、クラッチ装置(クラッチ)4を介してモータジェネレータ10の回転軸(駆動系部材)12に接続されており、モータジェネレータ(発電機)10の回転軸12は自動変速機20を介して駆動軸(駆動系部材)22に接続されている。さらに、当該駆動軸22にはデファレンシャルギヤ24を介して車軸26が接続されている。そして、車軸26の両端には駆動輪として一対の車輪28,28が接続されている。
【0012】エンジン1は、例えば水冷式ガソリンエンジンであり、車輪28,28を駆動させ車両を走行させることの可能な十分な最大出力を有したエンジンである。そして、該エンジン1には、冷却水の温度、即ち冷却水温Twを検出する水温センサ3が設けられており、さらに、出力軸2の近傍には当該出力軸2の回転速度、即ちエンジン回転速度Neを検出するエンジン回転センサ5が設けられている。
【0013】クラッチ装置4は、モータジェネレータ10側のクラッチ板4bに対し、エンジン1側のクラッチ板4aが可動して断接するようなクラッチ装置であり、クラッチ板4aはロッド7を介して電動アクチュエータ6により断接操作されるよう構成されている。モータジェネレータ10はモータとしてもジェネレータ、即ち発電機としても機能する電動モータであり、回転軸12と一体にされたロータコイル14の回りをステータコイル(励磁コイル)16が取り巻くように構成されている。つまり、モータジェネレータ10は、ステータコイル16に通電して磁界を形成するとともにロータコイル14にも通電して磁界を発生させることで、回転軸12を回転させるモータとして機能し、ステータコイル16に通電して磁界を形成する一方、回転軸12と一体のロータコイル14を駆動軸22を介して伝達される車輪28,28からの外力により回転させ磁界を発生させることで、ロータコイル14に励磁電流を生起させる発電機として機能する。
【0014】そして、当該モータジェネレータ10は、モータとして機能させるときには、ロータコイル14への通電量を変えることで出力を変更でき、一方、発電機として機能させるときには、ステータコイル16への通電量を変えることで発電量を変更することが可能とされている。ところで、当該モータジェネレータ10が発電機として機能するときには、ロータコイル14の回転エネルギが電気エネルギに変換されることになるため、発電量に相当する分だけロータコイル14の回転速度が減速されることになる。即ち、当該モータジェネレータ10は、発電機として機能するときには、発電を行うと同時に制動装置として機能することになる。つまり、車両を制動させたいときにモータジェネレータ10を発電機として機能させるようにすれば、制動エネルギを良好に電気エネルギに変えながら車両制動(回生制動)を行うことができる(回生制動手段)。
【0015】自動変速機20は、回転軸12の回転速度を減速或いは増速し、モータジェネレータ10側で生起される出力トルクを変更して車輪28,28側へ伝達するものであり、ここでは、例えば無段自動変速機が使用される。なお、無段自動変速機は公知であり、ここでは説明を省略する。同図に示すように、車軸26には、車輪28,28に近接して一対の油圧ディスクブレーキ装置(サービスブレーキ)30,30が設けられている。該油圧ディスクブレーキ装置30,30は、車軸26とともに回転するディスク32,32を油圧で作動するブレーキパッド34,34で挟み込んで摩擦力を発生させ、該摩擦力によって車輪28,28の回転を減衰させ、車両を制動する油圧ブレーキである。
【0016】従って、ブレーキパッド34,34には高圧油路36の一端がそれぞれ接続されており、該高圧油路36の他端は、電磁圧力調整弁38を介して高圧ポンプ40に接続されている。さらに、高圧ポンプ40はオイルタンク42に接続されている。即ち、オイルタンク42の作動油は、高圧ポンプ40によって高圧とされ、その後電磁圧力調整弁38により圧力調節されてブレーキパッド34,34に供給される。これにより、電磁圧力調整弁38が適宜調節されて油圧が変化することで、油圧ディスクブレーキ装置30,30の制動力が可変とされる。
【0017】電子コントロールユニット(ECU)50は、中央処理装置(CPU)等からなり、当該電気自動車の各種運転制御を司る主制御装置であり、その入力側には、上述の水温センサ3、エンジン回転センサ5等の他、アクセルペダル52に接続され、アクセルペダル52の操作量、即ちアクセル開度θaccを検出するアクセルポジションセンサ(APS)54や、ブレーキペダル56に接続され、ブレーキペダル56の踏み込み圧力、即ち制動要求度合を検出するブレーキ踏圧センサ58が接続されており、さらに、当該ECU50のみならず各種駆動ユニット類を作動させるためのバッテリ(二次電池)70が接続されている。なお、当該バッテリ70は、モータジェネレータ10が発電機として機能したときには、ステータコイル16への通電量に応じた発電電力が充電され蓄積されるよう接続されている。
【0018】一方、ECU50の出力側には、上記電動アクチュエータ6、モータジェネレータ10のロータコイル14及びステータコイル16、電磁圧力調整弁38等が接続されている。以下、このように構成されたハイブリッド型電気自動車の本発明に係る回生制動制御装置の作用について説明する。
【0019】図2を参照すると、ECU50が実行する、制動制御の制御ルーチンのフローチャートが示されており、以下、当該フローチャートに沿って説明する。先ず、ステップS10では、アクセルオフであるか否かを判別する。即ち、アクセルペダル52から運転者の足が離れ、APS54の出力値に基づきアクセル開度θaccが値0(或いは、値0近傍の所定値)になり、車両が制動状態に移行したか否かを判別する。
【0020】該ステップS10の判別結果が偽(No)の場合には、車両は制動状態に移行していないとみなすことができ、この場合には何もせずに当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)で、車両が制動状態に移行したと判定された場合には、次にステップS12に進む。ステップS12では、バッテリ70の充電量(SOC:ステイト・オブ・チャージ)を演算により求める。実際には、バッテリ70の充電電圧とSOCとの関係が予めマップ化されており、該SOCは当該マップより読み出される(充電状態検出手段)。
【0021】ステップS14では、SOCが所定値X1以上であるか否か、即ちバッテリ70の充電量が飽和状態にあるか否かを判別する。通常、アクセルオフとなる直前においてモータジェネレータ10がモータとして機能して車両が走行していた場合には、バッテリ70に充電されている電力はモータジェネレータ10に消費される一方であったと考えられる。故に、この場合には、ステップS14の判別結果は偽(No)であってSOCは所定値X1未満と判定でき、次にステップS16に進む。
【0022】車両が制動状態に移行しており、且つ、SOCが所定値X1未満であってバッテリ70に充電の余地がある場合には、モータジェネレータ10の回生制動が優先的に実施されて制動エネルギの回収が効果的に行われ、ここではその不足分が制動レスポンスのよい油圧ブレーキによって補われるようにされている。このとき、回生制動のみで制動力を賄える場合には油圧ブレーキ力はゼロとされる。
【0023】そこで、ステップS16では、これら回生制動力と油圧ブレーキ力の配分を演算する。詳しくは、先ず、ブレーキ踏圧センサ58からの制動要求度合情報に基づいてステータコイル16への通電量が設定され、モータジェネレータ10による回生制動力が設定される。実際には、ステータコイル16への通電量と回生制動力とが予めマップ化されており、当該マップより制動要求度合を満たすような回生制動力が読み出される。そして、当該回生制動力が制動要求度合に満たない場合に、その差分が油圧ブレーキ力で補われることになる。
【0024】このように回生制動力と油圧ブレーキ力の配分が決定されたら、次にステップS18において、クラッチ断とする。即ち、クラッチ装置4を切断状態として、モータジェネレータ10の回転軸12とエンジン1の出力軸2との接続を断つようにする。なお、クラッチ断とした後、エンジン1はアイドル状態、或いは停止状態とされて非駆動状態とされる。
【0025】このように、制動時においてクラッチ断とすると、エンジン1によるエンジンブレーキ作用を一切排除でき、これにより、駆動軸22を介して伝達される車輪28,28からの外力を略100%ロータコイル14に伝達させることができ、モータジェネレータ10による発電量を最大限のものとして制動エネルギを効率よく電気エネルギに変換することが可能となる。
【0026】そして、ステップS20において、上記ステップS16で求めた回生制動力に基づいて回生制動制御を実施する。つまり、モータジェネレータ10のステータコイル16への通電量等を制御する。なお、当該回生制動制御はサブルーチン(図示せず)で実施される。さらに、ステップS22において、上記ステップS16で求めた油圧ブレーキ力に基づいて油圧ブレーキを実施する。つまり、電磁圧力調整弁38の弁開度等を制御する。なお、当該油圧ブレーキ制御についてもサブルーチン(図示せず)で実施される。
【0027】このようにして、制動時、SOCが所定値X1未満と判定されると、回生制動力と油圧ブレーキ力とによって制動が行われるが、当該回生制動力と油圧ブレーキ力による制動は、当該ルーチンが繰り返し実行され、ステップS14の判別結果が偽(No)でSOCが所定値X1未満と判定されている限り継続される。なお、回生制動が実施されると制動要求度合は小さくなるため、回生制動力と油圧ブレーキ力の配分は、回生制動を優先しながら、ステップS16が繰り返し実行されることで常に適正なものに更新される。
【0028】以上のようにして回生制動が実施されると、SOCが増大し、特に回生制動時間が長いとSOCは所定値X1に達することになり、この場合には、ステップS14の判別結果は真(Yes)とされる。このようにSOCが所定値X1に達し、充電量が飽和状態となると、それ以上バッテリ70に充電を行うとバッテリ70やモータジェネレータ10自体を破損させるおそれがある。従って、この場合には、ステップS24において、回生制動を中止する。つまり、モータジェネレータ10のステータコイル16への通電量を値0(ゼロ)として発電しないようにし、ロータコイル14を磁界による抵抗なく空転させるようにする(回生制動制限手段)。
【0029】次のステップS26では、現在、車両が山岳路等において長い下り坂を走行中であって油圧ブレーキに掛かる制動負荷が大きいか否かを判別する。具体的には、例えば、ブレーキ踏圧センサ58から制動要求度合信号が出力されてからの継続時間を計測しておき、当該継続時間が途切れることなく長く継続しているような場合に車両が長い下り坂を走行中であって制動負荷が大きいと判定するようにする(ブレーキ負荷検出手段)。
【0030】当該ステップS26の判別結果が真(Yes)で、車両が現在長い下り坂を走行中であると判定された場合には、次にステップS28に進む。ステップS28では、今度は、クラッチ接とする。即ち、クラッチ装置4を接続状態として、モータジェネレータ10の回転軸12とエンジン1の出力軸2とを同期回転させるようにする。これにより、非駆動状態であるエンジン1によってエンジンブレーキが車輪28,28に作用することになる(エンジンブレーキ制御手段)。
【0031】つまり、回生制動が中止されているときには、その分油圧ブレーキ力を大きくしなければならず、この際、特に車両が長い下り坂を走行中であって制動負荷が大きいと、油圧ディスクブレーキ装置30,30のディスク32,32とブレーキパッド34,34とが摩擦熱で過熱するおそれがあるのであるが、このようにエンジンブレーキを効かせることで、油圧ディスクブレーキ装置30,30の過熱を抑制するようにする。これにより、油圧ブレーキの所謂フェード現象による制動力の低下が好適に防止されることになる。
【0032】そして、ステップS30では、エンジン回転センサ5からエンジン回転速度情報Neを検出するとともに、水温センサ3から冷却水温情報Twを検出し、ステップS32において、これらエンジン回転速度情報Neと冷却水温情報Twとからエンジンブレーキ力を演算する。実際には、エンジン回転速度情報Neと冷却水温情報Twとに応じて予めエンジンブレーキ力がマップとして設定されており、エンジンブレーキ力は当該マップから読み出される。
【0033】ステップS34では、油圧ブレーキ力を演算する。詳しくは、ブレーキ踏圧センサ58からの制動要求度合情報に基づき、当該制動要求度合と上記エンジンブレーキ力との差分が油圧ブレーキ力とされる。そして、ステップS36において、当該油圧ブレーキ力に基づいて上記ステップS22の場合と同様に油圧ブレーキ制御を実施する。
【0034】一方、ステップS26の判別結果が偽(No)で、現在、車両は長い下り坂を走行中ではなく、例えば平坦路を走行していると判定された場合には、次にステップS38に進む。ステップS38では、クラッチ断とする。一般に、車両が平坦路等を走行している場合には、制動要求度合も小さく、回生制動を中止しても油圧ブレーキ力は油圧ディスクブレーキ装置30,30が過熱するほど、即ち油圧ブレーキがフェード現象を引き起こすほど大きくはならない。従って、車両が長い下り坂を走行しておらず平坦路等を走行している場合には、クラッチ断としてエンジンブレーキを作用させないようにし、よりレスポンスのよい油圧ブレーキを優先的に使用するようにするのである。
【0035】従って、この場合には、ステップS40において、エンジンブレーキなく制動要求度合に応じて油圧ブレーキ制御のみを実施する。ところで、上記実施形態では、車両が長い下り坂を走行しているような場合にエンジンブレーキを効かせるようにしたが、例えば、他の実施形態として、図3に示すように、長い下り坂であるか否かの判別に代えて、油圧ブレーキ温度Tbを直接的に推定し(ステップS26a)、当該油圧ブレーキ温度Tbが所定値T1以上であるか否かを判別し(ステップS26b)、この判別結果が真(Yes)である場合に制動負荷が大きいと判定しクラッチ接としてエンジンブレーキを効かせるようにしてもよい。
【0036】この場合、油圧ブレーキ温度Tbは、摩擦熱の発生量がブレーキ踏圧センサ58から出力される踏み込み圧力に相関することから、例えば、ブレーキペダル56が連続的に踏み込まれたときの当該踏み込み圧力を積算し、この積算値に応じて推定するようにする(ブレーキ負荷検出手段)。また、上記実施形態では、エンジンブレーキをバッテリ70のSOCが所定値X1に達し回生制動を中止した後に使用するようにしたが、例えば、SOCが所定値X1に達していなくても当該SOC値に応じて回生制動を制限するようにしてもよく(回生制動制限手段)、このとき、油圧ブレーキ力の配分が極めて多くなるような場合にエンジンブレーキを併用するようにしてもよい。
【0037】また、上記実施形態では、ハイブリッド型電気自動車を例に説明したが、これに限られず、モータジェネレータ10の代わりに発電機能のみからなるジェネレータ(発電機)を備えたエネルギ回生車両であっても本発明を良好に適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の回生制動制御装置によれば、エネルギ回生時には、車輪からの外力により極めて効率よく発電機を作動させることができ且つサービスブレーキによりレスポンスのよい確実な制動を実現可能であり、さらに、回生制動が制限された場合には、エンジンブレーキの併用によりサービスブレーキの過剰負担によるフェード現象の発生を好適に防止することができる。
【0039】従って、車両の制動時において、高効率のエネルギ回生を実現できるとともに常に十分な制動力を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2000−217201(P2000−217201A)
【公開日】 平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願番号】 特願平11−17158