| 【発明の名称】 |
産業用車両の走行駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 浩巳
【氏名】正野 信夫
【氏名】桧垣 正美
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、複数の作業を同時に行う産業用車両においてエンジン容量の増加を回避できる産業用車両の走行駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電動モータ1の複数のトルク/回転数制御曲線を有し、荷役作業の状況を、油圧ポンプ13より荷役装置7へ供給される圧油の流量と圧力により判断して前記複数のトルク/回転数制御曲線中から一トルク/回転数制御曲線を選択し、選択されたトルク/回転数制御曲線により、アクセルペダル19の踏み込み量による電動モータ1のトルク/回転数制御を行う制御装置6’およびインバータ3’を備える。この構成によれば、荷役作業の状況によって、エンジン11の走行作業の負担を抑えることが可能となり、エンジン11は、容量を増加させることなく、荷役作業の重負荷を負担することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の作業の駆動源となるエンジンと、前記エンジンに連結された発電機より給電される走行用電動モータを備え、前記複数の作業を同時に行う産業用車両において、アクセルペダルの踏み込み量により前記電動モータを駆動する走行駆動装置であって、前記電動モータの複数のトルク/回転数制御曲線を有し、前記作業の状況により前記複数の前記トルク/回転数制御曲線の中から一トルク/回転数制御曲線を選択し、選択されたトルク/回転数制御曲線により、前記アクセルペダルの踏み込み量による前記電動モータのトルク/回転数制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする産業用車両の走行駆動装置。 【請求項2】 前記一作業は荷役作業であり、荷役作業の負荷を検出する負荷検出手段を設け、前記制御手段は、前記負荷検出手段により検出される荷役作業の負荷が大きいと判断すると、複数のトルク/回転数制御曲線の中から、アクセルペダルの踏み込み量に対するトルクと回転数を抑えた曲線を選択することを特徴とする請求項1記載の産業用車両の走行駆動装置。 【請求項3】 前記負荷検出手段は、荷役装置へ供給される圧油の圧力と流量を検出する装置であることを特徴とする請求項2記載の産業用車両の走行駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の作業を同時に行う産業用車両において、電動モータにより駆動車輪を駆動して走行する産業用車両、たとえば荷役現場や建設現場などで使用されるダンプトラック、ホイールローダ、フォークリフト、コンテナキャリヤなどの走行駆動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の上記産業用車両の走行駆動方式について説明する。 【0003】図3は従来の産業用車両(たとえば、ホイールローダなど)の電気制御ブロック図である。 【0004】図3において、1は各車輪2の軸にその回転軸が連結された誘導モータ(電動モータの一例)であり、電磁ブレーキ(図示せず)が付設されている。またこれら各モータ1をそれぞれ駆動するインバータ(走行駆動手段の一例)3が設けられ、前輪用と後輪用のそれぞれ2台のインバータ3に、モータ1の回生制動エネルギーを消費する制動用抵抗器4が接続され、さらにモータ1に設けられた回転数検出器5により検出されたモータ回転数の信号がインバータ3へフィードバックされている。また4台のインバータ3は、制御装置6に接続されている。 【0005】また図3において、11はエンジンであり、このエンジン11の回転軸にブラシレス発電機12、車両に装備されたバケットやフォークやクランプなど油圧により駆動される荷役装置7へ圧油を供給する油圧ポンプ13、およびモータ1とインバータ3の冷却ファン14の各軸が連結されており、エンジン11が回転することにより、ブラシレス発電機12により発電され、油圧ポンプ13より荷役装置7へ圧油が供給され、冷却ファン14によりモータ1とインバータ3が冷却される。また、上記エンジン11の回転信号が制御装置6へフィードバックされており、制御装置6よりエンジン11のアクセルアクチュエータ11Aへ回転指令信号が出力され、エンジン11の回転数が制御されている。また、上記ブラシレス発電機12よりコンダクタ15を介して4台のインバータ3およびモータ1へ給電され、さらに制御装置6と、車両の運転席に設けられた操作盤16とモニタ装置17へ給電されている。また図1において、18はエンジン11と制御装置6の始動用のバッテリである。 【0006】また制御装置6へ、操作盤16に設けられたアクセルペダル19の操作角度(たとえば10〜50°)の信号が入力されており、制御装置6は、アクセルペダル19の踏み込み量(たとえば操作角度;10〜50°)によりモータ1の回転数の指令値を演算し、この演算したモータ1の回転数の指令値をインバータ3へ出力している。 【0007】インバータ3には、図4に示すモータ1のトルク/回転数制御曲線が予め設定されており、インバータ3は、制御装置6より入力したモータ1の回転数の指令値にしたがってモータ1のトルク/回転数制御を行っている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上記産業用車両、たとえばホイールローダは、バケットを使用して荷役作業を行う際には、油圧ポンプ13の負荷が大きくなることから、このような荷役作業と走行作業を同時に満足させるには、エンジン11の容量を大きくしなければならず、したがって車体の大きくなり、コストが増加するという問題があった。 【0009】そこで、本発明は、複数の作業を同時に行う産業用車両において、エンジンの容量の増加を回避できる産業用車両の走行駆動装置を提供することを目的としたものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の作業の駆動源となるエンジンと、前記エンジンに連結された発電機より給電される走行用電動モータを備え、前記複数の作業を同時に行う産業用車両において、アクセルペダルの踏み込み量により前記電動モータを駆動する走行駆動装置であって、前記電動モータの複数のトルク/回転数制御曲線を有し、前記作業の状況により前記複数の前記トルク/回転数制御曲線の中から一トルク/回転数制御曲線を選択し、選択されたトルク/回転数制御曲線により、前記アクセルペダルの踏み込み量による前記電動モータのトルク/回転数制御を行う制御手段を備えたことを特徴とするものである。 【0011】ここで、産業用車両は、ダンプトラック、ホイールローダ、フォークリフト、コンテナキャリヤなどである。 【0012】上記構成によると、作業の状況によりトルク/回転数制御曲線を選択し、アクセルペダルの踏み込み量による電動モータのトルク/回転数制御が行われる。トルク/回転数制御曲線を変えることにより、電動モータのトルク/回転数を抑えることができ、走行作業に対するエンジンの負担を軽減することができる。 【0013】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明であって、前記一作業は荷役作業であり、荷役作業の負荷を検出する負荷検出手段を設け、前記制御手段は、前記負荷検出手段により検出される荷役作業の負荷が大きいと判断すると、複数のトルク/回転数制御曲線の中から、アクセルペダルの踏み込み量に対するトルクと回転数を抑えた曲線を選択することを特徴とするものである。 【0014】上記構成によると、荷役作業の負荷が大きいと判断されると、複数の設定されたトルク/回転数制御曲線の中からアクセルペダルの踏み込み量に対するトルクと回転数を抑えた曲線が選択され、選択されたトルク/回転数制御曲線により、アクセルの踏み込み量による前記電動モータのトルク/回転数制御が行われる。よって、走行作業に対するエンジンの負荷が少なくなり、エンジンは容量を増加させることなく、荷役作業の重い負荷を負担することができる。 【0015】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明であって、前記負荷検出手段は、荷役装置へ供給される圧油の圧力と流量を検出する装置であることを特徴とするものである。 【0016】上記構成によると、荷役装置の負荷の状況が、荷役装置へ供給される圧油の圧力と流量により判断される。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例の図3の構成と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。 【0018】図1は本実施の形態における、電動モータにより駆動車輪を駆動して走行する産業用車両(たとえば、ホイールローダなど)の電気制御ブロック図である。 【0019】図1に示すように、新たに、油圧ポンプ13から荷役装置7へ圧油を供給する供給ライン21に、流量計(負荷検出手段の一例)22が介装され、また圧力計(負荷検出手段の一例)23が取付けられ、流量計22により検出された圧油の流量と、圧力計23により検出された圧油の圧力は制御装置(制御手段の一例)6’へ入力されている。 【0020】また図2に示すように、インバータ(モータコントローラ;制御手段の一例)3’には、荷役装置7の負荷に応じた複数のトルク/回転数制御曲線−1〜−3が設定されている。すなわち、トルク/回転数制御曲線−1は荷役作業なし(荷役作業の負荷なし)に対応し、トルク/回転数制御曲線−2は軽負荷(荷役作業)に対応し、トルク/回転数制御曲線−3は重負荷(荷役作業)に対応している。 【0021】また各曲線における最高速トルクラインの位置がアクセル踏み込み量100%に相当しており、アクセル踏み込み量100%に対応して、たとえばトルク/回転数制御曲線−1では115km/hrの速度、トルク/回転数制御曲線−2では80km/hrの速度、トルク/回転数制御曲線−3では55km/hrの速度に相当する回転数が指定されている。 【0022】上記構成による作用を説明する。 【0023】操作員により、荷役作業が実行されると、荷役装置7へ供給された圧油の流量が流量計22により検出され、また圧力が圧力計23により検出され、制御装置6’へ入力される。 【0024】制御装置6’は、圧油の流量と圧力により荷役作業の負荷の状況を3段階、すなわち負荷なし、軽負荷、重負荷に分類して判断し、この判断した負荷の状況をインバータ3’へ出力する。 【0025】また制御装置6’は、アクセルペダル19が踏み込まれ、その操作角度信号を入力すると、このアクセルペダル19の操作角度(たとえば10〜50°)を踏み込み量(0〜100%)へ変換し、インバータ3’へ出力する。 【0026】インバータ3’は、入力した負荷の状況により3通りのトルク/回転数制御曲線の中から一トルク/回転数制御曲線を選択し、続いて踏み込み量(0〜100%)を入力すると、選択したトルク/回転数制御曲線により入力した踏み込み量が指定する回転数を求め、この回転数およびトルク/回転数制御曲線にしたがってモータ1のトルク/回転数制御を行う。 【0027】上記作用により、荷役作業の負荷が重く(大きく)なると、制御装置6’はトルク/回転数制御曲線−3を選択し、インバータ3’へ選択した制御曲線を出力し、よってインバータ3’は、この選択されたトルク/回転数制御曲線−3により、トルク/回転数を制御することから、アクセルペダル19を踏み込んでも、モータ1の出力は低トルク、55km/hrの速度に相当する回転数に制限される。 【0028】このように、荷役作業の負荷が重く(大きく)なると、走行作業のトルクと回転数(速度)が抑えられることにより、動力源のエンジン11の走行作業に対する負担が軽くなり、エンジン11は、油圧ポンプ13、すなわち前記荷役作業の重負荷を負担することができる。したがって従来問題となっていた、エンジン11の容量を増加させる必要がなくなり、さらに車体を大きくする必要がなくなり、コストを低減することができる。 【0029】なお、本実施の形態では、荷役作業の負荷の状況を3通りに設定し、対応したトルク/回転数制御曲線を3通りとしているが、3通りに限ることはなく、負荷の状況をさらに分類してさらに多くの曲線を設定することも可能である。 【0030】また本実施の形態では、アクセルペダル19を使用しているが、アクセルペダル19に代えて、手で操作するレバー、回転式ポテンショメータなどの変動量を入力することができる入力手段を使用することも可能である。 【0031】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の作業の状況によりエンジンの走行作業の負担を抑えることによって、エンジンは容量を増加させることなく、他の作業の重い負荷を負担することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003241 【氏名又は名称】ティー・シー・エム株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2000−197215(P2000−197215A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−368351 |
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