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【発明の名称】 電気自動車の電気システム
【発明者】 【氏名】木下 繁則

【氏名】佐藤 洋

【要約】 【課題】電気自動車の低・中速域における損失を低減してシステム効率の向上を図る。

【解決手段】車載直流電源に接続されたインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車に関する。インバータ30の半導体スイッチアーム30uを、バイポーラ型スイッチ素子30u2とモノポーラ型スイッチ素子30u1とを並列接続してなるハイブリッド構成とし、他のスイッチアーム30v〜30zも同様とする。半導体スイッチアームの電流が規定値以下の領域では、モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧をバイポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くし、半導体スイッチアームの電流が前記規定値を超える領域では、バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧をモノポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車載直流電源に接続されたインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車において、前記インバータの半導体スイッチアームを、バイポーラ型スイッチ素子とモノポーラ型スイッチ素子とを並列接続してなるハイブリッド構成とし、前記半導体スイッチアームの電流が規定値以下の領域では、前記モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧を前記バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くし、前記半導体スイッチアームの電流が前記規定値を超える領域では、前記バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧を前記モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くすることを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項2】 請求項1記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記半導体スイッチアームを通流させる時は、前記モノポーラ型スイッチ素子及びバイポーラ型スイッチ素子の両方をオンさせることを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項3】 車載直流電源に接続されたインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車において、前記インバータの半導体スイッチアームを、バイポーラ型スイッチ素子とモノポーラ型スイッチ素子とを並列接続してなるハイブリッド構成とし、車両の運転状態を表す物理量が規定値内にある時は、前記モノポーラ型スイッチ素子をスイッチング制御して前記バイポーラ型スイッチ素子をオフし、前記物理量が規定値外にある時は、前記モノポーラ型スイッチ素子をオフして前記バイポーラ型スイッチ素子をスイッチング制御することを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項4】 請求項1,2または3記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記直流電源と前記インバータとの間に半導体チョッパを接続し、車両の運転状態を表す物理量が規定値内にある時は、前記チョッパにより前記インバータの入力電圧を可変制御し、前記インバータを1パルスまたは規定パルス数で運転することを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項5】 車載直流電源に接続されたインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車において、前記直流電源と前記インバータとの間に半導体チョッパを接続し、車両の運転状態を表す物理量が規定値内にある時は、前記チョッパにより前記インバータの入力電圧を可変制御し、前記インバータを1パルスまたは規定パルス数で運転することを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項6】 車載直流電源に接続されたインバータにより車両駆動用交流電動機を駆動する電気自動車において、前記直流電源と前記インバータとの間に半導体チョッパと回路開閉器との並列回路を接続し、車両の運転状態を表す物理量が規定値外にある時は、前記回路開閉器を閉成して前記チョッパの入出力端子間を短絡することにより前記チョッパを非動作状態にし、前記物理量が前記規定値内にある時は、前記回路開閉器を開放して前記チョッパを動作させ、前記インバータの入力電圧を可変制御することを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項7】 請求項4,5または6記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記チョッパの半導体スイッチアームを、モノポーラ型スイッチ素子により構成したことを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項8】 請求項4,5または6記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記チョッパの半導体スイッチアームを、モノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とを並列接続してなるハイブリッド構成とし、前記半導体スイッチアームの電流が規定値以下の領域では、前記モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧を前記バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くし、前記半導体スイッチアームの電流が前記規定値を超える領域では、前記バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧を前記モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くすることを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項9】 請求項4,5または6記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記チョッパの半導体スイッチアームを、モノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とを並列接続してなるハイブリッド構成とし、車両の運転状態を表す物理量が規定値内にある時は、前記モノポーラ型スイッチ素子をスイッチング制御して前記バイポーラ型スイッチ素子をオフし、前記物理量が規定値外にある時は、前記モノポーラ型スイッチ素子をオフして前記バイポーラ型スイッチ素子をスイッチング制御することを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項10】 請求項8記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記半導体スイッチアームを通流させる時は、前記モノポーラ型スイッチ素子及びバイポーラ型スイッチ素子の両方をオンさせることを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項11】 請求項3〜10の何れか1項に記載の電気自動車の電気システムにおいて、前記物理量が、車両速度、車両牽引力、車両走行電力、電動機回転数、電動機トルク、電動機出力、電動機入力、電動機電流、インバータ入力電流、インバータの半導体スイッチアーム電流、チョッパ入力電流、チョッパの半導体スイッチアーム電流、直流電源電流、直流電源電圧のうち一以上の物理量であることを特徴とする電気自動車の電気システム。
【請求項12】 請求項1〜4、7〜11の何れか1項に記載の電気自動車の電気システムにおいて、モノポーラ型スイッチ素子をMOSFETとし、バイポーラ型スイッチ素子をIGBTとしたことを特徴とする電気自動車の電気システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載の直流電源の電力で走行する電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電気自動車の電気システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の電気自動車のパワートレインの電気システムを示している。図10において、1は車載の直流電源(蓄電装置)、2は車両駆動用電動機、3は電動機2を駆動するインバータ、4は車輪駆動軸である。駆動軸4は減速機、デフギアを介して車輪に連結されるが、同図では図示を省略してある。
【0003】図10において、直流電源1には電池が使用されており、その電圧はほぼ一定である。車両駆動用電動機2は、最近では交流電動機が使用されている。また、インバータ3は、直流電圧を可変電圧、可変周波数の交流電圧に変換して電動機2を可変速駆動する。
【0004】図11は、シリーズ式ハイブリッド電気自動車のパワートレインの電気システムを示すもので、図10と同一構成要素は同一番号を付してある。図11において、5はエンジン、6は発電機、7は整流器、10は電池である。エンジン5及び発電機6により発電した電力は、整流器7を介して電池10またはインバータ3に供給される。なお、インバータ3から車輪までのパワートレインは、図10と同じである。
【0005】図12は、パラレル式ハイブリッド電気自動車のパワートレインの電気システムであり、図10、図11と同一構成要素は同一番号を付してある。図12において、50はエンジン、11は電池、30はコンバータ(インバータ)、20は発電動機、8は軸出力分配機である。ここで、軸出力分配機8は、エンジン50または発電動機20からの動力を走行状態に応じて分配、結合し、車輪駆動軸4に伝えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電気自動車は実用に供されて久しいが、未だにエンジン車を凌駕する程に使用されていないのが実情である。これは.電気自動車の価格が高いことと一充電当たりの走行距離(レンジ)が短いこと等による。価格低減は生産台数の増加に伴って解決できる問題であるが、レンジが短いことは技術的な問題であり、電気自動車の大きな課題である。レンジが短いことは、電池の蓄積エネルギが小さいことの他に、電気システムの効率が低いことにも起因している。すなわち、電気自動車での大きな課題の一つは効率向上であり、特に低速域での効率向上が強く求められている。
【0007】図13は、電気自動車の速度と牽引力及び平坦路走行時の走行抵抗特性の一例を示したものである。同図の最大車両牽引力特性から判るように、平坦路を低速走行する場合の走行電力は最大電力の数分の1以下となっている。なお、都市内走行などでは、最高速度の1/2以下の走行速度が多い。蓄積エネルギ量が限定された電池を使用してレンジを拡大するには、低速域でのシステム効率をいかに高めるかが大きな課題となる。
【0008】そこで本発明は、主として低速域における損失低減を図り、システム効率を向上させるようにした電気自動車の電気システムを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】低速走行域でのパワートレイン系のシステム効率を高めるには、低速域における車両駆動用電動機と電動機駆動用インバータの両方の効率を高める必要があることから、本発明では、第一に、低速域ではインバータを1パルス運転して電動機の高調波損失、特に鉄損低減を図るようにした。
【0010】図14は、正弦波電流を流した場合のインバータのスイッチ素子に発生する定常損失分に対応する効率を、バイポーラ型スイッチ素子とモノポーラ型スイッチ素子とについて示したものである。同図から、素子電流が小さい程モノポーラ型スイッチ素子の方が効率が良いことが判る。本発明では、このようにモノポーラ型スイッチ素子は低出力域で通流損失がバイポーラ型スイッチ素子に比べて少ないことに着目し、インバータの半導体スイッチ素子をモノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とのハイブリッド構成とし、低速走行時のインバータの損失を低減して低速域における効率向上を図るものである。
【0011】また、本発明では、第二に、低速域でのインバータの1パルス運転を実現するため、インバータと直流電源との間にチョッパを挿入する。
【0012】本発明では第三に、上記チョッパの半導体スイッチ素子をモノポーラ型スイッチ素子として、低速域における損失低減により効率向上を図ることとした。
【0013】本発明では第四に、上記チョッパの半導体スイッチ素子をモノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とのハイブリッド構成とし、低速域における損失低減により効率向上を図ることとした。
【0014】本発明では第五に、上記チョッパを挿入した電気システムにおいて、中速域から高速域での効率向上を図るために、チョッパの入出力短絡スイッチを設け、中速域からり高速域では上記短絡スイッチによりチョッパを短絡するようにした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。まず、図1は本発明の第1実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項1,2,12に記載した発明の実施形態に相当する。なお、図1において、図10と同一の構成要素には同一番号を付してある。
【0016】図1において、30はインバータであり、30u,30v,30w,30x,30y,30zはハイブリッド型半導体スイッチアームである。スイッチアーム30uは、モノポーラ型スイッチ素子30u1とバイポーラ型スイッチ素子30u2とを並列接続し、この並列回路にダイオード30u3を逆並列接続して構成される。
【0017】図1では、バイポーラ型スイッチ素子30u2としてIGBTを使用し、モノポーラ型スイッチ素子30u1としてMOSFETを使用している。ダイオード30u3としては、MOSFETにある寄生ダイオードを利用すれば、ダイオードの接続は不要となる。他のスイッチアーム30v,30w,30x,30y,30zも同様の回路構成である。
【0018】図2は、インバータを構成する半導体スイッチ素子の電圧−電流特性を示したのもである。同図において、破線はモノポーラ型スイッチ素子の特性、細線はバイポーラ型スイッチ素子の特性、太線は本発明において使用されるハイブリッド型スイッチ素子の特性である。
【0019】スイッチアーム電流がI0以下では、モノポーラ型スイッチ素子の通流電圧(素子のオン電圧に相当)をバイポーラ型スイッチ素子の通流電圧より低くし、スイッチアーム電流がI0を超える範囲では、バイポーラ型スイッチ素子の通流電圧をモノポーラ型スイッチ素子の通流電圧よりも低くする。この結果、スイッチアーム電流がI0以下の領域では、アーム電流は自動的にモノポーラ型スイッチ素子に多く分流し、アーム電流がI0を超える領域では、アーム電流は自動的にバイポーラ型スイッチ素子に多く分流することになる。図1においては、各スイッチ素子のゲートまたはベース駆動回路を特に図示していないが、モノポーラ型スイッチ素子30u1及びバイポーラ型スイッチ素子30u2を同時にオン、オフしてスイッチアーム電流を通流、遮断する。
【0020】図3は本発明の第2実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項3に記載した発明の実施形態に相当する。図3において、図1と同一の構成要素には同一番号を付してある。図3において、30uaはモノポーラ型スイッチ素子30u1のゲートまたはベース駆動回路、30ubはバイポーラ型スイッチ素子30u2のゲートまたはベース駆動回路である。
【0021】この実施形態では、自動車の走行電力またはインバータの出力、あるいはインバータの出力電流等の車両の運転状態に対応した物理量が規定値内であるときには、モノポーラ型スイッチ素子30u1をスイッチング制御し、バイポーラ型スイッチ素子30u2をオフする。また、前記物理量が規定値外にあるときには、逆にバイポーラ型スイッチ素子30u2をスイッチング制御し、モノポーラ型スイッチ素子30u1をオフする。各スイッチ素子30u1,30u2のオン、オフ制御を、図示のゲートまたはベース駆動回路30ua,30ubにより行う。
【0022】次に、図4は本発明の第3実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項4または請求項5に記載した発明の実施形態に相当する。図4において、100は電流2象限チョッパ、101,102はIGBTからなるバイポーラ型スイッチ素子、103,104はこれらに逆並列接続されたダイオ−ド、105は電流平滑リアクトル、106,107は電圧平滑コンデンサである。その他の構成要素は図10と同様である。すなわち、この実施形態では、直流電源1とインバータ3との間に電流2象限チョッパ100が挿入されている。
【0023】以下、チョッパ100の動作を説明する。インバータ3の入力電圧をチョッパ100により制御する場合について述べる。車両の加速走行時、定速走行時には、電力が直流電源1からインバータ3側に供給されるので、スイッチ素子102をオフし、スイッチ素子101をスイッチング制御する。この動作は、直流電源1側から見れば通常の降圧チョッパ動作に相当する。インバータ3の入力電圧制御は通常の降圧チョッパ制御と同じであるので、その説明は省略する。
【0024】車両が回生制動する場合、電力はインバータ3から直流電源1に回生されるので、スイッチ素子101をオフし、スイッチ素子102をスイッチング制御する。この動作は、インバータ3側から見れば通常の昇圧チョッパ動作に相当する。インバータ3の入力電圧制御は通常の昇圧チョッパ制御と同じであるので、その説明は省略する。
【0025】次に、チョッパ100とインバータ3の制御動作を図5により説明する。規定運転域(図5のモードIの運転域)では、チョッパ100を作動させてインバータ3の入力電圧を下げ、インバータ3を1パルス運転する。これにより、電動機の高調波損失、特に鉄損の低減を図ることができる。この動作は、請求項5に記載した発明の実施形態に相当する。
【0026】一方、1パルス運転では、インバータ3は可変電圧制御ができなくなるので、チョッパ100によりインバータ3の入力電圧を可変制御する。規定運転域外(図5の例では、モードIIの運転域)では、チョッパ100の出力電圧を最大にし(この場合、半導体スイッチ素子101をオンする)、インバータ3をPWM制御して可変電圧制御を行う。ここで、規定運転域としては、図5に示すモードIのように、車両速度と牽引力(トルク)とが規定値範囲内である領域としても良く、また、車両速度、走行電力、インバータ3の入力、出力あるいは入力電流、出力電流値等が規定値範囲内である領域としても良い。
【0027】図6は本発明の第4実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項6に記載した発明の実施形態に相当する。図6において、図4と同一の構成要素には同一番号を付してある。図4との相違点は、直流電源1の一端とインバータ3の一端との間に回路開閉器としてのチョッパ短絡スイッチ200を接続した点である。すなわち、直流電源1とインバータ3との間にチョッパ100とチョッパ短絡スイッチ200との並列回路が接続されている。
【0028】次に、図6の動作について説明する。前述した規定運転域内では、短絡スイッチ200を開放した状態で図4の場合と同様にチョッパ100を作動させてインバータ3の入力電圧を下げ、インバータ3を1パルス運転する。同時に、チョッパ100によってインバータ3の入力電圧を可変制御する。また、規定運転域外(加速時や高速時等)では、チョッパ100の出力電圧を最大にした(この場合、スイッチ素子101をオンする)後、短絡スイッチ200によってチョッパ100の入出力端子間を短絡する。これによりインバータ3の入力電圧は直流電源1の電圧と等しくなるので、インバータ3は必要なVVVF(可変電圧可変周波数)制御を行う。
【0029】図7は本発明の第5実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項7に記載した発明の実施形態に相当する。この実施形態は、図4におけるIGBT等のバイポーラ型スイッチ素子101,102をMOSFET等のモノポーラ型スイッチ素子101a,102aに置き換えたものである。図7において、100aは図4の100に相当する電流2象限チョッパであり、その他の構成は図4と同一である。なお、この実施形態の動作は図4の場合と同様であるため、説明は省略する。
【0030】図8は本発明の第6実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項8〜12に記載した発明の実施形態に相当する。この実施形態は、図4、図7に示したスイッチ素子101,102,101a,102aを、図1のハイブリッド型半導体スイッチアーム30uと同様に、モノポーラ型スイッチ素子101b,102bとバイポーラ型スイッチ素子101c,102cとをそれぞれ並列接続してなるハイブリッド型半導体スイッチアームに置き換えたものである。なお、100bは図4、図7の100,100aに相当する電流2象限チョッパであり、他の構成要素は図4、図7と同一番号を付してある。
【0031】この実施形態において、モノポーラ型スイッチ素子101b,102b及びバイポーラ型スイッチ素子101c,102cの特性は図2と同様にし、所定のハイブリッド特性を得るものとする。但し、図2に示した電流値I0はインバータの場合と異ならせても良い。ハイブリッド型半導体スイッチアームの動作は図1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0032】図9は本発明の第7実施形態の主要部を示す回路図であり、請求項8〜12に記載した発明のうち請求項6のように回路開閉器(チョッパ短絡スイッチ)を備えた実施形態に相当する。つまり、本実施形態は、図8のチョッパ100bの入出力端子間にチョッパ短絡スイッチ200を接続し、規定運転域外において、チョッパ100bの出力電圧を最大にした後、短絡スイッチ200によってチョッパ100bの入出力端子間を短絡するものである。なお、詳細な動作は図6の実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0033】前記各実施形態において、車両の運転状態が規定値内にあるか規定値外にあるかを判断するための物理量としては、車両速度、車両牽引力、車両走行電力、電動機回転数、電動機トルク、電動機出力、電動機入力、電動機電流、インバータ入力電流、インバータの半導体スイッチアーム電流、チョッパ入力電流、チョッパの半導体スイッチアーム電流、直流電源電流、直流電源電圧のうち一以上の物理量を使用することができる。更に、各実施形態では、電池等の直流電源により駆動される電気自動車に適用した場合を説明したが、本発明は直流電源と他の動力源とを併用するハイブリッド電気自動車にも適用可能である。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のような効果がある。
(1)インバータを構成する半導体スイッチ素子を、モノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とを並列接続したハイブリッド構成とすることにより、車両の中・低速走行域におけるインバータ損失が低減する。
(2)直流電源とインバータとの間にチョッパを挿入し、このチョッパによりインバータの入力電圧を可変制御するとともにインバータを1パルス運転することにより、車両駆動用電動機の損失及びインバータの高周波スイッチング損失が大幅に減少する。
(3)前記チョッパの半導体スイッチ素子を、モノポーラ型スイッチ素子とバイポーラ型スイッチ素子とを並列接続したハイブリッド構成とすることにより、チョッパの損失が大幅に減少する。
(4)チョッパの入出力端子間に回路開閉器としてのチョッパ短絡スイッチを接続し、加速時や高速時等にこのスイッチによってチョッパを短絡することにより、中出力以上における損失低減が可能になる。
(5)上記(1)〜(4)によって車両の中・低速域におけるシステム効率が向上するので、電気自動車のレンジ拡大を図ることができ、電気自動車の普及に大きく貢献することができる。
【出願人】 【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100091281
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 雄一
【公開番号】 特開2000−197206(P2000−197206A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−370216