| 【発明の名称】 |
電気自動車の地絡検出回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 豪俊
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| 【要約】 |
【課題】検出精度を低下させることなく小型軽量化が可能な電気自動車の地絡検出回路を提供すること。
【解決手段】地絡インピーダンス7、検出抵抗4、主バッテリ1の少なくとも一部を直列に含む地絡回路部に、検出電源回路3がコンデンサを介することなく直列に接続される。この検出電源回路3は一端が接地端(車体)に接続されてこの地絡回路部に高低2レベルの直流電圧を時間順次に加え、これにより検出抵抗4には、主バッテリ1の少なくとも一部の電圧と検出電源回路3の電圧が加算されて印加される。したがって、検出電源回路3が高レベルの直流電圧を印加した場合の検出抵抗の電圧降下と、低レベルの直流電圧を印加した場合の電圧降下との差から、この地絡回路部に印加される主バッテリ1の印加電圧の影響を除外することができ、これにより地絡インピーダンスの程度を検出することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両に搭載されて電気負荷及び高圧の主バッテリを含む高圧車載回路の地絡を検出する電気自動車の地絡検出回路において、一端が前記高圧車載回路の一端に接続される電流制限手段と、一端が前記電流制限手段の他端に接続される検出抵抗と、一端が前記検出抵抗の他端に接続されて他端が接地されるとともに前記電流制限手段、前記検出抵抗及び前記高圧車載回路の地絡インピーダンスを直列に有する地絡回路部に少なくとも高低2レベルの直流電圧を時間順次に加える検出電源回路と、前記検出電源部が前記高レベル電圧を出力する場合の前記検出抵抗の両端の電圧降下と前記低レベル電圧を出力する場合の前記検出抵抗の両端の電圧降下との差に基づいて前記高圧車載回路の地絡状態を検出する検出回路と、を備えることを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項2】請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記検出電源回路及び前記検出回路は、前記車両に搭載されて負極端子が接地される補機バッテリから電源電圧を給電され、前記電流制限手段の一端は前記主バッテリの負極端子に接続されることを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項3】請求項2記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記検出電源回路は、前記検出抵抗の他端を前記補機バッテリの正極端子に接続する第一のスイッチと、前記検出抵抗の他端を接地端に接続するとともに前記第一のスイッチと逆動作する第二のスイッチとを有することを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記電流制限手段は、入力絶縁型MOSトランジスタからなることを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載された直流高圧電源系の地絡を検出する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平6−153303号は、電気自動車に搭載された高圧電池の地絡検出のために、高圧電池の一部または全部、車体及び地絡検出用抵抗を直列通電経路とする地絡検出回路を形成し、この地絡検出用抵抗の電圧降下の大小により地絡の判定を行っている。 【0003】特開平8−70503号公報は、車体すなわち接地電位を基準とする所定の大きさの地絡検出用の交流電圧を、検出抵抗および直流遮断コンデンサを通じて直流高圧電源系に印加し、この直流高圧電源系に地絡を生じて、その分だけ、検出抵抗と直流遮断コンデンサとの間の接続点の交流電位が所定レベル以上降下した場合に地絡と判定する交流式地絡検出回路を提案している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の直流式地絡検出方式は、高圧電池からの地絡電流そのものを測定するので地絡電流が小さい場合や高圧電池のほぼ中間の電圧付近で地絡した場合に検出精度が悪いという欠点、高圧電池の低位側の地絡回路から出力される信号電圧がマイナスレンジとなり、検出回路構成が複雑となるなどの問題を有している。 【0005】また、後者の交流式地絡検出方式では、検出精度向上を目的として直流遮断コンデンサでの交流電圧降下を低減するためには直流遮断コンデンサとして大容量のものが要求され、その上、電気自動車では高圧電池を用いるためにこの大容量の直流遮断コンデンサを高耐圧としなければならず、機器搭載スペースの縮小による全体重量の低減が強く要求される電気自動車において、装置体格及び装置重量が過大となってしまうという欠点があった。 【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、検出精度を低下させることなく小型軽量化が可能な電気自動車の地絡検出回路を提供することをその目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためになされた請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路によれば、地絡インピーダンス、検出抵抗、主バッテリの少なくとも一部を直列に含む地絡回路部に、検出電源回路が直流的に直列に接続される。この検出電源回路は一端が接地端(車体)に接続されてこの地絡回路部に高低2レベルの直流電圧を時間順次に加え、これにより検出抵抗には、主バッテリの少なくとも一部の電圧と検出電源回路の電圧が加算されて印加される。 【0008】したがって、検出電源回路が高レベルの直流電圧を印加した場合の検出抵抗の電圧降下と、低レベルの直流電圧を印加した場合の電圧降下との差から、この地絡回路部に印加される主バッテリの印加電圧の影響を除外することができ、これにより地絡インピーダンスの程度を検出することができる。本構成によれば、検出抵抗に印加される主バッテリの電圧と直列となるように外部から地絡回路部に印加する直流電圧を時間的に変更するという手段を採用しているので、高耐圧大容量の直流遮断コンデンサを必要としないので、更にそれによる検出精度の低下も生じることがなく、電気自動車の地絡検出回路を高精度で小型軽量とすることができる。 【0009】更に、本構成では、主バッテリの一部が小さい地絡インピーダンスで短絡的に地絡する場合に備えて、検出抵抗と直列に電流制限手段を設けているので、このような短絡的に地絡が生じても、なんら問題は生じない。なお、この電流制限手段としては、フューズ、抵抗、PTC、入力絶縁型MOSトランジスタなどを採用することができる。 【0010】請求項2記載の構成によれば請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において更に、検出電源回路は、車両に搭載されて負極端子が接地される補機バッテリから給電され、電流制限手段の一端は前記主バッテリの負極端子に接続される。このようにすれば、検出抵抗の電圧降下は正方向電圧となって検出回路の電源電圧と一致するので、検出回路の簡素化を図ることができる。 【0011】請求項3記載の構成によれば請求項2記載の電気自動車の地絡検出回路において更に、検出電源回路は、検出抵抗の他端を補機バッテリの正極端子に接続する第一のスイッチと、検出抵抗の他端を接地端に接続するとともに第一のスイッチと相補的に動作する第二のスイッチとを有する。このようにすれば、上記高低2レベルの直流電圧の一方は直流電圧0とすることができるので、検出電源回路は実質的に例えば補機バッテリの電圧をオンオフすればよく、回路構成が簡素となる。 【0012】請求項4記載の構成によれば請求項1乃至3のいずれか記載の電気自動車の地絡検出回路において更に、電流制限手段は、入力絶縁型MOSトランジスタからなる。このようにすれば、地絡検出時以外はこの入力絶縁型MOSトランジスタを遮断しておけるので電気自動車の地絡検出回路の保護性が向上するとともに、大地絡電流検出時にはこの検出結果に基づいて地絡検出回路への主バッテリ電圧の印加を高速遮断して、この地絡検出回路を保護することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明は、バッテリのみで駆動される電気自動車の他、内燃機関の発生動力を走行用電力に変換するハイブリッド方式の自動車にも適用される。本発明の好適な実施態様を以下の実施形態を参照して説明する。 【0014】 【実施例】(実施例1)本発明の電気自動車の地絡検出回路の一例を図1に示す回路図を参照して説明する。1は走行用直流電源として走行用モータなどへ給電する定格電圧約300Vの主バッテリ、2は制御回路やヘッドライト等に使用される定格電圧12Vの補機バッテリ、3は検出電源回路、4は検出抵抗、5はいわゆるフォトMOSトランジスタと呼ばれる入力絶縁型MOSトランジスタ(電流制限手段)、6は検出回路である。 【0015】検出電源回路3は、検出抵抗4及びフォトMOSトランジスタ5を通じて主バッテリ1の低位端に高低2レベルの直流電圧を出力している。検出電源回路3は、定電流負荷31とトランジスタ32とを直列接続してなる前段増幅回路33と、この前段増幅回路の出力電圧により制御される相補エミッタ接地型の出力回路34とからなる。相補出力回路34はPNPトランジスタ35とNPNトランジスタ36とを直列接続してなる。rbはベース電流制限抵抗、Dはダイオードである。なお、NPNトランジスタ36として双方向性のMOSトランジスタを用いればダイオードDを省略することができる。検出電源回路3の高位電源端子は、補機バッテリ2から電源電圧を入力され、検出電源回路3の低位電源端子は車体に接地されている。 【0016】検出回路6は検出抵抗4の両端の電圧を検出してそれに基づいて地絡電流を検出し、更に検出電源回路3に高レベルの直流電圧を出力することを指令するとともに、フォトMOSトランジスタ5の開閉を制御している。検出回路6は、差動電圧増幅回路61と、その出力電圧をA/D変換するA/Dコンバータ62と、その出力デジタル信号を処理するマイクロコンピュータ63とからなる。 【0017】以下、この地絡検出回路の動作を説明する。地絡検出動作を行わない場合にはマイクロコンピュータ63はフォトMOSトランジスタ5を遮断しており、地絡検出時にマイクロコンピュータ63はフォトMOSトランジスタ5を導通させる。この地絡検出時にはまず、マイクロコンピュータ63がトランジスタ32にローレベルの信号電圧を出力し、これによりトランジスタ36がオンし、トランジスタ35がオフすると、検出抵抗4に0Vを出力する(接地する)。 【0018】もし、主バッテリ1のいずれか途中の部分が図1に示すように地絡抵抗7を通じて車体に地絡した場合、トランジスタ36、検出抵抗4、フォトMOSトランジスタ5、主バッテリ1の低位側の一部、地絡抵抗7からなる地絡回路が形成される。ここで、トランジスタ36、フォトMOSトランジスタ5、主バッテリ1の低位側の一部、配線の電気抵抗を無視し、主バッテリ1の低位側の一部の電圧をVM、検出抵抗4の抵抗値をR4、地絡抵抗7の抵抗値をR7とすれば、地絡電流I1=(V4/R4)は、I1=VM/(R4+R7)となる。 【0019】次に、マイクロコンピュータ63がトランジスタ32にハイレベルの信号電圧を出力し、これによりトランジスタ35がオン、トランジスタ36がオフして、検出抵抗4に補機バッテリ2の既知の電圧VBが出力される。もし、主バッテリ1のいずれか途中の部分が図1に示すように地絡抵抗7を通じて車体に地絡した場合、補機バッテリ2、トランジスタ35、検出抵抗4、フォトMOSトランジスタ5、主バッテリ1の低位側の一部、地絡抵抗7からなる地絡回路が新たに形成される。 【0020】ここで、トランジスタ35、フォトMOSトランジスタ5、主バッテリ1の低位側の一部、配線の電気抵抗を無視し、補機バッテリ2の電圧をVB、主バッテリ1の低位側の一部の電圧をVM、検出抵抗4の抵抗値をR4、地絡抵抗7の抵抗値をR7とすれば、地絡電流I2=(V4/R4)は、I2=(VM+VB)/(R4+R7)となる。したがって、電圧値が既知である補機バッテリ2による地絡電流Iは、I=I2-I1=VB/(R4+R7)となり、地絡抵抗7の抵抗値R7は、R7=(VB/I)-R4となり、直流電圧検出方式にもかかわらず、主バッテリ1の電圧が誤差として混入することがなく、高精度に地絡抵抗7を検出することができる。 【0021】次に、地絡抵抗7が大幅に小さい場合について説明する。この実施例では、地絡抵抗7が大幅に小さい場合において、検出抵抗4の主バッテリ1の電圧負担割合が増大して、検出電源回路3や検出回路6に悪影響を与えるのを防止するために、マイクロコンピュータ63がフォトMOSトランジスタ5に与える制御電圧を最初は小さくしてフォトMOSトランジスタ5を高抵抗状態でオンすることにより検出抵抗4に流れる電流を制限する。 【0022】これにより、もし地絡抵抗7が通常の測定範囲を超えて大幅に小さい場合には、検出抵抗4の他端電圧V4が許容範囲内で異常に増大するので、それをマイクロコンピュータ63で判定して異常地絡発生を報知すればよい。一方、フォトMOSトランジスタ5を高抵抗状態でオンして検出抵抗4に流れる電流を制限する状態で、検出抵抗4の他端電圧V4が十分に小さければ、測定可能範囲であると判定してフォトMOSトランジスタ5に大きな電圧を印加し、それを最小のオン抵抗値とし、上記2段階の測定を行えばよい。 (実施例2)他の実施例を図1を参照して以下に説明する。 【0023】なおこの実施例では、上記地絡抵抗7が大幅に小さい場合における地絡抵抗7の検出について以下に説明する。なお、マイクロコンピュータ63は、フォトMOSトランジスタ5へ出力する制御電圧とフォトMOSトランジスタ5のオン抵抗値r5との2元関係、又は、制御電圧と電圧V4とフォトMOSトランジスタ5のオン抵抗値r5との3元関係を記憶しているものとする。 【0024】検出の最初において、マイクロコンピュータ63がフォトMOSトランジスタ5に与える制御電圧を小さくして、フォトMOSトランジスタ5を高抵抗状態でオンして検出抵抗4に流れる電流を制限する。この状態で、フォトMOSトランジスタ5のオン抵抗値r5を出力する。上記と同様に、フォトMOSトランジスタ5のオン抵抗値r5を考慮した場合の地絡抵抗7の抵抗値R7が、R7=(VB/I)-R4-r5となるのは明白であるので、地絡抵抗7の抵抗値R7は簡単に検出することができる。なお、この場合には、フォトMOSトランジスタ5の高いオン抵抗値による電流減少分だけ地絡検出感度が低下する。 【0025】次に、上記演算により、地絡抵抗7の抵抗値R7が十分に大きいことを判定できれば、マイクロコンピュータ63がフォトMOSトランジスタ5に与える制御電圧を大きくして、フォトMOSトランジスタ5の抵抗値を低下し、再度、R7=(VB/I)-R4-r5を検出する。これにより前回よりも高精度の検出が可能となる。以上、この地絡回路に流れる電流が大きくなり過ぎない範囲でフォトMOSトランジスタ5のオン抵抗値r5を段階的に低下させて、検出精度を安全に向上させることができる。 【0026】上記説明では、フォトMOSトランジスタ5を高抵抗状態(不飽和状態)で動作させる例を説明したが、図4のごとく、フォトMOSトランジスタ5と並列に第二回路5’を設け、この第二回路5’を第二のフォトMOSトランジスタ5aと抵抗Rxとの直列接続回路で構成することにより、上記と同様の安全性向上効果を得ることもできる。 【0027】更に説明すれば、検出にあたってまず最初に、第二のフォトMOSトランジスタ5aをターンオンさせ、これにより、抵抗Rxと抵抗4との分圧により抵抗4への流入電流を抑圧しつつ、検出回路6により地絡抵抗7のインピーダンスが異常に小さくはないかを確認し、大丈夫であればフォトMOSトランジスタ5をターンオンして地絡抵抗7を高精度に検出する。 【0028】(実施例3)他の実施例を図2を参照して説明する。この実施例は、図1に示す実施例1の地絡検出回路において、フォトMOSトランジスタ5の代わりに正特性サーミスタ(PTC)8を用いたものである。正特性サーミスタ(PTC)はその抵抗損失(発熱)が大きいと抵抗値が急増して電流を制限するので、地絡抵抗7が小さく大電圧が検出抵抗4などに印加されるのを防止することができる。 【0029】(実施例4)他の実施例を図3を参照して説明する。この実施例は、図2に示す実施例3の地絡検出回路において、フォトMOSトランジスタ5と正特性サーミスタ(PTC)8との接続点をバリスタ9を通じて接地したものである。 【0030】このようにすれば、大きな地絡が生じた瞬間に正特性サーミスタ(PTC)8を通じて大電流が検出抵抗4に流れ込むことを更に良好に防止することができる。なお、実施例3、4では大地絡発生時における小さい地絡抵抗7の検出が困難となるが、このような大地絡発生時には、もはや地絡抵抗7の大小ではなく、このような大地絡の発生の有無の検出の方が重要であるので、大地絡の発生の有無の検出ができればよい。 【0031】以上説明したように、各実施例の電気自動車の地絡検出回路によれば、大型で装置体格の小型化を阻む高耐圧大容量のコンデンサを用いることなく、高精度の地絡検出回路を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年12月28日(1998.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2000−197201(P2000−197201A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−373265 |
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