| 【発明の名称】 |
電動補助運搬車 |
| 【発明者】 |
【氏名】末繁 洋
【氏名】小野 直俊
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構成によって、グリップを押す力が極めて小さい場合であっても、モータから補助動力を発生させることができるとともに、グリップの押し力によらずに、任意にモータから補助動力を発生させることができるようにする。
【解決手段】モータ5を備えた車体フレーム2から後上方へ延ばした操作ハンドル7Rの端部に、スライド式グリップ11Rと、車体フレームへ向うグリップの移動量を検知する移動量検知部62とを備え、移動量検知部62で検知した移動量に応じてモータ5で補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助運搬車1である。グリップ11Rに掛けた手で握り操作、ひねり操作、指移動操作等の補助的操作をすることにより、グリップ11Rを車体フレーム2へ向って強制的に押出す補助操作機構70を、操作ハンドル7Rに備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータを備えた車体フレームから後上方へ延ばした操作ハンドルの端部に、スライド式グリップと、車体フレームへ向うグリップの移動量を検知する移動量検知部とを備え、この移動量検知部で検知した移動量に応じて前記モータで補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助運搬車であって、この電動補助運搬車は、前記グリップに掛けた手で握り操作、ひねり操作、指移動操作等の補助的操作をすることにより、グリップを前記車体フレームへ向って強制的に押出す補助操作機構をも、前記操作ハンドルに備えたことを特徴とする電動補助運搬車。 【請求項2】 モータを備えた車体フレームから後上方へ延ばした操作ハンドルの端部に、スライド式グリップを作業者側へ弾発された状態で取付け、このグリップからその心に直交するアームを延し、このアームと同方向に延びるブラケットを操作ハンドルの端部に取付け、ブラケットにアームの移動量を検知する移動量検知部を取付け、この移動量検知部で検知した移動量に応じて前記モータで補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助運搬車であって、この電動補助運搬車は、前記ブラケットに掛け部材の一端をグリップに接離する方向にスイング可能に掛け、この掛け部材をグリップにほぼ沿わせアームを越えて作業者側へ延し、その延びた他端に補助レバーの長手中間部を掛け部材と同方向にスイング可能に掛け、補助レバーの作業者側の一端に指掛け部を備え、補助レバーの他端の押出し部を掛け部材から操作ハンドル側へ所定角度傾けた状態でアームに当て、補助レバーの押出し部と中間部との間をグリップから突出した突出支持部に当てることで、この突出支持部を、補助レバーをスイング操作するときの支点としたことを特徴とする電動補助運搬車。 【請求項3】 前記掛け部材が前記操作ハンドルから離れる方向へスイングする離反スイング角を制限するためのストッパを、掛け部材又は前記ブラケットに備えたことを特徴とする請求項2記載の電動補助運搬車。 【請求項4】 前記補助レバーの押出し部が前記アームから離れる方向に反転することを制限するためのストッパを、補助レバー又は前記グリップに備えたことを特徴とする請求項2記載の電動補助運搬車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電動補助運搬車に関する。 【0002】 【従来の技術】人力を補助するモータを備えた電動補助運搬車としては、例えば、実公昭52−6097号公報「電動運搬車」(以下、「従来の技術■」と言う。)や特開平3−265403号公報「電動カート」(以下、「従来の技術■」と言う。)がある。上記従来の技術■は、その公報の第1図、第2図及び第5図によれば、作業者がグリップを握って歩行する速度と運搬車の走行速度との差に応じて、グリップ4がスライドし、その移動量に応じてスイッチ14の移動子15が順次移動することによって、直流電動機Mで発生する補助動力が変化するというものである。すなわち、移動子15は、グリップ4が移動しないニュートラル状態で固定子S0に接触しており、グリップ4の移動量に応じて固定子S0→S1→S2→S3の順に接触を切換える。 【0003】上記従来の技術■は、その公報の第4図〜第8図によれば、作業者が把手14を押し・引きすると、その力に応じて把手14が移動し、把手14の移動量に応じて減速機付モータ8で発生する補助動力が変化するというものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、平坦な路面で電動運搬車を走行させる場合や、電動運搬車で軽量物を運搬する場合がある。このようなときに上記従来の技術■では、グリップ4を押す力が小さい。この結果、グリップ4の移動量が小さいので、移動子15が固定子S0から固定子S1へ切換わらないことがあり得る。固定子S1へ切換わるまでは、直流電動機Mが補助動力を発生しない。補助動力を受けずに電動運搬車を操作するので、操作する作業者の負担が大きい。グリップ4を押す力に、断続的に強弱をつけて操作することも考えられるが、これでは、電動運搬車を円滑に走行させるさせることができない。また、極めて小さい押す力であっても、直流電動機Mから補助動力を発生させるようにする、いわゆる、補助開始点を下げることが考えられる。しかし、補助開始点の設定が容易でない。一方、運搬状況や作業者の体力等によっては、グリップ4を押す力によることなく、自由に補助動力を受けて電動運搬車を操作したいことがある。上記従来の技術■も同様である。 【0005】そこで、本発明の目的は、簡単な構成によって、グリップを押す力が極めて小さい場合であっても、モータから補助動力を発生させることができるとともに、グリップの押し力によらずに、任意にモータから補助動力を発生させることができる、動力補助運搬車を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、モータを備えた車体フレームから後上方へ延ばした操作ハンドルの端部に、スライド式グリップと、車体フレームへ向うグリップの移動量を検知する移動量検知部とを備え、この移動量検知部で検知した移動量に応じてモータで補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助運搬車であって、グリップに掛けた手で握り操作、ひねり操作、指移動操作等の補助的操作をすることにより、グリップを車体フレームへ向って強制的に押出す補助操作機構をも、操作ハンドルに備えたことを特徴とする。 【0007】グリップを握って押す力に応じてグリップがスライドし、その移動量に応じてモータが補助動力を発生し、人力を補助する。また、グリップに掛けた手で補助操作機構を任意に補助的操作をすることにより、補助操作機構がグリップを車体フレームへ向って強制的に押出す。押出された移動量に応じてモータが補助動力を発生し、人力を補助する。このように、グリップを押す力に応じて補助動力を受けたり、任意の補助的操作で補助動力を受けて、電動補助運搬車を走行させることができる。補助操作機構によって、スライド式グリップを車体フレームへ向って強制的に押出すようにした。この結果、グリップの押込み操作と補助操作機構による補助的操作という、2つの異なる操作をするのに、グリップと移動量検知部という基本的な構成を、共用することができる。 【0008】請求項2は、モータを備えた車体フレームから後上方へ延ばした操作ハンドルの端部に、スライド式グリップを作業者側へ弾発された状態で取付け、このグリップからその心に直交するアームを延し、このアームと同方向に延びるブラケットを操作ハンドルの端部に取付け、ブラケットにアームの移動量を検知する移動量検知部を取付け、この移動量検知部で検知した移動量に応じてモータで補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助運搬車であって、この電動補助運搬車が、ブラケットに掛け部材の一端をグリップに接離する方向にスイング可能に掛け、この掛け部材をグリップにほぼ沿わせアームを越えて作業者側へ延し、その延びた他端に補助レバーの長手中間部を掛け部材と同方向にスイング可能に掛け、補助レバーの作業者側の一端に指掛け部を備え、補助レバーの他端の押出し部を掛け部材から操作ハンドル側へ所定角度傾けた状態でアームに当て、補助レバーの押出し部と中間部との間をグリップから突出した突出支持部に当てることで、この突出支持部を、補助レバーをスイング操作するときの支点としたことを特徴とする。 【0009】グリップを握って押す力に応じてグリップがスライドし、その移動量に応じてモータが補助動力を発生し、人力を補助する。また、グリップに掛けた手で指掛け部を握り操作すると、突出支持部を支点として補助レバーがスイングし、その端の押出し部がアームを車体フレームへ向って強制的に押出す。アームの移動量を移動量検知部で検出し、検知した移動量に応じてモータが補助動力を発生し、人力を補助する。このように、グリップを押す力に応じて補助動力を受けたり、指掛け部を握る補助的な操作で補助動力を受けて、電動補助運搬車を走行させることができる。移動量検知部を取付けるためのブラケットに、掛け部材にて補助レバーを掛けるようにしたので、補助レバーを操作ハンドルに取付ける構成は簡単である。 【0010】請求項3は、掛け部材が操作ハンドルから離れる方向へスイングする離反スイング角を制限するためのストッパを、掛け部材又はブラケットに備えたことを特徴とする。掛け部材の離反スイング角を制限したので、補助レバーの押出し部はアームの所定位置に当る。この結果、アームに対する押出し部の当る位置は、概ね同一である。従って、グリップに対する補助レバーの指掛け部の位置は変わらない。しかも、アームから押出し部が外れる心配はない。 【0011】請求項4は、補助レバーの押出し部がアームから離れる方向に反転することを制限するためのストッパを、補助レバー又はグリップに備えたことを特徴とする。補助レバーの反転を制限したので、補助レバーの向きは定まる。従って、グリップに対する補助レバーの指掛け部の位置は変わらない。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。図1は本発明に係る電動補助運搬車の斜視図である。電動補助運搬車1は、車体フレーム2の車幅方向略中央に単一の車輪3を取付け、車体フレーム2に左右のバッテリ4L,4R、モータ5及びモータ5の出力を車輪3へ伝達する動力伝達機構6を取付け、車体フレーム2から後方へ左右の操作ハンドル7L,7Rを延長し、車体フレーム2の上部に荷台8を取付け、人手による操作力に応じてモータ5で補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助するようにした電動補助一輪運搬車である。詳しくは、左右の操作ハンドル7L,7Rは、車体フレーム2から後上方へ延ばしたバーハンドルであり、これらの端部にグリップ11L,11Rを取付けたものである。さらに、左の操作ハンドル7Lはブレーキレバー12を備え、右の操作ハンドル7Rは補助動力系操作機構40及び補助操作機構70を備える。 【0013】図2は本発明に係る電動補助運搬車の電気回路図であり、モータ5を補助動力系操作機構40で制御する回路を示す。電動補助運搬車の電気回路は、制御部21にバッテリ4L,4R、メインスイッチとしてのキースイッチ22、補助動力系操作機構40の移動量検知部62、モータ5、モータ5の回転数を検知する車速検知部23、バッテリ4L,4Rの残量を表示するバッテリ残量表示計24を接続したものである。制御部21は、移動量検知部62の出力が予め設定した所定値以上であるときに、移動量検知部62の出力に応じてモータ5を制御する機能を有する。 【0014】図3は本発明に係る電動補助運搬車の側面図である。車体フレーム2は、その長手中央に且つ荷台8の下方に制御部21を取付け、後部の取付板2aにキースイッチ22及びバッテリ残量表示計24を取付けたものである。動力伝達機構6は、モータ5の動力を第1減速機構31と伝動軸32と第2減速機構33とによって、車軸3aを介して車輪3に伝達する機構である。第1減速機構31は、モータ5から車軸3aへのみ動力伝達可能なワンウエイクラッチ(図示せず)を内蔵する。図中、8aは荷台用柵である。 【0015】図4は本発明に係る操作ハンドル、補助動力系操作機構、補助操作機構の側面断面図である。右の操作ハンドル7Rはパイプ材からなり、その先端に丸棒製バー41を取付けたものである。グリップ11Rはスライド式グリップであり、右の操作ハンドル7Rのバー41にスライド可能に挿入したパイプ製スライダ部44と、スライダ部44に被せたゴム製グリップ部45とからなる。補助動力系操作機構40は、バー41に前後2つのブッシュ42,43を介してスライダ部44を嵌合し、スライダ部44と操作ハンドル7Rとの間に、グリップ11Rの移動量Sを規制するストッパ機構46と、グリップ11Rを作業者側(この図の右側)へ押出す弾性部材47と、弾性部材47の作用中立点を初期調整する調整機構51とを取付け、操作ハンドル7Rのパイプ先端部にブラケット61を介して移動量検知部62を取付けたものである。 【0016】ストッパ機構46は、バー41に軸直角方向に固定したピン48と、ピン48を嵌合するべくスライダ部44に開けた軸方向に長い長孔44aとからなる。長孔44aの長さは、スライダ部44が所定の移動量Sだけ移動可能な寸法である。ストッパ機構46を、長孔44aとピン48との組合せ構造としたので、簡単な構成でグリップ11Rの移動量規制と、グリップ11Rの回り止めをすることができる。ピン48は、長孔44aの壁に当る部分に、必要に応じてゴム製緩衝材48aを備える。弾性部材47は、バー41の後端面(図右端面)に開口する孔41aに挿入した圧縮ばねである。調整機構51は、スライダ部44の後端部(図右端)に且つ弾性部材47と同心に取付けたボルト取付板52と、ボルト取付板52にねじ込み平座金53を介して弾性部材47を押すようにした調整ボルト54と、調整ボルト用ロックナット55とからなる。 【0017】スライダ部44は基端部に、軸直角方向に延びる板状のアーム63を固定したものである。このように、グリップ11Rからその心に直交して延びたアーム63は、スライダ部44に沿って車体フレーム2へ向う(この図の左へ向う)押しボルト64をねじ込み、ロックナット65でロックしたものである。移動量検知部62は、プッシュロッド62bが進退することにより、車体フレーム2へ向うグリップ11Rの移動量を検知して、電気信号に変換するものであり、例えば、図2に示す可変抵抗器62aからなる。移動量検知部62のプッシュロッド62bは、押しボルト64で押される位置にある。 【0018】補助操作機構70は、グリップ11Rに掛けた手で補助的操作をすることにより、グリップ11Rを車体フレーム2へ向って(この図の左へ向って)強制的に押出す機構である。詳しくは、補助操作機構70は、ブラケット61に掛け部材71の一端71Aをグリップ11Rに接離する方向にスイング可能に掛け、この掛け部材71をグリップ11Rにほぼ沿わせアーム63を越えて作業者側へ延し、その延びた他端71Bに補助レバー72の長手中間部72aを掛け部材71と同方向にスイング可能に掛け、補助レバー72の作業者側の一端に指掛け部72bを備え、補助レバー72の他端の押出し部72cを掛け部材71から操作ハンドル7R側へ所定角度θ傾けた状態でアーム63に当て、補助レバー72の中間部72aと押出し部72cとの間をグリップ11Rから突出した突出支持部45aに当てることで、この突出支持部45aを、補助レバー72をスイング操作するときの支点としたものである。突出支持部45aは、グリップ部45におけるアーム63側の先端に形成した、鍔部45bの外周端面からなる。図中、66は移動量検知部用カバー、67,67はカバー取付けビスである。 【0019】図5は図4の5−5線断面図であり、グリップ部45とカバー66を外した状態の構成を示す。ブラケット61は、この図に示す背面視において、基端が狭幅で延出方向に広幅となる左右対称形のテーパ状板材である。これによって、ブラケット61は左右の肩部分に、傾斜した掛け部61a,61aを有する。 【0020】掛け部材71は、ピアノ線等の弾性を有する線材を折曲げ、その折曲げ先端71a,71a同士を重ね合わせることで、操作ハンドル7R(図4参照)の延びる方向に細長い、略四角形のループ(環)に形成したループ部材である。このループ部材は、略四角形のループにおける、広幅の前の線部71Aと、狭幅の後の線部71Bと、左の線部71Cと、右の線部71Dとの4つの線部からなり、これら4つの線部によって、四角形の4辺をなす。前の線部71A、すなわち、掛け部材71の一端71Aはブラケット61の掛け部61a,61aに掛ける部分であり、後の線部71B、すなわち、掛け部材71の他端71Bは補助レバー72の中間部72aを掛ける部分であり、左右の線部71C,71Dはループの内方へ弾発された部分である。線材の折曲げ先端71a,71a同士が重なり合った部分を、後の線部71Bとした。 【0021】補助レバー72における中間部72aの被支持構造は、補助レバー72を貫通した横孔72dと、この横孔72dに嵌合する被支持パイプ73と、この被支持パイプ73の両端外周面に圧入して被支持パイプ73の抜け止めをするプッシュナット74,74とからなる。被支持パイプ73の両側から、掛け部材71の折曲げ先端71a,71aを挿入することによって、中間部72aをスイング可能に支持することができる。 【0022】図6は本発明に係る補助動力系操作機構及び補助操作機構の斜視図である。ブラケット61は、操作ハンドル7Rの端部に基端を固定し、操作ハンドル7Rの心に直交する方向に且つアーム63と同方向に延びる板状部材である。この結果、ブラケット61の板面はアーム63の板面に対向する。 【0023】掛け部材71のループの一端71Aをブラケット61に嵌め込み、傾斜した左右の掛け部61a,61aにループを掛けることにより、ブラケット61に掛け部材71をスイング可能に支持することができる。しかも、ブラケット61が所定板厚の板材であり、掛け部61a,61aがブラケット61の先端側へ広がる傾斜面であるから、掛け部61a,61aは、掛け部材71が操作ハンドル7Rから離れる方向へスイングする、いわゆる、離反スイング角α(図4参照)を制限するためのストッパの役割を果たす。このストッパのことを説明するときには、以下、「第1のストッパ61a,61a」と言う。掛け部材71の離反スイング角αを制限したので、補助レバー72の押出し部72cはアーム63の所定位置に当る。この結果、アーム63に対する押出し部72cの当る位置は、概ね同一である。従って、グリップ11Rに対する補助レバー72の指掛け部72bの位置は変わらない。 【0024】また、掛け部材71は、左の線部71Cと右の線部71Dとにストッパ75(以下、「第2のストッパ75」と言う。)を着脱自在に掛け渡したものである。第2のストッパ75も第1のストッパ61a,61aと同様に、掛け部材71の離反スイング角αを制限するための部材である。具体的には、第2のストッパ75は、プッシュロッド62bよりも操作ハンドル7Rに近い位置を通すことによって、掛け部材71が操作ハンドル7Rから離れる方向へ所定角度スイングしたときに、プッシュロッド62bに当ることで、離反スイング角αを制限する。第1・第2のストッパ61a,61a,75があるので、補助レバー72がアーム63から押出し部72cが外れる心配はない。なお、第2のストッパ75の取付け方向には制限がなく、例えば、上下逆向きに取付けてもよい。 【0025】さらに、補助レバー72の押出し部72cがアーム63から離れる方向に反転することを制限するためのストッパ45c(以下、「第3のストッパ45c」と言う。)を、グリップ11Rに備えた。具体的には、グリップ部45はアーム63側の先端に鍔部45bを形成し、この鍔部45bにおけるアーム63と対向する端面を第3のストッパ45cとし、補助レバー72には突部72eを一体に形成し、第3のストッパ45cによって突部72eがアーム63から離れる方向に反転することを制限する。 【0026】図7は本発明に係る補助レバーの斜視図であり、上記図6と反対側から見た補助レバー72を示す。補助レバー72は、樹脂製品であり、中間部72aの周囲における下面72fに下開放の長溝72gを形成し、右側面72hに長溝72gと横孔72dとの間を貫通したスリット72iを形成することによって、右側面72hの一部を弾性片72jとしたものである。弾性片72jを設けたので、プッシュナット74の緩みを一層防止できる。 【0027】図8は本発明に係る補助動力系操作機構及び補助操作機構の分解斜視図兼組付け手順説明図であり、補助動力系操作機構40及び補助操作機構70の各構成部材相互の関係を示す。補助動力系操作機構40の組付け手順は、(1)ブッシュ42,43とシール部材49を嵌合したスライダ部44を、バー41に挿入し、(2)丸孔41bと長孔44aの位置を合せて、ピン48を取付け、(3)孔41aに弾性部材47と平座金53を挿入した後、角孔44bにボルト取付板52を圧入する。次に、(4)ボルト取付板52にねじ込んだ調整ボルト54で、弾性部材47の作用中立点を初期調整し、ロックナット55を締め、(5)スライダ部44にグリップ部45を被せて固定する。その後、(6)アーム63に押しボルト64をねじ込み、(7)ブラケット61に移動量検知部62をボルト68,68で取付け、(8)移動量検知部62の検知基準点を設定した後、ロックナット65を締める。 【0028】次に、補助操作機構70の組付け手順を図9及び図10に基づき説明する。図9(a)〜(c)は本発明に係る補助操作機構の組付け手順を示す説明図(その1)である。先ず、図9(a)において、補助レバー72の横孔72dに被支持パイプ73を挿入し、この被支持パイプ73の両端外周面にプッシュナット74,74を圧入する。次に、図9(b)において、右の操作ハンドル7Rに補助動力系操作機構40を組付けた後に、掛け部材71の折曲げ先端71a,71aを開いて、ブラケット61に板厚方向から差込む。図9(c)は上記図9(b)を下方から見た図であり、掛け部材71を想像線にて示す向きからブラケット61に差込み、更に、グリップ11R側に向って方向転換しつつ一端71Aをブラケット61に掛け、補助レバー72を位置合せした後に、折曲げ先端71a,71aを閉じて補助レバー72をセットする。 【0029】図10(a)〜(c)は本発明に係る補助操作機構の組付け手順を示す説明図(その2)である。補助レバー72をセットした後に、図10(a)において、掛け部材71に第2のストッパ75を取付ける。次に、図10(b)において、右の操作ハンドル7Rにカバー66をビス67,67にて取付けることによって、図10(c)のようにカバー66で移動量検知部62を覆って、作業を完了する。 【0030】図11(a)〜(d)は本発明に係る補助操作機構の作動原理説明図である。(a)は補助操作機構70を取付けた状態の概略側面構造を示し、(b)はその状態においてブラケット61に掛け部材71を掛けた状態を示す。傾斜面からなる第1の掛け部(第1のストッパ)61a,61aにループの一端71Aを掛けるので、掛け部材71のスイング範囲は、所定の離反スイング角αに制限されている。 【0031】(c)は上記(a)を模式的に示す図であり、掛け部材71の離反スイング角αが制限された状態で、補助レバー72の押出し部72cがアーム63の背面に当っていることを示す。この状態において、掛け部材71は図時計回り方向へスイングしない。また、掛け部材71から操作ハンドル7R側へ所定角度θ傾けた押出し部72cを、アーム63に当てている。このため、掛け部材71の他端71Bを中心とする、押出し部72cの円弧状のスイング軌跡は、直線状に延びるアーム63と交差することになる。この結果、図反時計回り方向へスイングできない。さらには、第3のストッパ45cに突部72eが当るので、補助レバー72は図時計回り方向へスイングできない。従って、掛け部材71の他端71Bに補助レバー72の自重Wが作用しても、押出し部72cがアーム63から外れることはない。 【0032】(d)は、上記(c)の状態から、補助レバー72の指掛け部72bをグリップ11R側(矢印U方向)へスイング操作したことを示す。補助レバー72における、押出し部72cと中間部72aとの間の点Pが、グリップ11Rから突出した突出支持部45aに当るので、突出支持部45aは、補助レバー72がスイングするときの支点となる。この支点を中心とした、押出し部72cの円弧状のスイング軌跡は、直線状に延びるアーム63と交差する。この結果、押出し部72cは矢印D方向へスイングすることによって、アーム63の背面を車体フレーム(この図の左側)へ向って強制的に押出す。従って、グリップ11Rも車体フレームへ向って強制的に押出されることになる。 【0033】次に、上記構成の補助動力系操作機構40及び補助操作機構70の作動を、図4及び図12に基づき説明する。図4において、グリップ11Rを握って車体フレーム2へ向う方向(この図の左方向)へ押すと、押す力はスライダ部44→ボルト取付板52→調整ボルト54→平座金53の経路で弾性部材47に作用する。このため、グリップ11Rは押す力に応じた移動量だけスライドする。そして、押しボルト64はグリップ11Rと同じ移動量だけスライドして、移動量検知部62のプッシュロッド62bを押す。移動量検知部62はプッシュロッド62bの移動量に応じた出力を発する。 【0034】グリップ11Rの押す力を解除すると、弾性部材47の弾発力によって、グリップ11Rが図に示す元の位置に自動復帰するので、移動量検知部62の出力は零になる。その後、補助レバー72の指掛け部72bをグリップ11R側(矢印U方向)へスイング操作すると、補助レバー72は図12に示す位置に変位する。 【0035】図12は本発明に係る補助動力系操作機構及び補助操作機構の作動説明図である。補助レバー72が想像線にて示す位置から実線にて示す位置まで、スイングして変位すると、押出し部72cはアーム63の背面を車体フレーム(この図の左側)へ向って強制的に押出す。押す力は、グリップ11Rを握って押したときと同様の経路で、弾性部材47に作用する。従って、グリップ11Rは指掛け部72bを操作する力に応じた移動量だけスライドする。この結果、移動量検知部62は、プッシュロッド62bがグリップ11Rと同じ移動量だけスライドするので、その移動量に応じた出力を発する。指掛け部72bの操作力を解除すると、弾性部材47の弾発力によって、グリップ11R及び補助レバー72が上記図4に示す元の位置に自動復帰するので、移動量検知部62の出力は零になる。 【0036】次に、電動補助運搬車1の作用を図13及び図14に基づき説明する。図13(a),(b)は本発明に係る電動補助運搬車の作用図(その1)である。(a)のように、軽量物を積んだ電動補助運搬車1を平地で走行させる場合には、グリップ11Rを握って押す力F1は小さい。このため、グリップ11Rの移動量が小さいので、移動量検知部62の出力も小さい。移動量検知部62の出力が、予め設定した所定値に達しないので、制御部21は、モータ5へ制御信号を発しない。すなわち、モータ5が補助動力を発生するための所定の基準押し力F0よりも、押す力F1が小さいので、制御部21は制御信号を発せず、この結果、モータ5は補助動力を発生しない。このときには、電動補助運搬車1を人力だけで走行させることができる。なお、図3に示す第1減速機構31にワンウエイクラッチ(図示せず)を内蔵したので、車輪3の回転力はモータ5に伝達されない。 【0037】(b)のように、グリップ11Rに掛けた手の指で、補助レバー72の指掛け部72bを任意に握ってスイング操作(補助的操作)をすると、補助レバー72の押出し部72cはアーム63並びにグリップ11Rを車体フレーム2へ向って強制的に押出す。すなわち、グリップ11Rに掛けた手で補助レバー72を操作することにより、補助レバー72の操作力を、グリップ11Rが車体フレーム2へ向けてスライドする力に変換することができる。この結果、指掛け部72bを操作する力に応じた移動量だけグリップ11Rがスライドするので、このときの移動量検知部62の出力に基づいて、(a)の制御部21は、モータ5へ制御信号を発する。移動量検知部62は指掛け部72bを握る力に応じて出力が変化し、制御部21は対応する補助動力を出力するようにモータ5を制御する。このため、補助動力で人力を補助するので、労力は軽減する。 【0038】図14(a),(b)は本発明に係る電動補助運搬車の作用図(その2)である。(a)のように、重量物を積んだ電動補助運搬車1を走行させたり、上り坂で電動補助運搬車1を走行させる場合には、グリップ11Rを握って押す力F2は大きい。操作する作業者(操作者)Mの押す力F2が基準押し力F0よりも大きくなると、(b)のグリップ11Rは対応した移動量になるので、このときの移動量検知部62の出力に基づいて、制御部21は、モータ5へ制御信号を発する。移動量検知部62は押す力F2に応じて出力が変化し、制御部21は対応する補助動力を出力するようにモータ5を制御する。補助動力で人力を補助することができる。 【0039】このように、電動補助運搬車1を(1)人力だけで走行させる場合と、(2)補助動力を受けて走行させる場合の、どちらの場合であっても、作業者Mはグリップ11L,11Rを握って押すという、単一の操作を継続するだけでよい。さらには、グリップ11Rを所定以上の押し力F2で操作することによって、補助動力を自動的に調整できる他に、補助操作機構70の補助レバー72を任意に操作することによって、グリップ11Rの押し力によらずに、補助動力を自由に発生させることができる。従って、グリップ11Rの所定の基準押し力F0を下回る、軽い押し操作力でも走行させることができる。このため、どのような路面状態であっても、電動補助運搬車1を簡単に且つ手軽に操作することができるので、操作性が高い。 【0040】なお、上記本発明の実施の形態において、(1)電動補助運搬車1は、一輪運搬車に限定するものではなく、例えば、左右2輪運搬車、前後2輪運搬車、4輪運搬車であってもよい。 (2)補助動力系操作機構40及び補助操作機構70は、左の操作ハンドル7Lに取付けてもよい。 (3)補助操作機構70は、スライド式グリップ11Rに掛けた手で握り操作、ひねり操作、指移動操作等の補助的操作をすることにより、グリップ11Rを車体フレーム2へ向って強制的に押出す構成であればよい。 (4)掛け部材71は、その一端をブラケットにスイング可能に掛けるとともに、他端に補助レバーの長手中間部をスイング可能に掛けるものであればよく、形状、寸法、材料及び両端の掛ける構成を問わない。 【0041】(5)グリップ11Rから突出した突出支持部45aは、補助レバー72をスイング操作するときの支点となるものであればよい。 (6)掛け部材71が操作ハンドル7Rから離れる方向へスイングする離反スイング角αを制限するためのストッパは、少なくともブラケット61又は掛け部材71に備えるものであればよい。例えば、ブラケット61に備える第1のストッパ61a,61aと、掛け部材71に備える第2のストッパ75の、一方又は両方を備えればよい。 (7)第3のストッパ45cは、補助レバー72又はグリップ11Rに備えるものであればよい。 【0042】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1は、スライド式グリップに掛けた手で握り操作、ひねり操作、指移動操作等の補助的操作をすることにより、グリップを車体フレームへ向って強制的に押出す補助操作機構を、操作ハンドルに備えたので、補助操作機構を任意に操作し、グリップを車体フレームへ向って強制的に押出すことによって、モータで補助動力を発生させ、この補助動力で人力を補助することができる。この結果、グリップを所定以上の押し力で操作することによって、補助動力を自動的に調整できる他に、補助操作機構を任意に操作することによって、グリップの押し力によらずに、補助動力を自由に発生させることができる。従って、どのような路面状態であっても、電動補助運搬車を簡単に且つ手軽に操作することができるので、操作性が高い。 【0043】さらには、補助操作機構によって、スライド式グリップを車体フレームへ向って強制的に押出すようにしたので、グリップの押込み操作と補助操作機構による補助的操作という、2つの異なる操作をするのに、グリップと移動量検知部という基本的な構成を、共用することができる。従って、2つの異なる操作をする構成を、部品数が少なく簡単な構成にすることができる。 【0044】請求項2は、移動量検知部を取付けるためのブラケットに、掛け部材の一端をグリップに接離する方向にスイング可能に掛け、この掛け部材をグリップにほぼ沿わせアームを越えて作業者側へ延し、その延びた他端に補助レバーの長手中間部を掛け部材と同方向にスイング可能に掛けたので、部品数が少なく簡単な構成で、グリップを車体フレームへ向って強制的に押出す補助レバーを、操作ハンドルに簡単に取付けることができる。しかも、操作ハンドルやグリップに対する、補助レバーの取付け位置の調整も不要である。 【0045】さらに、補助レバーの押出し部を掛け部材から操作ハンドル側へ所定角度傾けた状態でアームに当て、補助レバーの押出し部と中間部との間をグリップから突出した突出支持部に当てることで、この突出支持部を、補助レバーをスイング操作するときの支点としたので、突出支持部を支点として指掛け部をスイング操作することにより、補助レバーの押出し部でアームを移動量検知部側へ簡単に押出し操作すことができる。この結果、アームの移動量を移動量検知部で検出し、検知した移動量に応じてモータが補助動力を発生し、この補助動力で人力を補助することができる。従って、グリップを所定以上の押し力で操作することによって、補助動力を自動的に調整できる他に、補助操作機構を任意に操作することによって、グリップの押し力によらずに、補助動力を自由に発生させることができる。このため、どのような路面状態であっても、電動補助運搬車を簡単に且つ手軽に操作することができるので、操作性が高い。 【0046】請求項3は、掛け部材が操作ハンドルから離れる方向へスイングする離反スイング角を制限するためのストッパを、掛け部材又はブラケットに備えたので、補助レバーの押出し部はアームの所定位置に当る。この結果、アームに対する押出し部の当る位置は、概ね同一である。従って、グリップに対する補助レバーの指掛け部の位置は変わらない。しかも、アームから押出し部が外れる心配はない。 【0047】請求項4は、補助レバーの押出し部がアームから離れる方向に反転することを制限するためのストッパを、補助レバー又はグリップに備えたので、補助レバーの向きが簡単に定まる。従って、グリップに対する補助レバーの指掛け部の位置は変わらない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月4日(1998.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−175309(P2000−175309A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−345858 |
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