| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 誠志
【氏名】多賀 豊
【氏名】天野 正弥
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| 【要約】 |
【課題】加速要求に応じてトルクを増大する場合のショックを抑制する。
【解決手段】エンジンと車輪との間に配置されたモータ・ジェネレータと、モータ・ジェネレータと車輪との間に配置されたトルクコンバータおよび自動変速機とを有するハイブリッド車制御装置において、車両に対する加速要求を判断する加速要求判断手段(ステップ102)と、加速要求判断手段(ステップ102)により判断された加速要求に対応して車輪に伝達するトルクの増加を、モータ・ジェネレータの制御により発生させることが可能か否かを判断する可否判断手段(ステップ103)と、加速要求に対応するトルクを増加するためにおこなわれるモータ・ジェネレータまたはトルクコンバータ、自動変速機の制御内容を、可否判断手段(ステップ103)の判断結果に基づいて異ならせるトルク制御手段(ステップ104,107)とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンと車輪との間に形成されたトルク伝達経路で伝達されるトルクを制御するモータ・ジェネレータと、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えにより、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを制御するトルク伝達装置とを有するハイブリッド車の制御装置において、車両に対する速度変更要求を判断する速度変更要求判断手段と、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを、前記速度変更要求判断手段により判断された速度変更要求に対応して前記モータ・ジェネレータの機能により制御することが可能か否かを判断する可否判断手段と、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを前記速度変更要求に対応して制御する際に、前記可否判断手段の判断結果に基づいて、前記モータ・ジェネレータまたは前記トルク伝達装置によるトルクの制御内容を異ならせるトルク制御手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。 【請求項2】 エンジンと車輪との間に形成されたトルク伝達経路に配置され、かつ、前記車輪に伝達されるトルクを制御するモータ・ジェネレータと、前記トルク伝達経路に配置され、かつ、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えにより前記車輪に伝達されるトルクを制御するトルク伝達装置とを有するハイブリッド車の制御装置において、車両に対する加速要求を判断する加速要求判断手段と、この加速要求判断手段により判断された加速要求に対応して前記車輪に伝達するべきトルクの増加分を、前記モータ・ジェネレータの機能により発生させることが可能か否かを、このモータ・ジェネレータに電力を供給する電源の充電量に基づいて判断する可否判断手段と、前記車輪に伝達するべきトルクを前記加速要求に対応して増加する際に、前記可否判断の判断結果に基づいて、前記モータ・ジェネレータまたは前記トルク伝達装置の制御内容を異ならせるトルク制御手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。 【請求項3】 前記摩擦係合装置の係合・解放状態を、前記可否判断手段の判断結果以外の所定条件に基づいて制御する通常制御手段を有し、前記可否判断手段には、前記電源の充電量が所定値以上あるか否かを判断する機能が含まれており、前記トルク制御手段には、前記充電量が所定値以上ある場合は前記摩擦係合装置の係合・解放状態を変更することなく、前記モータ・ジェネレータのみにより前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能と、前記充電量が所定値未満である場合は前記通常制御手段の制御内容により前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能とが含まれていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。 【請求項4】 前記摩擦係合装置の係合・解放状態を、前記可否判断手段の判断結果以外の所定条件に基づいて制御する通常制御手段を有し、前記トルク制御手段には、前記可否判断手段により、前記加速要求に対応するトルクの増加分を前記モータ・ジェネレータにより発生させることができないと判断された場合は、前記通常制御手段の制御内容により前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能が含まれていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、異なる種類の駆動力源が搭載されたハイブリッド車の制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、2種類以上の駆動力源を搭載したハイブリッド車が提案されている。このようなハイブリッド車においては、各々の駆動力源の有する特性を生かしつつ、駆動力源同士で相互に欠点を補うことにより、総合的な効率の向上を図ることが可能である。このようなハイブリッド車の制御装置の一例が、特開平9−168104号公報に記載されている。この公報に記載された制御装置は、エンジンの出力軸にモータ・ジェネレータが設けられている。 【0003】また、エンジンの出力軸は、トルクコンバータ(トルク伝達可変装置)を介して変速機に連結されている。このトルクコンバータは、流体式トルク伝達装置であり、回転部材同士を機械的に接続する直結クラッチ(摩擦係合装置)が設けられている。上記モータ・ジェネレータは、エンジンとトルクコンバータとの間に配置されている。また、モータ・ジェネレータには、インバータを介してバッテリが接続されている。この公報に記載されたハイブリッド車によれば、エンジンまたはモータ・ジェネレータの少なくとも一方の動力を車輪に伝達することが可能である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、車両に搭載されているトルクコンバータの直結クラッチの係合・解放は、基本的には車速およびアクセル開度をパラメータとするマップに基づいて制御される。言い換えれば、エンジンの出力軸と変速機構の入力軸との間におけるトルク伝達状態が制御される。 【0005】また、車両に搭載されている電子制御式の自動変速機(トルク伝達装置)は、複数組の遊星歯車機構と、これらの遊星歯車機構のトルク伝達経路を切り換える摩擦係合装置と、摩擦係合装置を係合・解放させる油圧制御装置とを備えている。そして、この種の自動変速機は、基本的には車速およびアクセル開度をパラメータとする変速線図に基づいて摩擦係合装置の係合・解放状態が切り換えられて、その変速比が制御される。言い換えれば、変速機構の入力軸と出力軸との間におけるトルク伝達状態が制御される。 【0006】しかしながら、直結クラッチ付きのトルクコンバータ、および上記の自動変速機が搭載されたハイブリッド車においては、直結クラッチが係合されている状態で加速要求が発生すると、直結クラッチの解放または自動変速機の摩擦係合装置の係合・解放状態の切り換えによるダウンシフトのうちの少なくとも一方がおこなわれ、ショックが発生する可能性があった。 【0007】この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、車速の変更要求に応じたトルクを変更する場合のショックを抑制することの可能なハイブリッド車の制御装置を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、エンジンと車輪との間に形成されたトルク伝達経路で伝達されるトルクを制御するモータ・ジェネレータと、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えにより、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを制御するトルク伝達装置とを有するハイブリッド車の制御装置において、車両に対する速度変更要求を判断する速度変更要求判断手段と、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを、前記速度変更要求判断手段により判断された速度変更要求に対応して前記モータ・ジェネレータの機能により制御することが可能か否かを判断する可否判断手段と、前記トルク伝達経路で伝達されるトルクを前記速度変更要求に対応して制御する際に、前記可否判断手段の判断結果に基づいて、前記モータ・ジェネレータまたは前記トルク伝達装置によるトルクの制御内容を異ならせるトルク制御手段とを備えていることを特徴とするものである。ここで、速度変更要求には、加速要求と減速要求とが含まれる。また、モータ・ジェネレータのトルクには、正のトルクと負のトルクとが含まれる。 【0009】請求項1の発明によれば、トルク伝達経路で伝達されるトルクを、速度変更要求に対応して制御する場合に、モータ・ジェネレータの機能によりおこなうことが可能な場合と不可能な場合とで、モータ・ジェネレータまたはトルク伝達装置の制御内容が異なる。 【0010】請求項2の発明は、エンジンと車輪との間に形成されたトルク伝達経路に配置され、かつ、前記車輪に伝達されるトルクを制御するモータ・ジェネレータと、前記トルク伝達経路に配置され、かつ、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えにより前記車輪に伝達されるトルクを制御するトルク伝達装置とを有するハイブリッド車の制御装置において、車両に対する加速要求を判断する加速要求判断手段と、この加速要求判断手段により判断された加速要求に対応して前記車輪に伝達するべきトルクの増加分を、前記モータ・ジェネレータの機能により発生させることが可能か否かを、このモータ・ジェネレータに電力を供給する電源の充電量に基づいて判断する可否判断手段と、前記車輪に伝達するべきトルクを前記加速要求に対応して増加する際に、前記可否判断の判断結果に基づいて、前記モータ・ジェネレータまたは前記トルク伝達装置の制御内容を異ならせるトルク制御手段とを備えていることを特徴とするものである。 【0011】請求項2の発明によれば、モータ・ジェネレータに電力を供給する電源の充電量に基づいて、加速要求に対応するトルクの増加分をモータ・ジェネレータの制御によりおこなうことが可能か否かが判断され、その判断結果により、モータ・ジェネレータまたはトルク伝達装置の制御内容が異なる。 【0012】請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記摩擦係合装置の係合・解放状態を、前記可否判断手段の判断結果以外の所定条件に基づいて制御する通常制御手段を有し、前記可否判断手段には、前記電源の充電量が所定値以上あるか否かを判断する機能が含まれており、前記トルク制御手段には、前記充電量が所定値以上ある場合は前記摩擦係合装置の係合・解放状態を変更することなく、前記モータ・ジェネレータのみにより前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能と、前記充電量が所定値未満である場合は前記通常制御手段の制御内容により前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能とが含まれていることを特徴とするものである。 【0013】請求項3の発明によれば、請求項2の作用に加えて、充電量が所定値以上ある場合は、モータ・ジェネレータのみにより加速要求に対応するトルクの増加分が発生し、充電量が所定値未満であると判断されている場合は通常制御手段の制御内容により加速要求に対応するトルクの増加分が発生する。 【0014】請求項4の発明は、請求項2の構成に加えて、前記摩擦係合装置の係合・解放状態を、前記可否判断手段の判断結果以外の所定条件に基づいて制御する通常制御手段を有し、前記トルク制御手段には、前記可否判断手段により、前記加速要求に対応するトルクの増加分を前記モータ・ジェネレータにより発生させることができないと判断された場合は、前記通常制御手段の制御内容により前記加速要求に対応するトルクの増加分を発生させる機能が含まれていることを特徴とするものである。 【0015】請求項4の発明によれば、請求項2の作用に加えて、加速要求に対応するトルクの増加分をモータ・ジェネレータにより発生させることができない場合は、通常制御手段の制御内容により加速要求に対応するトルクの増加分が発生する。 【0016】 【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図2は、この発明を適用したハイブリッド車のパワートレーンの構成を示すスケルトン図、図3は、図2のハイブリッド車のシステムの構成を示すブロック図、図4は、ハイブリッド車の制御回路を示すブロック図である。この実施形態におけるハイブリッド車は、第1の駆動力源であるエンジン1と、第2の駆動力源であるモータ・ジェネレータ2とを有する。そして、エンジン1の出力側にモータ・ジェネレータ2が配置されている。また、モータ・ジェネレータ2と車輪3との間の動力伝達経路にはトルクコンバータ4が配置され、上記動力伝達経路におけるトルクコンバータ4と車輪3との間には、自動変速機5が配置されている。 【0017】上記エンジン1としては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンまたはLPGエンジン等の内燃機関が用いられる。このエンジン1は、始動装置(スタータモータ)6、燃料噴射装置7、吸排気装置8、点火装置9、冷却装置10等を備えた公知の構造のものである。 【0018】また、エンジン1の吸気管には電子スロットルバルブ11が設けられており、電子スロットルバルブ11の開度が電気的に制御されるように構成されている。エンジン1のクランクシャフト12と、モータ・ジェネレータ2の回転軸13との間の動力伝達経路にはクラッチ14が設けられており、このクラッチ14の係合・解放により、クランクシャフト12と回転軸13との間の動力伝達経路が接続もしくは遮断される。さらに、クラッチ14とクランクシャフト12との間の動力伝達経路にはダンパ15が設けられている。 【0019】モータ・ジェネレータ2は、例えば交流同期型のものが適用される。モータ・ジェネレータ2は、永久磁石を有する回転子16と、コイルが巻き付けられた固定子17とを備えている。そして、コイルの3相巻き線に3相交流電流を流すと回転磁界が発生し、この回転磁界を回転子16の回転位置および回転速度に合わせて制御することによりトルクが発生する。モータ・ジェネレータ2により発生するトルクは電流の大きさにほぼ比例し、モータ・ジェネレータ2の回転数は、交流電流の周波数により制御される。そして、このモータ・ジェネレータ2は電気エネルギを機械エネルギに変換する電動機としての機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能とを有する。 【0020】前記トルクコンバータ4は、駆動側部材のトルクを流体を介して従動側部材に伝達する機能を備えており、このトルクコンバータ4は、ポンプインペラ18に一体化させたフロントカバー19と、自動変速機5の入力軸20に連結されたタービンランナ21と、ポンプインペラ18から流体を介してタービンランナ21に伝達されるトルクを増幅するためのステータ22とを有する。そして、フロントカバー19が回転軸13に対して接続されている。上記構成のトルクコンバータ4は、回転軸13と入力軸20との間の速度比が所定の範囲(トルクコンバーターレンジ)にある場合は、そのトルク比が「1」を越えており、速度比の増加にともなってトルク比が低下する特性を備えている。そして、速度比が所定値、すなわちカップリングポイントに到達した状態においてはトルク比が「1」になる特性を備えている。 【0021】さらに、フロントカバー19の内部には、係合・解放可能なロックアップクラッチ23が設けられており、ロックアップクラッチ23の係合・解放により、回転軸13と入力軸20との間におけるトルク伝達状態(言い換えればトルク比)が変更される。なお、ロックアップクラッチ23の係合には、完全係合とスリップとが含まれる。 【0022】前記自動変速機5は複数の遊星歯車機構24と、これらの遊星歯車機構24のトルク伝達経路を切り換えるために係合・解放される複数の摩擦係合装置25とを備えた公知の構造のものである。これらの摩擦係合装置25の係合・解放状態の切り換えにより、自動変速機5の変速比(つまり変速段)が制御される。言い換えれば、摩擦係合装置25の係合・解放の切り換えにより、入力軸20と出力軸28との間におけるトルク伝達状態(言い換えればトルク比)が変更される。この自動変速機5は、例えば前進段において第1速〜第5速のいずれかが設定されるように構成されている。一方、油圧制御装置26が設けられており、この油圧制御装置26により、自動変速機5の変速段の設定または切り換え制御、ロックアップクラッチ23の係合・解放やスリップ制御、摩擦係合装置25に作用する油圧の油圧回路におけるライン圧の制御、摩擦係合装置25の係合圧の制御などがおこなわれる。 【0023】この油圧制御装置26は電気的に制御されるもので、自動変速機5の変速を実行するための第1ないし第3のシフトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレーキ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを備えている。さらに、油圧制御装置26は、油圧回路のライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLTと、自動変速機5の変速過渡時におけるアキュームレータ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLNと、ロックアップクラッチ23や所定の摩擦係合装置の係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUとを備えている。 【0024】さらに、自動変速機5のケーシングの内部には、オイルポンプ27が設けられている。このオイルポンプ27は、油圧制御装置26により制御される油圧の元圧を発生する機能を備えている。そして、回転軸13の動力がポンプインペラ18を介してオイルポンプ27に伝達され、この動力によりオイルポンプ27が駆動される構成になっている。つまり、オイルポンプ27は、エンジン1の動力またはモータ・ジェネレータ2の動力のいずれでも駆動することが可能である。 【0025】前記自動変速機5の出力軸28にはプロペラシャフト29が接続されており、このプロペラシャフト29が差動装置30に接続されている。なお、この差動装置30は最終減速装置としての機能をも備えている。そして、差動装置30にアクスルシャフト31が接続され、アクスルシャフト31に対して車輪3が取り付けられている。 【0026】つぎに、図3に基づいて、モータ・ジェネレータ2の制御回路を説明する。モータ・ジェネレータ2と、モータ・ジェネレータ2に電力を供給するメインバッテリ32との間の回路にはインバータ33が配置されている。メインバッテリ32の定格電圧は、例えば288Vに設定されている。インバータ33は、メインバッテリ32の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジェネレータ2に供給する一方、モータ・ジェネレータ2で発電された3相交流電流を直流電流に変換してメインバッテリ32に供給する3相ブリッジ回路(図示せず)を備えている。この3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジスタ(図示せず)を電気的に接続して構成され、これらのパワートランジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・ジェネレータ2とメインバッテリ32との間の電流の向きを切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流との相互の変換と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレータ2に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクの大きさの調整とがおこなわれる。 【0027】前記メインバッテリ32の正極とインバータ33との間の回路には、第1のシステムメインリレーSMR1が配置されている。また、第1のシステムメインリレーSMR1と相互に並列に第3のシステムメインリレーSMR3が配置されているとともに、第2のシステムメインリレーSMR2に対して直列に制限抵抗34が配置されている。さらに、メインバッテリ32の負極とインバータ33との間の回路には、第3のシステムメインリレーSMR3が配置されている。これら第1ないし第3のシステムメインリレーSMR1ないしSMR3は、モータ・ジェネレータ2とメインバッテリ32との間に形成されている高電圧回路の接続・遮断をおこなう機能を有する。 【0028】また、前記メインバッテリ32は、所定電圧のセルを複数直列に配置することにより1モジュールを構成したものであり、複数のモジュールを2つのホルダーに分割して直列に接続した構成が採用されている。このメインバッテリ32の回路には、安全プラグ35が接続されている。 【0029】さらに、インバータ33と第2のシステムメインリレーSMR2との間、およびインバータ33と第3のシステムメインリレーSMR3との間には、DCDCコンバータ36が接続されている。このDCDCコンバータ36には補機バッテリ37が接続されている。補機バッテリ37の定格電圧は、例えば12Vに設定されている。このDCDCコンバータ36は、メインバッテリ32の直流電圧を所定電圧に降圧し、補機バッテリ37に充電する機能を有する。この補機バッテリ37は、エアコン用コンプレッサ、メインバッテリ32を冷却するウォーターポンプ51などに電力を供給する機能を有する。 【0030】一方、メインバッテリ32には、メインバッテリ用電子制御装置38を介してハイブリッド用電子制御装置39が接続されているとともに、インバータ33には、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40を介してハイブリッド用電子制御装置39が接続されている。メインバッテリ用電子制御装置38、ハイブリッド用電子制御装置39、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40は、それぞれ、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。 【0031】そして、メインバッテリ32とメインバッテリ用電子制御装置38とが相互にデータ通信可能に接続され、メインバッテリ用電子制御装置38とハイブリッド用電子制御装置39とが相互にデータ通信可能に接続されている。また、インバータ33とモータ・ジェネレータ用電子制御装置40とが相互にデータ通信可能に接続され、モータ・ジェネレータ用電子制御装置40とハイブリッド用電子制御装置39とが相互にデータ通信可能に接続されている。 【0032】前記メインバッテリ用電子制御装置38は、メインバッテリ32の充電量SOCを検出するとともに、メインバッテリ32とモータ・ジェネレータ2との間に流れる電流の電流値を検出する機能を有する。モータ・ジェネレータ用電子制御装置40は、ハイブリッド用電子制御装置39からの信号により、インバータ33を介してモータ・ジェネレータ2を制御する機能を有する。 【0033】さらに、ハイブリッド用電子制御装置39には、変速機用電子制御装置41と、エンジン用電子制御装置42と、ブレーキ用電子制御装置43と、エアコン用電子制御装置44とが接続されている。そして、変速機用電子制御装置41と、エンジン用電子制御装置42と、ブレーキ用電子制御装置43と、エアコン用電子制御装置44とは、それぞれ、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入力・出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。そして、ハイブリッド用電子制御装置39と、変速機用電子制御装置41およびエンジン用電子制御装置42およびブレーキ用電子制御装置43およびエアコン用電子制御装置44とが、相互にデータ通信可能に接続されている。上記各電子制御装置は、補機バッテリ37を電源として起動される。 【0034】また、変速機用電子制御装置41には、自動変速機5の変速比を制御するために、車両の走行状態、例えば車速およびアクセル開度をパラメータとする変速線図が記憶されている。さらに、変速機用電子制御装置41には、車速およびアクセル開度をパラメータとしてロックアップクラッチ23の係合・解放を制御するロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。 【0035】図5には、ロックアップクラッチ制御マップを兼ねた変速線図の一例が示されている。この変速線図において、所定の変速段から所定の変速段にアップシフトするアップシフト線が実線で示され、所定の変速段から所定の変速段にダウンシフトするダウンシフト線が破線で示されている。なお、図5において、各数字は自動変速機5の変速段を意味しており、各矢印は所定の変速段から所定の変速段にアップシフトもしくはダウンシフトすることを意味している。 【0036】また、図5のロックアップクラッチ制御マップにおいて、ロックアップクラッチ23を解放(オフ)状態から係合(オン)状態に切り換える係合線が二点鎖線で示され、ロックアップクラッチ23を係合状態から解放状態に切り換える解放線が一点鎖線で示されている。なお、矢印はロックアップクラッチ23が、係合状態と解放状態とで相互に切り換えられることを意味している。 【0037】さらに、シフトレバー45のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ46の信号が変速機用電子制御装置41に入力されている。このシフトレバー45により、例えば、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジション、2ポジション、L(ロー)ポジションなどを選択することが可能に構成されている。そして、このシフトポジションセンサの信号に基づいて、ハイブリッド用電子制御装置39から制御信号が出力され、この制御信号に基づいて、油圧制御装置26の各種のリニアソレノイドバルブなどのアクチュエータが制御される。 【0038】また、アクセルペダル47の踏み込み量、すなわちアクセル開度を検出するアクセル開度センサ48の信号がエンジン用電子制御装置42に入力されている。そして、アクセル開度センサ48の信号およびシフトポジションセンサ46の信号に基づいてエンジン1の出力、自動変速機5の変速比(変速段)、モータ・ジェネレータ2のトルクが演算され、車両の駆動力が制御される。ここで、エンジン1の出力は、電子スロットルバルブ11の開度制御、燃料噴射装置7の燃料噴射量制御、点火装置9の点火時期制御などにより調整される。また、自動変速機5の変速比は油圧制御装置26により制御される。さらに、モータ・ジェネレータ2のトルクは電流値により制御される。 【0039】また、ハイブリッド車は、油圧ブレーキ装置(図示せず)を備えており、この油圧ブレーキ装置は、ブレーキペダル49、マスターシリンダ、ホイールシリンダ、ホイールシリンダに作用する油圧を制御するアクチュエータなどを有する公知のものである。そして、ブレーキ用電子制御装置43にはブレーキペダル49の踏み込み量を検出するセンサの信号が入力されており、ブレーキペダル49の踏み込み量に基づいて車両に対する制動要求が判断される。この判断結果に基づいて、油圧ブレーキ装置が分担するべき制動力と、モータ・ジェネレータ2の機能により分担するべき制動力(回生制動力)とが演算され、その演算結果に基づいて、モータ・ジェネレータ2の回生制動トルクおよび油圧ブレーキ装置のホイールシリンダの油圧が制御される。 【0040】また、エアコン用電子制御装置44にはエアコンスイッチ50の信号が入力されている。このエアコンスイッチ50の信号に基づいてエアコン用コンプレッサの駆動が制御される。なお、ハイブリッド用電子制御装置39には各種センサ52の信号が入力されているとともに、これらのセンサ52の信号もしくはその他のセンサやスイッチの信号に基づいて、各種のアクチュエータ53に対する制御信号が出力される。これらのセンサ52には、シフトポジションセンサ46、アクセル開度センサ48、入力軸20の回転数(言い換えればタービン回転数)を検出する入力軸回転数センサ61、出力軸28の回転数を検出する出力軸回転数センサ62などが含まれる。この出力軸回転数センサ62の信号に基づいて車速が演算される。 【0041】また、アクチュエータ53には、油圧制御装置26の各種のリニアソレノイドバルブ、油圧ブレーキ装置のアクチュエータ、電子スロットルバルブ11の開度を制御するアクチュエータ、クラッチ14を係合・解放させるアクチュエータなどが含まれる。 【0042】つぎに、ハイブリッド用電子制御装置39における入出力信号を、図4に基づいて総括的に説明する。ハイブリッド用電子制御装置39に対しては、補機バッテリ37の充電量SOCを検出する補機バッテリ用電子制御装置54の信号、イグニッションキーの操作位置を検出するイグニッションスイッチ55の信号、メインバッテリ用電子制御装置38の信号、インバータ33の温度を示す信号、メインバッテリ32の電圧を示すメインバッテリ用電子制御装置38の信号、モータ・ジェネレータ2の回転数および回転角度を検出するレゾルバ57の信号、エンジン用電子制御装置42の信号、変速機用電子制御装置41の信号、ブレーキ用電子制御装置43の信号、エアコン用電子制御装置44の信号、エンジン用電子制御装置42の信号系統に異常が発生したときのダイアグノーシス信号、車両の衝突時に膨張・展開するエアバッグ装置(図示せず)を制御するエアバッグ用電子制御装置58の信号、ストップランプスイッチ59の信号、インターロックスイッチ60の信号などが入力されている。 【0043】一方、ハイブリッド用電子制御装置39からは、始動装置6に対する駆動信号(スタータ信号)、始動装置6のスタータリレーに対する制御信号、ハイブリッドシステムにおける各種のリレー56に対する制御信号、第1ないし第3のシステムメインリレーSMR1ないしSMR3に対する駆動信号、DCDCコンバータ36に対する駆動信号または停止信号、インバータ33に対する停止要求信号、インバータ33の3相、すなわちU相、V相、W相に対する駆動信号、エンジン用電子制御装置42に対する制御信号、変速機用電子制御装置41に対する制御信号、ブレーキ用電子制御装置43に対する信号、エアコン用電子制御装置44に対する信号などが出力されている。 【0044】ここで、上記ハイブリッド車の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ロックアップクラッチ23がこの発明の摩擦係合装置に相当し、トルクコンバータ2または自動変速機5がこの発明のトルク伝達装置に相当し、メインバッテリ32がこの発明の電源に相当する。また、モータ・ジェネレータ2、トルクコンバータ4、自動変速機5、プロペラシャフト29、差動装置30、アクスルシャフト31などにより、この発明のトルク伝達経路が構成されている。 【0045】上記ハード構成を有するハイブリッド車の制御内容を簡単に説明する。すなわち、アクセル開度および車速ならびにその他の条件に基づいて電子スロットルバルブ11の開度制御をおこなう。また、アクセルペダル47の操作状態、およびブレーキペダル49の操作状態に基づいて、車両に対する速度変更要求(言い換えれば駆動力の変更要求)が判断される。具体的には加速要求もしくは減速要求が判断される。そして、現在のアクセル開度およびシフトポジションに基づいて、必要な駆動力が判断され、エンジン1の出力、自動変速機5の変速比、モータ・ジェネレータ2のトルクなどが制御される。 【0046】ここで、自動変速機5の変速比、つまり変速段は、図5に示す変速線図に基づいて制御される。言い換えれば、自動変速機5の入力軸20と出力軸28との間におけるトルク比が制御される。さらに、ロックアップクラッチ23の係合・解放は、図5に示すロックアップクラッチ制御マップに基づいて制御される。言い換えれば、回転軸13と入力軸20との間のトルク比が制御される。なお、この実施形態においては、図5に示す変速線図またはロックアップクラッチ制御マップ以外の条件に基づいて、自動変速機5の変速比またはロックアップクラッチ23の係合・解放を制御することも可能である。これらの制御内容については後述する。 【0047】そして、クラッチ14が係合された状態においては、エンジン1またはモータ・ジェネレータ2のうちの少なくとも一方の動力を、自動変速機5、プロペラシャフト29を介して車輪3に伝達することが可能である。これとは逆に、クラッチ14が解放された状態においては、モータ・ジェネレータ2の動力のみを、自動変速機5、プロペラシャフト29を介して車輪3に伝達することが可能である。また、メインバッテリ32の充電量SOCが所定値以下になった場合は、エンジン1の動力の一部をモータ・ジェネレータ2に伝達して発電機として機能させ、その電気エネルギをメインバッテリ32に充電することも可能である。 【0048】一方、車両の減速時に、クラッチ14が係合されている場合は、車輪3を介して入力される運動エネルギをエンジン1に伝達することにより、エンジンブレーキ力を発生させることが可能である。また、前記運動エネルギの一部をモータ・ジェネレータ2に入力することにより、モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させ、回生制動力(回生制動トルク)を発生させることも可能である。モータ・ジェネレータ2により回生制動力を発生させる場合は、クラッチ14を解放することも可能である。 【0049】つぎに、車両に対する速度変更要求に基づいて、ロックアップクラッチ23の係合・解放状態、または自動変速機5の変速比を制御する場合のフローチャートを図1に基づいて説明する。まず、各種のセンサやスイッチの検出信号が各種の電子制御装置に入力され、これらの信号が処理される(ステップ100)。そして、図5に示すロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ23が係合状態にあるか否かが判断される(ステップ101)。 【0050】ステップ101で否定判断された場合は、車両の走行に関連する制御、例えばその時点におけるアクセル開度、車速などの各種の条件に基づいて、エンジン1またはモータ・ジェネレータ2により分担するべきトルクの演算などがおこなわれるとともに(ステップ105)、これらの演算結果に対応する信号を出力し(ステップ106)、リターンされる。 【0051】前記ステップ101で肯定判断された場合は、加速要求があるか否かが判断される(ステップ102)。加速要求があるか否かは、例えば、図5に示すロックアップクラッチ制御マップを基準として、アクセル開度および車速が、係合されているロックアップクラッチ23を解放させるべき状態に変化する第1の加速要求態様が成立したか否かにより判断することが可能である。また、図5に示す変速線図を基準として、アクセル開度および車速が、自動変速機5の変速段を所定の変速段から所定の変速段にダウンシフトさせるべき状態に変化する第2の加速要求態様が成立したか否かにより判断することも可能である。 【0052】そして、上記2つの加速要求態様のうち少なくとも一方が成立した場合はステップ102で肯定判断され、車速およびスロットル開度に基づいて、加速要求に対応するトルクの不足分が演算され、不足分のトルクをモータ・ジェネレータ2により確保することが可能であるか否かが判断される(ステップ103)。図1の制御例においては、ステップ103の判断基準として、メインバッテリ32の充電量SOCが所定値以上あるか否かを用いている。この所定値は、予めメインバッテリ用電子制御装置38またはハイブリッド用電子制御装置39に予め記憶されている。なお、この所定値は、固定された値、または前記加速要求の程度に応じて異なった値のいずれでもよい。 【0053】ステップ103で肯定判断された場合は、ロックアップクラッチ23の係合が継続され、かつ、前記加速要求に対応する不足分のトルク(正のトルク)がモータ・ジェネレータ3から出力されて駆動力が高められ(ステップ104)、前述したステップ105に進む。すなわち、ステップ102において、第1の加速要求態様が成立している場合は、ロックアップクラッチ23を解放することにより、トルクコンバータ2をトルクコンバーターレンジに切り換え、そのトルク増幅機能により伝達トルクを増大させ、かつ、駆動力を高める必要性がある。 【0054】これに対して、ステップ104により確保されるトルクおよび駆動力は、ロックアップクラッチ23の解放により発生するトルクおよび駆動力と同等のものになる。なお、メインバッテリ32の充電量SOCが、加速要求に対応するトルクをモータ・ジェネレータ2によりアシストすることが可能な状態にある限り、ロックアップクラッチ23の解放はおこなわれず、かつ、自動変速機5のダウンシフトもおこなわれない。 【0055】また、ステップ102において、第2の加速要求態様が成立している場合は、自動変速機5をダウンシフトさせて伝達トルクを増大することにより、駆動力を高める必要性がある。これに対して、ステップ104の制御をおこなうことにより確保されるトルクおよび駆動力は、自動変速機5のダウンシフトにより発生するトルクおよび駆動力と同等のものになる。したがって、自動変速機5のダウンシフトをおこなうことなく、モータ・ジェネレータ2のアシストトルクにより加速性が維持される。 【0056】一方、前記ステップ103で否定判断された場合は、加速要求以外の所定条件、つまり、前述した変速線図またはロックアップクラッチ制御マップに基づく制御内容により、加速要求に対応するトルクが確保され(ステップ107)、ステップ105に進む。ステップ107においては、第1の制御態様または第2の制御態様のいずれかを選択することが可能であるまず、第1の制御態様は、アクセル開度の増大割合が大きい場合に対応するものである。この第1の制御態様によれば、ロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ23が解放され、図5に示す変速線図に基づいて、自動変速機5がダウンシフトされる。これに対して、第2の制御態様は、アクセル開度の増大割合が小さい場合に対応するものである。第2の制御態様によれば、ロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ23を係合したまま、自動変速機5のダウンシフトがおこなわれる。 【0057】なお、前記ステップ102で否定判断された場合は、ロックアップクラッチ23の係合が継続され(ステップ108)、ステップ105に進む。ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ステップ102がこの発明の速度変更要求判断手段または加速要求判断手段に相当し、ステップ103がこの発明の可否判断手段に相当し、ステップ104,107がこの発明のトルク制御手段に相当し、ステップ107がこの発明の通常制御手段に相当する。 【0058】図6は、上記制御例に対応するタイムチャートの一例を示す。ロックアップクラッチの係合・解放制御は、ステップ107の第1の制御態様に対応するものであり、モータ・ジェネレータアシスト制御は、ステップ104に対応するものである。まず、ロックアップクラッチの係合・解放制御について説明する。アクセル開度が一定に維持されている状態においては、スロットル開度が一定に制御され、出力軸回転数(車速)が徐々に増大している。また、自動変速機5の変速段は第5速が設定され、ロックアップクラッチ23が係合されている。 【0059】そして、時刻t1以後にアクセル開度が増大して加速要求が発生し、かつ、スロットル開度も増大し、さらには出力軸回転数も徐々に増大している。その後、時刻t2に到達した時点でロックアップクラッチ23が解放されるとともに、時刻t3から時刻t4の間は、アクセル開度およびスロットル開度が一定に制御されている。 【0060】ついで、時刻t4以後にアクセル開度およびスロットル開度が減少し、これにともない出力軸回転数が徐々に低下している。そして、時刻t6においてロックアップクラッチ23が再び係合され、時刻t7以後はアクセル開度およびスロットル開度が一定に制御されている。なお、上記制御中、モータ・ジェネレータ2のトルクは常時「零」に制御されている。 【0061】つぎに、モータ・ジェネレータアシスト制御について説明する。時刻t1までの間は、自動変速機5の変速段が第5速に設定されているとともに、ロックアップクラッチ23が係合され、かつ、スロットル開度が一定に制御されている。また、モータ・ジェネレータ2のトルクは「零」に制御されている。そして、時刻t1以降はスロットル開度が増大しているとともに、時刻t2以降はスロットル開度が一定に制御されている。さらに、時刻t2以降はモータ・ジェネレータ2から正のトルクが出力され、そのトルクが徐々に増大している。そして、時刻t3から時刻t4までの間は、モータ・ジェネレータ2のトルクが一定に制御され、時刻t4以降はモータ・ジェネレータ2のトルクが徐々に減少している。さらに、時刻t5以降はモータ・ジェネレータ2のトルクが「零」に制御され、時刻t5から時刻t7までの間はスロットル開度が徐々に減少し、時刻t7以降は一定の開度に制御されている。 【0062】以上のように、この制御例によれば、加速要求に対応するトルクの不足分を、モータ・ジェネレータ2の制御により確保することが可能か否かが、メインバッテリ32の充電量SOCに基づいて判断されている。そして、モータ・ジェネレータ2の制御により、加速要求に対応する不足分のトルクを確保することが可能と判断された場合は、モータ・ジェネレータ2の電流値の制御により、モータ・ジェネレータ2から出力されるトルク(正のトルク)が増加し、加速要求に対応する駆動力が確保されて加速性が維持される。 【0063】このため、加速要求が生じた場合においても、ロックアップクラッチ23の係合状態から解放状態への切り換え、または自動変速機5の摩擦係合装置の係合・解放によるダウンシフトをおこなう必要がない。したがって、トルク伝達経路を介して車輪3に伝達されるトルクの急激な変動が抑制されてショックを回避することができ、スムーズな加速によりドライバビリティが向上する。 【0064】上記図1のフローチャートにおいて、ステップ103の判断基準として、メインバッテリ32の充電量SOCの他に、モータ・ジェネレータ2自体またはモータ・ジェネレータ2の制御システムが正常であるか否か、またはメインバッテリ32やインバータ33の温度が所定値以下であるか否かなどを用いることも可能である。この場合、所定値はいずれかの電子制御装置に予め記憶されている。なお、この発明は、自動変速機またはトルクコンバータのいずれか一方を備えているハイブリッド車にも適用可能である。また、この発明において、速度変更要求判断手段には、減速要求を判断する機能が含まれており、可否判断手段には、この速度変更判断手段により判断された減速要求に対応する負のトルク(回生制動トルク)を、モータ・ジェネレータの機能により制御することが可能か否かを判断する機能が含まれている。 【0065】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、トルク伝達経路で伝達されるトルクを、速度変更要求に対応してモータ・ジェネレータの機能により制御することが可能な場合と不可能な場合とで、モータ・ジェネレータまたはトルク伝達装置の制御内容が異なる。このため、例えば、モータ・ジェネレータの制御により、速度変更要求に対応するトルクの変更をおこなうことができる場合は、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えがおこなわれない。したがって、トルク伝達経路で伝達されるトルクの急激な変動が抑制されてショックを回避することができ、スムーズな速度変更によりドライバビリティが向上する。 【0066】請求項2の発明によれば、モータ・ジェネレータに電力を供給する電源の充電量に基づいて、加速要求に対応するトルクの増加分をモータ・ジェネレータの制御に発生させることが可能か否かが判断され、その判断結果により、モータ・ジェネレータまたはトルク伝達装置の制御内容が異なる。このため、たとえば、モータ・ジェネレータの制御により、加速要求に対応する不足分のトルクを確保することができる場合は、摩擦係合装置の係合・解放の切り換えがおこなわれない。したがって、トルク伝達経路で伝達されるトルクの急激な変動が抑制されてショックを回避することができ、スムーズな加速によりドライバビリティが向上する。 【0067】請求項3の発明によれば、請求項2の効果に加えて、充電量が所定値以上ある場合は、モータ・ジェネレータの機能のみにより加速要求に対応するトルクの増加分が確保され、充電量が所定値未満であると判断されている場合は通常制御手段の制御内容により加速要求に対応するトルクの増加分が確保される。したがって、電源の充電量に関わりなく、加速要求に応じた駆動力が得られ、ドライバビリティが一層向上する。 【0068】請求項4の発明によれば、請求項2の効果に加えて、加速要求に対応するトルクの増加分をモータ・ジェネレータの機能により得ることができない場合は、通常制御手段の制御内容により加速要求に対応するトルクの増加分が確保される。したがって、電源の充電量に関わりなく、加速要求に応じた駆動力が得られ、ドライバビリティが一層向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月11日(1998.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083998 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 丈夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−152417(P2000−152417A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願平10−321137 |
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