| 【発明の名称】 |
電気自動車 |
| 【発明者】 |
【氏名】渋谷 忠士
【氏名】渡辺 徳行
|
| 【要約】 |
【課題】蓄電池が放電末期なっていても交流入力電圧を低下させないで充電できるようにして急速充電を可能とする。
【解決手段】蓄電池4の正極側と主回路24の正極側入力端子間の正極ライン40に切換スイッチ41を設け、そのスイッチ41の可動接点Cを蓄電池4の正極側に接続し、第1固定接点Mを正極ライン40に接続する。切換スイッチ41の第2固定接点Jには、充電用の降圧チョッパ回路42を接続する。このチョッパ回路42の入力端子は正極ライン40に接続され、チョッパ回路42の負極端子は蓄電池4の負極側と主回路24の負極側入力端子とを結ぶ負極ライン43に接続する。主回路24には切換スイッチ32を介してモータ23および交流入力に接続される。電気自動車21は、蓄電池4−主回路(3相インバータ)24−モータ23の回路を介してモータ23を駆動させて走行させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 交流モータを原動機とし、このモータの駆動に必要な電源を二次電池とする電気自動車において、直流入出力端が前記二次電池に接続され、交流入出力端との間で交流と直流の双方向電力変換を行う電力変換装置と、この電力変換装置の直流入出力端と前記二次電池とを接続する電路に介挿され、二次電池充電モードのときに切り換えられる第1の切換スイッチと、このスイッチの切換により二次電池を降圧モードで充電を行う降圧チョッパ回路と、前記電力変換装置の交流入出力端に設けられ、前記モータ駆動モードのときにモータ側に切り換えられ、二次電池充電モードのときに交流入力電源側に切り換えられる第2の切換スイッチとを備えたことを特徴とする電気自動車。 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車において、降圧チョッパ回路を電気自動車本体の外部に設け、その降圧チョッパ回路を使用して前記二次電池を降圧モードで充電を行うように構成したことを特徴とする電気自動車。 【請求項3】 交流モータを原動機とし、このモータの駆動に必要な電源を二次電池とする電気自動車において、直流入出力端が前記二次電池に接続され、交流入出力端との間で交流と直流の双方向電力変換を行う電力変換装置を設け、この電力変換装置は、3相ブリッジ接続に構成された半導体スイッチング素子からなり、かつ各半導体スイッチング素子には逆並列接続されたダイオードを設け、または各半導体スイッチング素子に内蔵してある逆並列接続されたダイオードを利用して前記3相ブリッジ接続に構成された半導体スイッチング素子の3相ブリッジのうち2相の交流入出力端をそれぞれ第2の切換スイッチの二つの接点を介して交流入力電源側に接続して二次電池充電モードとするとともに、残りの1相をチョッパ動作モードとしてさらに第2の切換スイッチの残りの一つの接点から直流リアクトルを介して二次電池を降圧モードで充電を行うようにしたことを特徴とする電気自動車。 【請求項4】 前記請求項3記載の電気自動車において、直流リアクトルを電気自動車本体の外部に設け、その直流リアクトルを使用して前記二次電池を降圧モードで充電するように構成したことを特徴とする電気自動車。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、充電制御機能を内蔵させた電気自動車に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車は、モータを原動機とし、その電源に二次電池(蓄電池)が搭載され、モータ制御装置によるモータ制御がなされる。このため、電気自動車は、内燃機関を原動機とする従来の自動車に必要なガソリン等の燃料を給油するのとは異なり、搭載した蓄電池を充電する充電装置を必要とする。このため、従来の電気自動車は、搭載した蓄電池を充電するための充電設備が、特定の場所に設置(据置)されるため、蓄電池の充電を必要とするときには、該充電設備の設置場所まで移動させなければならなかった。 【0003】従って、従来の電気自動車では、充電装置の設置場所までの移動に手間取る問題があった。この問題を解決するには、電気自動車に充電装置を搭載し、一般家庭や営業所に配電される商用の交流電源から充電電力を取り込めるようにすることが考えられるようになってきた。このような考えの元に充電制御機能を内蔵させた電気自動車が開発されるようになってきた。 【0004】図6は充電制御機能を内蔵させた電気自動車の構成図で、この図6において、電気自動車21は、蓄電池4を電源として搭載し、蓄電池4の直流電力を電力変換装置22によって交流電力に変換し、この交流電力を交流モータ(IM)23に供給することで交流モータ23を駆動し、走行のための駆動力を、このモータ23から得る。 【0005】このための電力変換装置22は、半導体スイッチング素子で構成された主回路24を、例えばPWM制御し、電圧及び周波数制御された交流電力を得てモータ23に供給する。この主回路24の制御は、モータ制御回路25によって行われ、走行速度信号等からなるモータ指令と電圧検出器26からのモータ23への印加電圧検出信号との突き合わせによってフィードバック制御される。 【0006】ここで、電力変換装置22は、双方向電力変換装置として機能させ、蓄電池4からの直流電力を交流電力に変換してモータ23に供給するモータ駆動モードと、交流入力からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池4に供給する蓄電池充電モードの両機能を持たせる。 【0007】この両機能のうち、蓄電池充電モードは、充電制御回路27による主回路24のPWMゲート制御でなされ、この制御には電流検出器28による交流入力検出電流と電圧検出器29による蓄電池充電電圧とにより定電流・定電圧充電方式等によって充電電流,電圧制御がなされる。このとき、主回路24は、例えば昇圧整流制御によって交流・直流変換される。 【0008】主回路24に対するモータ駆動モードでのゲート制御と蓄電池充電モードでのゲート制御は、ゲート切換回路30によって切り換えられ、このモード切換制御は、切換制御部31と切換スイッチ32と電圧検出器33によって構成されている。切換スイッチ32は、電力変換装置22の交流入出力端Aへの接続を、モータ23と外部交流電源ライン34との切り換えを行い、電圧検出器33は交流電源ライン34への外部交流電源接続を検出する。切換制御部31は交流電源ライン34への交流電圧印加を電圧検出器33で検出したときに、切換スイッチ32をライン34側に切り換えると共にゲート切換回路30を充電制御回路側へ切り換える。なお、電圧検出器33は省略し、切換制御部31の切換指令スイッチを手動で切り換える構成やライン34への交流電源接続操作で切り換える構成でも良い。 【0009】電気自動車21への外部交流電源印加は、商用の交流電源35から絶縁トランス36及びLCフィルタ37を通してコネクタ接続でなされる。この場合、絶縁トランス36及びフィルタ37は充電制御のためのリアクトルとしても利用されるが、電気自動車21内に実装し、交流電源35へ接続する構成でも良い。 【0010】また、電気自動車21の走行時には、電力変換装置22をモータ駆動モードによって制御し、蓄電池4からの直流電力を電力変換装置22によって交流電力に変換し、モータ23の速度制御等を行う。 【0011】一方、蓄電池4の充電には電力変換装置22を蓄電池充電モードによって制御し、交流電源35からの交流電力を電力変換装置22によって直流電力に変換し、蓄電池4の充電を行う。従って、電力変換装置22は、電気自動車21のモータ駆動のほかに蓄電池4の充電器として利用する。これにより、電気自動車21には蓄電池充電のための専用の充電器を設けることを不要とし、切換スイッチ32や充電制御回路27などの回路要素を設けることで済むようになる。なお、38は直流コンデンサである。 【0012】図7は上記図6の概略構成図で、主回路24は、半導体スイッチング素子S1〜S6から構成されている電力変換装置22である。この図7において、電気自動車21が走行する場合には、切換スイッチ32をモータ23側(M)に、充電時には、交流入力側(J)に選択切換させ、電気自動車21の主回路24に対するモータ駆動モードでのゲート制御機能と、蓄電池充電モードでのゲート制御機能を内蔵させて、経済的な充電システムとしたものである。なお、主回路24を構成する半導体スイッチング素子S1〜S6には、逆並列のダイオードD1〜D6(このダイオードは半導体スイッチング素子に内蔵されているものでも良い)が接続されている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】前述した図6,図7の主回路24には、通常半導体スイッチング素子S1〜S6と逆並列ダイオードD1〜D6による3相インバータ/コンバータ回路となる電力変換装置が使用され、電気自動車21の走行時には、主回路24がインバータ動作し、充電時には、主回路24がコンバータ動作する。特に、主回路24がコンバータ動作する時には、「交流電圧を整流して昇圧しながら充電」する方式を用いる。このため、交流入力を整流した電圧(1.35×交流入力実効値)は、蓄電池4の放電末期電圧以上に設定させることができない問題がある。 【0014】また、電気自動車21の蓄電池4は、満充電時と放電末期でかなりの電圧差が生じるため、交流入力を放電末期に合わせて低い値に設定する。すると、充電時には、電流が増加してしまう問題があり、不経済な回路になってしまう。 【0015】さらに、蓄電池4等に短絡事故が発生した場合には、短絡電流が、主回路24を構成する半導体スイッチング素子S1〜S6に逆並列されたダイオードD1〜D6を通して流れるため、主回路24の保護ができない問題がある。 【0016】この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、蓄電池が放電末期なっていても交流入力電圧を低下させないで充電できるようにして急速充電を可能とするとともに、蓄電池に短絡事故が発生しても主回路の保護を図ることができる電気自動車を提供することを課題とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を達成するために、第1発明は、交流モータを原動機とし、このモータの駆動に必要な電源を二次電池とする電気自動車において、直流入出力端が前記二次電池に接続され、交流入出力端との間で交流と直流の双方向電力変換を行う電力変換装置と、この電力変換装置の直流入出力端と前記二次電池とを接続する電路に介挿され、二次電池充電モードのときに切り換えられる第1の切換スイッチと、このスイッチの切換により二次電池を降圧モードで充電を行う降圧チョッパ回路と、前記電力変換装置の交流入出力端に設けられ、前記モータ駆動モードのときにモータ側に切り換えられ、二次電池充電モードのときに交流入力電源側に切り換えられる第2の切換スイッチとを備えたことを特徴とするものである。 【0018】第2発明は、前記降圧チョッパ回路を電気自動車本体の外部に設け、その降圧チョッパ回路を使用して前記二次電池を降圧モードで充電を行うように構成したことを特徴とするものである。 【0019】第3発明は、交流モータを原動機とし、このモータの駆動に必要な電源を二次電池とする電気自動車において、直流入出力端が前記二次電池に接続され、交流入出力端との間で交流と直流の双方向電力変換を行う電力変換装置を設け、この電力変換装置は、3相ブリッジ接続に構成された半導体スイッチング素子からなり、かつ各半導体スイッチング素子には逆並列接続されたダイオードを設け、または各半導体スイッチング素子に内蔵してある逆並列接続されたダイオードを利用して前記3相ブリッジ接続に構成された半導体スイッチング素子の3相ブリッジのうち2相の交流入出力端をそれぞれ第2の切換スイッチの二つの接点を介して交流入力電源側に接続して二次電池充電モードとするとともに、残りの1相をチョッパ動作モードとしてさらに第2切換スイッチの残りの一つの接点から直流リアクトルを介して二次電池を降圧モードで充電を行うようにしたことを特徴とするものである。 【0020】第4発明は、前記直流リアクトルを電気自動車本体の外部に設け、その直流リアクトルを使用して前記二次電池を降圧モードで充電するように構成したことを特徴とするものである。 【0021】 【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面に基づいて説明するに、図6、図7と同一部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。図1はこの発明の実施の第1形態を示す概略構成図で、蓄電池4の正極側と主回路24の正極側直流入出力端子間の正極ライン40に切換スイッチ41を設ける。この切換スイッチ41の可動接点Cは蓄電池4の正極側に接続され、第1固定接点Mは正極ライン40に接続される。切換スイッチ41の第2固定接点Jは、図2に示すような回路構成の充電用の降圧チョッパ回路42に接続される。この降圧チョッパ回路42の入力端子は正極ライン40に接続され、チョッパ回路42の負極端子は蓄電池4の負極側と主回路24の負極側直流入出力端子とを結ぶ負極ライン43に接続される。 【0022】なお、図中の交流入力側(J)には、コンデンサ38を予備充電するための予備充電回路、主回路24をPWMコンバータとして動作させて使用するときの交流フィルタ回路、電圧マッチングまたは絶縁のための絶縁トランス等が必要であるが、これらを図示省略してある。 【0023】ここで、図2の降圧チョッパ回路42について述べる。このチョッパ回路42は、半導体スイッチング素子42a、直流リアクトル42b、ダイオード42cから構成され、半導体スイッチング素子42aは正極ライン40に、ダイオード42Cは負極ライン43に、直流リアクトル42bは切換スイッチ41の第2固定接点Jにそれぞれ接続される。 【0024】次に上記第1形態における電気自動車21の走行時の動作について述べる。まず、切換スイッチ32の可動接点Iおよび切換スイッチ41の可動接点Cを、それぞれ固定接点Mに切り換えて、蓄電池4−主回路(3相インバータ)24−モータ23が接続される回路を選択し、3相インバータでモータ23を駆動して電気自動車21を走行させる。 【0025】次に第1形態における充電時の動作について述べる。充電時には、切換スイッチ32の可動接点Iおよび切換スイッチ41の可動接点Cを、それぞれ固定接点Jに切り換えて、主回路24の3相インバータを昇圧形のPWMコンバータとして動作させ、コンデンサ38を充電させる。その後、降圧チョッパ回路42でコンデンサ38から蓄電池4に降圧モードで充電を行う。このため、蓄電池4が放電末期になっていても交流入力電圧を下げないで、蓄電池4の充電を行うことができるようになり、これにより急速充電を行うことが可能となる。 【0026】上記第1形態は3相インバータをPWMコンバータとして動作させて蓄電池を充電する場合であるが、3相インバータを構成する半導体スイッチング素子に逆並列されているダイオードを単なる3相整流器(このとき、半導体スイッチング素子S1〜S6は全てオフさせる)として動作させて蓄電池を充電させるようにしても良い。 【0027】図3はこの発明の実施の第2形態を示す概略構成図で、この第2形態は主回路24を構成する3相インバータを単相のPWMコンバータとして動作させて蓄電池を充電するようにしたもので、この回路で充電すると第1形態よりも経済的な回路となる利点がある。図3において、3相インバータとモータ23とを接続する3相の各電路に切換スイッチ32a,32b,32cを介挿し、各可動接点Iをインバータの各アームに接続し、固定接点Mをモータ23に接続する。そして、切換スイッチ32a,32bの他の固定接点J1,J2は交流入力側JのJ1,J2端子に接続し、切換スイッチ32cの他の固定接点J3は、充電用の直流リアクトル44を介して切換スイッチ41の第2固定接点Jに接続する。 【0028】上記のように構成された第2形態において、電気自動車21の走行時の動作は、前記第1形態の場合と同様に行われるので、その説明は省略する。ここでは、第2形態における充電時の動作について述べる。充電時には、切換スイッチ32a、32bの可動接点Iは固定接点J1,J2に接続されるので、交流入力は切換スイッチ32a,32bを介して主回路24を構成する3相インバータの2相のアームに供給される。このため、コンデンサ38は、昇圧形の単相コンバータモードの制御で充電される(半導体スイッチング素子S1〜S4による単相コンバータ)。 【0029】一方、インバータの他の1相(半導体スイッチング素子S6に逆並列接続されたダイオード)はチョッパ回路として動作させるようにする。この1相の出力は、切換スイッチ32c−直流リアクトル44−切換スイッチ41を介して蓄電池4に供給されるため、降圧充電ができるようになり、前記第1形態と同様な効果が得られる。なお、その他の機能は第1形態と同様に行われる。 【0030】図4はこの発明の実施の第3形態を示す概略構成図で、この第3形態は、前記第2形態において、直流リアクトル44を電気自動車21内に設けていたものを、電気自動車21の車体外部に設けるようにしたものである。このため、第3形態では、電気自動車21に端子J3、J4を設け、端子J3には切換スイッチ32cの固定接点J3を接続し、端子J4には切換スイッチ41の固定接点Jを接続するように構成する。このように構成することにより、第2形態と同様の機能が得られる。 【0031】図5はこの発明の実施の第5形態を示す概略構成図で、この第5形態は、前記第1形態において設けた降圧チョッパ回路42を、電気自動車21の車体外部に設けるように電気自動車21に端子J,N,Pを設けたものである。端子Jには切換スイッチ41の固定接点Jを接続し、端子Nには負極ライン43を接続し、端子Pには正極ライン40をそれぞれ接続する。また、端子J1,J2,J3には交流入力が供給される。 【0032】 【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、電気自動車の蓄電池の満充電と放電末期で大きな差があったとしても充電用の交流電圧を低下させないで充電できるために、急速充電が可能となる。また、経済的な回路で実現できる利点もある。さらに、蓄電池等に短絡事故が発生したとしても、降圧チョッパ回路で電流制御ができるために、主回路の保護を図ることできる。さらに、環境の面でもPWMコンバータの制御により交流電源側に対して力率の向上、高調波電流の低減等を図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006105 【氏名又は名称】株式会社明電舎 【識別番号】591031212 【氏名又は名称】北斗電工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年11月10日(1998.11.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−152408(P2000−152408A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願平10−318495 |
|