| 【発明の名称】 |
パンタグラフの損傷検知システム |
| 【発明者】 |
【氏名】長沢 広樹
【氏名】土屋 広志
【氏名】村上 賢一
【氏名】中東 文賢
【氏名】早川 良和
【氏名】杣 謙一郎
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| 【要約】 |
【課題】軽微な損傷は検知せずに重大な損傷は必ず検知することができると共にパンタグラフの動きを妨げないパンタグラフのすり板損傷検知システムを提供する。
【解決手段】パンタグラフの上部に光ファイバ5を設け、この光ファイバ5に光を伝搬させておき、この光の伝搬が断たれたことをもって前記パンタグラフが損傷したことを検知する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パンタグラフの上部に光ファイバを設け、この光ファイバに光を伝搬させておき、この光の伝搬が断たれたことをもって前記パンタグラフが損傷したことを検知することを特徴とするパンタグラフの損傷検知システム。 【請求項2】 前記光ファイバをすり板若しくは舟板に沿わせて設けたことを特徴とする請求項1記載のパンタグラフの損傷検知システム。 【請求項3】 前記光ファイバをすり板の下面より上に位置させたことを特徴とする請求項1又は2記載のパンタグラフの損傷検知システム。 【請求項4】 前記光ファイバを一対のすり板若しくは舟板の一方から他方へ渡らせてループを形成したことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のパンタグラフの損傷検知システム。 【請求項5】 前記光ファイバをパンタグラフの枠体に沿わせてパンタグラフ下部まで引き回したことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のパンタグラフの損傷検知システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パンタグラフがトロリ線との摩擦で損傷したことを検知するシステムに係り、特に、軽微な損傷は検知せずに重大な損傷は必ず検知することができると共にパンタグラフの動きを妨げないパンタグラフの損傷検知システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】パンタグラフの伸縮する枠体の上部には、舟体が設けられ、この舟体上にすり板が取り付けられている。すり板や舟体はトロリ線との摩擦で損傷するため、この損傷を検知するシステムが従来より考案されている。 【0003】例えば、すり板と舟体との間、或いはすり板の内部に、圧力を加えた空気を通しておき、すり板が損傷したとき空気の漏れによる圧力低下が生じることをもって損傷を検知するシステムがある。これを空気式システムと呼ぶことにする。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】空気式システムでは、すり板に例えばひび割れが生じると、空気が漏れるので、損傷が検知される。しかし、実用的には、すり板にひび割れがあっても、舟体がトロリ線に接触することはないので、パンタグラフの運用の支障にはならない。損傷検知の主たる目的は、トロリ線の損傷を防ぐことであり、このためには舟体がトロリ線に接触した状態が長く続くことを回避すればよい。即ち、すり板にひび割れが生じた程度の軽微な損傷は検知する必要がなく、舟体が損傷するような重大な損傷だけを確実に検知することが望ましい。 【0005】また、空気式システムでは、空気をすり板まで送るための配管が必要であるが、この配管がたわみにくいために、パンタ昇降部(枠体)の伸縮の妨げになる。 【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、軽微な損傷は検知せずに重大な損傷は必ず検知することができると共にパンタグラフの動きを妨げないパンタグラフの損傷検知システムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、パンタグラフの上部に光ファイバを設け、この光ファイバに光を伝搬させておき、この光の伝搬が断たれたことをもって前記パンタグラフが損傷したことを検知するものである。 【0008】前記光ファイバをすり板若しくは舟板に沿わせて設けてもよい。 【0009】前記光ファイバをすり板の下面より上に位置させてもよい。 【0010】前記光ファイバを一対のすり板若しくは舟板の一方から他方へ渡らせてループを形成してもよい。 【0011】前記光ファイバをパンタグラフの枠体に沿わせてパンタグラフ下部まで引き回してもよい。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。 【0013】図1に示されるように、パンタグラフは、車両の上部に設けられている碍子1の上に枠体2を設け、その枠体2の上部に舟体3を設け、この舟体3上にすり板4を設けたものである。枠体2は、菱形に組むことによって上下方向に伸縮自在に形成されている。舟体3及びすり板4は、トロリ線(図示せず)と直交するように車両の横断方向に長く形成されている。舟体3及びすり板4は、車両の前後方向に所定の間隔を隔てて2体が一対となるように設けられている。 【0014】本発明のすり板損傷検知システムは、パンタグラフの上部に光ファイバ5を設けたものであり、この実施形態では、すり板4に沿わせてすり板4の一端から他端に延びる光ファイバ5が設けられている。光ファイバ5は、すり板4の上面より下に位置させればよいが、すり板4の下面より上、即ち舟体3の上面より上に位置させるのが好適であり、ここではすり板4の内部にすり板を長手方向に貫通する貫通孔6が設けられて、この貫通孔6に光ファイバ5を通してある。また、舟体3の両端に隆起部が形成され、すり板4はこの隆起部間を埋めるように設けられるので、隆起部にも貫通孔6に連なるように貫通孔が設けられ、さらに、2体の舟体3間を繋ぐ連結部にも貫通孔が設けられている。 【0015】光ファイバ5には、トロリ線とすり板4との摩擦やアークによる温度上昇に耐えられる耐熱光ファイバを用いるとよい。 【0016】光ファイバ5は、一方のすり板4の他端から他方のすり板4の他端へ渡らせてあり、さらに他方のすり板4の他端から一端へ延ばされている。このようにして、光ファイバ5は、片側が閉じてないループに形成されている。この光ファイバ5は、パンタグラフの枠体2に沿わせてパンタグラフ下部まで引き回され、碍子1の内部を貫通して車両内に導かれている。車両内では、光ファイバ5の2つの端部が断線検知部7に接続されている。 【0017】断線検知部7は、光ファイバ5の一方の端部から他方の端部へと光を伝搬させておき、この光の伝搬が断たれたことをもってパンタグラフが損傷したことを検知するものである。断線検知部7の回路構成を図2に示す。 【0018】図2に示されるように、断線検知部は、光信号の有無で作動する光電スイッチ21を用いて構成されている。光電スイッチ21は、直流電源22で駆動される図示されない光信号源を内蔵すると共に光信号で開閉される内部スイッチ23を内蔵し、この光信号源に光ファイバ5の一方の端部を接続し、光ファイバ5の他方の端部を内部スイッチ23の開閉操作部に接続したものである。ここでは、開閉操作部に光信号が入力されると内部スイッチ23の2つの出力端間が非導通となり、開閉操作部に光信号が入力されないと内部スイッチ23の2つの出力端間が導通となるような論理が構成されている。内部スイッチ23の出力端には、リレー24の動作コイルを介して交流電源25が接続されており、この交流電源25にはリレー24のメーク接点と警報ブザ26とが直列をなして接続されている。即ち、内部スイッチ23の出力端間が非導通であれば、警報ブザ26が奏鳴されず、内部スイッチ23の出力端間が導通であれば、警報ブザ26が奏鳴されるような論理が構成されている。なお、光電スイッチ21の論理とリレー24の論理は図示のものに限らず、光ファイバ5のループを伝搬した光信号が戻ってくれば、警報ブザ26が奏鳴されず、戻ってこなければ警報ブザ26が奏鳴されるような組み合わせとすればよい。また、光電スイッチ21、リレー24、警報ブザ26の電源は図示のものに限らず、それぞれ直流電源でも交流電源でもよい。 【0019】この損傷検知システムにおいて、すり板4が全く損傷していない場合、断線検知部7の光信号源から発した光信号は、一対のすり板4を往復して配線された光ファイバ5のループを伝搬して内部スイッチ23まで戻ってくる。従って、警報ブザ26は奏鳴されない。即ち、パンタグラフが損傷したことは検知されない。すり板4はトロリ線との摩擦によって損傷するが、この損傷が貫通孔6に達するまでは、光ファイバ5には影響が及ばないため、光信号が内部スイッチ23まで戻り、いぜんとして、警報ブザ26は奏鳴されず、パンタグラフが損傷したことは検知されない。しかし、すり板4が貫通孔6のところまで損傷してくると、トロリ線が光ファイバ5に接触し、光ファイバ5は切断される。ここで重要な点は、光ファイバ5が舟体3の上面より上に位置されていることである。これにより、トロリ線が舟体3に接触するよりも前に必ず光ファイバ5が切断される。 【0020】このようにして光ファイバ5が切断されると、光信号が内部スイッチ23に戻ってこないため、警報ブザ26が奏鳴される。従って、車両内の作業者は、すり板4が貫通孔6のところまで損傷したことを知ることができる。パンタグラフの運用の支障にはならないような軽微な損傷は無視され、トロリ線が舟体3に接触するような重大な損傷に至る以前に損傷が検知されるので、トロリ線の損傷を未然に防ぐことができる。 【0021】本発明には電気的絶縁性の高い光ファイバ5を用いているので、パンタグラフ等の電気系統に不具合を招くことのない損傷検知システムが実現される。また、光ファイバ5は可撓性に富んでいるので、パンタグラフに機械的な不具合を招くこともない。 【0022】次に、本発明の他の実施形態を説明する。 【0023】図3に示された損傷検知システムは、パンタグラフ部分の構成は図1のものと同じであるから説明は省略するが、パンタグラフ下部において、光ファイバ5は、パンタグラフ用の導体8に沿わせて配線され、車両端部のケーブルヘッド9に固定された光ファイバ通線用の碍子10を通して車両内に導かれている。11は碍子固定金具である。 【0024】図4は、上面から見た光ファイバの配線形態であり、図4(a)に示されるように、光ファイバ5はすり板4の側部に配置し、一対のすり板4に挟まれた内側でループを形成している。また、図4(b)に示されるように、光ファイバ5はすり板4の側部に配置し、一対のすり板4のそれぞれ外側にループを形成している。いずれの場合も、光ファイバ5の上下方向の位置は、すり板4の上面より下で、舟体3の上面より上であることが重要である。 【0025】図5に示されるように、光ファイバ5をすり板4の側部に固定する場合に、光ファイバ5をパイプ状の保護管41で覆い、この保護管41をすり板4の側部に押え金具42で押さえ、さらに保護管41を舟体3の両端の隆起部の側部に金属ホルダ43で固定するとよい。この構成によれば、光ファイバ5は舟体3の隆起部間の上面より上に位置し、トロリ線は隆起部間ですり板4に接触しているので、すり板4が損傷してもトロリ線が舟体3に接触する前に光ファイバ5が断線する。また、光ファイバ5がトロリ線に接触して断線するためには、光ファイバ5がある程度の張力で張られていることが必要であるが、図5の構成によれば、光ファイバを覆う保護管41が押え金具42及び金属ホルダ43で固定されているので、好適である。また、光ファイバ5が保護管41で覆われているので、トロリ線でないものによる損傷を受けることがない。なお、保護管41は舟体3の隆起部までとし、すり板4のある隆起部間では光ファイバ5を露出させてもよい。 【0026】なお、以上の実施形態では、光ファイバ5をすり板4の下面より上に位置させることによって、トロリ線が舟体3に接触する前に光ファイバ5が断線するようにしたが、光ファイバ5をすり板4の下面より下、例えば舟体3の内部、側面或いは下面に位置させてもよい。この場合、すり板4のみが損傷したことは検出せず、すり板4と同時に舟体3が損傷したこと、或いはすり板4のみが損傷したのち舟体3が損傷したことを検出することになる。従って、すり板4のみが損傷し舟体3がトロリ線に接することにより、舟体3を介して給電が行われる状態が一時的には生じるが、やがて舟体3が損傷するので舟体3がトロリ線に接触した状態が長く続くことは回避できる。 【0027】 【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮する。 【0028】(1)光ファイバは可撓性に富んでいるので、パンタグラフに取り付けてもパンタグラフの動きを妨げない。また、光ファイバは電気的絶縁性にも優れているので、電気系統の障害にならない。 【0029】(2)すり板にひび割れが生じた程度の軽微な損傷は検知しないが、舟体がトロリ線に接触して損傷するような重大な損傷は確実に検知することができるので、従来のものより実用的である。 【0030】(3)光ファイバをループにすることにより、一対のすり板若しくは舟体のいずれか一つが損傷したとき検出できる。また、光信号源と光電スイッチとが一箇所に配置できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所 【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月13日(1998.11.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068021 【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−152406(P2000−152406A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願平10−323897 |
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