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【発明の名称】 リレー回路
【発明者】 【氏名】伊東 知

【氏名】秋山 弘之

【氏名】能見 誠

【要約】 【課題】2出力の組み合わせにより動作が定義されている保安上重要な信号出力に対し、断線時に安全側に動作するフェイルセーフ性を持たせ、列車システムの安全性を向上させることにある。

【解決手段】信号装置1の出力信号をブレーキ装置4に伝達する出力部を11,12設け、信号装置の保安上重要な信号が2出力の組み合わせにより指令されるリレー回路であって、第一の出力11が「ロー」かつ第二の出力12が「ハイ」のときに危険側動作、第一の出力が「ハイ」かつ第二の出力が「ロー」のときに安全側動作が指令される場合に、第一の出力に接続される第一のリレーコイル21の他端を電源側に接続し、第二の出力に接続される第二のリレーコイル31の他端を接地側に接続すると共に、第一のリレーの接点22と第二のリレーの接点32を直列接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 信号装置の出力信号をブレーキ装置または他機器に伝達する出力部を設け、前記信号装置の保安上重要な信号が2出力の組み合わせにより指令されるリレー回路であって、第一の出力が「ロー」かつ第二の出力が「ハイ」のときに危険側動作、第一の出力が「ハイ」かつ第二の出力が「ロー」のときに安全側動作が指令される場合に、第一の出力に接続される第一のリレーコイルの他端を電源側に接続し、第二の出力に接続される第二のリレーコイルの他端を接地側に接続すると共に、第一のリレーの接点と第二のリレーの接点を直列接続することを特徴とするリレー回路。
【請求項2】 請求項1において、第一のリレーの接点と第二のリレーの接点は、それぞれ第一のリレーコイル、第二のリレーコイルに電流が流れたとき閉じ、電流が流れないとき開くことを特徴とするリレー回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の車載の信号装置とブレーキ装置または他機器との間に接続される制御や保護を行うリレー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】この種リレー回路として、保安上重要な信号に従来からよく用いられているリレー回路の構成を図4に示す。図4は、信号装置1から出力される非常ブレーキ信号をリレー2を介してブレーキ装置4に伝達する場合を示している。信号装置1の出力端子11とリレー2のコイル21は電線51により接続され、また、リレーコイル21の他端は電線52により接地端子に接続されている。また、リレー2の接点22は、1端を電線55により電源と、他端を電線56によりブレーキ装置4と接続されている。このようなリレー回路において、出力端子11の出力がハイの場合に非常ブレーキでなく、ローの場合に非常ブレーキと定義すると、万一リレーコイル21や、電線51、52、55、56が断線した場合にはブレーキ装置4に非常ブレーキが指令され、列車は停止するという、いわゆるフェイルセーフ性を持たせることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、輸入品の信号装置の場合、保安上重要でフェイルセーフとすべき信号の出力に、2つの出力端子を組み合わせて出力するリレー回路がある。図2にその動作の例を示す。2出力を互い違いに組み合わせ、指令を行うものである。
(イ)第一の出力端子11がローで第二の出力端子12がハイの場合に「非常ブレーキでない」、(ロ)第一の出力端子11がハイで第二の出力端子12がローの場合に「非常ブレーキ」、その他の組み合わせは(ハ)(ニ)、信号装置1の故障であるから、「非常ブレーキ(異常動作)」となる。このような信号装置1の2出力に対し、図4と同様の接続を行うと、図3に示すリレー回路となる。図3において、信号装置1の出力端子11とリレー2のコイル21は電線51により接続され、リレーコイル21の他端は電線52により接地端子に接続されている。また、信号装置1の出力端子12とリレー3のコイル31は電線53により接続され、リレーコイル31の他端は電線54により接地端子に接続されている。リレー2の接点22(b接点)とリレー3の接点32は電線56を介して直列接続され、接点22の1端を電線57によりブレーキ装置4に、また、接点32の1端を電線55により電源に接続している。このようなリレー回路において、(イ)第一の出力端子がロー、第二の出力端子がハイの動作状態のときに、第一の出力端子11に接続した電線51もしくはリレーコイル21が断線した場合に、第一の出力端子11がローのままとなり、、非常ブレーキがかからない状態となっている。これだけでは直ちに危険となるわけではないが、第一の出力端子側の断線に気づかないまま、第二の出力端子側にハイを出し続けるような誤動作が発生すると、第一の出力端子がロー、第二の出力端子がハイとなり、非常ブレーキを指令しても非常ブレーキが動作しないという非常に危険な状況になる。従って、このような構成は安全上問題がある。
【0004】本発明の課題は、2出力の組み合わせにより動作が定義されている保安上重要な信号出力に対し、断線時に安全側に動作するフェイルセーフ性を持たせるリレー回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、信号装置の第一の出力端子に接続されるリレーコイルの他端を電源側に、第二の出力端子に接続されるリレーコイルの他端を接地側に接続すると共に、両者の接点を直列接続することにより、解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すリレー回路である。このリレー回路は、信号装置1からブレーキ装置4への非常ブレーキ指令に関する回路である。信号装置1は、非常ブレーキ指令のために第一の出力端子11と第二の出力端子12を有する。第一の出力端子11には電線51を介してリレー2のコイル21を接続し、その他端は電線52により電源側に接続する。また、第二の出力端子12には電線53を介してリレー3のコイル31を接続し、その他端は電線54により接地側に接続する。また、電源側から電線55を介してリレー3の接点32を接続し、接点32の他端を電線56を介してリレー2の接点22(a接点)に接続し、さらにその他端を電線57によりブレーキ装置4に接続する。
【0007】ここで、信号装置1の出力端子11、12の出力とブレーキ装置4の動作は図2のように定義されている。即ち、(イ)第一の出力端子11がローで第二の出力端子12がハイの場合に「非常ブレーキでない」(危険側動作)、(ロ)第一の出力端子11がハイで第二の出力端子12がローの場合に「非常ブレーキ」(安全側動作)、その他の組み合わせは(ハ)(ニ)、信号装置1の故障であるから、「非常ブレーキ(異常動作)」とする。
【0008】本実施形態において、電源を例えば100Vとしたとき、信号装置1の出力端子11が0V(ロー)、第二の出力端子12が例えば100V(ハイ)の場合、リレー2のコイル21とリレー3のコイル31にはいずれも電流が流れるため、それらの接点22と32を閉じ、ブレーキ装置4を付勢して「非常ブレーキでない」という指令を発する。一方、信号装置1の出力端子11が100V(ハイ)、第二の出力端子12が0V(ロー)の場合、リレー2のコイル21とリレー3のコイル31にはいずれも電流が流れないため、それらの接点22と32を開き、ブレーキ装置4を消勢して「非常ブレーキ」という指令を発する。いま、(イ)第一の出力端子がロー、第二の出力端子がハイの動作状態のときに、第一の出力端子11に接続される電線51、リレーコイル21、電線52が断線した場合、リレー2のコイル21には電流が流れないため、その接点22が開き、ブレーキ装置4を消勢して「非常ブレーキ」が指令され、列車を停止する。この場合、第一の出力端子側の断線に気づかないまま、第二の出力端子側にハイを出し続けるような誤動作が発生しても、リレー2の接点22が開いているため、非常ブレーキが動作しないという危険な状況にはならない。また、第二の出力端子12に接続される電線53、リレーコイル31、電線54が断線した場合、リレー接点32が開き、ブレーキ装置4を消勢して「非常ブレーキ」が指令され、列車を停止する。この場合、第二の出力端子側の断線に気づかないまま、第一の出力端子側にローを出し続けるような誤動作が発生しても、リレー3の接点32が開いているため、非常ブレーキが動作しないという危険な状況にはならない。
【0009】以上は、非常ブレーキ指令を本発明の実施形態として説明したが、本発明は、非常ブレーキ指令の外に保安上重要な信号に関わりが深く、当然ながら他の保安上重要な信号、例えば扉開閉の制御に関する信号についても、同様の構成を適用することができる。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、保安上重要な信号が2出力の組み合わせにより指令されるリレー回路において、第一および第二の出力端子に接続されるリレーコイルあるいは電線のいずれかが断線した場合には、必ずリレー接点が開き、安全側に動作するフェイルセーフ性を持たせる安全側動作、例えばブレーキ装置に対する非常ブレーキを指令することができ、列車システムの安全性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成10年11月12日(1998.11.12)
【代理人】 【識別番号】100099302
【弁理士】
【氏名又は名称】笹岡 茂 (外1名)
【公開番号】 特開2000−152401(P2000−152401A)
【公開日】 平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願番号】 特願平10−338464