| 【発明の名称】 |
内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式 |
| 【発明者】 |
【氏名】堀江 竜郎
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| 【要約】 |
【課題】ガバナ出力信号(機関に対する燃料供給量)と機関の回転数より検出した機関出力を用いて電気式トルクコンバータの出力を制御し、機関の加速不良、機関停止、発煙等の発生を防止することにある。
【解決手段】内然機関10と、その機関にガバナ指令信号に対するガバナの燃料供給状態を示すガバナ出力信号を発生するガバナ2と、その機関を動力とする交流発電機4を備え、発電機出力によって直接的または間接的に負荷電動機9のトルク、速度を制御する電気的トルクコンバータであって、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで機関出力を算出する手段4と、負荷電動機の入力電力を検出する手段10と、負荷電動機の入力電力が機関出力以上とならないように交流発電機の界磁電流を制限する手段12を有し、電気的トルクコンバータの出力を機関出力に対応して制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内然機関と、その機関にガバナ指令信号に対するガバナの燃料供給状態を示すガバナ出力信号を発生するガバナと、その機関を動力とする交流発電機を備え、前記発電機出力によって直接的または間接的に負荷電動機のトルク、速度を制御する電気的トルクコンバータであって、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで機関出力を算出し、前記負荷電動機の入力電力が前記機関出力以上とならないように前記交流発電機の界磁電流を制限し、前記電気的トルクコンバータの出力を前記機関出力に対応して制御することを特徴とする内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式。 【請求項2】 内然機関と、その機関にガバナ指令信号に対するガバナの燃料供給状態を示すガバナ出力信号を発生するガバナと、その機関を動力とする交流発電機を備え、前記発電機出力によって直接的または間接的に負荷電動機のトルク、速度を制御する電気的トルクコンバータであって、前記負荷電動機を駆動する交流変換手段を設け、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで算出した機関出力と前記負荷電動機の入力電力に基づいて前記負荷電動機の入力電力が前記機関出力以上とならないように前記交流変換手段を制御することを特徴とする内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式。 【請求項3】 請求項1または請求項2において、ガバナ出力信号と機関回転数に加えて機関回転数の変化率をとり込んで機関出力の変化パターンを予測し、その値で電気的トルクコンバータの制御のおくれを補正することを特徴とする内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に、ディゼル機関を用いた機関車、ハイブリット電気自動車、建設作業車、防衛関係車両など、機関を可変速運転する車両に適用可能な内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のディゼル電気機関では、ガバナ出力信号を電動機制御に適用した例はない。したがって、従来のガバナは、ガバナ指令に対して機関の回転数の関係において、燃料の供給量を機関に合うようにコントロールするため、ガバナの状態と発電機出力や制御装置との関連が極めてうすい。また、デイゼル電気機関車は、ほとんどがオールスピードガバナを使用しているため、定常時には電気回路で吸収する動力量に合せてガバナが作動して、機関回転数を一定にするように燃料の供給量を変えている。したがって、機関の各回転数における機関の出力値が電気制御側では判らないため、機関の過負荷防止のため、電動機は直流直巻電動機を用い、機関出力に対して直流直巻電動機の定出力特性を利用している。しかしながら、直流直巻電動機のコスト高と動作の安定性を期待することが困難である。従来のハイブリット式の電気自動車の技術は、その目的がNOx等の削減であることから、最もNOxが少ない条件で運転する必要があり、常に一定回転で運転するものと考えられる。したがって、これは可変速運転を行なう技術とは別の制御技術である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述したコスト問題およびモータフラッシュオーバなどの問題を有する直流直巻電動機に代わりに、誘導電動機や同期電動機を車両などに使用すると、これらの問題は解決する。しかし、誘導電動機や同期電動機には直流直巻電動機の特長の定出力特性がないため、機関の出力に応じて、制御をもってそれらの電動機に直流直巻電動機と同じ特性を付与せねばならない。このためには、機関の出力の瞬時値を検出し、その出力に合って電動機の電流、電圧、周波数を制御すると、電動機の駆動力、速度を機関出力に見合って配分することができる。しかし、機関の出力を発電機出力でチェックするため、機関の出力との関係が判らず、機関の加速不良、機関停止、発煙等の問題が発生する。 【0004】本発明の課題は、ガバナ出力信号と機関の回転数より検出した機関出力を用いて電気式トルクコンバータの出力を制御し、機関の加速不良、機関停止、発煙等の発生を防止する内然機関を動力とする電気式トルクコンバータの制御方式を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は、内然機関と、その機関にガバナ指令信号に対するガバナの燃料供給状態を示すガバナ出力信号を発生するガバナと、その機関を動力とする交流発電機を備え、発電機出力によって直接的または間接的に負荷電動機のトルク、速度を制御する電気的トルクコンバータであって、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで機関出力を算出し、負荷電動機の入力電力が機関出力以上とならないように交流発電機の界磁電流を制限し、電気的トルクコンバータの出力を機関出力に対応して制御することによって、解決される。また、負荷電動機を駆動する交流変換手段を設け、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで算出した機関出力と負荷電動機の入力電力に基づいて負荷電動機の入力電力が機関出力以上とならないように交流変換手段を制御することによって、解決される。また、ガバナ出力信号と機関回転数に加えて機関回転数の変化率をとり込んで機関出力の変化パターンを予測し、その値で電気的トルクコンバータの制御のおくれを補正することによって、解決される。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。一般に、内然機関は使用するガバナの種類によって、機関回転数と出力の間に異った特性があり、機関の使用目的によってガバナの種類が選択される。本発明の実施形態を説明する前に、各種の特性を説明する。図1は、高低速ガバナを機関に適用した場合のガバナ信号と機関の特性を示す。(a)はガバナ指令信号とガバナ出力信号(機関への燃料供給量を示す。)と機関回転数の関係を示し、機関が所定の回転数になると、燃料の供給量が制限される。燃料の供給量はガバナへの指令信号量によって変わる。この結果、機関出力は、(b)に示すように、燃料供給量が一定の場合に、回転数の上昇とともに増加し、機関の回転数が所定の値に達すると、ガバナによって燃料供給量が減少し、トルクが減少し、出力が低下する。図2は、ハーフオールスピードガバナを機関に適用した場合のガバナ信号と機関の特性を示す。(a)はガバナ指令信号とガバナ出力信号と機関回転数の関係を示す。ガバナ指令信号(通常マニュアルで指令される。)に関連して燃料供給量が増し、機関回転数の上昇とともに供給量は減少し、ある所定の速度より燃料の供給量を急激に減じて、過速度を防止する。(b)はそのガバナによる機関出力特性を示し、ガバナの中途段階では、機関出力は回転数によらず定出力に保持され、同様に過速度の保護も行なわれる。図3は、高低速ガバナを用いた機関を車両に適用した場合に、機関出力と車両の走行抵抗の関係を示す。例えば、走行抵抗が(3)の値をとるとき、ガバナを(a)に設定すると、機関の出力、即ち回転数の全速度域でトルク不足となって機関停止となる。ここで、両曲線の交点が回転数の均衡点となる。 【0007】図4、図5は、それぞれのガバナを有する機関に直結した発電機のそれぞれのガバナ位置における発電機出力特性を示すものである。図6は、オールスピードガバナの機関回転数に対するガバナ出力信号、即ち、燃料供給量を示す特性図であり、図7は、そのガバナを用いた機関の出力特性である。この機関の特性は、指定された回転数を維持するために、燃料の供給量を変えて定速制御を行なうことを特徴としているため、低回転においてもトルクが大きい特長がある。図8は、オールスピードガバナ付機関を車両に適用した時の走行抵抗と機関出力の関係を回転数の関係で示す。例えば、走行抵抗が(3)の値をとるとき、ガバナを(c)に設定すると、機関の出力(c)の回転数の速度域でトルク不足となって機関停止となる。ここで、両曲線の交点が回転数の均衡点となる。図9は、オールスピードガバナを有する機関直結発電機の出力特性を示すものである。以上の説明のとおり、機関の特性は、使用するガバナの種類により大きく変わるが、ガバナの出力信号と、機関の回転数をチェックすることにより、機関の出力を知ることができる。ガバナの出力信号は、ガバナに与える信号とは異り、機関の回転数の他に、気温や気圧なども取込んで、機関の状態を示すものであるからである。 【0008】図10は、本発明の一実施形態による高低速ガバナ使用機関の電気式トルクコンバータの制御方式を示す。本発明の電気式トルクコンバータの制御の基本は、ガバナの出力信号と機関の回転数をベースに、機関からとり出す出力を機関の出力に見合って電気的に行なうことにある。図10において、1は内燃機関、2はガバナ、3は回転数センサ、4は交流発電機、5は交流発電機の界磁コイル、6は整流器、7は電圧センサ、8は電流センサ、9は直流電動機(モータ)、10は乗算器、11は機関出力パターン発生器、12は比較界磁制御器を表わす。本実施形態において、運転の基本はガバナ指令信号であり、ガバナ2は指令信と機関の回転数により、ガバナ出力信号を出し、この値は現在の機関の燃料供給量、言い換えれば、出力トルク値に比例した信号を発生する。したがって、機関1の回転数を回転センサ3で検出すると、機関1の出力値に比例した結果を得ることができる。機関出力パターン発生器11は、ガバナ2の出力信号と機関1の回転数をとり込んで機関1の出力を算出し、許容しうる機関出力をリアルタイムで出力する。交流発電機4の出力は、整流器6で整流され、直接的にまたは間接的に負荷としてのモータ9のトルク、速度を制御する。ここで、図11に、交流発電機4の界磁量をパラメータとして機関1の回転数一定時(界磁量一定にして回転数を変えても、ほぼ同じ特性となる。)の交流発電機4の特性とモータ9の車両としての必要特性を機関全出力運転時の例として示す。機関回転数の最大回転時には、界磁励磁を増してゆくと、交流発電機4の電圧、電流特性は、図11において(1)から(4)へ増大してゆく。モータ9の速度によってモータの要求する電流、電圧値が変わるために、図12に示すように、交流発電機4の界磁電流をモータ9の電圧によって調整すると、電気式トルクコンバータの効果を発揮する。モータ9の入力側では電圧センサ7と電流センサ8とで、入力電力を乗算器(マルチプライヤ)10で検出し、他方、ガバナ出力信号と機関回転数に基づいて機関出力パターン発生器11が許容しうる機関出力をリアルタイムで決定する。比較界磁制御器12はモータ9の入力電力が機関1の出力以上とならないように交流発電機4の界磁電流を制限する。このように、本実施形態では、機関出力パターン発生器11が決定する許容しうる機関出力をリアルタイムで実施するので、機関1の加速中や減速中の過度時の出力値の瞬時値を検知することができ、そのため、機関の加速不良、機関停止などの防止を交流発電機4の界磁電流の制御のみで実現することができる。 【0009】図13は、本発明の他の実施形態を示す。オールスピードガバナを使用した機関では、機関の中間出力でモータの速度に制限がある。即ち、交流発電機の回転数が機関の回転数で制限されるため、オールスピードガバナを使用した機関には図10に示す方式を適用できない。本実施形態は、全ての種類のガバナに対応できる電気式トルクコンバータの制御方式である。図13において、1は内燃機関、2はガバナ、3は回転数センサ、4は交流発電機、5は交流発電機の界磁コイル、6は整流器、7は電圧センサ、8は電流センサ、10は乗算器、11は機関出力パターン発生器、13は交流電動機、14はインバータ回路、15はインバータ回路のゲート演算回路、16は界磁励磁器を表わす。機関1の出力は、ガバナ2の出力信号と、回転数センサ3の出力の積に比例して得られる。交流発電機4は、一定励磁の界磁コイル5(または、永久磁石の界磁)を有し、その出力電圧は回転数に比例する。交流発電機4の出力は整流器6で整流され、インバータ14の電源となる。インバータ14は交流電動機13の入力電圧、電流、周波数を制御して交流電動機14のトルク、速度を所望の値に制御する。インバータのゲート演算部15には、機関出力パターン発生器11から機関出力が入力される。なお、ゲート演算部15には、インバータ14の発生する最大出力の制限が設けられる。他方、電圧センサ7、電流センサ8より乗算器10でインバータ14の出力電力がフィドバックされる。一方、ゲート演算部15には交流電動機13への電圧、電流指令が入力されるため、ゲート演算部15において機関出力パターン発生器11の制限信号を越えない範囲で交流電動機13の電圧値と電流値の比に変換される。電圧、電流コマンドは同時に指令されるのではなく、電流値または電圧値のいづれかが指定される。このため、機関1の出力の範囲内で交流電動機13の電流値を指定すれば、それに対応する電圧最大値をゲート演算部15がインバータ14へ指令し、交流電動機13の電流値を指令すれば、それに対応する電流最大値をゲート演算部15がインバータ14へ指令する。ここで、各電圧センサ7、電流センサ8は最大値の制限をモニタしている。本実施形態において、図14に示す斜線の範囲の発電機出力は、機関出力値の制限の範囲内で、図15に示すように、電圧値と電流値の積が一定で機関出力の範囲内でそれぞれの値を自由に変換できる。図示の(1)から(3)の順に機関出力は小さくなる。本実施形態によれば、機関1とガバナ2の種類に無関係に交流電動機13の電圧値と電流値、即ち、速度とトルクの配分が可能となり、例へば、機関1が低速回転であっても、交流電動機13の速度を高め、トルクを小さくする運転も可能となる。また、ガバナ出力信号と機関回転数から算出した機関出力と負荷電動機の入力電力に基づいて交流電動機13の入力電力が機関出力以上とならないようにインバータ14を制御するので、機関出力の瞬時値以上の負荷をとらない制御が可能であり、運転中に機関の停止を防止することができる。また、機関1の出力の立下げ時においても、機関出力の瞬時値を検知するため、機関過負荷を機関出力立下げ時に発生させないようにすることができる。 【0010】なお、本発明の実施形態において、機関出力パターン発生器11は、ガバナ2の出力信号と機関1の回転数をとり込んで機関1の出力を算出し、許容しうる機関出力を出力するものとして説明したが、ガバナ指令信号とガバナ出力信号および機関の回転数には、上述した特性図により説明したように、相関関係があるため、機関出力の定常時には、機関出力パターン発生器11にガバナ指令信号と機関回転数に加えて機関回転数の変化率を用い、ガバナ2の現在の出力信号に基づいて回転数の上、下による機関出力の変化パターンを予測し、その値で電気的トルクコンバータの制御のおくれを補正し、機関出力に対応した電気的トルクコンバータの制御を行なうようにしてもよい。これにより、電気式トルクコンバータの出力制御の最適化を図ることができる。 【0011】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ガバナの機関に対する燃料供給量(ガバナ出力信号)と機関の回転数の関係において、電気的トルクコンバータを制御すると、次のような利点がある。 (1)機関出力パターン発生器が決定する許容しうる機関出力をリアルタイムで実施するので、機関の加速中や減速中の過度時の出力値の瞬時値を検知することができ、そのため、機関の加速不良、機関停止などの防止を交流発電機の界磁電流の制御のみで実現することができる。 (2)負荷電動機を駆動する交流変換手段を設け、ガバナ出力信号と機関回転数をとり込んで算出した機関出力と負荷電動機の入力電力に基づいて負荷電動機の入力電力が機関出力以上とならないように交流変換手段を制御するので、機関出力の瞬時値以上の負荷をとらない制御が可能であり、運転中に機関の停止を防止することができる。また、機関の出力の立下げ時においても、機関出力の瞬時値を検知するため、機関過負荷を機関出力立下げ時に発生させないようにすることができる。 (3)機関出力が定常時には、電気式トルクコンバータ側において、適用ガバナの種類による機関回転数をチェックすることにより、ガバナの現在の出力信号に基づいて回転数の上、下による機関出力の変化パターンを予測できるので、電気式トルクコンバータの出力制御の最適化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成10年8月11日(1998.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099302 【弁理士】 【氏名又は名称】笹岡 茂 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−59915(P2000−59915A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月25日(2000.2.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−239516 |
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