| 【発明の名称】 |
ハイブリッド電気自動車の駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】澤田 武志
【氏名】江上 常幸
【氏名】伴在 慶一郎
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| 【要約】 |
【課題】運転フィーリングの悪化を回避しつつ車両要求トルクの増大と、動力伝達手段の体格重量の増大を招かずに後退走行トルクの増大を実現する。
【解決手段】エンジンの出力軸に連結される第1ロータ、動力伝達手段の出力軸に連結される第2ロータを有する第1の回転電機と、動力伝達手段の出力軸に連結されるロータを有する第2の回転電機とを備える。回転拘束機構1054は後退走行時に動力伝達手段の入力軸1011を拘束する。車両後退時に第1の回転電機の第1のロータを拘束して、第1の回転電機から大きな後退トルクを出力でき、エンジンの出力軸と動力伝達手段の入力軸とをスプライン機構等がたをもつ結合機構で結合時でも、車両駆動トルクの変動や両回転電機間のトルク分配割合の変化のたびにスプライン機構でがたつき、運転フィーリングの悪化を防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンと、蓄電手段と、前記エンジン及び蓄電手段と車両駆動軸との間でエネルギー伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段を制御する制御手段とを備え、前記動力伝達手段は、前記動力伝達手段の入力軸を通じて前記エンジンの出力軸に機械的に連結される第1ロータ、並びに、前記第1ロータと電磁エネルギー授受可能に結合するとともに前記動力伝達手段の出力軸に機械的に連結される第2ロータを有して、前記エンジン及び蓄電手段との間でエネルギー伝達する第1の回転電機と、前記動力伝達手段の出力軸に機械的に連結されるロータを有して前記蓄電手段と前記動力伝達手段の出力軸との間で電磁エネルギーを伝達する第2の回転電機と、を備えるハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記エンジンの出力軸は微小相対回動が残留する結合機構を通じて前記動力伝達手段の入力軸に連結され、前記動力伝達手段は、前記動力伝達手段の入力軸を拘束する回転拘束機構を有することを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項2】エンジンと、蓄電手段と、前記エンジン及び蓄電手段と車両駆動軸との間でエネルギー伝達する動力伝達手段と、前記動力伝達手段を制御する制御手段とを備え、前記動力伝達手段は、前記動力伝達手段の入力軸を通じて前記エンジンの出力軸に機械的に連結される第1ロータ、並びに、前記第1ロータと電磁エネルギー授受可能に結合するとともに前記動力伝達手段の出力軸に機械的に連結される第2ロータを有して、前記エンジン及び蓄電手段との間でエネルギー伝達する第1の回転電機と、前記動力伝達手段の出力軸に機械的に連結されるロータを有して前記蓄電手段と前記動力伝達手段の出力軸との間で電磁エネルギーを伝達する第2の回転電機と、を備えるハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記動力伝達手段は、前記エンジンの出力軸又は動力伝達手段の入力軸を回転不能に固定する回転拘束機構を備え、前記制御手段は、車両後退時に前記回転拘束機構を駆動して前記エンジンの出力軸又は動力伝達手段の入力軸を拘束することを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置【請求項3】請求項2記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記回転拘束機構は、前記動力伝達手段の入力軸を拘束することを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項4】請求項2又は3記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記制御手段は、前記蓄電手段の残容量が所定の下限値未満の場合、車両後退時にもかかわらず前記拘束を解除することを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項5】請求項4記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記制御手段は、車両後退中において、前記拘束解除後、前記残容量が前記下限値より所定値以上大きい上限値に到達すれば前記拘束を復活させることを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項6】請求項2乃至5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記制御手段は、前記動力伝達手段の損失が最小となるように車両後退時における前記両回転電機の出力配分を行うことを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項7】請求項6記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記制御手段は、前記蓄電手段の充放電パワーに基づいて前記動力伝達手段の損失を求めることを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項8】請求項2乃至5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記制御手段は、車両速度及び車両駆動トルクに基づいて前記動力伝達手段の損失が最小となるように車両後退時における前記両回転電機の出力配分を行うことを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において、前記回転拘束機構は、前記第1の回転電機の第1のロータを拘束する第1拘束ポジション、前記第1の回転電機の第2ロータを拘束する第2拘束ポジション、前記第1の回転電機の両ロータを両方とも拘束しない非拘束ポジションを有することを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド電気自動車の駆動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジンと、蓄電手段と、エンジン及び蓄電手段と車両駆動軸との間でエネルギー伝達する動力伝達手段と、動力伝達手段を制御する制御手段とを備えるハイブリッド電気自動車の駆動装置が特開平10−42600号公報や特開平10−94109号公報により知られている。 【0003】この動力伝達手段は、第1の回転電機及び第2の回転電機を有しており、第1の回転電機は、動力伝達手段の入力軸を通じてエンジンの出力軸に機械的に連結される第1ロータ、並びに、第1ロータと電磁エネルギー授受可能に結合するとともに動力伝達手段の出力軸に機械的に連結される第2ロータを有しており、エンジン及び蓄電手段との間でエネルギー伝達する。また、第2の回転電機は、動力伝達手段の出力軸に機械的に連結されるロータを有して蓄電手段と動力伝達手段の出力軸との間で電磁エネルギーを伝達する。 【0004】また、前者の公報は、加速時や登坂時にエンジンの出力軸を固定して車両駆動トルクの増大を図ることを提案している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の公報に記載されたエンジンの出力軸の固定は、エンジンの出力軸と動力伝達手段の入力軸とが通常、スプライン機構などで結合されているために、エンジンの出力軸は固定されているにもかかわらず、動力伝達手段の出力軸に対して電磁的に結合する動力伝達手段の入力軸が車両駆動トルクの変動や逆転のたびにこのスプライン機構の部位でがたついて、運転フィーリングを悪化させるという問題が生じた。 【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、運転フィーリングの悪化を回避しつつ車両要求トルクの増大を実現したハイブリッド電気自動車の駆動装置を提供することをその目的としている。また、上述したハイブリッド電気自動車は後退走行時において、固定された一方向へ回転するエンジンの出力軸に結合する第1の回転電機の第1のロータは、車両駆動軸に連結される第2ロータに対して前進走行側にトルクアシストするように第2ロータに電磁結合されるので、前進時のようにエンジントルクを電磁的に第2ロータに伝達することができず、第1の回転電機の効率が著しく低下してしまう。 【0007】そこで、後者の公報では、後退走行時に第1の回転電機の後退方向への出力トルクを0とすることによりこの第1の回転電機による損失を低減しているが、その結果として、車両後退トルクとして第2の回転電機のトルクしか発生することができないという不具合があった。もちろん、第2の回転電機の出力アップを行えば問題は改善するが、当然、動力伝達手段の大幅な体格、重量の増大を招いてしまう。 【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、動力伝達手段の体格重量の増大を招くことなく後退走行トルクの増大を実現したハイブリッド電気自動車の駆動装置を提供することをその他の目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1、2記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置では、従来のものと同じく、動力伝達手段の入力軸を通じてエンジンの出力軸に連結される第1ロータ、並びに、第1ロータと電磁エネルギー授受可能に結合するとともに動力伝達手段の出力軸に連結される第2ロータを有する第1の回転電機と、動力伝達手段の出力軸に連結されるロータを有する第2の回転電機とを備える。 【0010】請求項1記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置では特に、回転拘束機構は動力伝達手段の入力軸を拘束する。このようにすれば、たとえば車両後退時において、第1の回転電機の第1のロータを固定(拘束)して、第1の回転電機から大きな後退トルクを出力できるとともに、たとえエンジンの出力軸と動力伝達手段の入力軸とをスプライン機構など本質的にがたをもつ結合機構で結合する場合でも、車両駆動トルクの変動や両回転電機間のトルク分配割合の変化のたびにこのスプライン機構の部位でがたついて、運転フィーリングが悪化するのを防止することができる。 【0011】請求項2記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置では特に、後退走行時に第1の回転電機の第1のロータすなわちエンジン側のロータを拘束する。このようにすれば、第1の回転電機の第1のロータが固定されるので、第1の回転電機の第2のロータは、通常のモータのロータや第2の回転電機のロータと同じく、車両後退側へ大きなトルクを発生することができ、結局、これら両回転電機を用いて大きな後退トルクを発生することができる。 【0012】請求項3記載の構成によれば請求項2記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、動力伝達手段の入力軸を拘束するので、更に上述したように、がたをなくして運転フィーリングの向上を図ることができる。請求項4記載の構成によれば請求項2又は3記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、蓄電手段の残容量が所定の下限値未満の場合、車両後退時にもかかわらず前記拘束を解除する。 【0013】このようにすれば、車両後退時において大きな車両駆動エネルギーを発生することにより、残容量が少ない蓄電手段の過放電を防止することができる。請求項5記載の構成によれば請求項4記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、車両後退中において、拘束解除後、残容量が下限値より所定値以上大きい上限値に回復した場合には拘束を復活させるので、蓄電手段の過放電を防止しつつ大きな後退走行エネルギーを発生させることができる。 【0014】請求項6記載の構成によれば請求項2乃至5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、動力伝達手段の損失が最小となるように車両後退時における両回転電機の出力配分を行う。このようにすれば、効率向上を図ることができる。請求項7記載の構成によれば請求項6記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、蓄電手段の充放電パワーに基づいて動力伝達手段の損失を求める。 【0015】このようにすれば、制御装置の構成を簡素化することができる。請求項8記載の構成によれば請求項2乃至5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、車両速度及び車両駆動トルクに基づいて動力伝達手段の損失が最小となるように車両後退時における両回転電機の出力配分を行うので、効率向上を図ることができる。 【0016】請求項9記載の構成によれば請求項1乃至8のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置において更に、第1の回転電機の第1のロータを拘束する第1拘束ポジション、第1の回転電機の第2ロータを拘束する第2拘束ポジション、第1の回転電機の両ロータを両方とも拘束しない非拘束ポジションを有する。 【0017】このようにすれば、更なる効果として簡素な機構でパーキングブレーキ機構を追加することができる。 【0018】 【発明を実施するための態様】本発明のハイブリッド電気自動車の駆動装置の好適な態様を以下の実施例を参照して説明する。 【0019】 【実施例1】本発明のハイブリッド電気自動車の駆動装置の一実施例を図1を参照して以下に説明する。図1はこの実施例のハイブリッド車のシステム図を示す。 (構成)1は内燃機関(エンジン)、2は内燃機関1の出力軸、3は吸気管、4は燃料噴射弁、5はスロットル弁、6は吸入空気量調節手段、7はアクセルセンサ、8はブレーキセンサ、9はシフトスイッチ、10は動力伝達手段であり、動力伝達手段10は第1の回転電機1010および第2の回転電機1020を有している。 【0020】11は差動装置、12はIGスイッチ、13は内燃機関制御装置、14は第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の駆動装置、15はバッテリよりなる蓄電装置、16はハイブリッド制御装置である。エンジン(内燃機関)1、動力伝達手段10及び蓄電装置(蓄電手段)15、内燃機関制御装置13、駆動装置14、ハイブリッド制御装置(制御手段)16はハイブリッド電気自動車の駆動装置を構成している。 【0021】動力伝達手段10の断面図を図2に示す。動力伝達手段10は、2つの回転電機1010、1020、回転拘束機構1030を有している。第1の回転電機1010は、ハウジング1000に回転自在に保持されて内燃機関1の出力軸2とスプライン機構21により機械的に連結される入力軸1011と、入力軸1011に嵌着、固定される内側ロータ(本発明でいう第1のロータ)2010と、内側ロータ2010の外周面に面してハウジングに回転自在に保持される外側ロータ(本発明でいう第2のロータ)2310とを有し、内側ロータ2010に三相アーマチャコイルが、それに面する外側ロータ2310の内周面側に永久磁石が設けられたDCブラシレスモータからなり、上記三相アーマチャコイルはスリップリング装置2610を通じて駆動装置14から三相交流電圧が給電されている。 【0022】第2の回転電機1020は、ハウジングの内周面に固定されて外側ロータ2310の外周面に面して設けられたステータ3010と、外側ロータ2310とを有し、永久磁石が外側ロータ2310の外周面側に設けられたDCブラシレスモータからなり、ステータに巻装された三相アーマチャコイルは駆動装置14から三相交流電圧が給電されている。外側ロータ2310は出力軸2311に締結固定され、出力軸2311を通じて減速ギヤ機構4000を介して差動装置11に連結されている。 【0023】2911は内側ロータ2010の回転角度位置を検出する回転位置センサであり、2912は外側ロータ2310の回転角度位置を検出する回転位置センサである。内燃機関制御装置13は、内燃機関1の燃費率マップを記憶しており、受信したエンジンパワー要求値と燃費率マップとに基づいて内燃機関1が最高効率となるエンジン動作点を決定し、このエンジン動作点に対応する吸入空気量(エンジントルク要求値)とエンジン回転数要求値とを決定する。更に、内燃機関制御装置13は、決定された吸入空気量に基づいてスロットル弁開度を制御するとともにエンジン回転数要求値をハイブリッド制御装置16に送信する。なお、内燃機関制御装置13は内燃機関1に搭載の電子制御燃料噴射装置を駆動して燃料噴射制御を実行し、また公知の点火制御を実行する。 【0024】駆動装置14は、ハイブリッド制御装置16から受信した第1および第2の回転電機のトルク要求値に基づいて、第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の界磁方向の制御とそれと直交する方向における電流制御を行って両トルク要求値通りにトルクを発生させる。更に説明すると、駆動装置14は、回転位置センサ2911から入力される内側ロータ2010の内側ロータ回転角度位置信号、並びに、回転位置センサ2912から入力される外側ロータ2310の外側ロータ回転角度位置信号と、第1の回転電機のトルク要求値とに基づいて、内側ロータ2010の三相アーマチャコイルに印加する三相交流電圧を制御することにより第1の回転電機1010にそのトルク要求値に相当するトルクを発生させる。また、駆動装置14は、回転位置センサ2912から入力される外側ロータ2310の外側ロータ回転角度位置信号と第2の回転電機のトルク要求値とに基づいてステータ3010の三相アーマチャコイルに印加する三相交流電圧を制御することにより第2の回転電機1020にそのトルク要求値に相当するトルクを発生させる。 【0025】ハイブリッド制御装置16は、アクセルセンサ7、ブレーキセンサ8、シフトスイッチ9から入力される車両操作情報、および、図示しない車速センサからの車速に基づいてエンジンパワーパワー要求値を演算し、それを内燃機関制御装置13に送信する。ハイブリッド制御装置16は、受信したエンジン回転数要求値を満足するように第1の回転電機1010の回転数制御を行うべく、駆動装置14から送信される第1の回転電機1010の両ロータの回転角度速度差に基づいて第1の回転電機1010のトルク要求値を演算して駆動装置14に指令する。また、ハイブリッド制御装置16は、車両の駆動トルク要求値と第1の回転電機1010のトルク要求値との差から第2の回転電機1020のトルク要求値を算出し、駆動装置14にそれを出力する。 【0026】この実施例の特徴をなす回転拘束機構1030について以下に説明する。この回転拘束機構1030は、ハウジング1000の内周面に固定されたリニアアクチエータ1031と、リニアアクチエータ1031の径内側に位置して入力軸1011に嵌着固定されるリング状の入力軸側係合部1032と、リニアアクチエータ1031の径内側に位置して出力軸2311の端部からなる出力軸側係合部1033とからなる。 【0027】リニアアクチエータ1031は、入力軸側係合部1032及び出力軸側係合部1033の軸方向間隙部に径方向へ突出する作動突起1034を有している。入力軸側係合部1032及び出力軸側係合部1033はその作動突起1034に対面する端面に作動突起1034係止用の凹部(図示せず)を有し、作動突起1034はこの凹部に係合してそれらの回転を拘束する凸部(図示せず)を有している。 【0028】作動突起1034は、リニアアクチエータ1031の本体部に軸方向移動可能に保持されており、リニアアクチエータ1031へ外部からの電気信号の入力により、入力軸側係合部1032側へ付勢されて変位して入力軸側係合部1032を係止して入力軸1011の回転を拘束するポジションをとったり、出力軸側係合部1033側へ付勢されて変位して出力軸側係合部1033すなわち出力軸2311の端面を係止して出力軸2311の回転を拘束するポジションをとったり、あるいは、どちらにも係合せずにこれら入力軸側係合部1032及び出力軸側係合部1033のどちらも拘束しないポジションをとったりすることができるようになっている。 【0029】したがって、図2の装置によれば、入力軸1011を拘束する運転モード、出力軸2311を拘束する運転モード、これら両軸を拘束しない運転モードからなる3つの運転モードのどれかを適宜選択することができる。 (後退走行)次に、この装置の後退走行時の制御について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。 【0030】このフローチャートは、車両駆動トルク要求値Td’を演算してから、第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の各トルク要求値T1、T2を演算するまでの制御動作を示すものである。まず、アクセルセンサ7から入力されるアクセル開度にもとづいて車両駆動トルク要求値Td’を算出し(S100)、図示しない車速センサからの車速(または動力伝達手段10の出力軸回転数)Vに基づいて車両駆動パワー要求値Pd’を算出する(S102)。なお、車両駆動パワー要求値Pd’は、Td’・Vで算出される。 【0031】次に、SOCメータ17から電池の残容量を読み込み、それに基づき充放電パワー要求値Pb’すなわちバッテリが要求する充放電パワー値を決定する(S103)。なお、残容量に基づく充放電パワー要求値Pb’の算出について更に詳しく説明すると、蓄電装置15が常に所定量の充放電が可能であるように(残容量が適正な範囲となるように)、残容量が過度に多い場合には充放電パワー要求値Pb’を放電側にセットし、残容量が過度に少ない場合には充放電パワー要求値Pb’を充電側にセットし、また、残容量が上記適正な範囲内である場合でも残容量が比較的多い場合には少し放電し、残容量が比較的少ない場合には少し充電するといった制御を行う。この充放電パワー要求値Pb’は、たとえば予め記憶する残容量と充放電パワー要求値Pb’とのマップから求めることができる。 【0032】次に、実際の充放電パワーPbを読み込む(S104)。次に、SOCメータ17から求めた残容量と所定の下限値LL、この下限値より所定値以上大きい上限値ULとを比較し、LL未満ならフラグFを1とし(S108)、ULを超えればフラグFを0とし(S110)、その後で、フラグFが1かどうかを調べ(S112)、1であればS114へ、0であればS124へ進む。 【0033】S114では、エンジンパワー要求値Pe’を、Pe’=Pd’+Pb’の式から算出し、その後、このエンジンパワー要求値Pe’を最良のエンジン効率で出力するためのエンジン動作点を予め記憶するマップに基づいて決定する(S116)。次に、決定したエンジン動作点を内燃機関制御装置13に送信し(S118)、内燃機関制御装置13は受信したエンジン動作点に対応して吸入空気量を決定し、決定された吸入空気量に基づいてスロットル弁開度を制御する。 【0034】次に、決定されたエンジン動作点におけるエンジン回転数要求値N’を満足するように第1の回転電機1020の回転数制御を行うべく、駆動装置14から受信した第1の回転電機1010の両ロータの回転角度速度差に基づいて第1の回転電機1010のトルク要求値T1を演算し、更に、車両の駆動トルク要求値Td’と第1の回転電機1010のトルク要求値T1との差から第2の回転電機1020のトルク要求値T2を算出し(S120)、これらトルク要求値T1、T2を駆動装置14に出力する(S122)。 【0035】一方、S112にてフラグFが1であれば、エンジンパワー要求値Pe’を0とし、これによりエンジン1の停止を要求する。次に、回転拘束機構1030を動作させて第1のロータ2010を回転不能に拘束する(S128)。なお、S124におけるエンジンパワー要求値Pe’を0とする指令から所定時間待機後にS128による第1のロータ2010の拘束を実施しても良い。 【0036】次に、S104で検出する充放電パワーPbが最小となるように第1の回転電機1010のトルク要求値T1と、第2の回転電機1020のトルク要求値T2を算出し(S130)、これらトルク要求値T1、T2を駆動装置14に出力する(S122)。このようにすれば、動力伝達手段10の損失が最小となるように車両駆動トルク要求値Td’(=T1、T2)の両回転電機への分配比率を最も効率よく行うことができる。 【0037】なお、S130のステップを以下に更に詳しく説明する。まず、車両駆動トルク要求値Td’で充放電パワーPbの今回値を割って車両駆動トルク要求値Td’の単位量ΔTd’当たりの充放電パワーPbである単位充放電パワーΔPbを求め、それを記憶する。次に、単位充放電パワーΔPbの今回値とその前回値とを比較し、今回値が前回値より小さければ効率向上と判定し、前前回から前回へのトルク分配の変化方向へ今回も所定量だけトルク配分を変更し、逆に、今回値が前回値より大きければ効率低下と判定して前前回から前回へのトルク分配の変化方向と反対方向へ所定量だけトルク配分を変更する。なおここでいうトルク配分とは車両駆動トルク要求値中に占めるトルク要求値T1とトルク要求値T2との割合をいう。 【0038】このようにすれば、動力伝達手段の損失が最小となるように車両後退時における両回転電機1010、1020の出力配分を行い効率向上を行うことができる。なお、上述したトライアンドエラー的に行う最適トルク分配率の決定以外に、あらかじめ記憶するトルク分配率と各種運転条件との関係に基づいてトルク分配率を設定しても良いことはもちろんである。 (パーキングブレーキ)なお、駐車時には、リニアアクチエータ1031を作動させて、第1の回転電機1010の第2のロータ2310を拘束して、パーキングブレーキ効果を実現する。 【0039】 【実施例2】他の実施例を図3を参照して説明する。この実施例の装置は、図2に示す装置において回転拘束機構1040だけが異なるので、この回転拘束機構1040だけを説明する。回転拘束機構1040は、ハウジング1000の内周面に固定されたリニアアクチエータ1041と、リニアアクチエータ1031の径内側に近接して入力軸1011に嵌着固定されるリング状の入力軸側係合部1042と、径方向へ所定の間隙部を隔てて入力軸側係合部1042に被さるように設けられた出力軸2311の筒状の端部からなる出力軸側係合部1043と、入力軸側係合部1042及び出力軸側係合部1043の径方向間隙部に挿入された作動バー1044を有している。 【0040】入力軸側係合部1042の外周面及び出力軸側係合部1043の内周面はそれぞれ作動バー1044係止用の凹部(図示せず)を有し、作動バー1044にもこれら凹部と係合してそれらの回転を拘束する凸部(図示せず)が設けられている。作動バー1044の作用端は、径外側へ直線変位して出力軸側係合部1043の凹部に係合し、径内側へ直線変位して入力軸側係合部1042の凹部に係合可能となっている。 【0041】作動バー1044の駆動端は、リニアアクチエータ1041の径方向へ進退する操作突起に固定されており、リニアアクチエータ1041への外部からの電気信号の入力により、入力軸側係合部1042側へ付勢されて変位して入力軸側係合部1042を係止して入力軸1011の回転を拘束するポジションをとったり、出力軸側係合部1043側へ付勢されて変位して出力軸側係合部1043を係止して出力軸2311の回転を拘束するポジションをとったり、あるいは、どちらにも係合せずにこれら入力軸側係合部1042及び出力軸側係合部1043のどちらも拘束しないポジションをとったりすることができるようになっている。 【0042】したがって、図3の装置によれば、入力軸1011を拘束する運転モード、出力軸2311を拘束する運転モード、これら両軸を拘束しない運転モードからなる3つの運転モードのどれかを適宜選択することができる。 【0043】 【実施例3】他の実施例を図4を参照して説明する。この実施例の装置は、図1、図2に示す装置において回転拘束機構だけが異なるので、回転拘束機構だけを説明する。この回転拘束機構は、リンク機構1050と、リニアアクチエータ(リニアソレノイド)1051と、入力軸1011の内周面に凹設された入力軸側係合部1052と、入力軸側係合部1042に被さるように設けられた出力軸2311の内周面に凹設された出力軸側係合部1053と、入力軸側係合部1052及び出力軸側係合部1053の径方向間隙部に枢支点Mを中心として揺動可能にハウジング1000に支持される作動バー1054を有している。作動バー1054には係合用凸部1055、1056が突設されている。作動バー1054は、径外側へ回動して出力軸側係合部1053に係合し、径内側へ回動して入力軸側係合部1042に係合可能となっている。 【0044】作動バー1054の駆動端は、ばね筒1057を通じてリニアアクチエータ1051の操作突起にリンク結合されており、更に、ばね筒1057、ワイヤ1058を通じて図示しないパーキングブレーキレバーに結合されている。ばね筒1057は入力ロッド1059、出力ロッド1060、両者の間に設けられた径大なピン1061、ばね1062、1063を有しており、ばね1062はピン1061を図4中下方へ付勢し、ばね1063はピン1061を図4中上方へ付勢している。これにより入力ロッド1059、出力ロッド1060、ピンン1061は、ワイヤ1058及びリニアアクチエータ1051により付勢されない場合には、両ばね1062、1063が均衡する中央位置に安定し、この状態で、作動バー1054は、入力軸側係合部1052及び出力軸側係合部1053のどちらとも係合せず、入力軸1011及び出力軸2311は拘束されないようになっている。 【0045】車両後退時において、ハイブリッド制御装置16がリニアアクチエータ1051に通電すると、その操作突起はリンク1064を枢支点Cを中心として回動させ、これにより入力ロッド1059が上方へ変位し、これにより作動バー1054は、出力軸側係合部1053と係合し、出力軸2311の回転が拘束される。また、図示しないブレーキングレバーを引くとワイヤ1058は入力ロッド1059を下方へ変位させ、これにより作動バー1054は、入力軸側係合部1052と係合し、入力軸1011の回転が拘束され、パーキングブレーキ機能が生じる。 【0046】なお、実施例1、2のリニアアクチエータ1031、1041を実施例3のリニアアクチエータ1051とワイヤ1058とに代替させることも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年8月3日(1998.8.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2000−50415(P2000−50415A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−219346 |
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