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【発明の名称】 バッテリ充電回路
【発明者】 【氏名】久保 好隆

【氏名】池田 芳広

【要約】 【課題】電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の建設機械において、各駆動時にバッテリの充電を行えるようにする。

【解決手段】エンジン駆動時にエンジンにより駆動した発電機42から供給する直流電源によりバッテリ41を充電するエンジン駆動時充電回路61と、電動モータ駆動時に電動モータの交流電源11を交流/直流変換器14により直流電源に変換してバッテリ41を充電する電動モータ駆動時充電回路62とを設ける。エンジン駆動時に発電機42からの発電電圧を交流/直流変換器14に印加することなくバッテリ41に供給するインタロック回路63を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の機械において、バッテリと、エンジン駆動時にエンジンにより駆動され直流を出力する発電機と、この発電機から供給される直流によりバッテリを充電するエンジン駆動時充電回路と、電動モータ駆動時に電動モータの交流電源からの交流を直流に変換してバッテリを充電する電動モータ駆動時充電回路とを具備したことを特徴とするバッテリ充電回路。
【請求項2】 交流を直流に変換する交流/直流変換器と、エンジン駆動時に発電機からの直流を交流/直流変換器に供給することなくバッテリに供給するインタロック回路とを具備したことを特徴とする請求項1記載のバッテリ充電回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の機械に適用されるバッテリ充電回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の建設機械において、バッテリを充電するためには、エンジン駆動時のみ、エンジンに装着されたオルタネータの発電電圧でバッテリを充電する方法が一般的である。
【0003】一方、この電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の建設機械では、電動モータ駆動が主であり、エンジン駆動は、電動モータの電源が供給されないとき、または電動モータ故障などの非常時に使用される。
【0004】よって、電動モータ駆動による通常作業ではバッテリを充電しないため、長時間エンジン駆動を行わないとバッテリが放電するので、必要時にエンジン駆動ができないことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、このバッテリが放電したときは、他の建設機械などを使いジャンパケーブルにて配線を行って始動するか、バッテリを交換する必要があり、面倒であるとともに作業性も良くない。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の建設機械において、各駆動時にバッテリの充電を行えるようにし、バッテリ放電による不都合を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発明は、電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の機械において、バッテリと、エンジン駆動時にエンジンにより駆動され直流を出力する発電機と、この発電機から供給される直流によりバッテリを充電するエンジン駆動時充電回路と、電動モータ駆動時に電動モータの交流電源からの交流を直流に変換してバッテリを充電する電動モータ駆動時充電回路とを具備したバッテリ充電回路である。
【0008】これにより、発電機が機能するエンジン駆動時だけでなく、発電機が機能しない電動モータ駆動時においてもバッテリを充電できる。
【0009】請求項2に記載された発明は、請求項1記載のバッテリ充電回路において、交流を直流に変換する交流/直流変換器と、エンジン駆動時に発電機からの直流を交流/直流変換器に供給することなくバッテリに供給するインタロック回路とを具備したものである。
【0010】このインタロック回路により、バッテリを充電するときに、発電機からの発電電圧が交流/直流変換器に印加されるおそれがない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図1乃至図4に示された実施の一形態を参照しながら説明する。
【0012】図1に示された回路は、主として電動モータにより駆動されるが必要に応じてエンジンでも駆動可能の建設機械に対応するもので、電動モータは交流回路により駆動され、またエンジンは直流回路により駆動される。
【0013】交流電源11に、しゃ断器(NFB)12を介し、電動モータ用の交流回路13が接続され、さらに、交流を直流に変換する交流/直流変換器14を介して、操作用の直流回路15が接続されている。
【0014】この直流回路15は、リレーR1のコイル16、リレーR2のコイル17、リレーR3のコイル18、リレーR4のコイル19、リレーR5のコイル20およびリレーR9のコイル21を有する。
【0015】一方、前記交流回路13は、交流電源11に、リレーR2の常時閉路接点(以下、常時閉路接点を「常閉接点」という)22と、リレーR6のコイル23とが接続され、また、リレーR3の常時開路接点(以下、常時開路接点を「常開接点」という)24と、リレーR9の常閉接点25と、リレーR7のコイル26とが接続され、また、リレーR5の常開接点27と、リレーR1の常開接点28と、リレーR3の常開接点29と、リレーR8のコイル30とが接続されている。
【0016】さらに、リレーR1の常開接点28に、リレーR8の自己保持用の常開接点31が並列に接続され、また、リレーR5の常開接点27とリレーR1の常開接点28との間から引出された回路に、リレーR8の常開接点32を介し、建設機械駆動用の電動モータを始動または停止させるための電動モータ始動・停止回路33が接続されている。
【0017】また、前記直流回路15では、前記交流/直流変換器14に、リレーR7の常開接点34を介して電気部品35が接続され、また、ダイオード36、リレーR6の常開接点37およびリレーR5の常開接点38を介して、始動・停止スイッチ39が接続されている。
【0018】さらに、前記リレーR6の常開接点37とリレーR5の常開接点38との間に、直流電源としてのバッテリ41と、充電用の発電機としてのオルタネータ42とが接続されている。
【0019】オルタネータ42は、エンジンに装着され、エンジンにより駆動される交流発電機であるが、交流を直流に変える整流器を内蔵しており、バッテリ41に対して直流出力を出す充電用発電機である。
【0020】ここで、オルタネータ42からバッテリ41の+側に至る一連の回路は、エンジン駆動時にエンジンにより駆動されるオルタネータ42から供給される直流電源によりバッテリ41を充電するエンジン駆動時充電回路61を形成している。
【0021】一方、交流/直流変換器14から、ダイオード36およびリレーR6の常開接点37を経てバッテリ41の+側に至る一連の回路は、電動モータ駆動時に電動モータの交流電源を直流電源に変換してバッテリ41を充電する電動モータ駆動時充電回路62を形成している。
【0022】さらに、リレーR7の常開接点34や、リレーR6の常開接点37などは、オルタネータ42で発電された電圧を、ダイオード36や交流/直流変換器14には印加せずに、バッテリ41と電気部品35と直流回路15へ供給するインタロック回路63を形成している。
【0023】バッテリ41の+側には、リレーR2の常開接点43と、リレーR7の常閉接点44と、リレーR9のコイル21とが接続されている。さらに、前記電気部品35に対するリレーR7の常開接点34との間にリレーR9の常開接点45が設けられている。
【0024】前記始動・停止スイッチ39は、電動モータおよびエンジンの各駆動をそれぞれ始動または停止できる共通のキースイッチであり、オフ用端子C、スタート用端子SおよびACC用端子Rを有する2極ロータリー形キースイッチでもある。
【0025】この始動・停止スイッチ39のスタート用端子Sには、建設機械などの油圧アクチュエータを油圧回路上で固定する油圧ロックスイッチ46と、リレーR2の常閉接点47と、リレーR1のコイル16とが接続され、さらに、油圧ロックスイッチ46とリレーR2の常閉接点47との間から引出された回路に、リレーR2の常開接点48を介して、エンジン始動回路49が接続されている。
【0026】一方、始動・停止スイッチ39のACC用端子Rには、リレーR4の常開接点51と、リレーR8の常閉接点52と、リレーR2のコイル17とが接続され、さらに、リレーR4の常開接点51に対してリレーR2の自己保持用の常開接点53が並列に接続され、また、リレーR8の常閉接点52とリレーR2のコイル17との間から引出された回路に、エンジン停止回路54が接続されている。
【0027】さらに、始動・停止スイッチ39のACC用端子Rには、リレーR2の常閉接点55と、リレーR3のコイル18とが接続され、また、交流電源と直流電源とを切換えるための常開形手動接点である電源切換スイッチ56と、リレーR4のコイル19とが接続されている。
【0028】また、前記リレーR6の常開接点37とリレーR5の常開接点38との間から引出された回路57に、常閉形手動接点である緊急停止スイッチ58と、リレーR5のコイル20とが接続されている。
【0029】このように、始動・停止スイッチ39の負荷側に、電動モータおよびエンジンを共に始動または停止させるための始動・停止回路が配置され、また、始動・停止スイッチ39の電源側に緊急停止スイッチ58が配置されている。
【0030】次に、図示された実施形態の作用(A)(B)(C)を説明する。
【0031】(A) 先ず、建設機械を電動モータおよびエンジンのいずれで駆動しているときも、各駆動時にバッテリ41を充電する方法を説明する。
【0032】電動モータ駆動時、または電動モータを駆動しなくても、しゃ断器12がオン状態のときは、リレーR6のコイル23が励磁され、リレーR6の常開接点37が閉じ、リレーR5のコイル20が励磁され、リレーR5の常開接点38が閉じるから、交流/直流変換器14で交流から直流に変換された直流電圧(約27V)が、バッテリ41および始動・停止スイッチ39に印加される。
【0033】このため、バッテリ41の電圧が、交流/直流変換後の直流電圧(約27V)より低下していると、その電位差によりバッテリ41は充電される。
【0034】一方、エンジン駆動時は、電源切換スイッチ56を押すと、リレーR4のコイル19が励磁され、リレーR4の常開接点51が閉じて、リレーR2のコイル17が励磁され、リレーR2の常開接点53の自己保持作用が働くとともに、リレーR2の常開接点43が閉じてリレーR9のコイル21が励磁され、リレーR9の常開接点45が閉じる。
【0035】このとき、リレーR2の常閉接点22が開くので、リレーR6のコイル23は励磁解除され、また、リレーR2の常閉接点55が開くので、リレーR3のコイル18も励磁解除されて、リレーR3の常開接点24が開き、リレーR7のコイル26が励磁解除されるから、リレーR7の常開接点34が開く。
【0036】すなわち、エンジン駆動時は、リレーR4,R2,R9は励磁状態(以下、この励磁状態を「オン状態」という)となり、リレーR6,R3,R7は励磁解除状態(以下、この励磁解除状態を「オフ状態」という)となるので、インタロック回路を形成し、オルタネータ42からの発電電圧は、交流/直流変換器14には印加されず、バッテリ41へ供給されて充電される。
【0037】このように、電動モータおよびエンジンのいずれでも駆動可能の建設機械において、電動モータ駆動時でもエンジン駆動時でもバッテリ41を充電できる。
【0038】(B) 次に、図2乃至図4を参照しながら、電動モータおよびエンジンの各駆動の始動と停止を、共通の始動・停止スイッチ39で行える始動・停止回路の作用を説明する。なお、図2乃至図4にて、各リレーR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9の励磁状態(オン状態)は黒丸で示し、励磁解除状態(オフ状態)は白丸で示す。
【0039】先ず、電動モータおよびエンジンのいずれを駆動する場合も、油圧ロックスイッチ46を閉じておくことにより、建設機械の油圧作動を固定しておく。
【0040】図2は、電動モータで建設機械を駆動する電動モータ駆動時の場合を示す。
【0041】(i)交流電源11を交流/直流変換器14で直流電源に変換し、始動・停止スイッチ39ヘ供給する。
【0042】既に述べたようにリレーR6,R5はオン状態であり、始動・停止スイッチ39をACC位置に切換えると、リレーR3,R7はオン状態となり、電気部品35が接続される。
【0043】(ii)始動・停止スイッチ39をスタート位置に切換えると、リレーR1,R8がオン状態となり、電動モータ始動・停止回路33に電源が供給され、電動モータが始動する。
【0044】(iii) 始動・停止スイッチ39をオフ位置に切換えると、リレーR3,R8がオフ状態となり、電動モータは停止する。
【0045】図3は、エンジン駆動時であって、交流電源11の接続がある場合を示す。
【0046】(i)交流電源11を交流/直流変換器14で直流電源に変換し、オン状態のリレーR6,R5を経て、始動・停止スイッチ39へ直流電源を供給し、この始動・停止スイッチ39をACC位置にすると、リレーR3,R7はオン状態となる。
【0047】(ii)エンジンを駆動するため、電源切換スイッチ56を押すと、リレーR4,R2がオン状態となり、リレーR3,R6,R7がオフ状態となり、電源がバッテリ41に変わるとともに、リレーR9がオン状態となり、バッテリ41に電気部品35が接続される。
【0048】(iii) 始動・停止スイッチ39をスタート位置に切換えると、バッテリ41からエンジン始動回路49に直流電源が供給されて、エンジンが始動する。また、始動・停止スイッチ39を図示しないオフ位置に切換えると、エンジン停止回路54への電源がオフとなり、エンジンが停止する。
【0049】図4は、エンジン駆動時であって、交流電源の印加がない場合を示す。
【0050】(i)バッテリ41に緊急停止スイッチ58を介し接続されたリレーR5のオン状態により、バッテリ41より直流電源が始動・停止スイッチ39に供給される。この始動・停止スイッチ39をACC位置にすると、リレーR3はオン状態となる。
【0051】(ii)エンジンを駆動するため、電源切換スイッチ56を押すと、リレーR4,R2がオン状態となり、リレーR3がオフ状態となり、リレーR9がオン状態となる。
【0052】(iii) 始動・停止スイッチ39をスタート位置に切換えると、バッテリ41からエンジン始動回路49に直流電源が供給されて、エンジンが始動する。また、始動・停止スイッチ39を図示しないオフ位置に切換えると、エンジン停止回路54への電源がオフとなり、エンジンが停止する。
【0053】以上のように、エンジン駆動時のみ、電源切換スイッチ56で始動待ち状態にするが、電動モータ駆動およびエンジン駆動を、共通のキースイッチである始動・停止スイッチ39により始動または停止できる。
【0054】また、図1乃至図4に示されるように、始動・停止スイッチ39のスタート位置には、油圧ロックスイッチ46が設けられているので、この油圧ロックスイッチ46が開いたロック解除状態では、リレーR1がオフ状態で、リレーR8は最初に励磁不能であるから、電動モータ始動・停止回路33に電源が供給されないとともに、エンジン始動回路49にも電源が供給されず、電動モータおよびエンジンの両駆動共に始動できない。
【0055】(C) 次に、電動モータ駆動時およびエンジン駆動時のいずれにおいても、それらの駆動を緊急に停止できる作用を説明する。
【0056】電動モータ駆動時は、交流電源11を交流/直流変換器14により直流電源に変換し、この直流電源を始動・停止スイッチ39へ供給し、また、エンジン駆動時は、バッテリ41より直流電源を始動・停止スイッチ39へ供給する。このとき、緊急停止スイッチ58にも常時、直流電源が供給される。
【0057】緊急時に、始動・停止スイッチ39の電源側にある緊急停止スイッチ58を押して開くと、リレーR5のコイル20が励磁解除されるから、交流回路13のリレーR5の常開接点27および直流回路15のリレーR5の常開接点38が共に開き、電動モータ始動・停止回路33への電源を遮断するとともに、始動・停止スイッチ39への電源を同時に遮断し、電動モータおよびエンジンのいずれの駆動も共に停止させることができ、機械の作動を停止できる。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、エンジン駆動時充電回路および電動モータ駆動時充電回路により、エンジン駆動時だけでなく、電動モータ駆動時もバッテリを充電でき、電動モータ駆動が継続された場合のバッテリ放電を防止できる。
【0059】請求項2記載の発明によれば、インタロック回路により、エンジン駆動時のバッテリ充電時に、発電機からの直流を交流/直流変換器に供給する異常状態を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000190297
【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
【出願日】 平成10年7月30日(1998.7.30)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−50411(P2000−50411A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−216282