| 【発明の名称】 |
ハイブリッド電気自動車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶 恭士
【氏名】江上 常幸
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| 【要約】 |
【課題】運転状態の変化による好ましくない電池電圧の変化を抑止可能なハイブリッド電気自動車の制御装置を提供すること。
【解決手段】蓄電手段の過度の電圧変化を生起する運転状態の変化を検出し(S110)、この時、この電圧変化を規制する方向へ充放電制御量を変更する(S114)。このようにすれば、運転状態の急変時でも電池電圧の過度の電圧変化が生じて、警報が発生したり、電池保護のために充放電電流の遮断が生じたりすることがなく、更に、電池の過大な上昇や不足を防止してその性能低下を抑止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンパワーを発生するエンジン、前記エンジンパワーの一部あるいはすべてを電力に変換するとともに車両駆動パワーの少なくとも一部を発生する回転電機を含む動力伝達手段、及び、前記回転電機と電力授受する蓄電手段を含むハイブリッド機関を制御するハイブリッド電気自動車の制御装置において、車両の運転状態に関する運転状態データを検出する運転状態検出手段、前記運転状態データに基づいて車両駆動のための車両駆動パワー要求値を決定する車両駆動パワー要求値決定手段、前記蓄電手段の残容量に関する残容量データを検出する残容量検出手段、前記残容量データに基づいて前記蓄電手段の残容量が所定範囲となるように前記蓄電手段への充放電制御量を決定する充放電制御量設定手段、前記両決定手段により決定された前記車両駆動パワー要求値および充放電制御量を満足するエンジンパワーを発生するように前記エンジンを含む前記ハイブリッド機関を制御する制御手段、および、前記蓄電手段の過度の電圧変化を生起する前記運転状態の変化時に前記電圧変化を規制する方向へ前記充放電制御量を変更する充放電制御量変更手段、を備えることを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項2】請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記蓄電手段の過度の電圧変化を生起する前記運転状態の変化は、アクセル開度の変化であることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項3】請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記蓄電手段の過度の電圧変化を生起する前記運転状態の変化は、車両駆動パワー要求値の変化であることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項4】前記請求項1ないし3のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記充放電制御量変更手段は、前記運転状態の変化が加速状態であり、かつ、前記充放電制御量が放電側である場合に、又は、前記運転状態の変化が減速状態であり、かつ、前記充放電制御量が充電側である場合に、前記充放電制御量の絶対値を減少することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項5】前記請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記充放電制御量変更手段は、前記運転状態の変化が加速状態であり、かつ、前記充放電制御量が充電側である場合に、又は、前記運転状態の変化が減速状態であり、かつ、前記充放電制御量が放電側である場合に、前記充放電制御量の絶対値を増大することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記充放電制御量変更手段は、前記蓄電手段の過度の電圧変化を生起する前記運転状態の変化検出後、所定時間の間、前記充放電制御量の変更を持続することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。 【請求項7】請求項6記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において、前記充放電制御量変更手段は、前記蓄電手段の過度の電圧変化を生起する前記運転状態の変化が終了後、所定時間の間、前記充放電制御量の変更を持続することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド電気自動車の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジンパワーの一部あるいはすべてを電力に変換するとともに車両駆動パワーの少なくとも一部を発生する回転電機を含む動力伝達手段、及び、回転電機と電力授受する蓄電手段を含むハイブリッド機関を有するハイブリッド電気自動車が実用化されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ハイブリッド電気自動車の制御装置では、車両操作情報を含む車両の運転状態に基づいて決定された動力伝達手段が発生するべき動力量として車両駆動パワー要求値Pd’と、蓄電手段の残容量を適正範囲に維持するために決定された充放電制御量である充放電パワー要求値Pb’とを満足するように、エンジンパワー要求値Pe’を決定し、このエンジンパワー要求値Pe’に相当するエンジンパワーを発生させるようにエンジンを制御し、また発生したエンジンパワーの分配を動力伝達手段により行っている。 【0004】ところが、車両の運転状態の急変により車両駆動パワー要求値Pd’の急変時によるエンジンパワー要求値Pe’の急変が生じるとそれに対するエンジンパワーの追従遅れ等が生じ、過渡的に動力伝達手段の回転電機は電池から不足エネルギーを吸収したり、電池へ余剰エネルギーを放出したりする。この回転電機による電池との電力授受は、電池側においてその端子電圧の変化によりなされるが、急加速時や急減速時などの運転条件の急変により過渡的に電池電圧の急変が生じ、これにより電池状態をモニタする電池コントローラが異常と判定して警報を発したり、電池充放電を禁止したりする可能性が生じた。また、上記運転条件の急変による電池電圧の急変によりサイクル寿命などの電池性能に影響が生じる可能性が考えられる。上記問題は特に、電池の容量が見掛け上減っている低温時に顕著となる。 【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、運転状態の変化による好ましくない電池電圧の変化を抑止可能なハイブリッド電気自動車の制御装置を提供することをその目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置では、上述したハイブリッド電気自動車の制御において、特に、蓄電手段の過度の電圧変化を生起する運転状態の変化時にこの電圧変化を規制する方向へ充放電制御量を変更する。このようにすれば、運転状態の急変時でも電池電圧の過度の電圧変化が生じて、警報が発生したり、電池保護のために充放電電流の遮断が生じたりすることがなく、更に、電池の過大な上昇や不足を防止してその性能低下を抑止することができる。 【0007】請求項2記載の構成によれば請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、上述した蓄電手段の過度の電圧変化を生起するアクセル開度の変化により充放電制御量を変更するので、新たにセンサなどを設けることなく車両の運転状態の変化を速やかに(先行して)検出することができる。請求項3記載の構成によれば請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、上述した蓄電手段の過度の電圧変化を生起する車両駆動パワー要求値Pd’の変化により充放電制御量を変更するので、エンジンパワー要求値Pe’の決定に用いた制御処理を共用することができ、新たにセンサなども設けることなく制御を行うことができる。 【0008】請求項4記載の構成によれば前記請求項1ないし3のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、運転状態の変化が加速状態であり、かつ、充放電制御量の制御が放電側である場合に、又は、運転状態の変化が減速状態であり、かつ、充放電制御量の制御が充電側である場合に、充放電制御量の絶対値を減少する。 【0009】更に詳しく説明する。運転状態の変化が加速状態の場合は車両駆動パワー要求値Pd’は増大するので、エンジンパワー要求値Pe’の増大に対するエンジンパワーの増大の追従遅れ等により過渡的に電池から回転電機への放電が生じて電池電圧が過渡的に低下しようとすることが予測される。 【0010】ところが、この時に上述の電池の残容量を適正化するための充放電制御量の制御が放電制御であるということは、電池電圧を過渡的に更に一層低下させて、電池電圧の過小状態を招く可能性を生じさせる。そこで、この場合には運転条件の変化に基づいて予め充放電制御量の絶対値を減少してこの充放電制御量の放電制御に起因する電池電圧の過小状態の発生を防止する。 【0011】また、運転状態の変化が減速状態の場合は車両駆動パワー要求値Pd’は減少するので、エンジンパワー要求値Pe’の減少に対するエンジンパワーの減少の追従遅れや、車輪の運動エネルギーを回転電機を発電機として用いて回生させること等によりの過渡的に回転電機から電池へ充電が生じて電池電圧が過渡的に上昇しようとすることが予測される。 【0012】ところが、この時に上述の電池の残容量を適正化するための充放電制御量の制御が充電制御であるということは、電池電圧を過渡的に更に一層上昇させて、電池電圧の過昇状態を招く可能性を生じさせる。そこで、この場合には運転条件の変化に基づいて予め充放電制御量の絶対値を減少してこの充放電制御量の充電制御に起因する電池電圧の過小状態の発生を防止する。 【0013】本構成によれば、複雑な制御を採用することなく、エンジンパワー制御に用いられる充放電制御量(充放電パワー要求値Pb’)の変更により簡単に必要な制御を行うことができる。請求項5記載の構成によれば請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、運転状態の変化が加速状態であり、かつ、充放電制御量の制御が充電側である場合に、又は、運転状態の変化が減速状態であり、かつ、充放電制御量の制御が放電側である場合に、充放電制御量の絶対値を増大する。 【0014】更に詳しく説明する。運転状態の変化が加速状態の場合は車両駆動パワー要求値Pd’は増大するので、エンジンパワー要求値Pe’の増大に対するエンジンパワーの増大の追従遅れ等により過渡的に電池から回転電機への放電が生じて電池電圧が過渡的に低下しようとすることが予測される。 【0015】ところが、この時に上述の電池の残容量を適正化するための充放電制御量を充電側へ強化するということは、電池電圧の上記過渡的低下を抑止する方向に働くので、電池寿命の向上の点で有利となる。また、運転状態の変化が減速状態の場合は車両駆動パワー要求値Pd’は減少するので、エンジンパワー要求値Pe’の減少に対するエンジンパワーの減少の追従遅れや、車輪の運動エネルギーを回転電機を発電機として用いて回生させること等により過渡的に回転電機から電池へ充電が生じて電池電圧が過渡的に上昇しようとすることが予測される。 【0016】ところが、この時に上述の電池の残容量を適正化するための充放電制御量を放電側へ強化するということは、電池電圧の上記過渡的上昇を抑止する方向に働くので、電池寿命の向上の点で有利となる。請求項6記載の構成によれば前記請求項1ないし5のいずれかに記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、上述した充放電制御量の変更は、蓄電手段の過度の電圧変化を生起する運転状態の変化が生じてから所定時間の間持続される。 【0017】このようにすれば、運転状態の急変が短時間でその電池電圧への影響がこの急変終了後も持続する場合などであっても電池電圧変化の抑止効果を持続することができる。請求項7記載の構成によれば請求項6記載のハイブリッド電気自動車の制御装置において更に、上記充放電制御量の変更は蓄電手段の過度の電圧変化を生起する運転状態の変化が終了後、所定時間の間、持続される。 【0018】このようにすれば、たとえばアクセルを急激に踏み込んだ場合など車両運転状態の変化が短期間であるにおいて、その影響により上記蓄電手段の過度の電圧変化がアクセル踏み込み終了後(車両運転状態の変化の終了後)も持続する場合などにおいて、良好に蓄電手段の過度の電圧変化を抑止することができる。 【0019】 【発明を実施するための態様】本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置の好適な態様を以下の実施例を図面を参照して説明する。 【0020】 【実施例1】実施例1のハイブリッド電気自動車の制御装置を以下に説明する。 (構成)このハイブリッド電気自動車の制御装置のシステム構成を図1に示すブロック図を参照して説明する。 【0021】1は内燃機関(エンジン)、2は内燃機関1の出力軸、3は吸気管、4は燃料噴射弁、5はスロットル弁、6は吸入空気量調節手段、7はアクセルセンサ、8はブレーキセンサ、9はシフトスイッチ、10は動力伝達手段であり、動力伝達手段10は第1の回転電機1010および第2の回転電機1020を有している。 【0022】11は差動装置、12はIGスイッチ、13は内燃機関制御装置、14は第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の駆動装置、15はバッテリよりなる蓄電装置、16はハイブリッド制御装置、17は蓄電装置を制御するための電池コントローラである。エンジン(内燃機関)1、動力伝達手段10及び蓄電装置(蓄電手段)15はハイブリッド機関を構成し、内燃機関制御装置13、駆動装置14、ハイブリッド制御装置16、電池コントローラ17はハイブリッド電気自動車の制御装置を構成し、内燃機関制御装置13及びハイブリッド制御装置16はマイコンを内蔵している。 【0023】動力伝達手段10は、2つの回転電機1010、1020を有している。第1の回転電機1010は、内燃機関1の出力軸2と連結した内側ロータと、内側ロータの外周側に設けられる外側ロータとを有し、両ロータのいずれか一方が永久磁石を有し、他方が三相コイルを備えたブラシレスDCモータからなる。第2の回転電機1020は、図示しない永久磁石を備えたロータと、三相コイルを備えたステータとを有するブラシレスDCモータからなり、このロータは第1の回転電機1010の外側ロータと一体に又は機械的に連結されて回転するとともに差動装置を通じて車両の出力軸に連結されている。たとえば、第1の回転電機1010及び第2の回転電機1020は、第2の回転電機1020のロータを兼ねる第1の回転電機1010の外側ロータの外周側に第2の回転電機1020のステータを設けて、第2の回転電機1020が第1の回転電機1010の外周側に配置される同軸配置構成を採用することも可能である。これら2ロータ型回転電機からなる動力伝達手段10の構造及び動作は周知であるので、これ以上の説明は省略する。 【0024】(基本動作)ハイブリッド制御装置16は、アクセルセンサ7、ブレーキセンサ8、シフトスイッチ9、IGスイッチ12などから入力される車両操作情報量等からユーザの意志を知る。その情報に加え、現在の車速やエンジン回転数等をもとに、車両駆動トルク要求値Td’を作成し、更に図示しない車速センサからの車速に基づいて車両駆動パワー要求値Pd’を算出する。 【0025】電池コントローラ17は、マイコン構成であって、電池の充電状態をみて、電池充電率(SOC)すなわち蓄電装置15の残容量をハイブリッド制御装置16へ出力する。ハイブリッド制御装置16は、受信した上記SOCに応じて充放電パワー要求値Pb’を算出して、これに先ほど求めた車両駆動パワー要求値Pd’を加算し、エンジンパワー要求値Pe’を求め、これを内燃機関制御装置13に送信する。 【0026】内燃機関制御装置13は、内燃機関1の燃費率マップを記憶しており、受信したエンジンパワー要求値と燃費率マップとに基づいて内燃機関1が最高効率となるエンジン動作点を決定し、このエンジン動作点に対応する吸入空気量(エンジントルク要求値)とエンジン回転数要求値とを決定し、更に、この吸入空気量に基づいてスロットル開度を制御するとともにエンジン回転数要求値をハイブリッド制御装置16に送信する。更に、内燃機関制御装置13は内燃機関1に搭載の電子制御燃料噴射装置を駆動して公知の燃料噴射制御を実行し、また公知の点火制御を実行する。 【0027】ハイブリッド制御装置16は、受信したエンジン回転数要求値を満足するように第1の回転電機1010の回転数制御を行うべく、駆動装置14から送信される第1の回転電機1010の両ロータの回転角度速度差に基づいて第1の回転電機1010のトルク要求値を演算して駆動装置14に指令する。更に、ハイブリッド制御装置16は、車両の駆動トルク要求値と第1の回転電機1010のトルク要求値との差から第2の回転電機1020のトルク要求値を算出し、駆動装置14にそれを出力する。 【0028】駆動装置14は、ハイブリッド制御装置16から受信した第1および第2の回転電機のトルク要求値に基づいて、第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の界磁方向の制御とそれと直交する方向における電流制御を行って両トルク要求値通りにトルクを発生させる。なお通常は、駆動装置14は、第1の回転電機1010および第2の回転電機1020の回転数を各々検出し、ハイブリッド制御装置16に送信する。このとき、第1の回転電機1010および第2の回転電機1020のいづれか一方は発電動作をし、その発電電力を電動動作している他方に供給することになる。 【0029】(エンジンパワー要求値Pe’の算出制御)上記したエンジンパワー要求値Pe’の算出制御動作を図2のフローチャートにより説明する。まず、アクセルセンサ7から入力されるアクセル開度にもとづいて車両駆動トルク要求値Td’を算出し(S100)、図示しない車速センサからの車速(またはハイブリッド機関の出力軸回転数)Vを読み込み(S102)、それらに基づいて車両駆動パワー要求値Pd’を算出する(S104)。なお、車両駆動パワー要求値Pd’は、Td’・Vに比例定数を掛けて算出される。 【0030】次に、SOCメータ17から電池の残容量を読み込み(S106)、残容量に基づいて充放電制御量Pchg(本明細書でいう充放電パワー要求値Pb’に等しい)を算出する(S108)。なお、この実施例では、充放電制御量Pchgの算出は、蓄電装置15が常に所定量の充放電が可能であるように残容量が適正な範囲となるように、残容量が過度に多い場合には充放電制御量Pchgを放電側にセットし、残容量が過度に少ない場合には充放電制御量Pchgを充電側にセットし、また、残容量が上記適正な範囲内である場合でも残容量が比較的多い場合には少し放電し、残容量が比較的少ない場合には少し充電するといった制御を行う。この充放電制御量Pchgは、たとえば予め記憶する残容量と充放電制御量Pchgとのマップから求めることができる(図5参照)。 【0031】次に、所定時間におけるアクセル開度変化量ΔACC、すなわちアクセル開度変化率aを算出し、アクセル開度変化率aの絶対値IaIが所定のしきい値IaIth以上かどうかを調べる(S110)。なお、この所定時間は定期的に実行される図2のルーチンインタバルとしてもよく、それより長い期間としてもよい。 【0032】アクセル開度変化率aの絶対値IaIの変化が所定のしきい値IaIth以上であれば、充放電制御量Pchgを補正するサブルーチンS114を実行してS116に進み、そうでなければ直接S116に進む。本実施例の特徴部分をなす充放電制御量Pchg補正サブルーチンS114を図3に示すフローチャートを参照して説明する。 【0033】まず、アクセル開度変化率aの変化は車両を加速する方向であるかそれとも減速する方向であるかを判別し(S1140)、加速側であればS108で算出した充放電制御量Pchgは放電側であるか充電側であるかを判別し(S1142)、減速側であればS108で算出した充放電制御量Pchgは充電側であるか放電側であるかを判別する(S1144)。 【0034】S1140〜S1144の判別により、アクセル開度変化率aの変化が加速する方向であり、かつ、S108で算出した充放電制御量Pchgは放電側であれば、又は、アクセル開度変化率aの変化が減速する方向であり、かつ、S108で算出した充放電制御量Pchgは充電側であれば、充放電制御量Pchgの絶対値を減らして(0とする場合を含む)、それを補正充放電制御量Pchg’とし、S116へ進む。 【0035】また、アクセル開度変化率aの変化が加速する方向であり、かつ、S108で算出した充放電制御量Pchgは充電側であれば、又は、アクセル開度変化率aの変化が減速する方向であり、かつ、S108で算出した充放電制御量Pchgは放電側であれば、充放電制御量Pchgの絶対値を所定量だけ増やして、それを補正充放電制御量Pchg’とし、S116へ進む。 【0036】S116では、車両駆動パワー要求値Pd’に、この補正充放電制御量Pchg’を加えて、エンジンパワー要求値Pe’とし、内燃機関制御装置13に送信する(S116)。次に、求めたエンジンパワー要求値Pe’に基づいて、ハイブリッド機関各部を制御する方法について、以下に説明する。 【0037】内燃機関制御装置13は受信したエンジンパワー要求値Pe’と燃費率マップとに基づいて内燃機関1が最高効率となるエンジン動作点を決定し、このエンジン動作点に対応する吸入空気量(エンジントルク要求値)とエンジン回転数要求値Neとを決定する。更に、内燃機関制御装置13は、決定された吸入空気量に基づいてスロットル弁開度を制御するとともにエンジン回転数要求値Neをハイブリッド制御装置16に送信する。 【0038】ハイブリッド制御装置16は、エンジン回転数要求値Neを受信し、受信したエンジン回転数要求値Neを満足するように第1の回転電機1010の回転数制御を行うべく、駆動装置14から受信した第1の回転電機1010の両ロータの回転角度速度差に基づいて第1の回転電機1010のトルク要求値T1を演算し、更に、車両の駆動トルク要求値Td’と第1の回転電機1010のトルク要求値T1との差から第2の回転電機1020のトルク要求値T2を算出し、これらトルク要求値T1、T2を駆動装置14に出力し、駆動装置14はこれらトルク要求値T1、T2を発生させるよう両回転電機1010、1020に供給する電流を制御する。 【0039】なお、S110におけるしきい値IaIthは、それが結果的に蓄電装置15の端子電圧を所定範囲より過大又は過小となる値に設定される。このようにすれば前述した各作用効果を奏することができる。 (変形態様1)この実施例では、しきい値IaIthは、一定値としたが、残容量に応じて記憶マップに基づいて好適な値に適宜変更することも可能である。 【0040】 【実施例2】本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置の他の実施例を、図2および図3に示すフローチャートを参照して説明する。この実施例は、実施例1において、車両の運転状態の変数aを、所定時間におけるアクセル開度変化量ΔACC(すなわちアクセル開度変化率)の代わりに、S104で算出した車両駆動パワー要求値Pd’の所定時間における変化量ΔPd’とした点だけが異なっている。この実施例では、当然、しきい値IaIthも変数aの変更に応じて適切な値に変更される。 【0041】このようにしても、前述した各作用効果を奏することができることは明白である。 【0042】 【実施例3】本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置の他の実施例を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。この実施例は、実施例1の図2に示すフローチャートにおいて、S118、S120、S122のステップを追加しただけであるので、これらステップについてのみ説明する。 【0043】S118では、前に車両の運転状態の変数aの絶対値がそのしきい値IaIthを超えたことを検出してから所定時間t1を経過したかどうかを判定し、超えていればs116へ進み、充放電制御量Pchgの補正は行わない。一方、まだ超えていなければ、s120へ進み、更に、前に車両の運転状態の変数aの絶対値がそのしきい値IaIthを超えたことを検出してから上記所定時間t1より短い所定の短時間Δt内の間にそれが消滅して車両の運転状態が元の車両の運転状態に近似する状態として定義される元の車両の運転状態に復帰したかどうかを判定し、復帰したのであればs116へ進み、充放電制御量Pchgの補正は行わない。 【0044】そして、前に車両の運転状態の変数aの絶対値がそのしきい値IaIthを超えたことを検出してから所定時間t1を経過し、かつ、前に車両の運転状態の変数aの絶対値がそのしきい値IaIthを超えたことを検出してから上記所定時間t1より短い所定の短時間Δt内の間にそれが消滅して元の車両の運転状態に復帰していなければ、前に補正した充放電制御量Pchg’を今回の充放電制御量Pchg’として用いることに決定し(S122)、S116へ進む。 【0045】このようにすれば、蓄電手段の過度の電圧変化を生起する運転状態の変化が終了後、所定時間の間、充放電制御量の変更を持続するので、運転状態の急変が終了後、その影響により電池電圧が過度に変化するのを抑止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年7月13日(1998.7.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2000−32609(P2000−32609A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月28日(2000.1.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−197745 |
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