| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両のバッテリー制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菊地 俊雄
【氏名】北田 真一郎
【氏名】大和田 優
【氏名】金子 雄太郎
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| 【要約】 |
【課題】バッテリー温度が低いときに入出力を回復する。
【解決手段】バッテリー温度が所定値以下またはバッテリーの内部抵抗が所定値以上で、且つバッテリーSOCが所定値以上で、且つエンジン冷却水温度が所定値以下の場合に、バッテリーからモーターへ電力を供給してエンジンを始動するとともに、エンジン始動後もバッテリーからモーターへ電力を供給してモーターを力行運転する。これにより、バッテリーの温度が上がって入出力を回復させることができ、車両の要求性能を満たすことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンおよび/またはモーターの駆動力により走行するハイブリッド車両に搭載され、モーターとの間で電力の授受を行うバッテリーの制御装置であって、バッテリーの温度を検出する温度検出手段と、バッテリーの内部抵抗を検出する抵抗検出手段と、バッテリーのSOCを検出するSOC検出手段と、エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、前記バッテリー温度が所定値以下または前記バッテリーの内部抵抗が所定値以上で、且つ前記バッテリーSOCが所定値以上で、且つ前記エンジン冷却水温度が所定値以下の場合に、バッテリーからモーターへ電力を供給してエンジンを始動するとともに、エンジン始動後もバッテリーからモーターへ電力を供給してモーターを力行運転する制御手段とを備えることを特徴とするハイブリッド車両のバッテリー制御装置。 【請求項2】請求項1に記載のハイブリッド車両のバッテリー制御装置において、無段変速機の油温を検出する油温検出手段を備え、前記制御手段は、前記油温が所定値以下の場合にオイルポンプモーターを高速運転することを特徴とするハイブリッド車両のバッテリー制御装置。 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両のバッテリー制御装置において、前記制御手段は、前記バッテリー温度が所定値以下または前記バッテリーの内部抵抗が所定値以上で、且つ前記バッテリーSOCが前記所定値未満の場合には、バッテリーからモーターへ電力を供給してエンジンを始動するとともに、エンジン始動後はモーターを発電運転してバッテリーを充電することを特徴とするハイブリッド車両のバッテリー制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド車両に搭載されるバッテリーの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術とその問題点】バッテリーからモーターへ電力を供給して駆動するハイブリッド車両では、バッテリーの温度が低くなると内部抵抗が大きくなり、出力が低下するため、車両の要求駆動力を満たせなくなる。 【0003】本発明の目的は、バッテリー温度が低いときに入出力を回復することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の発明は、エンジンおよび/またはモーターの駆動力により走行するハイブリッド車両に搭載され、モーターとの間で電力の授受を行うバッテリーの制御装置であって、バッテリーの温度を検出する温度検出手段と、バッテリーの内部抵抗を検出する抵抗検出手段と、バッテリーのSOCを検出するSOC検出手段と、エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、バッテリー温度が所定値以下またはバッテリーの内部抵抗が所定値以上で、且つバッテリーSOCが所定値以上で、且つエンジン冷却水温度が所定値以下の場合に、バッテリーからモーターへ電力を供給してエンジンを始動するとともに、エンジン始動後もバッテリーからモーターへ電力を供給してモーターを力行運転する制御手段とを備える。 【0005】(2) 請求項2のハイブリッド車両のバッテリー制御装置は、無段変速機の油温を検出する油温検出手段を備え、制御手段によって、油温が所定値以下の場合にオイルポンプモーターを高速運転するようにしたものである。 【0006】(3) 請求項3のハイブリッド車両のバッテリー制御装置は、制御手段によって、バッテリー温度が所定値以下またはバッテリーの内部抵抗が所定値以上で、且つバッテリーSOCが所定値未満の場合には、バッテリーからモーターへ電力を供給してエンジンを始動するとともに、エンジン始動後はモーターを発電運転してバッテリーを充電するようにしたものである。 【0007】 【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、バッテリーの温度が上がって入出力を回復させることができ、車両の要求性能を満たすことができる。 【0008】(2) 請求項2の発明によれば、バッテリーの温度が早く上がって入出力を早く回復させることができる。 【0009】(3) 請求項3の発明によれば、バッテリーのSOCが低い場合でも、バッテリーの温度が上がって入出力を回復させることができ、車両の要求性能を満たすことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は一実施の形態の構成を示す図である。図において、太い実線は機械力の伝達経路を示し、太い破線は電力線を示す。また、細い実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。 【0011】この車両のパワートレインは、モーター1、エンジン2、クラッチ3、モーター4、無段変速機5、減速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。モーター1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ3の入力軸は互いに連結されており、また、クラッチ3の出力軸、モーター4の出力軸および無段変速機5の入力軸は互いに連結されている。 【0012】クラッチ3締結時はエンジン2とモーター4が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモーター4のみが車両の推進源となる。エンジン2および/またはモーター4の駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧装置9から圧油が供給され、ベルトのクランプと潤滑がなされる。油圧装置9のオイルポンプ(不図示)はモーター10により駆動される。 【0013】モータ1,4,10は三相同期電動機または三相誘導電動機などの交流機であり、モーター1は主としてエンジン始動と発電に用いられ、モーター4は主として車両の推進と制動に用いられる。また、モーター10は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。なお、モーター1,4,10には交流機に限らず直流電動機を用いることもできる。また、クラッチ3締結時に、モーター1を車両の推進と制動に用いることもでき、モーター4をエンジン始動や発電に用いることもできる。 【0014】クラッチ3はパウダークラッチであり、伝達トルクがほぼ励磁電流に比例するので伝達トルクを調節することができる。無段変速機5はベルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比を無段階に調節することができる。 【0015】モーター1,4,10はそれぞれ、インバーター11,12,13により駆動される。なお、モーター1,4,10に直流電動機を用いる場合には、インバーターの代わりにDC/DCコンバーターを用いる。インバーター11〜13は共通のDCリンク14を介してメインバッテリー15に接続されており、メインバッテリー15の直流充電電力を交流電力に変換してモーター1,4,10へ供給するとともに、モーター1,4の交流発電電力を直流電力に変換してメインバッテリー15を充電する。 【0016】なお、インバーター11〜13は互いにDCリンク14を介して接続されているので、回生運転中のモーターにより発電された電力をメインバッテリー15を介さずに直接、力行運転中のモーターへ供給することができる。また、メインバッテリー15にはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池などを用いることができる。 【0017】コントローラー16は、マイクロコンピューターとその周辺部品や各種アクチュエータなどを備え、エンジン2の回転速度や出力トルク、クラッチ3の伝達トルク、モーター1,4,10の回転速度や出力トルク、無段変速機5の変速比、メインバッテリー15の充放電などを制御する。 【0018】コントローラー16には、図2に示すような機器が接続されている。キースイッチ20は、車両のメインキーがON位置またはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。バッテリー温度センサー21はメインバッテリー15の温度Tb[℃]を検出し、バッテリー電圧センサー22はメインバッテリー15の端子電圧Vb[V]を検出する。バッテリー電流センサー23はメインバッテリー15に流れる充放電電流Ib[A]を検出し、SOC検出装置24はメインバッテリー15のSOC[%]を検出する。 【0019】エンジン回転センサー25はエンジン2の毎分回転数[rpm]を検出し、エンジン水温センサー26はエンジン2の冷却水温度Te[℃]を検出する。また、変速機油温センサー27は無段変速機5の油温Tc[℃]を検出し、モーター10回転センサー28はモーター10の毎分回転数[rpm]を検出する。 【0020】燃料噴射装置30はエンジン2へ燃料を噴射し、点火装置31はエンジン2の点火を行う。補助バッテリー32は、コントローラー16などの車載機器へ低圧電源を供給する。 【0021】図3、図4はメインバッテリー15の制御プログラムを示すフローチャートである。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。 【0022】コントローラー16は、キースイッチ20がオン状態にある間、このバッテリー制御プログラムを繰り返し実行する。ステップ1において、メインバッテリー15の温度Tbが運行に最適な状態にあるかどうかを確認する。 【0023】ここで、メインバッテリー15の入出力はメインバッテリー15の温度Tbに大きく左右される。温度Tbが低くなると、入出力が低下して車両の要求性能を満たせなくなる。なお、温度Tbが高くなると、性能が劣化して寿命が短くなる。 【0024】また、メインバッテリー15の内部抵抗Rbは温度Tbと相関があり、温度Tbが低くなると内部抵抗Rbが大きくなり、逆に温度Tbが高くなると内部抵抗Rbが小さくなるので、内部抵抗Rbによりバッテリー温度Tbを知ることができる。 【0025】そこで、この実施の形態では、メインバッテリー15をその入出力が高い状態で使用するために、バッテリー温度Tbが所定値以下(Tb≦Tb1)のとき、またはバッテリー内部抵抗Rbが所定値Rb1以上(Rb≧Rb1)のときは、強制的に充放電を行ってバッテリー温度Tbを上げる。 【0026】なお、メインバッテリー15の内部抵抗Rbは、バッテリー電圧Vbとバッテリー電流Ibを測定し、それらの測定値によりメインバッテリー15のV−I特性を直線回帰し、V−I特性の傾きを内部抵抗Rbとする。 【0027】メインバッテリー15の温度Tbが所定値Tb1以下のとき、または内部抵抗Rbが所定値Rb1以上のときは、メインバッテリー15の温度Tbが運行に適した温度にないと判断してステップ3以降の処理を行う。一方、メインバッテリー15の温度Tbが所定値Tb1より高いとき、または内部抵抗Rbが所定値Rb1より低いときは、メインバッテリー15の温度Tbが運行に適した温度であると判断してステップ2へ進み、通常の充放電制御を行う。 【0028】バッテリー温度Tbが低いとき、または内部抵抗Rbが大きいときには、ステップ3でメインバッテリー15のSOCを確認し、SOCが所定値SOC1以上のときはステップ4へ進み、所定値SOC1未満のときは図4のステップ12へ進む。SOCが所定値SOC1以上のときは、ステップ4でエンジン2の冷却水温度Teが所定値Te1以下かどうかを確認する。エンジン冷却水温度Teが所定値Te1以下のときはステップ5へ進み、そうでなければステップ9へ進む。 【0029】メインバッテリー15のSOCが高く、且つエンジン冷却水温度Teが低いときは、メインバッテリー15の強制放電をおこなってバッテリー温度Tbを上げる。すなわち、ステップ5でエンジン2が運転状態にあるか否かを確認し、運転されていなければステップ6へ進み、メインバッテリー15からモーター1へ電力を供給して駆動し、モーター1によりエンジン2を始動する。エンジン始動後のステップ7で、車両運行のためのモーター1の運転要求があるかどうかを確認し、運転要求がなければステップ8へ進み、メインバッテリー15からモーター1へ電力を供給して駆動し、モーター1の力行運転を行って運転中のエンジン2をアシストする。 【0030】このようなメインバッテリー15の強制放電によってバッテリー温度Tbが上昇し、バッテリー温度Tbが所定値Tb1より高くなるか、または内部抵抗Rbが所定値Rb1より低くなると、メインバッテリー15の入出力が回復し、メインバッテリー15に対する要求入出力を満たすことができる。 【0031】さらに、ステップ9で、変速機油温Tcが所定値Tc1以下かどうかを確認し、油温Tcが所定値Tc1以下であればステップ10へ進み、オイルポンプ用モーター10の回転数Ncが所定値Nc1以下の時はステップ11でモーター10の高速運転を行う。このように、メインバッテリー15からモーター1と10への強制放電を行うことによって、バッテリー温度Tbを早く上昇させ、入出力を早く回復させることができる。 【0032】一方、メインバッテリー15のSOCが低いときは、メインバッテリー15の強制充電を行う。すなわち、図4のステップ12で、エンジン2が運転中か否かを確認し、運転中でなければステップ13でエンジン2を始動する。続くステップ14で、車両運行のためのモーター1の運転要求があるかどうかを確認し、運転要求がなければステップ15でモーター1を発電運転し、メインバッテリー15の充電を行う。 【0033】このようなメインバッテリー15の強制充電によってバッテリー温度Tbが上昇し、バッテリー温度Tbが所定値Tb1より高くなるか、または内部抵抗Rbが所定値Rb1より低くなると、メインバッテリー15の入出力が回復し、メインバッテリー15に対する要求入出力を満たすことができる。 【0034】以上の一実施の形態の構成において、バッテリー温度センサー21が温度検出手段を、バッテリー電圧センサー22、バッテリー電流センサー23およびコントローラー16が抵抗検出手段を、SOC検出装置24がSOC検出手段を、エンジン水温センサー26が水温検出手段を、コントローラー16が制御手段を、変速機油温センサー27が油温検出手段をそれぞれ構成する。 【0035】なお、ハイブリッド車両の構成は図1および図2に示す構成に限定されず、エンジンおよび/またはモーターの駆動力により走行するものであればどのような構成であってもよい。また、上記実施の形態では2台のモーターによりエンジン始動、発電、車両駆動を行う例を示したが、1台のモーターによりそれらを行うハイブリッド車両に対しても本発明を適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月3日(1998.7.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084412 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 冬紀
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| 【公開番号】 |
特開2000−23307(P2000−23307A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−189397 |
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