| 【発明の名称】 |
電気自動車又はハイブリッド車の補機駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古藤 隆志
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| 【要約】 |
【課題】必要最小限の駆動トルクを有する電動モータを使用することにより、電動モータを小型化でき、また車両重量及び製造コストを低減できる。
【解決手段】ブレーキ装置に供給される圧縮エアがエアコンプレッサ11により発生され、パワーステアリング装置12に供給される圧油がパワステポンプ13により発生される。また単一の電動モータ14の出力軸14aがエアコンプレッサ及びパワステポンプに第1及び第2電磁クラッチ21,22を介してそれぞれ接続される。ステアリングホイール12cの操舵角がステアリング角センサ23により検出され、エアコンプレッサにより発生した圧縮エアの圧力が圧力センサ24により検出され、更に車速が車速センサ26により検出される。上記ステアリング角センサ、圧力センサ及び車速センサの各検出出力に基づいてコントローラ28が第1及び第2電磁クラッチを制御するように構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブレーキ装置に供給される圧縮エアを発生するエアコンプレッサ(11)と、パワーステアリング装置(12)に供給される圧油を発生するパワステポンプ(13)と、出力軸(14a)が前記エアコンプレッサ(11)及び前記パワステポンプ(13)に第1及び第2電磁クラッチ(21,22)を介してそれぞれ接続された単一の電動モータ(14)と、ステアリングホイール(12c)の操舵角を検出するステアリング角センサ(23)と、前記エアコンプレッサ(11)により発生した圧縮エアの圧力を検出する圧力センサ(24)と、車速を検出する車速センサ(26)と、前記ステアリング角センサ(23)、前記圧力センサ(24)及び前記車速センサ(26)の各検出出力に基づいて前記第1及び第2電磁クラッチ(21,22)を制御するコントローラ(28)とを備えた電気自動車又はハイブリッド車の補機駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車やハイブリッド車の補機を駆動する装置に関する。更に詳しくは、ブレーキ用の圧縮エアを発生するエアコンプレッサやパワーステアリング用の油圧を発生するパワステポンプを駆動する装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、エアコンプレッサ及びパワステポンプを1台の電動モータにより駆動することにより、パワーステアリング用の油圧及びブレーキ用のエア圧がそれぞれ発生される。そして上記電動モータの駆動トルクはエアコンプレッサ及びパワステポンプの必要最大トルクの合計から決定されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の補機駆動装置のように、電動モータの駆動トルクをエアコンプレッサ及びパワステポンプの必要最大トルクの合計から決定すると、電動モータが大型化し、広い設置スペースを設けなければならず、また車両重量及び製造コストが増大する不具合があった。本発明の目的は、必要最小限の駆動トルクを有する電動モータを使用することにより、電動モータを小型化でき、また車両重量及び製造コストを低減できる電気自動車又はハイブリッド車の補機駆動装置を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、図1に示すように、ブレーキ装置に供給される圧縮エアを発生するエアコンプレッサ11と、パワーステアリング装置12に供給される圧油を発生するパワステポンプ13と、出力軸14aがエアコンプレッサ11及びパワステポンプ13に第1及び第2電磁クラッチ21,22を介してそれぞれ接続された単一の電動モータ14と、ステアリングホイール12cの操舵角を検出するステアリング角センサ23と、エアコンプレッサ11により発生した圧縮エアの圧力を検出する圧力センサ24と、車速を検出する車速センサ26と、ステアリング角センサ23、圧力センサ24及び車速センサ26の各検出出力に基づいて第1及び第2電磁クラッチ21,22を制御するコントローラ28とを備えた電気自動車又はハイブリッド車の補機駆動装置である。 【0005】この請求項1に記載された電気自動車又はハイブリッド車の補機駆動装置では、先ずブレーキ装置に供給される圧縮エアの圧力がブレーキ装置を作動させるのに必要な最小限の圧力未満の状態でエンジンを始動すると、コントローラ28は第1電磁クラッチ21を接続してエアコンプレッサ11を作動させ、第2電磁クラッチ22を切断してパワステポンプ13を不作動の状態に保つ。上記圧縮エアの圧力が上記ブレーキ装置を作動させるのに必要な最小限の圧力以上になったことを圧力センサ24が検出すると、コントローラ28は第1電磁クラッチ21を接続しまま、第2電磁クラッチ22を接続してパワステポンプ13を作動させる。次に車速センサ26が車速を0km/時を検出している状態、即ち車両の停止状態でステアリング角センサ23がステアリングホイール12cの操舵開始、即ちすえ切り開始を検出すると、コントローラ28は第2電磁クラッチ22を接続したまま第1電磁クラッチ22を切断してエアコンプレッサ11を不作動にする。一方、第1及び第2電磁クラッチ21,22が接続された状態で、車両が走行して車速センサ26が車速を0km/時以外、即ち車両が走行していることを検出し、かつステアリング角センサ23がステアリングホイール12cの操舵を検出すると、コントローラ28は第1及び第2電磁クラッチ21,22を接続した状態に保つ。 【0006】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施の形態では電気自動車は路線バスであり、このバスの補機駆動装置はブレーキ装置に供給される圧縮エアを発生するエアコンプレッサ11と、パワーステアリング装置12に供給される圧油を発生するパワステポンプ13と、出力軸14aがエアコンプレッサ11及びパワステポンプ13に第1及び第2電磁クラッチ21,22を介してそれぞれ接続された単一の電動モータ14とを備える。エアコンプレッサ11はクランクケース11aに回転可能に収容されたクランク軸(図示せず)と、このクランク軸にコンロッド(図示せず)を介して接続されシリンダケース11b内のシリンダ室(図示せず)に摺動可能に収容されたピストン(図示せず)とを有する。またシリンダケース11bの上部には吸入口11c及び吐出口11dが設けられる。吸入口11cは吸入側逆止弁(図示せず)を介してシリンダ室に接続され、吐出口11dは吐出側チェック弁(図示せず)を介してシリンダ室に接続される。また吐出口11dはエア管路16を介してエアタンク17に接続される。ブレーキ装置はこの実施の形態ではエアブレーキ装置であり、図示しないがブレーキペダルの踏込み量に応じて上記エアタンク17に貯えられた圧縮エアをブレーキバルブ及びリレーバルブを介して各車輪のブレーキチャンバに導くように構成される。 【0007】一方、パワステポンプ13はポンプ本体13aと、このポンプ本体13aの上面に取付けられオイルを貯留可能なオイルタンク13bとを有する。またパワーステアリング装置12は上記パワステポンプ13により発生した油圧を制御するコントロールバルブ12aと、ステアリングギヤケース12bに収容されステアリングホイール12cの操舵力をステアリングシャフト12d、ピットマンアーム(図示せず)及びクロスロッド(図示せず)に伝達するステアリングギヤ(図示せず)と、基端が車体に枢着され先端がクロスロッドに枢着されたパワーシリンダ(図示せず)とを有する。コントロールバルブ12aはステアリングギヤケース12bに取付けられ、パワーシリンダは上記油圧によりステアリングホイール12cの操舵方向にクロスロッドを移動させる、即ちステアリングホイール12cの操舵を支援するように構成される。 【0008】ポンプ本体13aの吐出ポート13cはコントロールバルブ12aの供給ポート12eにフィードチューブ18を介して接続され、コントロールバルブ12aの排出ポート12fはオイルタンク13bの戻りポート13dにリターンチューブ19を介して接続される。またコントロールバルブ12aはステアリングホイール12cを操舵すると、内部のスプール(図示せず)が移動し油圧回路が切換わるようになっている。更に電動モータ14の出力軸14aには駆動プーリ14bが嵌着され、第1及び第2電磁クラッチ21,22の出力軸21a,22aには第1及び第2従動プーリ21b,22bがそれぞれ嵌着される。上記駆動プーリ14bと第1及び第2従動プーリ21b,22bとには第1及び第2ベルト31,32がそれぞれ掛け渡される。 【0009】一方、ステアリングシャフト12dにはステアリングホイール12cの操舵角を検出するステアリング角センサ23が設けられ、エアタンク17にはこのタンク17内の圧縮エアの圧力を検出する圧力センサ24が設けられ、更に図示しない変速機の出力軸にはバスの車速を検出する車速センサ26が設けられる。また図1の符号27はキースイッチである。ステアリング角センサ23、圧力センサ24、車速センサ26及びキースイッチ27の各検出出力はコントローラ28の制御入力に接続され、コントローラ28の制御出力は電動モータ14、第1及び第2電磁クラッチ21,22に接続される。 【0010】ブレーキ装置を作動させるのに必要な最小限のエア圧を340kPa、最大限のエア圧を640kPaとするとき、コントローラ28は上記各センサ23,24,26,27の各検出出力に基づいて基本的に下記の4つのパターンで制御するように構成される。またコントローラ28は通常エアタンク17のエア圧が490kPa〜640kPaの範囲内にあるように第1電磁クラッチ21を介してエアコンプレッサ11を制御するように構成される。 【0011】■車速センサ26が車速=0を検出し、圧力センサ24がエア圧<340kPaを検出したときには、第2電磁クラッチ22を切断し、第1電磁クラッチ21を接続する。 ■車速センサ26が車速=0を検出し、圧力センサ24がエア圧≧340kPaを検出し、かつステアリング角センサ23がステアリングホイール12cの操舵を検出したときには、第1電磁クラッチ21を切断し、第2電磁クラッチ22を接続する。 ■車速センサ26が車速≠0を検出し、圧力センサ24がエア圧<640kPaを検出したときには、第1及び第2電磁クラッチ21,22の両者を接続する。 ■車速センサ26が車速≠0を検出し、圧力センサ24がエア圧≧640kPaを検出したときには、第1電磁クラッチ21を切断し、第2電磁クラッチ22を接続する。 【0012】上記■はエンジンの暖機運転時であり、圧力センサ24がエア圧>340kPaになるまでバスは発進できず、かつステアリングホイール12cを操舵できないようになっている。またこの実施の形態では、エアコンプレッサ11を駆動するのに必要なトルクはバスの停止又は走行に拘らず14.5Nmであり、パワステポンプ13を駆動するのに必要なトルクはバスが停止した状態でステアリングホイール12cを操舵したとき、即ちすえ切り時に66.6Nm、バスが走行した状態でステアリングホイール12cを操舵したときに7.8〜34.3Nm(車速によって変化する。)である。なお、ステアリングホイール12cを操舵しないときにパワステポンプ13を駆動するのに必要なトルクは7.8Nmである。 【0013】このように構成された電気自動車の補機駆動装置の動作を図1及び図2に基づいて説明する。先ずエアタンク17内のエア圧が0kPaの状態でキースイッチ27をオンしてエンジンを始動すると、コントローラ28は第1電磁クラッチ21を接続してエアコンプレッサ11を作動させ、第2電磁クラッチ22を切断してパワステポンプ13を不作動の状態に保つ。このとき電動モータ14はエアコンプレッサ11を駆動するのに必要なトルク[14.5Nm]があればよい。また上記暖機運転時にはバスは発進できず、かつステアリングホイール12cを操舵できない。エアタンク17内の圧縮エアの圧力が340kPa以上になったことを圧力センサ24が検出すると、コントローラ28は第1電磁クラッチ21を接続しまま、第2電磁クラッチ22を接続してパワステポンプ13を作動させる。このときの電動モータ14はエアコンプレッサ11及びパワステポンプ13(ステアリングホイール12cを操舵しないとき)を駆動するのに必要なトルク[14.5+7.8=22.3Nm]があればよい。次に車速センサ26が車速を0km/時を検出している状態でステアリング角センサ23がステアリングホイール12cの操舵開始、即ちすえ切り開始を検出すると、コントローラ28は第2電磁クラッチ22を接続したまま第1電磁クラッチ21を切断してエアコンプレッサ11を不作動にする。このとき電動モータ14はパワステポンプ13を駆動するのに必要なトルク[66.6Nm]があればよい。 【0014】一方、第1及び第2電磁クラッチ21,22が接続された状態で、バスが走行して車速センサ26が車速を0km/時以外を検出し、かつステアリング角センサ23がステアリングホイール12cの操舵を検出すると、コントローラ28は第1及び第2電磁クラッチ21,22を接続した状態に保つ。このとき電動モータ14はエアコンプレッサ11及びパワステポンプ13を駆動するのに必要なトルク[14.5+(7.8〜34.3)=(22.3〜48.8)Nm]があればよい。この結果、ステアリングホイール12cのすえ切り時にエアコンプレッサ11を不作動にするので、電動モータ14の駆動トルクはステアリングホイール12cのすえ切り時にエアコンプレッサ11を作動させた場合のトルク[81.1Nm]を必要とせず、ステアリングホイール12cのすえ切りに必要な駆動トルク[66.6Nm]があれば十分である。従って、電動モータ14を小型化でき、またバスの重量及び製造コストを低減できる。 【0015】なお、この実施の形態では、電気自動車として路線バスを挙げたが、観光バス、乗用車又はその他の車両でもよく、電気自動車ではなくエンジンによって発電機が駆動されかつ発電機の発電出力がバッテリの放電出力とともに走行用モータの駆動に使用されるシリーズ型のハイブリッド車であってもよい。また、この実施の形態に挙げたエアタンク内の圧縮エアのエア圧、エアコンプレッサ及びパワステポンプの必要トルクは一例であって、これらの数値に限定されるものではない。 【0016】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ブレーキ装置に供給される圧縮エアをエアコンプレッサが発生し、パワーステアリング装置に供給される圧油をパワステポンプが発生し、単一の電動モータの出力軸をエアコンプレッサ及びパワステポンプに第1及び第2電磁クラッチを介してそれぞれ接続し、更にステアリングホイールの操舵角を検出するステアリング角センサと上記圧縮エアの圧力を検出する圧力センサと車速を検出する車速センサとの各検出出力に基づいてコントローラが第1及び第2電磁クラッチを制御するように構成したので、先ずブレーキ装置に供給される圧縮エアの圧力がブレーキ装置を作動させるのに必要な最小限の圧力未満の状態でエンジンを始動すると、コントローラは第1電磁クラッチを接続し、第2電磁クラッチを切断した状態に保つ。上記エア圧がブレーキ装置を作動させるのに必要な最小限の圧力以上になったことを圧力センサが検出すると、コントローラは第1電磁クラッチを接続したまま、第2電磁クラッチを接続する。 【0017】次に車速センサ及びステアリング角センサによりすえ切りの開始を検出すると、コントローラは第2電磁クラッチを接続したまま第1電磁クラッチを切断する。また第1及び第2電磁クラッチが接続された状態で、車速センサが車速を0km/時以外、即ち車両が走行していることを検出し、かつステアリング角センサがステアリングホイールの操舵を検出すると、コントローラは第1及び第2電磁クラッチを接続した状態に保つ。この結果、ステアリングホイールのすえ切り時にエアコンプレッサを不作動にするので、電動モータの駆動トルクはステアリングホイールのすえ切り時にエアコンプレッサを作動させた場合のトルクを必要とせず、ステアリングホイールのすえ切りに必要な駆動トルクがあれば十分である。従って、電動モータを小型化でき、またバスの重量及び製造コストを低減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005463 【氏名又は名称】日野自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月30日(1998.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085372 【弁理士】 【氏名又は名称】須田 正義
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| 【公開番号】 |
特開2000−23301(P2000−23301A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−183500 |
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