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【発明の名称】 化粧材
【発明者】 【氏名】鈴木 幸雄

【氏名】佐藤 暢

【氏名】小笠原 幹之

【氏名】中村 剛

【氏名】屋舗 一尋

【要約】 【課題】燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガス、ダイオキシン等の有害物質を発生するおそれのない、環境上の安全性の高い化粧材を提供する。

【解決手段】樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素原子を含有しない樹脂である化粧材において、前記着色剤が塩素原子を含有しない着色剤であることを特徴とする化粧材である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素原子を含有しない樹脂である化粧材において、前記着色剤が塩素原子を含有しない着色剤であることを特徴とする化粧材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の壁材、床材、天井材等の内外装材や、家具材、住宅機器類等の表面化粧用として使用される化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の様な用途の化粧材として従来最も広く採用されて来たのはポリ塩化ビニル樹脂系の化粧材である。これはポリ塩化ビニル樹脂が安価で物理的・化学的特性に優れ、可塑剤の添加量の調整により所望の適宜の柔軟性等の物性が容易に得られると共に、シート状乃至フィルム状を始め各種の立体形状、発泡等の各種成形加工やラミネート加工等も容易であり、着色や印刷による意匠性の付与も容易である等の事情によるものである。しかしながら近年に至って、環境問題に対する社会的な関心が高まるに従って、ポリ塩化ビニル樹脂は燃焼時に塩素又は塩化水素等の有毒ガスを発生したり、燃焼条件によっては猛毒のダイオキシンを発生する場合もあることや、フタル酸エステル類等の可塑剤に内分泌攪乱性の疑いがあること等から、ポリ塩化ビニル樹脂を使用しない化粧材による代替が要請される様になっている。こうした社会的要請を受けて、ポリ塩化ビニル樹脂の代替となる樹脂材料として例えばポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の、塩素原子を含有しない樹脂を使用した化粧材が各種提案され、従来のポリ塩化ビニル樹脂系の化粧材に対する置き換えが急速に進行しつつある。
【0003】ところが、係る塩素原子を含有しない樹脂を使用した各種の化粧材について、従来のポリ塩化ビニル樹脂系の化粧材との比較の目的で燃焼試験を実施したところ、上記した塩素ガスや塩化水素ガス、ダイオキシン等の発生が必ずしも完全になくなってはいなかった。そこで、化粧材の主たる構成要素となる原反シートや成形体本体等のみならず、これらの積層の為の接着剤や絵柄印刷の為の印刷インキ、表面塗装の為の塗料等も全て、塩素原子を含有しない樹脂を使用したものに切り替えた化粧材も提案されたが、それでもなお上記の問題は完全には解決されなかった。そこで更に原因を詳細に究明したところ、係る如き化粧材の主たる構成材料である樹脂は塩素原子を含有していなくても、樹脂の着色の為に添加混合されたり絵柄印刷の為の印刷インキに含有されていたりする染料又は顔料等の着色剤が塩素原子を含有していると、この塩素原子が化粧材の燃焼時に遊離して塩素ガスを発生したり、着色剤内又は樹脂内の他の原子と結合して塩化水素ガスやダイオキシン等を発生したりしていることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における上記の様な問題点に鑑みてなされたものであって、燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガス、ダイオキシン等の有害物質を発生するおそれのない、環境上の安全性の高い化粧材を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素原子を含有しない樹脂である化粧材において、前記着色剤が塩素原子を含有しない着色剤であることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材の具体的な構成には様々な態様のものがある。例えば、図1に示すものは、着色された基材層11上に、絵柄印刷層13及び透明樹脂層14を順次積層して構成したものである。また、図2に示すものは、着色又は無着色の基材層21上に、隠蔽ベタ印刷層22、絵柄印刷層23及び透明樹脂層24を順次積層して構成したものである。また、図3に示すものは、基材層を兼ねる透明樹脂層34の裏面に、絵柄印刷層33及び隠蔽ベタ印刷層32を順次積層して構成したものである。以上の各種の構成の化粧材において、図4〜6に示す様に、任意の層間に接着剤層45、55が挟持されていたり、透明樹脂層24の表面にエンボス46、56、66が施されていたり、該エンボス46、56、66の凹部に着色インキ47、57、67が充填されていたり、表面に更に表面保護層48、58、68が設けられていたりしてもよい。前記エンボス46、56、66は、絵柄印刷層43、53、63の絵柄と同調していなくても良いが、意匠効果の向上のために同調させても良い。前記表面保護層48、58、68には適宜の光沢度に調整するための艶調整剤が添加されていても良く、立体的な意匠効果を得るために艶状態の異なる2層以上を任意の模様状に設けたり撥液効果等による同調凹部を設けたりしても良い(図示せず)。シート状の化粧材である化粧シートの場合の様に、裏面を他の材料と接着されることが予定されている化粧材にあっては、裏面に他の材料との接着を容易とするための易接着プライマー層49、59、69が設けられていてもよい。また、基材層11、21、41、51や透明樹脂層14、24、34、44、54、64は、同種又は異種の材料からなる複数層の積層体であっても良く、その層間に接着剤層(図示せず)が挟持されていてもよい。また、例えば図7に示す様に、前述した図1〜6に示す構成又はこれに類する構成を有するシート状の化粧材である化粧シート73を、適宜の化粧材基材71の表面上に、接着剤層72を介して又は介さずに積層して構成したものなども包含される。以上は本発明の化粧材のいくつかの例を示したものに過ぎず、本発明の化粧材の構成はこれらに限定されるものではない。
【0007】上記した各種の構成を例に、本発明の化粧材の構成材料について説明すると、基材層11、21、41、51や化粧材基材71は、例えば紙、織布、不織布、金属箔、突板、樹脂フィルム乃至シート等の各種のシート材や、合板、パーティクルボード、中密度繊維板等の木質系材料、ガラス、陶磁器、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、木毛セメント板、スラグセメント板、軽量気泡コンクリート板等の無機質系材料、鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレス等の金属系材料、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体等の樹脂系材料等、或いはそれらの2種以上の混合物、複合体、積層体等が挙げられる。但し、その構成材料の全部又は一部として樹脂を採用する場合には、ポリ塩化ビニル樹脂やポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の様に塩素原子を含有する樹脂は避ける。基材層11、21、41、51や化粧材基材71の形状は、シート状の他、板状、柱状、各種成形体状のもの等がある。
【0008】シート状の化粧材である化粧シートを得るべく、上記基材層11、21、41、51をシート状の樹脂系材料から構成する場合には、熱可塑性樹脂を選ぶのが一般的であり、本発明では塩素原子を含有しない熱可塑性樹脂を採用する。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂等のオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体樹脂、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体樹脂又はその金属イオン架橋物(アイオノマー樹脂)等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等のポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、SBR等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロファン、酢酸繊維素、硝酸繊維素等の繊維素誘導体等、又はそれらの2種以上の混合物、複合体、積層体等が挙げられる。これらは染料又は顔料等の着色剤の添加混合により着色されていても良い。厚さには特に制限はないが、一般的には20〜500μm程度の範囲内から選ばれ、中でも50〜250μm程度の範囲内が最も好適である。
【0009】隠蔽ベタ印刷層22、32、52、62及び絵柄印刷層13、23、33、43、53、63は、染料又は顔料等の着色剤を適宜の結着剤樹脂中に分散してなる印刷インキや塗料等から構成される。その結着剤樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、或いはそれらの2種以上の混合物等のいずれであっても良いが、本発明においては塩素原子を含有しない樹脂を使用する。具体的には、熱可塑性樹脂としては例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、変性オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ケトン系樹脂、石油系樹脂、繊維素誘導体等、熱硬化性樹脂としては例えばウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、変性ロジン系樹脂、シリコーン系樹脂等、電離放射線硬化性樹脂としては例えば(メタ)アクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0010】透明樹脂層14、24、34、44、54、64は、少なくとも絵柄印刷層13、23、33、43、53、63が透視可能な透明性を具備する限りにおいて半透明や着色透明であっても良い。その構成材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂のいずれであっても良く、またそれらの混合物や複合体、積層体等であっても良い。但し、基材層を兼ねる透明樹脂層34、64の場合には、一般的には熱可塑性樹脂が採用される。熱可塑性樹脂としては例えばシート状の基材層11、21、41、51の構成材料として例示したもの等、熱硬化性樹脂としては例えばウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等、電離放射線硬化性樹脂としては例えば(メタ)アクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0011】その他、接着剤層45、55、着色インキ47、57、67、表面保護層48、58、68及び/又は易接着プライマー層49、59、69を設ける場合にあっても、塩素原子を含有しない樹脂を主成分とする材料を選定する。着色インキ47、57、67は絵柄印刷層13、23、33、43、53、63に、表面保護層48、58、68は透明樹脂層14、24、34、44、54、64に(但し、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂を採用することが望ましい)、それぞれ準ずる。接着剤層45、55や易接着プライマー層46、56としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、繊維素誘導体等が挙げられる。
【0012】本発明の化粧材は、染料又は顔料等の着色剤を含有している。着色剤は、化粧材基材71、基材層11、21、41、51、隠蔽ベタ印刷層22、32、52、62及び絵柄印刷層13、23、33、43、53、63の内の少なくとも1層以上には必ず含有されるのが一般的である。このいずれにも含有されていないのであっては、もはや意匠効果を有する化粧材としての役目を果たさないからである。また、エンボス46、56、66の凹部に着色インキ47、57、67が施される場合にあっては、該着色インキ47、57、67にも着色剤が含有される。その他、必要に応じて、接着剤層45、55、72、表面保護層48、58、68及び/又は易接着プライマー層49、59、69に着色剤が含有される場合もある。
【0013】本発明の化粧材においては、上記のいずれの層に含有される着色剤にも、塩素原子を含有しない着色剤を使用する。塩素原子を含有する着色剤を使用したのであっては、本発明の所期の目的が達成不可能となってしまうからである。着色剤としては、使用条件により要求される耐候性や耐光性、耐熱性、耐久性等の堅牢性を備えたものを選択する必要があり、その観点から顔料を使用することが望ましい。顔料には有機顔料と無機顔料とがあり、堅牢性の点では無機顔料を採用することが最も望ましいが、有機顔料であっても例えばフタロシアニン顔料や縮合多環顔料等の様に、特に堅牢性に優れたものを選択すれば使用可能である。これら無機顔料及び有機顔料のいずれも、塩素原子を含有しないものを選定して使用する。
【0014】無機顔料としては、黄色顔料として例えば黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、バリウムイエロー、オーレオリン、ジンククロメート、ストロンチウムイエロー等、紅色顔料として例えば弁柄、鉛丹、辰砂、カドミウムレッド、モリブデンレッド等、藍色顔料として例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、群青、紺青等、白色顔料として例えば二酸化チタン(ルチル、アナターゼ)、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、リトポン、チタノックス等、墨色顔料として例えばカーボンブラック、鉄黒等が挙げられる。
【0015】有機顔料としては、黄色顔料として例えばベンズイミダゾロン系顔料(C. I.Pigment Yellow 120、C. I. Pigment Yellow 154、C. I. Pigment Yellow 180等)、アントラキノン系顔料(C. I. Pigment Yellow 24、C. I. Pigment Yellow108等)等、紅色顔料としてジケトピロロピロール系顔料(C. I. Pigment Red 255、C. I. Pigment Red 264等)、アリルアマイド系顔料(C. I. Pigment Red 17、C. I. Pigment Red 22、C. I. Pigment Red 23、C. I. Pigment Red 170等)、アントラキノン系顔料(C. I. Pigment Red 168、C. I. Pigment Red 177、C.I. Pigment Red 216等)、キナクリドン系顔料(C. I. Pigment Red 122、C. I. Pigment Violet 19等)、ペリレン系顔料(C. I. Pigment Red 123、C. I. Pigment Red 149、C. I. Pigment Red 178、C. I. Pigment Red 179等)、ベンズイミダゾロン系顔料(C. I. Pigment Red 185等)等、藍色顔料としてフタロシアニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15、C. I. Pigment Blue 15:1〜6、C. I. Pigment Blue 16、C. I. Pigment Blue 17等)、アントラキノン系顔料(C. I. Pigment Blue 60等)等、墨色顔料としてアニリンブラック顔料(C. I. PigmentBlack 1)、下記化学構造式1で表されるポリアゾ系顔料等が挙げられる。
【0016】
【化1】

【0017】なお、上記した各種の顔料と同系統の顔料であっても、塩素原子を含有するものは、本発明の化粧材においては当然、使用不可である。例えば、アントラキノン系顔料のC. I. Pigment Orange 51、キナクリドン系顔料のC. I. Pigment Red209、ジケトピロロピロール系顔料のC. I. Pigment Red 254、アリルアマイド系顔料のC. I. Pigment Red 5、ベンズイミダゾロン系顔料のC. I. Pigment Brown 25、フタロシアニン系顔料のC. I. Pigment Green 7等は、分子中に塩素原子を含有するので、本発明の化粧材においては使用不可である。
【0018】本発明の化粧材に使用する顔料としては、上記した塩素原子を含まない点や堅牢性の点の他、色相(メタメリズムを含む)や濃度、分散媒たる樹脂との密着性や樹脂との反応性(化学反応による変褪色や樹脂劣化等)、また樹脂中に混練して熱成形する場合には熱流動特性、印刷インキ又は塗料の場合には印刷適性や塗工適性等を総合的に考慮して選定する必要がある。例えば、本発明者らの試作実験によれば、絵柄印刷用のウレタン系印刷インキに使用する顔料としては、ビヒクルとの分散性や経時安定性、印刷適性、乾燥後のビヒクルとの密着性、色相・濃度、透明性、マイグレーション性、耐候性・耐光性(フェードメーター60h〜200h、サンシャインウェザオメーター1000h〜2000h)、耐熱性(200℃〜225℃30分)等を総合的に考慮すると、黄色顔料としてはベンズイミダゾロン系顔料、紅色顔料としてはキナクリドン系顔料又はジケトピロロピロール系顔料、藍色顔料としてはフタロシアニン系顔料、墨色顔料としてはポリアゾ系顔料又はカーボンブラックが最も優れている。なお、基材層11、21、41、51等の熱可塑性樹脂層や隠蔽ベタ印刷層22、32、52、62等の着色のための着色剤としては、上記の顔料の他、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料(黄色酸化鉄、弁柄、鉄黒)又はコバルトブルー顔料等の無機顔料も好適に使用することができる。
【0019】
【実施例】<実施例1>酸化鉄系顔料及び酸化チタン系顔料を主体とし少量のカーボンブラック及びコバルトブルーを含む顔料組成物を5重量%添加して着色された厚さ90μmのランダム重合ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面をコロナ処理後、着色剤として塩素原子を含有しないベンズイミダゾロン系顔料(C. I. Pigment Yellow 180)を含有する黄色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないキナクリドン系顔料(C. I. Pigment Violet 19)を含有する紅色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないフタロシアニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15:3)を含有する藍色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤としてカーボンブラック及び塩素原子を含有しないポリアゾ系顔料(前記化学構造式1)を含有する墨色ウレタン系グラビア印刷インキ(以上、いずれも東洋インキ製造株式会社製「V192UR」)を使用して、グラビア印刷法により木目柄の印刷を施し、該印刷面に、塩素原子を含有しない2液ウレタン樹脂系ドライラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製「アドコート」)を介して、予め裏面にコロナ処理を施した厚さ70μmの透明アクリル系樹脂フィルム(ブチルメタクリレート共重合ポリメチルメタクリレート系、紫外線吸収剤0.3重量部、光安定剤0.2重量部配合)をドライラミネート法にて貼合し、該透明オレフィン系樹脂フィルムの表面に導管柄のエンボスを施し、しかる後、表面全面にコロナ処理を施し、前記した4色のグラビア印刷インキの調合にて黒褐色に調色したインキをワイピング法にて前記エンボスの凹部に充填し、更に、塩素原子を含有しない2液硬化型ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量5g/m2に施し、しかる後、裏面にコロナ処理後、塩素原子を含有せずシリカ粉末を含有する2液ウレタン系易接着プライマー剤を乾燥後の塗布量1g/m2に施して、本発明の化粧材である化粧シートを作製した。
【0020】<実施例2>厚さ90μmの透明なランダム重合ポリプロピレン系樹脂フィルムの表面をコロナ処理後、酸化鉄系顔料及び酸化チタン系顔料を主体とし少量のカーボンブラック及びコバルトブルーを含む顔料組成物を着色剤としてビヒクル100重量部当たり300重量部配合した2液ウレタン系グラビア印刷インキ(東洋インキ製造株式会社製)を使用してグラビア印刷法により乾燥後の塗布量10g/m2の隠蔽ベタ印刷層を形成し、次いで、着色剤として塩素原子を含有しないベンズイミダゾロン系顔料(C. I. Pigment Yellow 180)を含有する黄色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないキナクリドン系顔料(C.I. Pigment Violet 19)を含有する紅色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないフタロシアニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15:3)を含有する藍色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤としてカーボンブラック及び塩素原子を含有しないポリアゾ系顔料(前記化学構造式1)を含有する墨色ウレタン系グラビア印刷インキ(以上、いずれも東洋インキ製造株式会社製「V192UR」)を使用して、グラビア印刷法により木目柄の印刷を施し、該印刷面に、塩素原子を含有しない2液ウレタン樹脂系ドライラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製「アドコート」)を介して、予め裏面にコロナ処理を施した厚さ70μmの透明オレフィン系樹脂フィルム(ランダム重合ポリプロピレン樹脂85重量部、低密度ポリエチレン樹脂15重量部、紫外線吸収剤0.3重量部、光安定剤0.2重量部配合)をドライラミネート法にて貼合し、該透明オレフィン系樹脂フィルムの表面に導管柄のエンボスを施し、しかる後、表面全面にコロナ処理を施し、前記した4色のグラビア印刷インキの調合にて黒褐色に調色したインキをワイピング法にて前記エンボスの凹部に充填し、更に塩素原子を含有しない2液硬化型ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量5g/m2に施し、しかる後、裏面にコロナ処理後、塩素原子を含有せずシリカ粉末を含有する2液ウレタン系易接着プライマー剤を乾燥後の塗布量1g/m2に施して、本発明の化粧材である化粧シートを作製した。
【0021】<実施例3>予め表面に導管柄のエンボスが施された厚さ120μmの透明非晶質ポリエステル系樹脂フィルム(シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂系、紫外線吸収剤0.3重量部、光安定剤0.2重量部配合)の裏面をコロナ処理後、着色剤として塩素原子を含有しないベンズイミダゾロン系顔料(C. I. Pigment Yellow 180)を含有する黄色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないキナクリドン系顔料(C. I. Pigment Violet 19)を含有する紅色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないフタロシアニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15:3)を含有する藍色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤としてカーボンブラック及び塩素原子を含有しないポリアゾ系顔料(前記化学構造式1)を含有する墨色ウレタン系グラビア印刷インキ(以上、いずれも東洋インキ製造株式会社製「V192UR」)を使用して、グラビア印刷法により木目柄の印刷を施し、該印刷面に、酸化鉄系顔料及び酸化チタン系顔料を主体とし少量のカーボンブラック及びコバルトブルーを含む顔料組成物を着色剤としてビヒクル100重量部当たり300重量部配合した2液ウレタン系グラビア印刷インキ(東洋インキ製造株式会社製)を使用してグラビア印刷法により乾燥後の塗布量10g/m2の隠蔽ベタ印刷層を形成し、次いで、塩素原子を含有せずシリカ粉末を含有する2液ウレタン系易接着プライマー剤を乾燥後の塗布量1g/m2に施した後、表面全面にコロナ処理を施し、前記した4色のグラビア印刷インキの調合にて黒褐色に調色したインキをワイピング法にて前記エンボスの凹部に充填し、更に、塩素原子を含有しない2液硬化型ウレタン系トップコート剤を乾燥後の塗布量5g/m2に施して、本発明の化粧材である化粧シートを作製した。
【0022】<実施例4>厚さ80μmのアイオノマー樹脂シート(三井デュポンポリケミカル株式会社製「ハイミラン」)の裏面にコロナ処理後、2液ウレタン系プライマー剤(東洋インキ製造株式会社製「ラミスターメジウム」)をグラビアコート法により乾燥後の塗布量1g/m2に塗布し、該塗布面に、着色剤として塩素原子を含有しないベンズイミダゾロン系顔料(C. I. Pigment Yellow 180)を含有する黄色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないキナクリドン系顔料(C. I. Pigment Violet 19)を含有する紅色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤として塩素原子を含有しないフタロシアニン系顔料(C. I. Pigment Blue 15:3)を含有する藍色ウレタン系グラビア印刷インキと、着色剤としてカーボンブラック及び塩素原子を含有しないポリアゾ系顔料(前記化学構造式1)を含有する墨色ウレタン系グラビア印刷インキ(以上、いずれも東洋インキ製造株式会社製「V192UR」)を使用して、グラビア印刷法により抽象柄の印刷を施し、該印刷面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系プライマー剤(大日精化株式会社製「TMR」)をグラビアコート法により乾燥後の塗布量1g/m2に塗布し、斯くして作製した印刷シートの表面に厚さ200μmのアイオノマー樹脂シート(三井デュポンポリケミカル社製「ハイミラン」)を、裏面(印刷面)に厚さ3mmのエチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂系バッカーシートをそれぞれ重合し、温度120℃にて熱ラミネートすると同時に表面にエンボスを施して、本発明の化粧材である床材を作製した。
【0023】<性能試験>上記4種の本発明の化粧材について燃焼試験を実施したところ、塩素ガス及び塩化水素ガスの発生量は検出限界以下であり、残留灰中のダイオキシンの含有量も基準値以下であった。また、絵柄の色相や濃度、耐候性、耐熱性等の性能も、各種化粧材として十分な水準にあることが確認された。
【0024】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明の化粧材は、樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素原子を含有しない樹脂である化粧材において、前記着色剤として塩素原子を含有しない着色剤を採用したことにより、火災又は焼却処分等による燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガス、ダイオキシン等の有害物質を発生するおそれがなく、使用上又は廃棄処分上人体や環境に害を及ぼすことのない、極めて安全性の高い化粧材である。
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−334892(P2000−334892A)
【公開日】 平成12年12月5日(2000.12.5)
【出願番号】 特願平11−144599